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2012.11.07

■情報2 大口 孝之、谷島 正之、灰原 光晴『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』

3dvssf

3D世紀|書籍情報|株式会社ボーンデジタル.

" 人類がこれまでに作った700本以上の3D映画を画像資料882点とともに総まくり! 3Dまみれの632ページ。

 2009年に衝撃をもって迎えられた『アバター』以降、もはや当たり前となった感のある「3D映画」。 しかし、3D映画は『アバター』によって突如生まれたものではありません。 そこには「立体的に見える映像」を追求しつづけた、100年に亘る先人達の挑戦と挫折があったのです。
 映画という技術の誕生直後から始まった「3D世紀」。その足取りを黎明期から現代に至るまで追い続けた、3D映画史の集大成です。 本書は3つの章から構成されており、3D映画(映像)史、国産3D映画を製作したプロデューサーによる製作記、3D映像の技術解説という切り口で、3D映画という広大な世界を明らかにします。"

 大口孝之,谷島正之,灰原光晴3氏による大部の研究書『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』がついに出版された。
 大口孝之氏のパートでは、ここ100年間の3D映画の歴史、全世界(ロシア、中国、インド他網羅)700本以上について、みっちりとした小さな字ではち切れんばかりの情報量で語られている。
 このボリュームは凄い。映像研究書としては、かつて中子真治氏が書いた『超SF映画』に匹敵する情報密度。まさに偉業と呼べる画期的な一冊。

 並べて比較してわかったのだけれど、まさに、この本は『超SF映画』ならぬ『超立体映画』だ(^^;)!

 つい、興奮してしまったがw、冷静に比較してみると『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』は扱っている作品が700本以上、図版882点、A5判型で全632ページ(大口氏パート 立体映画の歴史は348ページ)。
 対して、中子真治著『超SF映画』は、作品900本、図版1000点、A4判型で全450ページ。

 並べてみると、まさに両雄合いまみれるといった壮観な映像研究のページェントが眼前に展開する。
 これから丹念に『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』を堪能していこうと思う(字が小さいので、老眼入りはじめた眼が着いてゆくか少々心配(^^;)ってくらい過密に情報が圧縮封じられている)。

 最後に気づいた両著に関するチップスw。
 大口孝之氏が岐阜県岐阜市、中子真治氏が岐阜県下呂市と共通して、同じ岐阜の北と西の御出身。
 岐阜は何か映像研究のホットスポットなのだろうか(^^;)。同郷として大変誇らしいものがあります。

◆関連リンク
[CGWORLD 2012]“3D映像の盛衰とこれから”が語られた大口孝之氏の講演「3D世紀 立体映画の100年」をレポート。3D映像の歴史を俯瞰できる資料の数々も一見の価値あり(4Gamer.net)
 『3D世紀』に納められた図版の一部が使用され、ステレオ3D映画の歴史が語られています。
大口孝之氏の新刊『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』(Amazon)
・超SF映画ついでに。 : 飛騨高山 留之助商店 店主のブログ

"思えばむかしむかし、はるかかなたの(でもないけれど1980年の夏)世田谷区三軒茶屋で“超SF映画”は生まれました。 明治大学SF研究会の菊島、大沼、杉本という三傑SFマニアを助手に、およそ6カ月でものにした450ページ。 映画が誕生したばかりの1897年から1980年5月21日アメリカ公開された“スター・ウォーズ/帝国の逆襲”に至る外国SF映画のすべて(全900作品)を、日本未公開作品も含めて、製作国公開年度順、同一年度原題アルファベット順に並べた事典みたいなものです。 使用した図版は1000点以上あったかと。"

藤津亮太のアニメの門チャンネル - ニコニコチャンネル:社会・言論.

"藤津亮太のアニメの門生放送!第3回「2012年は3DCGアニメ元年となるか!?」"

 大口氏が出演されたニコニコ生放送。
 実況は僕のTwilogのこちら11/2 22:00〜を御覧下さい。
 そこで大口氏が今年一番のS3D映画の収穫として挙げられていた一本が下記のドキュメンタリーです。
『フラッシュバック メモリーズ 3D』(公式HP)

"一時はディジュリドゥが楽器であることすらわからないほど記憶を失っていたGOMAがリハビリ期間を経て徐々に復活する過程を、GOMAと妻すみえの日記を交えて振り返りつつ、突然異なる映像が頭の中に飛び込んでくる症状「フラッシュバック」をアニメーションで表現。WWWで行なわれたGOMAのスタジオライブの模様と過去映像、そしてフラッシュバックが共存する、文字通り「全く新しい形の3D 映像作品」であり、まぎれもない「家族愛の物語」である。"

 予告篇、良いです。
 11/4(日)『フラッシュバックメモリーズ3Dができるまで ~松江哲明的ドキュメンタリー映画の作り方~』という講座が渋谷で18:00からあったとのこと。ドキュメンタリーでしかもアニメーションも使った3D映像とのことで大変興味深い。

