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2013年3月

2013.03.29

■感想 倉本聰 原作・脚本、岡本喜八監督『ブルークリスマス』"Blood Type : Blue"

Blood_type_blue_2

ブルークリスマス - Wikipedia

"その過程として倉本は、放送メディアを利用した政治的プロパガンダを執拗に描く。こうした形でのメディア批判が行われた背景には、NHK大河ドラマ『勝海舟』におけるスタッフとの衝突などで倉本の中に芽生えたテレビ局不信がある。倉本はこの不信感を、テレビ局を舞台にしたテレビドラマ『6羽のかもめ』(1976年)にこめて既に描いており、『ブルークリスマス』はその路線を更に推し進めた作品となっている。

一般には仲代達矢主演の第一部が岡本タッチであり、第二部の勝野洋竹下景子のラブストーリーが倉本タッチと言われているが、むしろ後者の方に岡本タッチが如実に現われていると本人は語っている。"

 倉本聰 原作・脚本、岡本喜八監督のSF『ブルークリスマス』録画初見。
 これ、高校時代にキネ旬で先に発表された倉本の脚本「UFO ブルークリスマス」を読んで以来観たかったもので、やっと観られて感慨深い(^^;)。

 思った以上にリアルに描かれた迫真のポリティカルフィクション。特撮を排してこれだけのSFドラマを当時構築されていたのに、今更ながら感動です。

 特にシチュエーションと人物をテンポよく描く、冒頭のシーンが素晴らしい。
 飛躍が多いカット割りだけれど、スピーディな展開が気持ち良い。後半、TV局員の南から視点が移った後は、平均的な展開なのだけれど、南も絡ませて冒頭のテンポで突っ走っていたら凄い傑作!

 ただ、謀略の密度が言葉で説明されていて、国防庁特殊部隊員沖の最後の行動は説得力にかけるというか…。シンジくんの暗黒くらい追いつめて欲しかったな〜と鬼の様なことを考えてしまったw。

 そして燻し銀の、天本英世&岸田森の共演シーンが最高。
 天本英世、最高の芝居ですね。セリフはほとんどなく、立ち振る舞いだけで映画にあの雰囲気を立ち上げてしまう力量が素晴らしい。全篇でもっと活躍する役回りを振って欲しかったものです。岸田森との共演シーンは日本SF映像史に残るシーンですね(^^;)。

 それにしても戦後のムードを色濃く残した物語展開と映像の雰囲気。立ち上るこの感じには熱が出そうな重みがありますね。このムードとクリスマスの情景とヒューマノイドが歌う軽く上滑りしていく「ブルークリスマス」の楽曲。
 この融合が溜りませんw。

◆関連リンク
・主題歌 ブルークリスマス Char - YouTube
・サントラ Masaru Satō - BLUE CHRISTMAS (1978) - YouTube
 佐藤勝の音楽、懐かしくも素晴らしい。
うまくいってる? 『激動の昭和史 沖縄決戦』『ブルークリスマス』庵野秀明、樋口真嗣スペシャルトークショー

倉本聰 脚本『ブルークリスマス』  シナリオ本。現在、絶版。
岡本喜八監督 DVD『ブルークリスマス』

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2013.03.27

■映像 ライリー・リンチ監督 "Four and a Half Days by Riley Lynch" (2012) Riley Lynch

Four and a Half Days by Riley Lynch (2012)

Twitter / DAVID_LYNCH

"Dear Twitter Friends, I just found out my youngest son Riley has a Kickstarter page. Please check it out at http://kck.st/YTI7iA"

Twitter / DAVID_LYNCH: I really loved the first film ....

"I really loved the first film he shot, "Four and a Half Days," which he mentions on his page."

 デイヴィッド・リンチがtwitterでつぶやいた息子、ライリー・リンチの監督したショートムービーを紹介する。
 デイヴィッド・リンチによれば、これが初監督作であるライリー・リンチ。
 映像と音響が、まさに父親譲りの妖しい雰囲気に魅せられる。
 リンチ風映像は、ちまたにいろいろとあるけれど、単なる表面上の真似でなく、にじみ出てくるものがあると思うのは僕だけであろうかw。
 DNAの成せる技というのは冗談にしても、これは今後が期待される。

UNTITLED RILEY LYNCH PROJECT by Riley Lynch — Kickstarter

 そしてそんな若き秀英監督 ライリー・リンチがキックスターターで基金を募集するのが、彼の新しい映像作品。
 既に$5000の目標は達成しているようで、これからの制作が期待される。

◆関連リンク
Riley Lynch - YouTube
 こちらに他の作品もあるが、PVとか音楽ライブ映像のようである。
Riley Sweeney Lynch (Riley_S_Lynch) Twitter
 さっそくtwitterでフォローしました。Facebookは同姓同名の15歳のミュージシャンはいたけれど、たぶん別人でヒットしませんでした。

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2013.03.25

■予告篇 パトリス・ルコント監督『The Suicide Shop(ザ・スーサイド・ショップ)』


The Suicide Shop 2012 Trailer - YouTube

パトリス・ルコント監督来日、アニメフェアで「The Suiside Shop」トーク
“次回作もアニメーション” | アニメ!アニメ!

