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2013年3月10日 - 2013年3月16日

2013.03.15

■予告篇(ネタバレ注意!) サーシャ・ガヴァシ監督『ヒッチコック』Hitchcock


★予告篇に『サイコ』の重要なネタバレ有。未見の方、クリック禁止!
映画「ヒッチコック」公式サイト || 4月5日(金) 全国ロードショー
3月15日(金)は「315サイコの日」(イベント告知)

" 映画『ヒッチコック』公開記念&“サイコの日” 前日祭特別試写会

 “サスペンスの神”と崇められたヒッチコックと、彼を支え続けた優れた映画編集者にして、脚本家であり、生涯ただ一人の妻アルマ。
 映画「ヒッチコック」は『サイコ』の成功に至るまでの道のりと二人の天才の知られざる物語を、時にユーモラスに、時にドラマチックに描いた感動作。 映画『ヒッチコック』の公開を記念し、来る3月15日を“サイコの日”と銘打ちトークショー付前日祭を開催! ヒッチコック最大のヒット作にして後世の映画に多大なる影響を与えた不朽の名作『サイコ』特別上映と 新作映画『ヒッチコック』試写会をお見逃し無く!
【スペシャルゲスト】
大林宣彦(映画作家)、滝本誠(評論家)ほかを予定"

 ヒッチコックとその妻アルマを描いたドキュメント。
 予告篇がなかなか素晴らしい。
 が、そこで明かされる名作『サイコ』の秘密には、映画で受けたのと別の形の驚愕に遭遇。(必ず『サイコ』を観た後で、この予告と映画を観て下さい。でないと、極上のスリラーの体感機会を貴方は逃すことになります)

 僕はヒッチコックの追悼特集(TV)で『サイコ』を学生時代に観たのだけれど、あの衝撃は忘れられない。大げさに言えば、ある意味、生涯一度のショック体験だったのかもしれない(他の映画が同等のことをやってもそれは、全て『サイコ』の真似であって、その衝撃を超えることはないと思う)。

 この映画はその『サイコ』撮影時のエピソードに基づいて作られているようで、興味津々である。

 上のイベントは、既に応募締切となっているが、滝本誠さんが、どのようにヒッチコックを語るのか、是非とも参加された方は情報を御寄せ頂きたい。

3/23追加。“サイコの日”トークイベントの動画が公開! 滝本誠師の静止を振り切りw暴走する大林宣彦監督のスキャンダラストークが見もの(^^;)


映画「ヒッチコック」"サイコの日"前夜祭トークイベント 前編 - YouTube

◆関連リンク
スティーヴン・レベロ著, 谷川 建司, 岡山 徹訳『ヒッチコック メイキング・オブ・サイコ』 改訂新装版
 本作の原作となったノンフィクション。僕は随分前に旧版で読みました。
 スリリングな本だった記憶。

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2013.03.13

■感想 フィリップ・K・ディック/佐藤龍雄訳『空間亀裂』: The Crack in Space

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空間亀裂 - フィリップ・K・ディック/佐藤龍雄 訳|東京創元社

"時間理論を応用してつくられた超高速移動機の内部に亀裂が発見された。そこからは別の時間、別の世界が覗き見られるという……。ときに西暦2080年、世界は人口爆発に苦しめられていた。避妊薬は無料となり、売春も法的に認可されている。史上初の黒人大統領候補ブリスキンは、かつて夢見られ今は放棄された惑星殖民計画の再開を宣言するが……。ディック中期の長編、本邦初訳!"

 P.K.ディックの初訳出長篇『空間亀裂』読了。
 修理工場で見つかる超高速移動機のひび割れ。ピンク色の娼館衛星<きんのとびら>とそこに君臨する異形の者ジョージ・ウォルト。そして空間の裂け目に現れる異世界…。
 …まるで吾妻ひでおの漫画のようだ(^^)。表紙は彼しかいない!

 ということで、物語からイメージした表紙に合うものがあるかと画像検索。
 冒頭に引用したディック『空間亀裂』の各国表紙は、Chris Mooreの描いた引用画像の左上、最初の一枚が最高(^^)(Chris Mooreのページ 上から3枚目)。
 ピンクが際立つ娼館衛星のわい雑さを見よw! 娼館衛星は、"女の胸のふくらみ形のパーキングスペース"(p181)を持っているという何ともキッチュなバカバカしくもディックっぽい設定。

 Chris Mooreのページにある "This one is crazy wild in theme and color! " の惹句がぴったりだ(^^)。

 そして、猥雑さは物語にも言える。
 ジム・ブリスキン大統領候補の選挙運動を通して、真剣に真面目に人口問題と人種問題について書くディックの筆致。
 小さな街の超高速移動機の修理工場で見つかる罅割れ。その亀裂の謎が物語のリーダビリティを高める。

