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2013年8月25日 - 2013年8月31日

2013.08.30

■感想 特別展 陶芸の魅力×アートのドキドキ@岐阜県現代陶芸美術館

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特別展   陶芸の魅力×アートのドキドキ 岐阜県現代陶芸美術館

"■会 場 : 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリー
■会 期 : 2013年5月25日(土)~2013年8月25日(日)"

 既に終了した展覧会で申し訳ないのですが、最終週の週末に行ってきたのでレポートです。
 展示会のポスター等のメインビジュアルとして紹介されている、奈良美智《White Riot》(2010年)を観たくて行ってみたのだけれど、これが素晴らしい作品だった。
 冒頭引用した公式HPのトップ画像ではとても表現し切れていない、この作品の質感は素晴らしいものであった。

White_riot

 展示会場のちょうど中心付近に位置する《White Riot》は、会場を歩く途中の通路から突き当たりに観えてくるのだけれど、遠くからでもその質量感が伝わってくる、まずその大きさに圧倒される。
 初出の奈良美智 セラミック・ワークス展の情報によるとその身長は2.8m。実物は4mくらいあるのではないかと体感されたが、きっと陶器の土の重量感故の迫力が伴っているからではないだろうか。

 もともと奈良氏の造形作品は発泡スチロールやFRPで作られていたとのことだけれど、最近の陶器での作品制作の素晴らしい成果は、この重量感であると思う。
 白い色のため、写真でその質感が伝わりにくいのが残念だけれど(ネット写真を検索してもなかなかこの質感を的確に捉えた写真はない)、何回か個展でも展示されている作品の様なので、どこかで機会があれば、是非御覧下さい。

 《White Riot》について調べてみると、下記の様なパンクの名曲が。
 奈良氏作品は、これにそのタイトルを由来するのかもしれないですね。圧倒的な白の質量感は、まさに暴動の勢い(^^;)。

White Riot : 白い暴動 - Wikipedia

"白い暴動 (しろいぼうどう、White Riot)は、イギリスのパンク・ロックバンド、ザ・クラッシュのファーストシングル。アルバム『白い暴動』からの曲である。

この曲は短く激しく、ラモーンズの影響を受けて2つのコードを非常に速く繰り返す。ジョーンズが「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントして曲が始まるが、再録音版ではパトカーのサイレンで始まる。

詞の内容は、階級経済学と人種、立証された論争:多くの人はこれが「人種戦争 (race war)」への弁護と考えた。むしろ作詞のストラマーは若者に暴動に見合う原因(彼がイギリスの黒人が持っていると感じたような)を見つけるようアピールした。そして前向きなメッセージも含ませている。"

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 蛇足だけれど、この像の存在感に圧倒されたヤノベファンの僕はw、個人的にはヤノベケンジ氏の巨大作品で一度、陶器の質感による重量感のあるものも観てみたい願望にかられる。既にあいちトリエンナーレで、トらやんの「Cupid:クピド」とか「チャペル」に置かれた陶器の「サン・チャイルド」(右写真)とかの作品があるヤノベ氏なので、陶器巨大作品の可能性もないわけではない、と思うのだがいかがだろうか。
 6.2mの「サン・チャイルド」陶芸版、観たいのは僕だけではないはずw。

 奈良氏の作品では、もうひとつ《おたふく1号》という頭部のみの作品も、巨大な存在感を醸し出し、《White Riot》と並べられた展示空間が圧巻だった。

 その他の作品では、冒頭の写真にある小出ナオキ《cloud (theater)》。これは雲の内部に奇怪なデフォルメされた人物が住んでいる像で、こちらもとても興味深い作品だった。

 ギリアン・ローンデス《フックのかたち》のシュールレアリスティックな造形、キム・シーモンソン:Kim Simonsson《エイリアンのタトゥー》の日本アニメ風のキャラクターも興味深かった。いずれもネットに写真がないので、残念である。

 陶芸作品はその存在感を示すのに、立体映像が最適だとかねがね思っているので、こういうのは3Dハンディカムで是非撮影させて頂きたいw。このBlogぐらいの閲覧数ではプレスとして認めて頂いて撮影許可はもらえないのだろうな〜、、、と誰にともなくつぶやくw。

 他には、岡本太郎の《犬の植木鉢》《座ることを拒否する椅子》6点も観ることができたのでなかなか満足の展示会だった(^^)。

◆関連リンク
陶芸の魅力×アートのドキドキ(兵庫陶芸美術館)
 2013年9月7日(土)~11月24日(日)。次は兵庫へ巡回とのことです。
奈良美智 セラミック・ワークス展@小山登美夫ギャラリー|奈良美智カタログレゾネ・プロジェクト.