"『The Suiside Shop』というタイトルからも分かるように、自殺に関連するグッズを販売している店の話である。 これに対してパトリス・ルコント監督は「人生は素晴らしいというメッセージを送っている。ミュージカルという形態を使うことで、暗い陰鬱な内容とバランスが取れてると思う」とのことだ。

その次回作はアニメーションになるという。 
タイトルは『ミュージック』。「音楽がなくなった世界はどうなるだろう?」というのがテーマだ。こちらもシナリオを書き終えたところなので完成を楽しみに待ちたい。「これから3年かかります」とトークを終えた。

『The Suiside Shop』は、9月7日からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国でロードショー"

 『髪結いの亭主』『仕立て屋の恋』で有名なパトリス・ルコント監督のアニメーション作品。タイトルがタイトルだけに、ブラックな雰囲気にあふれた予告篇が、昏いユーモアを放っています(^^;)。
 日本の最近の自殺増加の状況の中で、タイトルの「自殺ショップ」がどういう邦題になるか、今後の公開に向けた動きを見ていくしかありませんが、興行的に難しいテーマであることは確か。
 観ていないので、内容を想像するしかないけれど、上の監督の言葉からは、そんなイメージを吹き飛ばす様なパワーが感じられるので、タイトルでインパクトを与えて、何らか一石を投じる興行になると良いかと思う。コミックの力、ルコント監督の力量に期待したいものである(^^;)。

Le magasin des suicides(フランスの公式サイト)
 このブラックな世界の、映像造形をしっかり味わえるサイトになっています。
 観よ、バンドデシネのパワーw。

◆関連リンク
パトリス・ルコント - Wikipedia
パトリス・ルコント監督作品(Amazon)

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2013.03.22

■情報 電脳メガネ テレパシー社「テレパシー・ワン」 Telepathy Org."Telepathy One"

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Google Glassのライバル? メガネ型デバイス「テレパシー・ワン」、セカイカメラの井口氏が発表 - ねとらぼ

" テレパシー・ワンは頭に着用するタイプのウェアラブル機器。カメラや小さな投写型ディスプレイを搭載し、網膜に映像を投映しているとみられ、ユーザーの目 の前には5インチ相当のバーチャルディスプレイが表示されて見える。Bluetoothでスマホなどの端末と通信し、メールやSNS情報の受信をしたり、 内蔵カメラを使って自分が見ている景色をテレパシーのようにほかの人と共有することができる。イベントでは既にプロトタイプが稼動しており、実際に体験した来場者からは次々と驚きの声があがっていたという。"

 話題の電脳メガネ、テレパシー社の"テレパシー・ワン"。
 内蔵カメラを使って自分が見ている景色をテレパシーのようにほかの人と共有するというAR:オーグメンテッド・リアリティ(拡張現実)のコンセプトと、メガネのクールデザインが素晴らしい。

Telepathy org."Telepathy One"の公式情報はtumblrで展開。
telepathy

"Dear Bruce Sterling,
 The publication of your masterpiece, “Schismatrix” was 1985. It was coincidentally one year after release of “Macintosh”. During the pre-digital year, the time a personal computer had been a leading-edge device, you already created fictive cyber space and showed graphically an imaginal realm to world."

"拝啓 ブルース・スターリング 貴方のマスターピース『スキズマトリックス』が出版された1985年。それは、同時発生的に、「Macintosh」発売から1年後のことであった…"

 この公式ページの乗りを見ていると、まるでヴィジョナリーであるスティーブ・ジョブスが未来を見通してコンセプトを描いている様な、そんな新しい息吹を感じる(^^)。「セカイカメラ」を生み出した井口尊仁氏のコンセプトが素晴らしい。

 ウィリアム・ギブスンと並び、サイバーパンクを牽引したブルース・スターリングを製品コンセプトの紹介の最初に出てくるところに、Telepathy社の未来へ向けた強い志向を感じる(^^)。しかも通常ならギブスン『ニューロマンサー』が順当な所を、スターリング『スキズマトリックス』!
 『ニューロマンサー』より『スキズマトリックス』の猥雑がしっくりきた僕は、ここでまず共鳴します(^^;)。

 テレパシーワンは、セカイカメラの欠点だったスマホを縦にして構えないとARが機能しないのをヘッドマウントディスプレイとして解消している。
 セカイカメラをしばらく使ったこともあったけれど、一番使用したい街の中でiPhoneのカメラを街に向けて持たないと、ARとして使えないので、なかなか見ることがためらわれ、次第に使わなくなってしまった。
 例えば電車の中で、カメラを乗客へ向けて構える様な格好になり、これは不信に見られますからねw。

 もちろん今回の電脳メガネタイプなら、この問題はない。

 今回のコンセプトは、明らかにそうした問題をクリアし、かつお互いの映像で感覚を共有するとか、コミュニケーションツールになることが前面に押し出されている。
 現在、IT関連で、爆発的に伸びているのは、コミュニケーションの感覚を拡張するデバイス/アプリケーションである。FacebookしかりLINEしかり。
 まさに今回、そこを最大限に拡張できるデバイスを狙っているように見え、本当にもしかすると、未来の標準的なデバイスになる可能性を秘めていると思う。

 最近、街の中でもどこでも、スマホを俯いて見ている人を(自分含め)やたらと見るのだけれど、あの閉じた雰囲気は、なんとも街のイメージを破壊している(大げさな物言いだけれど、社会というのは、人と人の関係から成り立っているものなので、大げさでない気もするw)。

 ここに風穴をあけ、そして拡張現実という言葉通りに、現実の人間関係を確保した上で、遠くの人ともつながれる拡張デバイスとして、未来の当たり前のデバイスになる日が来るのかもしれない。

Telepathy One Wear your love - YouTube.

"Directed by: Cinematography: Masayuki Kondo
Music by: Piano with Headphone
Animation: Sasaki Takato, Honda Erika
Sound: Sakurai Miki,Takahashi Ikumi
AD: Tzaki Ayao, Santo Ryota, Nana Simomura, Ohya Tomoyuki, Fuzimoto Aya, Murakami Noriyuki, Yamaguchi Naoya"

◆「テレパシーワン」の技術について
 まだ詳細の公式リリースもなく、発表されたアメリカのイベント「South by Southwest Interactive」にも参加していないので、もちろんここからは僕が推測した内容です。

 眼球への直接投影は危ないように感じるが、考えてみたら、我々の視覚世界は太陽からの光の反射光として、直接目に光を"投影"して成立しているわけで、光量さえ絞れば何ら問題はないはずだ(^^)。

