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2012.02.27

■新刊メモ 神林長平『いま集合的無意識を、』 ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』

Photo神林長平『いま集合的無意識を、』

"30年以上SFを書いてきたぼくは、第一線をはなれたような気分になっていた・・・・・・
ベテラン作家が、伊藤計劃『ハーモニー』と3・11後のフィクションの可能性を考察する表題作、
深井零がパーソナルなコンピュータを追い求めた記憶を 語る《戦闘妖精・雪風》シリーズのスピンオフ「ぼくの、マシン」、
多世界解釈を巡る異色スペースオペラ「かくも無数の悲鳴」など、
変遷し続けるコミュニケーションの様相を切り取った全6篇を収録"

 表紙が素晴らしい。
 3・11後、SFマガジンに掲載された表題作で示された神林長平の決意「圧倒的なリアルに対抗するには優れたフィクションしかない」という言葉が本の形で読める。
 そして、期待しているのは、震災後の新作長篇はいつ発表されるか、である。
 何かどこかに情報があれば、御教示下さい。

ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』

"電話ボックスを相続した少年は、その番号に何度もかけてみる。誰も出るはずのない電話だが、あるとき彼が愛するTVドラマの主人公が出て、助けを求めてき た――異色の青春小説たる表題作ほか、国をまるごと収めたハンドバッグの遍歴を少女が語る「妖精のハンドバッグ」、なにかに憑かれた家を買った家族の騒動 を描く「石の動物」など、アメリカ文学の新潮流をかたどる女性作家による瑞々しくも不思議な感触を残す全九篇"

 これ、傑作です。
 文庫化を祈念して、以前感想をまとめた当Blog記事紹介w。
『マジック・フォー・ビギナーズ:Magic for Beginners』

" このケリー・リンクの作品には、奇妙な幻影のような事物で表象するしかないような複雑な何ものかの感覚が漂っている。それは必ずしも負のイメージばかりで はないのだが、我々が抱えてしまっている現実の個々に先鋭化し一言でくくれない何ものかは、こんなアプローチが必要なほどこんがらがっているのか、という 感慨を抱かずにはおれない。"

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