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2012年9月23日 - 2012年9月29日

2012.09.28

■感想 ジョス・ウィードン監督『アベンジャーズ』 Avengers


映画『アベンジャーズ』 - 最新予告編 (日本語字幕) - YouTube

 ヒューゴ賞受賞監督ジョス・ウィードン監督『アベンジャーズ』練られた脚本と物量作戦の映像、まさにお腹いっぱい。制御が効かないハルクの描写が面白い。死をたたえた様な憂鬱な役者の顔と演技。そして暴走。あれはSFですねw。

 巨大飛行空母の光学迷彩とか…ディーテイルもみせる。
 物量のCGには批判もあるかもしれないけれど、昔からマットペインティングで架空の画面を描いてたことを考えれば、絵筆が変わっただけでその進化は特筆して良いと想う。

 それにしてもこの映像の物量シャワーは人の映像処理能力を超えているな(^^)。飛行機のわずか5インチの機内モニタでも情報を処理しきれない w。
 今後、宇宙での抑止力となったアベンジャーズの活躍楽しみに。

 そして破壊されたレストランでの無言のシーンのエスプリも素晴らしい(^^)

◆関連リンク
ジョス・ウィードン - Wikipedia

"2005年、彼は『セレニティー』の監督・脚本を務め、2006年のヒューゴー賞 Best Dramatic Presentation, Long Formを受賞した。"

ジョス・ウィードン監督・脚本『セレニティー』

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2012.09.26

■感想 岩井俊二監督『ヴァンパイア』Vampire

 

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岩井俊二 小説『ヴァンパイア』 幻冬舎

"惹かれあう孤独な魂たち。この世の果ての恋物語ーー。鬼才・岩井俊二が脚本・監督・音楽・撮影・編集・プロデュースを務める映画の原作!

「死ぬなら君の血をくれないか」
「僕はヴァンパイアなんだよ」"

 『ヴァンパイア』@TOHOシネマズ名古屋ベイシティ初日 11:00~。
   岩井俊二監督 舞台挨拶
に行ってきた。

 『ヴァンパイア』とても静謐な映画だった。劇中で使われた死の方法と同じように静かに死が沁み入ってくるような…。

 物語よりも複雑な何かを描いた映画。エンドタイトルで何かが背筋をじわりと走って行くのだけれどそれは言語化できない。60兆の細胞と8%の血液が私に話しかけるざわめき…劇中のキーワードを使って述べると、こういったところだろうか。

 精神へのゴシックな物語の大量投与が生んだ吸血症:ヘマトフィリア。
 それと現代的な死の問題との掛け算で発生した北米の片隅の物語。映画は静かにその光景を追い、やがて行きつく美しい…。
 作品全体に、フラクタルに死が潜んでいるような…。
 一つ一つのセリフがじわりと背中を震わせる感覚…。

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 主演のふたり、ケヴィン・ゼガーズ:Kevin Zegersアデレイド・クレメンス:Adelaide Clemensが凄く良かった。
 前者の茫洋とした奇妙な存在感、後者の背負ったものの重さを底にたたえ、なお少女的な空気感。
 地下室の青空が象徴的な二人の関係が素晴らしい。しかしそこに容赦のない、監督のシニカルな展開。悲しすぎますね。

 こう綴ってきても多分映画の魅力の8%も語れてない。
 傑作『スワロウテイル』は物語がその中心を占めていたが、その後は個々のエピソードと情景が映画を占有して一本の作品としてのダイナミズムが落ちていたような…。今回はその延長上だけれど、大きな潮流が生み出されている。
 それは前述したフラクタルの効果によるのかもしれない。

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 余韻を鑑賞したかったので、映画のあとに監督の語りは聞きたくない…って気分だった(^^)。とは言えその風貌が主人公ケヴィン・ゼガーズにどことなく似ていて、湛えるものを重く感じながら拝聴するw。映画監督って、自分に似た人を配役する場合と、逆があるけれど、今回は舞台挨拶でまさに岩井監督が前者であることが明確に。

 挨拶ではこの映画の誕生と英語ネイティブへの苦労が語られた。
 興味深かったのは、映画のタイトルが重複しないように申請するが、このタイトルは1940年頃のスパイ映画があったきりとか。まさに新しいヴァンパイア映画でこのタイトルしかない気がしてくる。
 閑話休題 IMDbで調べてみると、このスパイ映画はたどり着けませんでした…。あれ、ジョン・カーペンターの"Vampires "(1998) そうかこれは複数形の"s"が…。

 今回の映画は岩井監督が英語のみで生活し、ネイティブの感覚をできるだけ取り入れたものだということ。ダイアローグにこだわる、氏らしいアプローチだと思った。
 その結果は、まさに洋画然として、それでいて岩井監督の作品以外ではあり得ない映像として結実していた。これでハリウッドでの岩井監督の認知度は確実にあがったのではないか。素晴らしい監督であることが英語圏の映画人に明確にアピールできていると思う。
 岩井監督のこのハリウッドアプローチは、間違いなくビッグバジェットの大作企画があるからに違いない。いずれ登場するその映画を今は夢想したい。

 最後に蛇足。
 パンフは買わない方が良かった。樋口尚文氏と中森明夫氏のエッセイが何とも…。特に前者。通りのいい解釈だが、映画でしか描け ないあの映像と音楽とダイアローグによる繊細な独特の構築物に迫れていない。代わりに岩井俊二による小説を買えば良かった…。

 今回は、プレミアムスクリーン2という会場だっけれど素晴らしい環境だった。
 この劇場、シート個々に肘掛けが付きリクライニングできて通常より2割程幅広で最高(^^)!