 それはあたかもヘッドホーンが耳に直接音を投下しているのと、同じ。
 「テレパシーワン」は正にそのヘッドホーンと網膜投映型ヘッドマウントディスプレイが一体になったデザインを、その機能を絞り、究極的にシンプルにしているところに感心した。シンプルイズベスト、これもAppleのコンセプトにつながる。

 ヒトの五感のうち、聴覚と視覚のふたつを、ワイヤレス通信でつなぐコンセプトは正にテレパシーかも(^^)。そしてそれを最小限の部品でクールに表象したウェアラブルなデバイスとしてまとめている所に普遍性への萌芽を感じる。

 たぶん「テレパシーワン」の技術的な正体は、ヘッドホーンと網膜投映型ヘッドマウントディスプレイとカメラを一体化したBluetoothデバイス+スマホアプリなのだろう。通信他の処理はスマホが機能し、メガネはその表示とセンシングを受け持つ。機器としてはそんな単純なものだけれど、それとアプリの工夫でどんどん拡張し、まさにARデバイスとして、人に密着し、ヒトの機能を拡張してくれる期待感がある。

 「テレパシーワン」の操作はスマホが入力デバイスになり、ヘッドマウントディスプレイに示された仮想キーボードを見ながら、スマホにタッチして入力という形かも。そんな擬似ブラインドタッチ(^^)もありえるかも。前を見たまま、キー入力できるというのは、スマート。iPhone使っていて、こういうの欲しかったと思わせる、ここだけとっても魅力のあるデバイスである。

 いずれにしても、早く実際に手に取って(顔にはめてw)、未来のデバイスを試してみたいものである(^^)。

◆関連リンク
ユカイ工学 | YUKAI Engineering – A ROBOT COMPANY
 技術的にはこの会社とコラボしているとのこと。Necomimi作ってる所なんですね。
the design labo inc.

"オースティンで開催中のアートとテクノロジーが融合し た一大イベント「SXSW」(http://sxsw.com/)にて、ウエアラブルコンピュータ「Telepathy One」をTelepathy株式会社(http://tele-pathy.org/)が発表致しました。 Telepathy Oneはスマートフォンの「次」を見据えた情報端末であり、情報端末業界に一石を投じる画期的なデバイスです。今回はそのデザインを担当させて頂きまし た。 Telepathy Oneの機能を文章で説明するのは難しいのですが、簡単に言うと頭部に装着し、現実世界に仮想モニタを表示させ、様々なナビゲーション情報を視線を変えた り、妨げたりすることなく表示するデバイスです。 Telepathy Oneの操作は音声やジェスチャで行います。手元にあるスマートフォンをうつむき気味に覗き込む時代は終焉を迎えるかもしれません。まるでSF映画に登場 するような未来を感じる端末です。"

 デザインスタジオのHP。
 ここに書かれている内容からすると、"操作は音声やジェスチャで行う"とのこと!
 上に書いた予想が既に外れたのか!??(^^;)
Lets Get Physical: Shiny New Things at SXSW | Flip the Media
 「テレパシーワン」の登場を紹介したアメリカのウェブページ。

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2013.03.20

■情報 「瀬戸内国際芸術祭2013」小豆島坂手地区 ヤノベケンジ作品制作ドキュメント


ANGER from the Bottom 2013 - YouTube

ヤノベケンジさん「瀬戸内芸術祭2013」小豆島会場 作品制作ドキュメント - Togetter

 いよいよ3月20日(水)に開幕する瀬戸内国際芸術祭2013・小豆島会場にヤノベケンジ×京都造形芸術大 ULTRA FACTORYによる作品が大集結!
 まず神戸から小豆島へ渡るジャンボフェリーの船長に就任する(^^;)「ジャンボトらやん」。
 それを迎える坂井出港に「Star Anger」と、フェリーを降りてすぐの倉庫の壁に描かれた巨大壁画《小豆島縁起絵巻》。
 そして、坂井地区では古井戸のあった場所にビートたけし×ヤノベケンジ×ULTRA FACTORY「ANGER from the Bottom」が設営されている。

 冒頭のリンク先は、ヤノベケンジ氏らがツィッターでつぶやいた、設営風景のドキュメントをまとめたもの。特にヤノベ氏自ら撮られたたくさんの写真がとてもいいので、興味のある方は是非御覧下さい(^^)。

瀬戸内国際芸術祭2013 ガイドブック|小豆島ジャンボフェリー

    " ジャンボ・トらやん 作家:ヤノベケンジ 場所:ジャンボフェリー「こんぴら2」「りつりん2」屋上デッキ!
瀬戸内国際芸術祭2013のメインステージは小豆島・坂手港。 その坂手港と神戸を結ぶ小豆島ジャンボフェリーには、ヤノベケンジの代表作、トらやんが巨大な船長となって登場します。
 トらやんは、バーコード頭にちょび髭、ポーランド民謡を歌う世紀のトリックスター。 子供と大人の融合の象徴として作品へと取り入れたヤノベケンジ実父の腹話術人形が原型。巨大化、増殖しながら世界観を拡げていきます。

 今回の小豆島坂手を中心とする作品群は、ヤノベケンジの2007年の作品、絵本「トらやんの大冒険」の世界のまさに具現化。
 様々な作品が、一つのストーリーをもって私たちに語りかけてきます。

 ジャンボフェリーを「ノアの箱舟」に見立てて、失われた太陽を取り戻すため、神戸港から希望の島・小豆島を目指して、みんなで、ジャンボ・トらやん船長と一緒にさあ船出!"

《小豆島縁起絵巻》 はじまりはじまりの巻 | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY.

" ウルトラファクトリーは、来月3月20日(水・祝)にオープンする瀬戸内国際芸術祭2013に関わっています。 先日東京都現代美術館での公開が終了した、ビートたけし×ヤノベケンジ《ANGER from the Bottom》、そして昨年10月のNAMURA ART MEETINGにて展示された、ヤノベケンジ《THE STAR ANGER》。
 あともうひとつ(ふたつ?)、海にまつわる秘密兵器をファクトリーで制作中なのですが、その紹介はまた後日。 これらの作品は、すべて同じ場所で展示されます。瀬戸内海で、淡路島に続いて大きな島である小豆島。なかでも、神戸港からジャンボフェリーで約3時間の坂手港エリアです。 そんな坂手港で、フェリーを降りてすぐにご覧頂ける巨大壁画《小豆島縁起絵巻》の制作に立ち会ってきました。"

小豆島に大移動! | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY.