 そして描かれる市井の人々。浮気と離婚と中絶と…政治の捉え方含めて、まるでワイドショーを見ているようだ。
 戯画化された人々と、描かれる異文化の描写の融合具合が何とも心地いいスキゾパラノなディック空間。

 花を添えるガジェット群も、レイザーピストルとか映話とか言語解析機、空飛ぶタクシー・ジェットキャブ…。こうしたディック未来世界の定番が懐かしくも血が騒ぐ(^^)。

 ビル・スミスによって語られる異文化(p222)

"金属は忌まわしいものです。地の底で死者とともにあるものだから、地の底は<過去>に属する世界であり、すべての<時>が止まっている世界です"

 罅割れの向こうの異世界描写にはワクワクした。ここは全部が書かれてないので想像力をいたく刺激して、読後もいろいろとあの文化の成り立ちについて想ってしまう。

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 ということで、そんなディック空間を飾る未来的音楽を最後に紹介して、この感想を閉じたいと思う。

 作中の探偵が聴く「20世紀中葉の偉大な作曲家ハリー・パーチ 霧箱演奏曲」。
 創作楽器"Cloud Chamber Bowls"の画像(右はその一枚)。演奏の不思議な音はここ

◆関連リンク
フィリップ・K・ディック/佐藤龍雄訳『空間亀裂』
牧眞司「むやみなアイデア、やりすぎのチープ、めくるめく混乱」
 (2013年2月刊『空間亀裂』解説[全文])

Nolax - The Crack In Space - YouTube
 ディックとは関係ないようだけれど、同タイトルのテクノサウンド。
Book Recommendation: The Crack in Space by Philip K. Dick - YouTube
 "The David Pakman Show"というテレビ(ネット?)番組で、ディック『空間亀裂』が紹介されている動画(2012年)。

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2013.03.11

■情報 R.A.ラファティ、井上 央訳『蛇の卵』2013.3/16発売! Lafferty "Serpent's Egg"

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R.A.ラファティ、井上 央訳『蛇の卵』(SEISHINSHA WEBPAGES)

"人間の男の子:ロード・ランダル、少女の姿をした歩行型人間模倣タイプコンピューター:イニアール、類人猿アクセルザルの少年:アクセル。選ばれた三人が参加する実験とはなんなのか? そして世界を支配するカンガルーたちが怖れる「蛇の卵」の正体とは? 想像力の作家ラファティが送る奇想天外な長編、本邦初訳!"

Twitter / seishinsha: 青心社編集部

"お待たせしておりますR・A・ラファティ『蛇の卵』は、東京都内の早いお店で15日くらいから、順次全国の大きな書店様にお届けできると思います。"

 いよいよラファティの新刊長篇『蛇の卵』が今週末に発売になる!
 人間の男の子と、少女の姿をした歩行型人間模倣タイプコンピューターと、類人猿の少年と、そして世界を支配するカンガルーたちの織りなす奇想。
 ここだけ読むと、まるで村上春樹の新刊の様です(ちょっと違うか。村上春樹の新刊がコンピュータSFだった場合、こうはならないだろうか(^^;))。
 まじめな話、村上春樹が自身の小説に導入している異質なもの、奇想部分を100倍くらい濃密にして、さらに不思議なキャラクターを登場させるとラファティの小説になる、と考えるのは僕だけだろうかw。
 
 でも、本当に村上春樹の奇想な短篇群が好きな方々には、騙されたと思って、一度読んで欲しいのが、この幻惑のねじれたユーモアの作家 ラファティなのである(と書いたら、読者層の拡大に繋がらないだろうか…もっと日本での知名度が上がってどんどん訳出が進むように(^^))。

 Amazonでは、この記事を書いている3/9時点では、予約スタートしていませんでした。(その後、3/12に予約受付開始(^^;))。

◆関連リンク
R.A.ラファティ、井上 央訳『蛇の卵』(Amazon)
『蛇の卵 : Serpent's Egg』サイン本がオークションで60ドル
 これ、eBayの日本語公認サイトであるsekaimonの取扱です。この表紙(上の引用画の左端)、なかなか色合いがいいんですが、蛇嫌いには…(^^;)
Twitter / らっぱ亭 ‏@RappaTeiさん

"@butfilp こちらは牧眞司さん所蔵の貴重な革装版"

 らっぱ亭さんに教示頂いた牧眞司さんの『蛇の卵』豪華革装版写真。
 これはやはり蛇皮なのでしょうか(^^;)。
とりあえず、ラファティ らっぱ亭さんのラファティファンサイト
ラファティ 当Blog記事 Google 検索
 一通り読んでるんですが、もっと記事書かなきゃいけないですね。

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