◆関連リンク
vampire(公式サイト)
side by cide(公式Blog)

"ある調査によれば、血を飲む趣味のあるヘマトフィリアの人は アメリカだけでも5万人はいると言われているそうだ。(略)

血液には吐き気をもよおさせる作用がある(略)
理由はよくわかっていないらしくて、
でも少なくとも精神的な問題ではないらしい。"

 なかなか興味深い。こんな映画が出てきていなかったのが不思議という事か。
 ヘマトフィリア:haematophilia - Google 検索すると日本にもそれなりにいるようです。(もちろん、これらの書き込みが本当かどうかは不明ですが…)。あ〜胸が悪くなる。個人的には一生触れたくない世界だ。
・岩井俊二監督の新作、全編英語作「ヴァンパイア」公開日決定

"同作は、岩井監督がカナダを舞台に全編英語で撮り下ろした“吸血鬼映画”。自ら演出・脚本・音楽・撮影・編集・プロデュースと1人6役を務めるなど、“岩井ワールド”が炸裂した作品だ"

・Vampire movie trailer - YouTube
 予告篇。
@sindyeye 岩井俊二監督 Twitter 

岩井俊二,奈良美智,蒼井優,斎藤環,清水康之『ユリイカ2012年9月号 特集=岩井俊二 』〜『Love Letter』『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』から『ヴァンパイア』へ、未知なる映像を求めて

当Blog関連記事
■感想 岩井俊二監督の小説『番犬は庭を守る』
■岩井俊二監督 『花とアリス』
岩井俊二関連記事 - Google 検索

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2012.09.24

■情報 デイヴィッド・リンチ展 〜暴力と静寂に棲むカオス@ラフォーレミュージアム原宿

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デヴィッド・リンチの大規模展覧会 ラフォーレ原宿で開催 | Fashionsnap.com

"会期:2012年11月10日(土)〜12月2日(日)
 David Lynch(デヴィッド・リンチ)の大規模展覧会「ヴィッド・リンチ展 〜暴力と静寂に棲むカオス」が、11月10日よりラフォーレミュージアム原宿で開催される。新作絵画やドローイング、写真などのアート作品と実験的な短編映画、全80点を展示・上映。"鬼才"と呼ばれるDavid Lynchの表現世界の本質に迫る。

 本人のサポートのもと開催される「ヴィッド・リンチ展 〜暴力と静寂に棲むカオス」では、絵画32点、ドローイング9点、写真34点、計75点のアート作品のうち72点が日本初公開。また映像作品においても、 5本の短編映画のうち、1本が日本初上映となる。会場は、絵画作品の展示スペースと仮設のシアターを入れ子構造に組み入れた迷宮のような構成。絵画と映画という既成の枠組みを取り払い、David Lynchが一貫して描き続けている"深層心理の潜在的ヴィジョン"にアプローチする。"

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デヴィッド・リンチが描く深層心理の潜在的ビジョンに迫る展覧会、短編映画も上映 -art-designニュース:CINRA.NET

"フランスのカルティエ現代美術財団やドイツのマックス・エルンスト美術館で大型の個展を開催したほか、2010年には今までの長年にわたる創作活動の業績を称 えられ、美術界において権威ある『Goslar Kaiserring award for 2010』にも輝いている。"

 これは期待の美術展!

 デイヴィッド・リンチのラフォーレの展示会、作品数75点とのこと。
 2007年パリのカルティエ財団美術館の『The air is on fire』展が約300点の回顧展だったので約1/4の規模!(当Blog記事 The air is on fire展情報 )

 おそらく日本でのリンチ最大の美術展。楽しみでなりません。
 下記の当Blog関連記事リンクにある数々の海外回顧展の作品がいよいよ纏めた量、日本で観られるのである。最近、映画からアートへ活動の場を転換しているデイヴィッド・リンチの日本での評価が進むのを期待したい。

<引用画像>
『I HAVE A GUN』2012年 oil+mixed media on canvas 60.96cm×60.96cm
『BOB’S SECOND DREAM』2011年 mixed media on cardboard 182.88cm×274.32cm

◆関連リンク
David Lynch: Paintings & Sculptures - YouTube
 引用した下の絵『BOB’S SECOND DREAM』はWilliam Griffin Gallery in Santa Monica, CA.で展示されたもの。その展示の様子。
David Lynch at TILTON GALLERY - YouTube
 2012年のNew York TILTON GALLERYのデイヴィッド・リンチ展にて、絵画をいろいろな方向に周り込んで拡大して撮った動画。油絵の具に塗込まれた歯とかのマテリアル感がびんびん伝わってくる。リンチの偏執的な筆致!


David Lynch erhält den Kaiserring 2010 in Goslar - YouTube
 『Goslar Kaiserring award for 2010』授賞式の様子。
週刊 『フクダデスガ』:David Lynch "DARKENED ROOM"at "Six" Comme des Garcons: Beyond darkness or No room to run

当Blogデイヴィッド・リンチ アート展関連記事
■デヴィット・リンチ絵画展@パリ ジ・エアー・イズ・オン・ファイアー展  David Lynch "the air is on fire"
■感想1 デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six
■感想2 映画 「デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six
■情報 ディヴィッド・リンチ個展@ニューヨーク David Lynch’s "Bob's Second Dream"@NY
■情報 ディヴィッド・リンチ個展 二題。David Lynch "Bob's Second Dream" @ NY Tilton Gallery, "Man Waking from Dream"
■デイヴィッド・リンチ ギャラリー・ラフェイエット展示  David Lynch Machines Abstraction and Women Exhibition Paris
■デイヴィッド・リンチ AFI Fest 2010映像 & リトグラフ展 "David Lynch Lithos 2007-2009"
■情報 『ツイン・ピークス20周年記念 アート展』"Twin Peaks; Fire Walk with Me" group art exhibition

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