" 突然ですが、この度、京都造形芸術大学ウルトラファクトリーは小豆島にお引っ越ししました。 といっても、ほんの5日間ばかりですが。
 《THE STAR ANGER》の傍らで巨大壁画《小豆島縁起絵巻》も制作の佳境を迎えています。 「希望の島」小豆島を舞台にした壮大な物語が描かれます。 滞在制作をしている絵師、岡村美紀さんは今や島のアイドル!"

 何ともワクワクするULTRA FACTORYの活動の様子が語られています。
 生まれ変わったら、ULTRA FACTORYに入りたい(^^;)。

◆当Blog関連記事
ヤノベケンジ トらやん - Google 検索
ヤノベケンジ star anger - Google 検索
ビートたけし×ヤノベケンジ×ULTRA FACTORY「ANGER from the Bottom : 地底からの怒り」公開!

◆関連リンク
『新装版 ヤノベケンジ作品集 YANOBE KENJI 1969-2005』

" 待望の新装復刻版!
 デビューから2005年まで、ヤノベ・ワールドの根幹を知る、記念碑的作品集。 自作の放射線感知服を着てチェルノブイリなどを訪問し大きな波紋を投げかけた「アトムスーツ・プロジェクト」(1997~)、 核戦争の脅威を、トリックスター「トらやん」が登場して訴える子供用シアター型核シェルター「森の映画館」(2003)など話題作多数。
 *本書は2005年に刊行したDVD/ケース付きの『KENJI YANOBE 1969-2005』(本体3,800円)を、 作品集の部分のみを新装判として復刊するものです。"

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2013.03.18

■新刊情報 佐々木中『夜を吸って夜より昏い』

Photo

atarusasaki.net / 夜を吸って夜より昏い 書籍情報

"うねる文体、はじける口語が、衝撃の結末になだれこむ。書かれていることの鮮烈さと、書かれていない謎の深みが、読者を戦慄させる"

 哲学者 佐々木中氏の『晰子の君の諸問題』(2012年)に続く、最新小説が刊行される。3/18発売(既に店頭には3/16には並んでました)!
 ここで述べられている「書かれていない謎」にアンテナが触発される(^^;)。

 本書の参考データとして、上記リンク先で佐々木中氏自らが「夜々夜話」と題して語っている。(佐々木中(atarusasaki) Twitterでのつぶやきのまとめがリンク先)

"『夜を吸って夜より昏い』は、今までの僕の小説とはかなり違います。誤解を恐れず端的に言うと、「反原発抗議行動小説」なのです。なぜそれを「小説」にしたのか?現実の行動ではなく、小説に?それは後々。"

 たぶんこの著者のことなので、もちろん単純な「反原発抗議行動小説」ではないだろう。震災直後に僕はラジオで、この佐々木中氏を知ったのだけれど、3/19に以下の様な視点で、語っていたのが強烈に印象的だった。
 こうした視点の作家が、どのような視座から原発をとりあげるのか、興味は尽きない。ちょっと長くなるが、以下ラジオで語られた内容を紹介する。
 これを読んで興味を持たれたら、きっと本書を手に取りたくなる気持ちがわかってもらえると思う。

TBS RADIO 放送後記 第206回(2011年3月19日)
タマフル春の推薦図書特集(ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル)

 佐々木中推薦  中井久夫ほか『昨日のごとく―災厄の年の記録』

 阪神淡路大震災の被災者であり、なおかつ被災者を救う立場にいた精神科医 中井久夫氏の本を紹介しながら、佐々木氏が、以下の様な自分の杞憂を語った。
(以下、Podcastからのほぼ聴き書き。宇多丸氏との対話だったけれど、佐々木氏の言葉のみ書き出しました。ニュアンス等、正確な表現でない部分もあるので、正確には原典に当たって下さい。関連リンク参照)

" (中井久夫氏らが阪神淡路大震災の時に)一番恐れたのは関東大震災がまた来るのではないか、ということ。
 関東大震災では、朝鮮人が虐殺され、戒厳令下で大杉栄という社会運動家が軍部によって殺された。残虐行為が吹き荒れた。中井久夫さんたちはそういう残虐性がまた奮われるのでは、と恐れた。

 結局略奪放火暴行強盗などは横行しなかった。
 当時の日本人は誇りに思って、俺たちは秩序だっていて暴動など起こさない、と言ってたらオウムが現れ冷や水を浴びせられた。
 もちろん震災とオウムに厳密な因果関係を求めるのは難しいと思う。ただ、ある種の暴力性がそこに噴出した。

 これはクライストという18世紀末、ドイツの詩人の『チリの地震』に関する小説の中に書いてあることだが。地震なんかが起こると、数週間、一種の高揚感というか疲労の蓄積と裏腹なんですが、高揚感、至福感、テンションが上がって、お祭りだぁ、という非日常感があって、共同体感情が芽生える。
 つまり秩序が壊れてしまい、隔てる垣根が壊れ、フランクに人々が助け合ったりポジティブな面が出てくる。しかしネガティブな面もあり、暴力というふうにもなってしまう。(略)

 『チリの地震』の小説の中でも虐殺シーンで終わる。
 暴力の噴出と表裏一体。
 秩序が取り払われたことにより、暴力がまた露わになる。
 いい秩序を作ろうとする時に、やはり自然なんかに頼っちゃだめですね。変化は人間自身で作り上げるものであって、地震に便乗しようとすると、ろくでもない事になる。(略)

