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2013.05.31

■感想 マンタム『鳥の王 ー Král o ptácích』& ■情報 「錬金術的世界の為のマテリアル」@三省堂書店神保町本店

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マンタム『鳥の王』(Amazon)

"☆マンタム氏本人が1点1点加工した銅プレート付き表紙
☆ヤン・シュヴァンクマイエル監督から贈られたメッセージ&鳥の王をプリントしたカード同梱
☆ブックデザインはミルキィ・イソベさん!
自作オブジェとそれに付けられたストーリーを題材にした初の作品本。

著者について
大阪出身。1975年に初の映像作品を制作。以降、劇団結成や映画の制作と上映演劇活動等を続けるが、あらゆる活動を一旦終了させ、84年頃より古道具屋修行に入る。古道具屋を営む一方、2010年秋、初の個展「錬金術師の憂鬱」を開催。芸術作家としての活動以外にも個展、企画展等の美術や空間構成等も手がける"

 通販で注文しておいたマンタム『鳥の王 - Král o ptácích』パラボリカ・ビス特別版が届いた。
 表紙に貼られたマンタムさんによる一点一点手作りの銅板の造形と、ミルキィ・イソベ氏の装丁がまず素晴らしい。

Photo_3

 独特の装丁についてまず説明しよう。
 冒頭の写真にある様に本書は函入りで、本を取り出して頁を上下に開くと、片側がマンタム氏のオブジェの写真。そしてもう一方の頁が短篇「鳥の王」の小説になっており、全体80頁でひとつの物語が構成されている。
 この構成が独特の読書空間を形作っていて、あまり他では味わったことのない、芳醇な読書体験がもたらされている。

 鳥が飛べなくなった空と落ちた鳥達の死骸、僅かに残された同胞を未来に残すため生み出された鳥の王、そして声のない少年が奏でる鳥の声のする楽器…。(この楽器が冒頭の写真の右側に写っているギターオブジェ「鳥の王」である。その冥界から響く音を一度でいいので聴いてみたいものである)

Photo_4

 一遍の詩のように紡ぎだされた文字が造形作品の写真と相まって、幻想的な空間を作る。未来の世界をうたった様にみえて、現在の日本に照射される要素も多分に含まれている。

 表紙の銅板の数字は、世界に残された鳥の数である「8643」。
 そして僕はその34番である。

 本書に付属するカードに、マンタム氏のファンでもある、チェコのシュルレアリスト ヤン・シュヴァンクマイエルの言葉が記載されている。

Photo_5

"マンタム氏のオブジェを見ていると、「ミシンとコウモリ傘との、解剖台の上での邂逅のように美しい!」という、ロートレアモン伯爵が遺した名句から飛び出したような気がしてならない。
3013.3/20"

 名古屋のSipkaの個展の際に、マンタム氏と一度だけ話をさせて頂いたことがある。
 その際に印象的だったのは、シュヴァンクマイエルの作品について、マンタムさんの作品とは異なり物語は付随していないですね、と尋ねた僕に対して、シュルレアリスムと物語は相容れないものだ、という言葉。まさにシュルレアリスムの根幹に関わる言葉で僕の質問が全くの愚問だった訳ですが、、、。(その時の記事へのリンク)

 そのマンタム氏の作品に対して、ロートレアモン伯爵を引いてくる辺り、チェコのシュルレアリストの深い考察がある様に感じるのは僕だけだろうか。
 『鳥の王』の最終完成形をシュヴァンクマイエルが見られたかどうかは不明だけれど、一度、この物語も含めて、感想を訊いてみたいものだ。

◆鳥の王発売記念フェア「錬金術的世界の為のマテリアル」


Twitter / shobunsha(晶文社さん)

"【フェア情報】三省堂書店神保町本店で『鳥の王』刊行記念フェア始まりました!著者マンタムさんの作品や古道具などの取り扱いもあります。Y"

Twitter / mantamuさん

"とうとう始まってしまった三省堂書店神保町本店4階芸術コーナーエスカレーター前のマンタムブックフェア。本当にごめんなさいと言いたくなる怪しさなのですが既にお客様が食いついてました。今回の為に特別に製作した鳥の王… "

鳥の王が出版されます。|マンタムさんのブログ

"東京三省堂神保町本店では5月20日より4階芸術コーナーエスカレーター降り口横で 鳥の王発売記念フェアが開催されていて鳥の王本体が置いてあってそれ以 外にも作品が何点か置いてありブックフェアの為に作製した錬金術師の為の装飾品の新作や鳥の王発売記念プレート等が一緒に販売されています。 こんな三省堂今迄に見た事が無いと評判になりつつ在るので是非足を運んでみて下さい! 6月20日頃迄続けてもらえるとのことでした。"

 「錬金術的世界の為のマテリアル」、楽器「鳥の王」観に行きたいです(^^)!
 写真は晶文社さんのツィートから引用させていただきましたが(勝手にすみませんorz)、楽器オブジェ「鳥の王」をはじめ、独特のマンタム幻想空間が神保町に出現している訳で、激しく行ってみたいものです(^^)!!

◆関連リンク
ロートレアモン伯爵 - Wikipedia

"20世紀に入ってからは作品が書かれた言語圏であるところのフランスでも再評価が起こり、アンドレ・ブルトンやフィリップ・スーポーによって「マルドロールの歌」「ポエジー」が再発表され、特にシュルレアリスム文学に大きな影響を与えている"

・当Blog記事
 ■情報 マンタムさん 個展「 残骸に在るべき怪物 」@パラボリカ・ビス と 初作品集『鳥の王 - Král o ptácích』

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