・当Blog関連記事
 ■情報 大口 孝之,谷島 正之,灰原 光晴,古賀 太朗『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』
 ■大口孝之氏の特殊映像データベース『特殊映像博物館』

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コメント

大口さん、おはようございます。

>>“ある物”をお送りしました。
>>喜んでいただければ幸いです。

心づかい、誠に恐縮です。
何でしょう?ワクワクします!(^^)
本当にありがとうございます!
届くのを楽しみにさせていただきます。

>>また雑誌「キネマ旬報」12月上旬号に、「3D世紀」の著者3人と、
>>「フラッシュバックメモリーズ3D」の監督である松江哲明さんに
>>よる座談会が収録されました。なんと10ページにも渡る記事にな
>>ってます。

3D三昧の座談会ですね(^^)!
こちらも楽しみに拝読させていただきます。
「フラッシュバックメモリーズ3D」、名古屋の上映も検討
されていると、公式twitterさんから聞きましたので、是非見
たいと思っております!

投稿: BP(大口孝之さんへ) | 2012.11.22 07:05

大口孝之です。“ある物”をお送りしました。
喜んでいただければ幸いです。

また雑誌「キネマ旬報」12月上旬号に、「3D世紀」の著者3人と、「フラッシュバックメモリーズ3D」の監督である松江哲明さんによる座談会が収録されました。なんと10ページにも渡る記事になってます。

投稿: 大口孝之 | 2012.11.21 21:26

 大口孝之さん、こんにちは。
 コメント、ありがとうございます!

>同級生にアニドウの会員がいたもので、それで誘われる内に通うようになりました。私は現在、女子美術大学短期大学部や、東京芸術大学大学院映像研究科アニメーション専攻などで非常勤講師としてアニメーション論を教えていますが、それはこの当時に得た知識がベースになってます。

 私はずっと東海地方在住なので、東京の上映は行ったことないですが、名古屋に並木孝さんが年に一回くらい遠征に来られていたので、学生時代に自主アニメ上映会は観たことがあります。

 アニメ上映におけるアニドウの功績って凄いですね。

>お譲りしたい資料などもありますので、個人的メールをいただければありがたいです。

 ありがたいお言葉、たいへん感謝です。
 メール御送りしたいのですが、大口さんのアドレスをネットで探してみましたがわからないため、申し訳ないですが、下記の私のアドレスに空メールで結構ですので、メール頂けないでしょうか。

 宜しく御願い致します。

butfilp@
(@の後ろは「gmail.com」です。スパムよけでわかりにくくてすみません。)

投稿: BP(大口孝之さんへ) | 2012.11.18 17:55

>杉本五郎さんのコレクション! アニドウ周辺の上映会でしょうか。

 そうですね。同級生にアニドウの会員がいたもので、それで誘われる内に通うようになりました。私は現在、女子美術大学短期大学部や、東京芸術大学大学院映像研究科アニメーション専攻などで非常勤講師としてアニメーション論を教えていますが、それはこの当時に得た知識がベースになってます。

>「特殊映像博物館」と「究極映像研」は、同じ大伴さんの血/知を継ぐ兄弟と勝手に思っておりました。

 お譲りしたい資料などもありますので、個人的メールをいただければありがたいです。

投稿: 大口孝之 | 2012.11.18 10:47

 大口孝之さん、貴重なコメントを頂き、大変恐縮です。また御返事が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

>>岐阜と映像研究に関係があるとすれば、当時名画座も県内になく、旧作の鑑賞がほとんどできなかったということが影響しているように思います。

 同感です。私もそんな飢餓感(^^;)はかなりありました。
 東濃地方に今も住んでいますが、実はこちらは岐阜市周辺と明らかに異なり、未だに映画環境が最悪で、シネコンすらない状況です。

>>それで上京してからは、むさぼるように名画座に通ったり、杉本五郎コレクションの上映会などに足を運んだものです。このあたりの飢餓感が関係しているように思えます。

 杉本五郎さんのコレクション! アニドウ周辺の上映会でしょうか。

>>中子さんとは、レーザーディスクの副音声の収録で御一緒したことがありますが、郷里の話はしませんでしたので、中子さんも同じ理由かどうかは分かりません。

 飛騨地方も未だに映画環境は良くないですね。
 中子さんも、Blogで、映画を関市まではるばる高速道を使って、見に来られている様な事を書かれていました。

>>私が研究テーマに3Dを選んだ理由は、それが従来の映画史からまったく無視されていた存在だったからです。同様に、ジャイアントスクリーン、マルチスクリーン、ドームスクリーン、シミュレーション・ライドなどの博展映像やアトラクション映像なども、映画批評、フィルムアーカイブなどから完全に無視されています。これを普通の劇映画と同様に、研究対象、保存対象とすべきだというのが、私の持論です。

 映画がこうして進化しているのに、相変わらずハリウッド系エンタメ映画のみが重用されているのは、経済原理と密に関係しているとは言え、寂しいですね。

>>例えば、市川崑監督の作品中、最も予算が掛かっており、観客動員数も最大だったフィルムを御存じでしょうか。それは日本万国博・日本館で上映された、「日本と日本人」という作品です。