 今でも日本人は秩序だっていて素晴らしいという言説が振りまかれているが、僕はしっぺ返しを恐れます。それ自体は100%良いんだけれど、そこに酔っていると、また足下をすくわれる。そこに危険が潜んでいるとみるべき。中井さんはみているし、僕もみたい。
 関東大震災で我々は暴力を振るってしまった。間接的ではあるとはいえ、阪神大震災の時にもすぐ暴力的な日本人、日本人は暴力的である、となってしまった。

 でもね、二度ある事は三度ないんだよ。人間なめんなって。
 本当にそこで、テレビとか見ると不安になるし、不安が堪ってポジティブな高揚感はストレスと裏腹ですから、一歩間違ったら、暴力っていう事になりかねない。

 で、もう一回繰り返します。二度あることは三度ないっ!次こそは我々はそういうことをしてはいけない。しないっ。
 ということ、これは中井さんは言っていないが、僕が訴えたいこと。あのね、で、すが、ん、はははっ、あのー今、僕が言ってることが、なんだ中(あたる)、おまえさぁ、心配げに言ったけど、何年か後に杞憂だったじゃん、おおげさに言ってたのと言われる事を心から願ってます、、、。"

 これは繰り返すが震災直後の2011.3/19に語られた言葉である。
 今、現在、ここで述べられている様なことは幸いにして起こらず、佐々木氏の希望通り、杞憂に終わっている。言わずもがなだけれど、この発言の内容を現時点で佐々木氏が同等に思っているかどうかは、不明である。
 また本書でこの視点から何らか述べられていることがあるかどうか、それは読了後の感想で書いてみたいと思う。

◆関連リンク
佐々木中『夜を吸って夜より昏い』(Amazon)
中井久夫ほか『昨日のごとく―災厄の年の記録』(Amazon)
タマフル 20110319 「春の推薦図書特集 feat. 佐々木中」 ‐ ニコニコ動画(原宿)
 タマフルの過去分のPodcastファイルは、惜しくも本年2月に、TBSラジオの都合だけで、ネットから消されてしまったので、現時点、聴けるのはこうした録音版だけです。残念でなりません。

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2013.03.15

■予告篇(ネタバレ注意!) サーシャ・ガヴァシ監督『ヒッチコック』Hitchcock


★予告篇に『サイコ』の重要なネタバレ有。未見の方、クリック禁止!
映画「ヒッチコック」公式サイト || 4月5日(金) 全国ロードショー
3月15日(金)は「315サイコの日」(イベント告知)

" 映画『ヒッチコック』公開記念&“サイコの日” 前日祭特別試写会

 “サスペンスの神”と崇められたヒッチコックと、彼を支え続けた優れた映画編集者にして、脚本家であり、生涯ただ一人の妻アルマ。
 映画「ヒッチコック」は『サイコ』の成功に至るまでの道のりと二人の天才の知られざる物語を、時にユーモラスに、時にドラマチックに描いた感動作。 映画『ヒッチコック』の公開を記念し、来る3月15日を“サイコの日”と銘打ちトークショー付前日祭を開催! ヒッチコック最大のヒット作にして後世の映画に多大なる影響を与えた不朽の名作『サイコ』特別上映と 新作映画『ヒッチコック』試写会をお見逃し無く!
【スペシャルゲスト】
大林宣彦(映画作家)、滝本誠(評論家)ほかを予定"

 ヒッチコックとその妻アルマを描いたドキュメント。
 予告篇がなかなか素晴らしい。
 が、そこで明かされる名作『サイコ』の秘密には、映画で受けたのと別の形の驚愕に遭遇。(必ず『サイコ』を観た後で、この予告と映画を観て下さい。でないと、極上のスリラーの体感機会を貴方は逃すことになります)

 僕はヒッチコックの追悼特集(TV)で『サイコ』を学生時代に観たのだけれど、あの衝撃は忘れられない。大げさに言えば、ある意味、生涯一度のショック体験だったのかもしれない(他の映画が同等のことをやってもそれは、全て『サイコ』の真似であって、その衝撃を超えることはないと思う)。

 この映画はその『サイコ』撮影時のエピソードに基づいて作られているようで、興味津々である。

 上のイベントは、既に応募締切となっているが、滝本誠さんが、どのようにヒッチコックを語るのか、是非とも参加された方は情報を御寄せ頂きたい。

3/23追加。“サイコの日”トークイベントの動画が公開! 滝本誠師の静止を振り切りw暴走する大林宣彦監督のスキャンダラストークが見もの(^^;)


映画「ヒッチコック」"サイコの日"前夜祭トークイベント 前編 - YouTube

◆関連リンク
スティーヴン・レベロ著, 谷川 建司, 岡山 徹訳『ヒッチコック メイキング・オブ・サイコ』 改訂新装版
 本作の原作となったノンフィクション。僕は随分前に旧版で読みました。
 スリリングな本だった記憶。

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2013.03.13

■感想 フィリップ・K・ディック/佐藤龍雄訳『空間亀裂』: The Crack in Space

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空間亀裂 - フィリップ・K・ディック/佐藤龍雄 訳|東京創元社

"時間理論を応用してつくられた超高速移動機の内部に亀裂が発見された。そこからは別の時間、別の世界が覗き見られるという……。ときに西暦2080年、世界は人口爆発に苦しめられていた。避妊薬は無料となり、売春も法的に認可されている。史上初の黒人大統領候補ブリスキンは、かつて夢見られ今は放棄された惑星殖民計画の再開を宣言するが……。ディック中期の長編、本邦初訳!"

 P.K.ディックの初訳出長篇『空間亀裂』読了。
 修理工場で見つかる超高速移動機のひび割れ。ピンク色の娼館衛星<きんのとびら>とそこに君臨する異形の者ジョージ・ウォルト。そして空間の裂け目に現れる異世界…。
 …まるで吾妻ひでおの漫画のようだ(^^)。表紙は彼しかいない!