"「White Riot」は、なんと、高さ280センチ近くもある、とても大きな作品。 神殿にたたずむご本尊のように、圧倒的な存在感をはなっています。 中は空洞ですが、陶器でできているので、相当な重量感です。 首の部分で、胴体と頭の2パーツがつなげられています。 奈良さん曰く、「チェ・ホンマンさんに来てもらいたい!」 土曜ドラマ「怪物くん」にフランケン役として出演しているホンマンさんは、 身長2メートル以上。 並んだら、きっと目のあたりまで届きますね。 すいこまれそうな、強い眼差し。"

asahi.com(朝日新聞社):奈良美智、陶芸に挑む - 文化トピックス - 文化.

"70センチを超える立体が計5点、最も大きな立像「White Riot」は高さ約2.8メートル。どれも奈良が自らの手で粘土を積み上げ、制作したやきものだ。  2007年から、滋賀県立陶芸の森(滋賀県甲賀市信楽町)に繰り返し滞在し、やきものを学んだ。陶芸作品をメーンに発表するのは今回が初めてとなる。  奈良はこれまで、発泡スチロールを削って立体作品の原型を作り、繊維強化プラスチック(FRP)の作品として発表してきた。だが、陶芸は発泡スチロールと比べると格段に制約が多い。  作品は、ひも状の粘土を積み重ねる「ひも作り」。下の段が乾く前に積み重ね過ぎると重みで形がひしゃげ、乾かしすぎると今度はくっつかなくなる。しかも、焼成すると体積が6%ほど縮む。  だが作品からは、奈良がむしろ制約を楽しんでいるように見える。例えば、金彩の「おたふく1号」は、その名の通り顔が下膨れに。頭の部分が縮みすぎたためで、バンダナを巻いて味とした。プラチナ彩の「おたふく2号」では均整がとれ、技術の習熟を感じさせる。"

奈良美智『Ceramic Works』

"同じものは2度と作れるものではなく、なにかしら大地からの・・・ いや、宇宙からの贈り物みたいな気がしてくる。 どんな生き物でも死んでしまうような高温で焼かれたものなのに、 焼く以前には感じられなかった命をそこに感じることができるのだ。"

小出ナオキ | Tomio Koyama Gallery
・ギリアン・ローンデス フックのかたち
 こちらは検索しても画像が出てこない。
Kim Simonsson:キム・シーモンソン- sculptor ビデオもあります。
Kim Simonsson - Google 画像検索

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2013.08.28

■情報 「SFと未来像」展@米沢嘉博記念図書館

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2013-09-01 - 米沢嘉博記念図書館報

"米沢嘉博記念図書館 企画展「SFと未来像」展
■会場:明治大学博物館 特別展示室 〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階 Tel:03-3296-4448
■期間:2013年9月1日(日)~2013年9月29日(日) 会期中無休
■主催:日本SF作家クラブ・明治大学 米沢嘉博記念図書館"

"【展示概要】
SFと社会的に 流布されてきた未来像との相関に焦点を合わせ、その時代ごとの変遷と、これから造られる現実の未来へのヴィジョンを、原画などにより展示いたします。みな さまの未来への想像力を刺激するとともに、フィクションと現実との関係に、多角的な視点を提供できれば幸いです。

・セクション1:進歩史観的/衛生的な未来像 直線的な進歩史観と、超音速・宇宙開拓・マザーコンピュータ・巨大都市計画管理社会などの中央集権的な技術観に特徴付けられる、1970 年大阪万博によって当時に幅広く共有された未来像。