 噂には聞いていますが、万博で私は観たこともなく、まさに幻の映像です。
 博覧会上映後のマルチ映像作品の二次利用
 こちらに一枚だけ写真が掲載されていますが、今後、どこかでこういう映像がアート作品としてしっかり保存上映される環境が望まれますね。

 幕張にあった富士通のシアター(そこで「ユニバース2」を再見出来た時は感激でした)のようなものが、恒久的に出来上がる未来の到来を信じたいものです。

>>劇映画と博展映像を区別することなく批評の対象にしていたジャーナリストに、故・大伴昌司さんがおられますが、その大伴さんがSFマガジンに連載されていたコラムのタイトルが「トータル・スコープ」でした。

 私もSFMのバックナンバーを学生時代に(鶴舞とか岐阜の我楽多書房とか)古本屋で見つけ、むさぼる様に「トータル・スコープ」を読んでいました。
 実は「究極映像研」の究極は、この"完全映画"の意味もかけております(^^;)。名前に恥じる様な記事が多いので僭越なのですが、、、。

>>これは安部公房の短編集「カーブの向こう・ユープケッチャ」に登場する“完全映画”の名称です。大伴さんは、このトータル・スコープを実現させるアイデアと、少年マガジンのグラビアで表現されていました。それがドームスクリーンに投影されるイメージだったので、私の人格形成にも多大な影響をもたらしました。

 先日、東京であった大伴昌司展にて、その「トータル・スコープ」のグラビアの原画を拝見する後期に恵まれ、感激でした。

 大口さんの「特殊映像博物館」は、ジャイアントスクリーン他、大伴昌司さんの香りがとても強く、拝見した時は、本当に感激でした。

 貧相な研究しか出来ていないので、並べるのは本当に僭越ですが、「特殊映像博物館」と「究極映像研」は、同じ大伴さんの血/知を継ぐ兄弟と勝手に思っておりました。

 今後とも、交流させて頂きたく、宜しく御願い致します。

投稿: BP(大口孝之さんへ) | 2012.11.11 12:09

岐阜と映像研究に関係があるとすれば、当時名画座も県内になく、旧作の鑑賞がほとんどできなかったということが影響しているように思います。自分の好きな特撮映画について語れる仲間もおらず、地元の映画サークルに入っても、まったく話が噛合いませんでした。

それで上京してからは、むさぼるように名画座に通ったり、杉本五郎コレクションの上映会などに足を運んだものです。このあたりの飢餓感が関係しているように思えます。

中子さんとは、レーザーディスクの副音声の収録で御一緒したことがありますが、郷里の話はしませんでしたので、中子さんも同じ理由かどうかは分かりません。

私が研究テーマに3Dを選んだ理由は、それが従来の映画史からまったく無視されていた存在だったからです。同様に、ジャイアントスクリーン、マルチスクリーン、ドームスクリーン、シミュレーション・ライドなどの博展映像やアトラクション映像なども、映画批評、フィルムアーカイブなどから完全に無視されています。これを普通の劇映画と同様に、研究対象、保存対象とすべきだというのが、私の持論です。

例えば、市川崑監督の作品中、最も予算が掛かっており、観客動員数も最大だったフィルムを御存じでしょうか。それは日本万国博・日本館で上映された、「日本と日本人」という作品です。

でもこの作品のフィルムはおろか、当時の機材や資料は何も残っていませんし、市川監督の作品リストにも載っていません。撮影・上映システムは、35mm 8パーフォレーションのビスタビジョンを8台も連動させた、現在でも世界最大のものです。

劇映画と博展映像を区別することなく批評の対象にしていたジャーナリストに、故・大伴昌司さんがおられますが、その大伴さんがSFマガジンに連載されていたコラムのタイトルが「トータル・スコープ」でした。

これは安部公房の短編集「カーブの向こう・ユープケッチャ」に登場する“完全映画”の名称です。大伴さんは、このトータル・スコープを実現させるアイデアと、少年マガジンのグラビアで表現されていました。それがドームスクリーンに投影されるイメージだったので、私の人格形成にも多大な影響をもたらしました。

投稿: 大口孝之 | 2012.11.08 05:22

大口孝之さん、コメント、ありがとうございます!

大変失礼しました。御出身地、訂正致します。
中子真治氏のSFX映画研究と、大口さんの「ユニバース2」に刺激を受け(その映像を評した吉本隆明氏の「究極映像」の言葉を借りて(^^;))、このようなBlogをやっておりますので、つい2著を比較するような乱暴な表現をしてしまいました。
読了後、しっかりした感想は、改めて書かせていただこうと、思っております。

素晴らしいご本、ありがとうございます。

投稿: BP(大口孝之さんへ) | 2012.11.07 08:28

どうも著者の大口孝之です。
ちなみに私の出身地は、岐阜県岐阜市です。

投稿: 大口孝之 | 2012.11.07 07:19

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