 ということで、物語からイメージした表紙に合うものがあるかと画像検索。
 冒頭に引用したディック『空間亀裂』の各国表紙は、Chris Mooreの描いた引用画像の左上、最初の一枚が最高(^^)(Chris Mooreのページ 上から3枚目)。
 ピンクが際立つ娼館衛星のわい雑さを見よw! 娼館衛星は、"女の胸のふくらみ形のパーキングスペース"(p181)を持っているという何ともキッチュなバカバカしくもディックっぽい設定。

 Chris Mooreのページにある "This one is crazy wild in theme and color! " の惹句がぴったりだ(^^)。

 そして、猥雑さは物語にも言える。
 ジム・ブリスキン大統領候補の選挙運動を通して、真剣に真面目に人口問題と人種問題について書くディックの筆致。
 小さな街の超高速移動機の修理工場で見つかる罅割れ。その亀裂の謎が物語のリーダビリティを高める。

 そして描かれる市井の人々。浮気と離婚と中絶と…政治の捉え方含めて、まるでワイドショーを見ているようだ。
 戯画化された人々と、描かれる異文化の描写の融合具合が何とも心地いいスキゾパラノなディック空間。

 花を添えるガジェット群も、レイザーピストルとか映話とか言語解析機、空飛ぶタクシー・ジェットキャブ…。こうしたディック未来世界の定番が懐かしくも血が騒ぐ(^^)。

 ビル・スミスによって語られる異文化(p222)

"金属は忌まわしいものです。地の底で死者とともにあるものだから、地の底は<過去>に属する世界であり、すべての<時>が止まっている世界です"

 罅割れの向こうの異世界描写にはワクワクした。ここは全部が書かれてないので想像力をいたく刺激して、読後もいろいろとあの文化の成り立ちについて想ってしまう。

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 ということで、そんなディック空間を飾る未来的音楽を最後に紹介して、この感想を閉じたいと思う。

 作中の探偵が聴く「20世紀中葉の偉大な作曲家ハリー・パーチ 霧箱演奏曲」。
 創作楽器"Cloud Chamber Bowls"の画像(右はその一枚)。演奏の不思議な音はここ

◆関連リンク
フィリップ・K・ディック/佐藤龍雄訳『空間亀裂』
牧眞司「むやみなアイデア、やりすぎのチープ、めくるめく混乱」
 (2013年2月刊『空間亀裂』解説[全文])

Nolax - The Crack In Space - YouTube
 ディックとは関係ないようだけれど、同タイトルのテクノサウンド。
Book Recommendation: The Crack in Space by Philip K. Dick - YouTube
 "The David Pakman Show"というテレビ(ネット?)番組で、ディック『空間亀裂』が紹介されている動画(2012年)。

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2013.03.11

■情報 R.A.ラファティ、井上 央訳『蛇の卵』2013.3/16発売! Lafferty "Serpent's Egg"

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R.A.ラファティ、井上 央訳『蛇の卵』(SEISHINSHA WEBPAGES)

"人間の男の子:ロード・ランダル、少女の姿をした歩行型人間模倣タイプコンピューター:イニアール、類人猿アクセルザルの少年:アクセル。選ばれた三人が参加する実験とはなんなのか? そして世界を支配するカンガルーたちが怖れる「蛇の卵」の正体とは? 想像力の作家ラファティが送る奇想天外な長編、本邦初訳!"

Twitter / seishinsha: 青心社編集部

"お待たせしておりますR・A・ラファティ『蛇の卵』は、東京都内の早いお店で15日くらいから、順次全国の大きな書店様にお届けできると思います。"

 いよいよラファティの新刊長篇『蛇の卵』が今週末に発売になる!
 人間の男の子と、少女の姿をした歩行型人間模倣タイプコンピューターと、類人猿の少年と、そして世界を支配するカンガルーたちの織りなす奇想。
 ここだけ読むと、まるで村上春樹の新刊の様です(ちょっと違うか。村上春樹の新刊がコンピュータSFだった場合、こうはならないだろうか(^^;))。
 まじめな話、村上春樹が自身の小説に導入している異質なもの、奇想部分を100倍くらい濃密にして、さらに不思議なキャラクターを登場させるとラファティの小説になる、と考えるのは僕だけだろうかw。
 
 でも、本当に村上春樹の奇想な短篇群が好きな方々には、騙されたと思って、一度読んで欲しいのが、この幻惑のねじれたユーモアの作家 ラファティなのである(と書いたら、読者層の拡大に繋がらないだろうか…もっと日本での知名度が上がってどんどん訳出が進むように(^^))。

 Amazonでは、この記事を書いている3/9時点では、予約スタートしていませんでした。(その後、3/12に予約受付開始(^^;))。

◆関連リンク
R.A.ラファティ、井上 央訳『蛇の卵』(Amazon)
『蛇の卵 : Serpent's Egg』サイン本がオークションで60ドル
 これ、eBayの日本語公認サイトであるsekaimonの取扱です。この表紙(上の引用画の左端)、なかなか色合いがいいんですが、蛇嫌いには…(^^;)
Twitter / らっぱ亭 ‏@RappaTeiさん

"@butfilp こちらは牧眞司さん所蔵の貴重な革装版"

 らっぱ亭さんに教示頂いた牧眞司さんの『蛇の卵』豪華革装版写真。
 これはやはり蛇皮なのでしょうか(^^;)。
とりあえず、ラファティ らっぱ亭さんのラファティファンサイト
ラファティ 当Blog記事 Google 検索
 一通り読んでるんですが、もっと記事書かなきゃいけないですね。

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2013.03.08

■感想 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』: L'ECUME DES JOURS

Lecumedesjours

 当Blog記事で述べたミシェル・ゴンドリー監督『日々の泡 : L'ECUME DES JOURS』の原作、ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』を読んだ。

