■情報 筒井康隆『聖痕』
" あまりの美貌故に性器を切り取られた少年は、みなの煩悩の救い主となるのか?
一九七三年、五歳の葉月貴夫は性器を切り取られた。しかし尚も美しく健やかに成長した彼は、周囲の人びとのさまざまな欲望を惹き起こしていく――。
古今の日本語の贅を縦横に駆使し、小説言語の枠を大幅に広げながら、文学史上最も美しい主人公の数奇な人生を追う。朝日新聞連載中から騒然たる話題を振りまいた問題作刊行。"
『聖痕』出版記念講演会|朝日カルチャーセンター中之島教室|講座詳細
"美貌ゆえに性器を切り取られた少年の人生を綴る、奇想天外な物語は、「色色(いろいろ)しい」(=女性に惹(ひ)かれやすい)、「含(ほお)まれどなよび か」(=蕾(つぼみ)のままだがもの柔らかで優しい)といった古語や「ありきぬの(宝)」などの枕詞で彩られています。「使われなくなった古い言葉に触発 された」と語る筒井さん…"
"偽文士日碌にて 「聖痕」及び「枕詞逆引き辞典」に関する話題が 登場した回の一覧を作成してみました。 来たる 6/15 の朝日カルチャーセンター「『聖痕』出版記念講演会」に参加される方も、 予習に(?)どうぞ!"
朝日新聞連載の筒井の最新作が出版された。
話題になっているのは知っていたが、このような苛烈な(?)内容の小説だったとは知りませんでした。
右は中日新聞に掲載された新聞広告ですが、この紹介文ならば、広告の写真は、文豪5歳当時の"美貌"の少年の写真を使うべきだったのでは? (^^;)。
少なくてもインパクト大と思うのだけれど、、、。
朝日新聞デジタル:文体の実験、伴走に感謝 筒井康隆さん「聖痕」を終えて - カルチャー
"去勢された人間としての中国の宦官(かんがん)に見られた権力欲、即(すなわ)ちアドラーの謂(い)う「権力への意志」などは現代にそぐわないから、ある種の反社会性を持たせたままでひたすら美味を志向させたのである。"
"「毎朝読んでいる」と言ってくれた大江健三郎、川上弘美ほか何人かの作家の方がたに感謝したい。この人たちのことばがどれほど力強い励みになったことか計り知れないものがある。また、毎回の作品内容に相応しい絵を制作してくれた息子・筒井伸輔にもその労を犒(ねぎら)いたい。"
連載時は、何と御子息の画家である伸輔氏が挿絵を担当されてたのですね。
検索すると、ミヅマアートギャラリーのHPに作品が紹介されています。
MIZUMA ART GALLERY : 筒井伸輔 / TSUTSUI Shinsuke
作品はこの引用画像のように幻想的な絵を抽象的手法で描かれたもので、実物を観てみたくなる繊細で素晴らしい雰囲気。
下記から検索して拝見できる『聖痕』新聞連載時の挿絵も同じ作風がにじみ出てきています。
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