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2012.03.22

■感想 ラース・フォン・トリアー監督『イディオッツ : Idiots』

The_idiots_theatrical_poster

 ラース・フォン・トリアー監督『イディオッツ : Idiots』を観た。

 僕は、最近作の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』『マンダレイ』以降の"にわか"トリアーファンなのだけれど、先日『メランコリア』を観て、過去作もひとつづつ全部観ておきたいと思うところがあり、まずは手頃に近所のレンタル屋に昨年入ったこの作品を観た(田舎だとラース・フォン・トリアー作品の過去作のレンタルは至難なのですw)。

 で、感想。これは辛い作品だった。まず僕が観たトリアー映画で最低w。

 手持ちのハンディカムで撮られた荒い映像、ただの一般的なデンマークの家をセットとした低コストの作り。これらによるチープな画面は、まだいい。
 酷いのはそれが描くある小集団のグループの酷い姿が眼に余る。映画は、障がい者の演技をして街の人々をあざ笑うグループのメンバーを描き出す。ある程度、そのような行為をしてしまう彼らを作り出した社会のいびつを描いているのかもしれないが、その描写は、悪ふざけの域を出ていないのではないか、と僕には思えた。

 DVDに収録されているインタビュー映像を見ると、本作はきっちりしたシナリオがあるわけでなく、その場で俳優たちのアドリブを多用して撮られているという。
 下にあるデンマーク映画界の運動「ドグマ95」に基づくもののようだ。

 しかしこのフリーさが現場の異様な雰囲気を作り出しているのだけれど、いい加減さを際立たせている。そしてテーマがテーマだけにそのいい加減さが仇となっている。

 トリアーファンでも、全作観ておきたい、という方以外には御薦めできない。
 「ドグマ95」で撮られた他の監督の作品で、成功しているものはあるのだろうか。一度、観てみたいものである。

◆関連リンク
 イディオッツ★ラース・フォン・トリアー Dogme95

"ドグマ95とは1995年--映画生誕100年を祝う最中---デンマークの4人の映画作家によって作られた映画憲章です。発案はジェロ・ビアフラによって起こされラース・フォン・トリーアーもこの4人の中に含まれています。"

・ドグマ95 - Wikipedia

"「純潔の誓い」
1. 撮影はすべてロケーション撮影によること。スタジオのセット撮影を禁じる。
2. 映像と関係のないところで作られた音(効果音など)をのせてはならない。
3. カメラは必ず手持ちによること。
4. 映画はカラーであること。照明効果は禁止。
5. 光学合成やフィルターを禁止する。
6. 表面的なアクションは許されない(殺人、武器の使用などは起きてはならない)。
7. 時間的、地理的な乖離は許されない(つまり今、ここで起こっていることしか描いてはいけない。回想シーンなどの禁止である)。
8. ジャンル映画を禁止する。
9. 最終的なフォーマットは35mmフィルムであること。
10.監督の名前はスタッフロールなどにクレジットしてはいけない。"

ラース・フォン・トリアー『イディオッツ』

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