 何とも不思議な味わいの小説。
 少女漫画の様に何とも楽しく物悲しい物語。これは傑作ですね。グッときます。

 パイナップルの歯磨き粉に引き寄せられ洗面の蛇口から現れるウナギとか、演奏によってカクテルを生成する"不在のピアノ"、土から生えてくる銃を作るアルバイト、ジャン・ポール・サルトルを模した哲学者ジャン・ソオル・パルトル「嘔吐」といったガジェットやエピソード。

 アンニュイでワンダーな、若者6人を描く物語は、裕福で能天気な主人公のデラシネな青春に始まり、奇妙な睡蓮の病を転機に180度暗転。

 睡蓮を中軸に据えた後は、前半がポップな感じだっただけに、深い感慨を呼ぶ小説でした。

Lecumedesjours_affev13

 ボリス・ヴィアンの傑作と、ゴンドリーとの異種化学反応が凄く楽しみ…。
 ゴンドリーらしいキッチュな映像と不思議な物語の融合に期待。

 あと僕が読んだのは、ハヤカワ文庫版の伊東守男訳。
 訳出されたのが、1979年と30年以上前。前半の奇妙さ、不思議な印象に貢献していたのは、訳文の現代と異なる古い文体も影響している。
 一例を挙げると、なんとフランスの警察の警部(?)を「奉行」と訳している! 奉行ですよ、奉行(^^;)。さすがに1979年でも圧倒的に感覚が古いと思う。それとももしかすると、原作もわざとそれに相当する古いフランス語を使っているのだろうか。

 …ゴンドリーの映画に合わせて、ここは村上春樹訳とか出版されると良いのに。村山文体で是非読んでみたい小説でもある。

 冒頭の引用画は、原題"L'ECUME DES JOURS"で検索した本の表紙画等。
 とてもバリエーションがあって、いろんな受取り方が出来る本であることがここからもわかると思う。(下にある日本版の表紙は、硬すぎる印象ですね)

◆関連リンク
L'ECUME DES JOURS / bande-annonce - YouTube
曽根 元吉訳『日々の泡』(新潮文庫)
伊東 守男訳『うたかたの日々』(ハヤカワepi文庫)
ボリス・ヴィアン『日々の泡』 - Wikipedia
Mood Indigo (film) - Wikipedia, the free encyclopedia
L'Écume des jours (film, 1968) - Wikipédia
  Charles Belmont監督による1968年の映画化作品があるのですね。以下がその映像。
 ・Marie-France Pisier & Sami Frey-L'écume des jours - YouTube
 ・Marie-France Pisier & Jacques Perrin-L'écume des jours - YouTube

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2013.03.06

■感想 いとうせいこう『想像ラジオ』

いとうせいこう『想像ラジオ』

"耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず----

ヒロシマ、ナガサキ、トウキョウ、コウベ、トウホク……
生者と死者の新たな関係を描いた世界文学の誕生"

いとうせいこう、16年ぶり長編小説は震災時のTwitterをもとにした『想像ラジオ』

"東日本大震災時に自身が始めたTwitterアカウント「@seikoitoDJ」をもとにした作品。「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聞こえるラジオ放送「想像ラジオ」…"

 13.3/2発売のいとうせいこうの久々の長篇新作。
 僕は、いとうを特集した『文藝 2013年 02月号』で読んだので、単行本での改稿がどの程度なされているかは未確認。

 物語は静かなトーンで語られている。かつてのいとうの『ノーライフキング』や『ワールドエンドガーデン』『解体屋外伝』を熱中して読んだファンには、当時のエッジの立った文体とは違い、落ち着いた小説の趣き。
 そしてそのトーンが胸にしみてくる読後感。
 まさに「想像ラジオ」を聴くように、耳を澄ましていとうせいこうが描く新しい小説を体感しよう。

 『文藝 2013年 02月号』には、小説が書けなくなっていた理由と、今回の作品への想いが語られている。本書を手に取った後、インタビューを読むととても興味深い。

◆関連リンク
『文藝 2013年 02月号』
DJせいこう(@seikoitoDJ) - Twilog

"いとうせいこうです。 仙台のフォロワーから、またいつか見たいなあと言ってもらった途端、この文字DJを思いつき、とにかく始めました。 本体の@seikoitoもよろしくw。"

TBS RADIO 954 kHz │ 菊地成孔の粋な夜電波 - 第24回(2011年10月2日)

"反響の大きかった、ラストのブロック。番組スタート時の思い出話〜アントニオ・カルロス・ジョビン『三月の水』曲紹介の流れです"

 いとうせいこう『想像ラジオ』印象的な曲はアントニオ・カルロス・ジョビン『三月の水』。これと復興を重ねた菊地成孔の粋な夜電波との共鳴。
菊地成孔の粋な夜電波が面白い
 リンク先の11.10.02分 放送の38分目〜に、そのラジオプログラムが掲載されている。曲と『三月の水』の詩の日本語訳。
 菊地がジョビンの復興時点の生涯を語る言葉が響く。震災直後の11.4/17にスタートした「粋な夜電波」で語られるAntonio Carlos Jobim"Two Kites : 凧"
 "絶望と混乱と疲労の淵にあって今まさに復興に着手したばかりという瞬間"。
 AMラジオな冒頭の幽界からの声のような番組名のコールから始まる音は誰かの「想像」なのかもしれない。
3月の水〜菊地成孔の粋な夜電波10月2日分ラスト書き起こし

"アントニオ=カルロス=ジョビンは、まずこの曲の歌詞をインディオ文化に従ったラテンルーツのポルトガル語と、ネイティブ・アメリカン文化に従ったアングロサクソンルーツの英語と、ふたつの言葉で書きました。

有名な大衆音楽の評論家であり、史学の研究者でもあったレナード=フェザーは、この英語詞の方をむしろ優れていると、英語圏以外の国の人間が書いた英語の歌詞の中で歴史上最も優れた10曲に入ると言いました。

ワタシ、ジャズ屋ですからレナード=フェザーを尊敬してますが、これはフェザーの間違いです。
【10曲の中に入る】のではなく【1曲の中に入る】と思います。"

