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2013.12.16

■感想 アルフォンス・キュアロン監督『ゼロ・グラビティ:Gravity』臨場感は最高、でも没入感まで行って欲しかったw


Gravity - IMAX Featurette - Official Warners Bros. UK - YouTube(予告篇でなく宇宙シーンとNASAの本物のアストロノートのコメントが多数入っています。)

 アルフォンス・キュアロン監督が前作『トゥモロー・ワールド』から7年の間を置いて発表した『グラビティ』、IMAX 3Dが名古屋では残念ながら字幕版しか上映されていないので、Real D 吹替版で観てきました。

 3Dの効果を引き出した手に汗握る素晴らしい臨場感と、無重力と真空の空間を最大限利用した観たことのない映像。長回しのワンカットを多用した実時間ドラマで、まさに地上で体感する「宇宙」。

◆立体映像の没入感
 3Dの効果はかなり発揮されていたのだけれど、この映画も昨今の3D映画と同等、やはり奥行きの表現重視。実は僕は3Dカメラが物体に至近距離まで寄って、スクリーンから観客の眼の前にもっと飛び出てくる様な、一人称の立体視を期待していた。

 『トゥモロー・ワールド』でテロ現場の臨場感を追求したキュアロン監督が、それを進化させるために3Dを選択したということは、臨場感を超える没入感まで行って欲しかった、、、というのが正直な感想(^^;)。

 宇宙飛行士の一人称もかなり使われていたこの映画こそは、もっと観客の眼の前に映像が迫ってきて欲しかった。近距離に飛び出てくる立体視映画こそ、まさにこの様なドキュメンタリー的映像に没入感を獲得する手段のはずであるはず。
 そんな期待をしていただけに、3Dマニア視点で、そこが残念だったのだ。

 おそらくこれだけグルグル回転する映画で、没入感映像を3Dマニアはともかく、一般客に提示したら、映画館で酔ってしまう観客が続出して問題になったかもしれない。それを気にしてキュアロン監督、躊躇ったかもしれない。

 でも要所要所でそれを使用することは可能だったはずである。
 たとえば涙が無重量空間に浮く、あの映像。3Dであれば、観客の眼の前に水滴を浮かべることも出来たはず。
 たとえばカメラがサンドラ・ブロックの正面からヘルメットの中に入り込みその内側から一人称で宇宙を観るシーン。3D映像なら眼の前10cmのところに、バイザーに映るHUD(ヘッドアップディスプレイ)を出現させることも出来たはずである。

 接写3Dの没入感については、以前3Dハンディカムにて撮影しプロジェクタでその立体映像を確認した際に、リンク先の記事の中でヤノベケンジ「太陽の神殿 《サンチャイルド島》」について記述した。
 あの没入感を映画に利用しない手はない。アメリカでの評判を聴いてまず思い浮かべたのはそれ。『グラビティ』はきっとそれを狙っているんじゃないか、と勝手に思い込んでいたのである(^^;)。

◆その他 蛇足
 あとISS : 国際宇宙ステーション内部の火災について、元宇宙機器開発者として辛口コメント。NASAはアポロ8号の火災事故以来、可燃物の使用については厳格に制限している(NASAの材料ハンドブックでFH:Fire Hazardのランクが決まっていて、可燃物は船内では絶対に使えないはず)。あんな延焼はあり得ないのではないか。
 映画のスペクタクルとドラマ性を高める為にどうしても必要な描写であったことはわかるが、現実感をあそこまで追求した映画なので、少し残念。
 ISSに載っている僕の部品も、あの火事で燃えてしまったのだろうか、、、(^^;)。

 もうひとつ、観た映画館が残念だったのは黒のコントラストが充分出ていなくって、宇宙空間の暗黒と地球の青の映像のキレがいまひとつだったこと。できるだけ映像のキレの良い、DLP等の映画館を御薦めします(3Dはデフォルトで必須です(^^))。

 最後にタイトルは、邦題の『ゼロ・グラビティ』は監督の意図を相当にねじ曲げていますね。本来はやはり"Gravity"じゃないと…。最後まで観た時に、その"重み"が理解できます。

◆関連リンク
【本田雅一のAVTrends】「ゼロ・グラビティ」に見る新しい3D映画の可能性 - AV Watch

" これは3Dレンダリングを行なっていないという意味ではない。ゼロ・グラビティ全編の中で2D-3D変換だけでシーンを作っているのは27分のみ。主に宇 宙船内の場面だけだ。残りは2D-3D変換した映像と、コンピュータグラフィクス上で3Dレンダリングした映像の合成によって作られている。
 俯瞰、クローズアップへと移行するシーンでは、最初はカメラ間距離を300キロ(書き間違いではない)に設定。カメラと宇宙ステーションが近付くにしたがって徐々に変化し、もっとも近距離ではカメラ間距離が5ミリにまで近付く…一般的なシーンでも適時、10ミリから30ミリの間で連続可変調整しているとのこと。また別の遠距離シーンではカメラ間距離を150億キロに設定した"

 3D映像演出・ディレクション担当の英3Vision社 制作ヘッドのアダム・メイ氏のインタビュー。非常に興味深い3D映像の秘密が語られている。
アルフォンソ・キュアロン(wiki)
キュアロン『トゥモロー・ワールド』
「ゼロ・グラビティ」のスピンオフムービー「Aningaaq」がネットで全編視聴可能に - GIGAZINE
 アルフォンソ・キュアロン監督の息子ホナス・キュアロン監督の短篇作品。
 本篇を観られた方、あの「アニンガ」に会えます。
・メイキング映像
 ▶ 'Gravity' Behind-the-Scenes Featurette Takes Audiences From Script to Screen - YouTube

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コメント

 あんまりようさん、こんにちは。

>>21世紀/デジタル時代のウイリアム・キャッスル?(゚▽゚*)

 いいですね、キャッスルw!
 4DXの劇場にその臨場感のショックで倒れた人の為に看護婦さんが待機とか…(^^;)。シートごとに酸素ボンベが置いてある、なんてのもいいかもw。

投稿: BP(あんまりようさんへ) | 2013.12.31 11:02

4DXシネマ、リンク先見てみました。
第一印象は、21世紀/デジタル時代のウイリアム・キャッスル?(゚▽゚*)
増えていくといいんですが〜〜
年明けにまたI-MAX行って来ます…多分……。

投稿: あんまりよう | 2013.12.28 07:36

 あんまりようさん、こんにちは。

 I-MAXで観られたのですね、しかも一番前!
 僕は字幕の違和感がどうしても受け入れられなく、泣く泣くI-MAXはやめました。吹替は(『プロメテウス』の剛力以外w)ほとんどこだわらない人なので全然大丈夫でした(^^;)

 正月に再度4DXシネマで『グラビティ』体感してきます!

4DXシネマ

投稿: BP(あんまりようさんへ) | 2013.12.27 10:03

先日、I-MAX観て来ました。としまえんは遠いので木場で(ってわかんないですねwww)。重低音、音響を身体中で体感、画面は視界いっぱいですし(最前列というのもありますが)堪能しました。
彼方から手前に飛んでくるデプリに思わず目を閉じる臨場感はアトラクションレベルですねー。
犬の鳴き真似を延々やるところもライト・スタッフ(先日漸く観ました…)へのオマージュ?てかライト・スタッフのあの場面で何故延々犬の遠吠えなのか自分には今ひとつわかりませんでしたがwww

もう1回は観たいところです。

吹替、自分は諸事情で(笑)パス(゚▽゚*)

投稿: あんまりよう | 2013.12.21 09:21

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