・三月の水
 "Elis Regina & Tom Jobim- Waters of March - English subtitles"
Tom Jobim『Matita Pere』

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2013.03.04

■予告篇 オムニバスアニメーション『SHORT PEACE』大友克洋,森田修平,安藤裕章,カトキハジメ監督 「武器よさらば」について

SHORT PEACE特報 - YouTube
SHORT PEACE || A KATSUHIRO OTOMO FILM(公式HP)

"2013年 7月20日より全国公開
『火要鎮』(ひのようじん)
脚本 監督:大友克洋/キャラクターデザイン ビジュアルコンセプト:小原秀一/音楽:久保田麻琴
『九十九』(つくも)
脚本 監督:森田修平/ストーリー原案 コンセプトデザイン:岸 啓介『GAMBO』
監督:安藤裕章/原案脚本 クリエイティブディレクター:石井克人/キャラクターデザイン原案:貞本義行
『武器よさらば』
原作:大友克洋/脚本 監督:カトキハジメ/キャラクターデザイン:田中達之
『オープニングアニメーション』森本晃司"

 大友克洋の9年ぶりのアニメ作品。『スチームボーイ』からもう9年も経った!
 下記の言葉からすると、この9年、大友監督でも企画がなかなか通らずに苦労された様子。

『火要鎮』大賞受賞 第16回文化庁メディア芸術祭

"大友克洋 受賞者コメント
素晴らしい賞をありがとうございます。やりたい企画もなかなか通らず、いろいろと厳しいことの 多い昨今でしたが、前向きに先を目指しています。若い人たちの作品も含め、革新的なオリジナルのアニメーション作品が世に出せる業界の環境がもっと整って くれるとよいと思っています。"

 7月公開というとまだ先だけれど、傑作と評判の『火要鎮』、絵の緻密さは予告篇からもよくわかり、期待の一本。
 そして僕がもう一本、大きく期待するのが、雑誌掲載時に熱中して見ていた大友克洋の短篇「武器よさらば」の映像化、あの作品がカトキハジメ監督によりアニメになる!

Farewell_to_weapon

 予告篇で観るとあの漫画が完全映像化される感じ。短篇漫画はかなりシンプルな話だったけれど、映画ではどんなところが膨らまされているのか期待。
 大友のデザインよりも、丸みを減らし、鋭角でディテイルを詰めた、田中達之氏のメカも楽しみである。

 個人的な想い出話になるけれど、この漫画は、雑誌掲載時に強化服を模写してたので懐かしいw。
 ちなみに僕が描いた絵は以下。
 当時、大友漫画に魅せられて、やっていたSF同人誌に三面図として見開きで掲載したもの。構造の説明の用語は、武器関係に強かった某K君のアイディアだったと思う。大友原作では、このような設定は書かれていないので、あくまでも想像図ということで理解下さい(^^;)。
 ディテイルはできるだけ、漫画に似せて描いたものなので、上の引用画像のスーツと比較してもらうと、田中氏デザインと大友オリジナルデザインの差が分かってもらえるかと思う。

Protect_suits_drawing_mini

 原作漫画「武器よさらば」は、短編集『彼女の想いで…』所収。
 この本は大友克洋が短篇漫画作家だった頃のSF作品が多く収録されているけれど、当時の代表作「Fireball」も掲載。
 今回のオムニバスで、「Fireball」も映像化されていたらと想像すると奮える。

 またオムニバスのタイトル『SHORT PEACE』は、大友克洋の初短編集『ショートピース』(奇想天外社刊!)が由来なのだろうけれど、この本からの映像化はない。
 「宇宙パトロール・シゲマ」や「任侠シネマクラブ」といった初期大友漫画の傑作のアニメ化も観てみたいものだ(^^)。

◆関連リンク
SHORT PEACE 公式 (shortpeacemovie) Twitter
大友 克洋『ショートピース』
Apple Paradise: OTOMO KATSUHIRO: Short Peace (1979)
大友 克洋『彼女の想いで…』
Apple Paradise: OTOMO KATSUHIRO: Memories (1990)
Apple Paradise: OTOMO KATSUHIRO: MEMORIES: THE COLLECTION (1994)

"Farewell to Weapons 4c (武器よさらば)

ヤングマガジン '81/11/16号"

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2013.03.01

■情報 あいちトリエンナーレ2013 PV ヤノベケンジインタビュー


あいちトリエンナーレ2013 PV (5分版 Vol.2) - YouTube
 (Twitter / aitori_houdoubu(あいちトリエンナーレ公式)経由)

"(あいちトリエンナーレPRムービー) 第2弾となるあいちトリエンナーレPRムービーが出来ました! 出展アーティストであるヤノベケンジさんのアトリエを訪問しインタビューをさせていただきました。"

Twitter / taroigarashi(あいちトリエンナーレ芸術監督・五十嵐太郎氏)

"愛知芸文センターにて、あいちトリエンナーレの諸会議。教育普及プログラムのキーワード選出作業。結婚式もできるヤノベケンジさんの作品の展示打ち合せ。"

 トリエンナーレ芸術監督の建築家 五十嵐太郎氏のツィートに「結婚式もできる」と書かれたヤノベケンジの新作。
 そうした時、ヤノベケンジの新作について、冒頭のPVでアーティスト御本人から概要が語られた。

 PVでは、希望の光「太陽の神殿プロジェクト」という言葉で、語られている(^^)!教会という概要も。これから、結婚式の出来る教会でもあるアート作品、ということになる。
 8月、名古屋にヤノベアートの教会が誕生する!
 その詳細は、まだ公開されていないが、岡本太郎記念館で模型が公開されていたという、熊本で企画中という結婚式のできる美術施設《サンチャイルド島》と何か関係があるのではないか、と考えられる。
 将来、《サンチャイルド島》となる構想の一部が、今回名古屋に建造されるのかもしれない。

◆関連リンク
ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子|アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

"熊本県に建設予定のビッグプロジェクト 《サンチャイルド島》 の模型。"

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