・セクション2:ポスト進歩史観的/退廃的な未来像 オイルショックとベトナム戦争以降、進歩史観や国家の威信は失墜し、パーソナルコンピュータが身近になりました。そのような時代を背景とする、サイバネ ティックス、アジア的都市、コマーシャリスティックな多国籍企業の台頭、国家をおびやかすハッカーなどに特徴付けられる、ハリウッド映画やマンガ・アニメ などを通じて一般に親しまれた未来像。

・セクション3:新たな未来像 超大国間の第三次世界大戦のリアリティが後退し、ノストラダムスの予言が的中しないまま、われわれは21世紀の日常を生きています。初音ミクやツイッターのある日常。そんな現在に生きる今、SFはどのような〈未来〉を描くのでしょうか。現在のSFの試みを紹介します。"

 ということで、日本SF作家クラブ50周年記念の一環として(明記されていないが、たぶんw)、開催される展示会。

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 時代ごとにSFが描き出す未来が変化してきたのを展示から体感できる様です。
 行ってみたいけれど、遠いのでたぶん無理でしょうね(^^;)。どなたか開催後、行かれたら、この記事へのコメントでレポート頂けると幸いです。

 案内文のみから想像すると、やはりセクション1が一番ワクワクする、本来の我々の未来ですね。実現できなかった、懐かしい遠い未来(^^;)。

◆当blog関連記事リンク
■情報 "小松左京『日本沈没』-未来へのヴィジョン-展"@米沢嘉博記念図書館

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2013.08.26

■感想 地中美術館 ウォルター・デ・マリア「タイム/タイムレス/ノー・タイム」Walter De Maria "Time Timeless No Time"

20130816_224634 作品集 | ベネッセハウス ミュージアム | ベネッセアートサイト直島

 瀬戸内アートの旅、二日目に行った地中美術館の感想。
 安藤忠雄の建築の中に、地中から空に向けて佇むウォルター・デ・マリア「タイム/タイムレス/ノー・タイム」が圧巻。

walter de maria time timeless no time - Google 画像検索
 撮影禁止なので、Google画像検索へリンク、冒頭の写真はその検索結果ページのキャプチャ画像。これは、地中美術館の四角く切り取られた地表の穴から太陽光が入る地下空間の神殿の様な作品である。

 階段の上の祭壇に置かれた球体の不安定感。壁の金の柱。天から差し込む光によって表情を変える多面的作品。

 これは安藤忠雄の地中秘密要塞wのコアとなる神殿である。
 美の表現であるとともに、まるで何かの教義を伝えるような畏怖の感覚がある。白い美術館員の宗教的佇まいと合わせヨーロッパの教会とは別の異端の邪教(ベネッセ教? ^^;)がここに顕現。

 以下、主要なネット写真へのリンクとその視点からの感想。興味ある方はリンク先を御覧下さい。

 球体を見上げる位置 この不安定な浮遊感はどこから来るのか。
 固定されない天井の石/意志なのかw。この邪教の神は天の采配の不安定さを予め人に冷たい神殿で伝えようとしてる様に見える。

 下からの光景 右と左の端からでは天井からの自然光によって異なる様相を提示する。このリンク先の写真では光の柱が天井から球体に落ちている様に見えるが、時間によってその反対側から球は影の空間に居る。その時の全体の光が絶妙でした。撮影禁止が残念でならない。3Dハンディカムでこの空間を立体的に撮りたかった(^^;)

 こちらは上から見下ろしたイメージ この写真が切り取った時間は素晴らしいですね。光の落ち方が絶妙。しまった、このように漆黒の球体に青空が落ちる絵も見られたんだ! この角度からは見忘れた(^^;)。

 地中美術館は4人のアーティストの作品を恒久展示しているということだけれど、そのうちの一人、ウォルター・デ・マリアってこの7月に亡くなったとのこと。
 素晴らしい空間をありがとうございました。黙祷。
 …直島の地で永遠に生きて下さい。

 あと他では、クロード・モネ「睡蓮」も良かった。
 靴を脱いで履き替えるスリッパとそれで踏みしめるダイス状の大理石モザイクの触覚を含めた展示空間デザイン。まるで蓮の葉の様な優しい、触覚の芸術。加えてチケットセンターまで戻る時の歩道の蓮の池との空間の共鳴。灼熱の瀬戸内に涼しい風が吹いて…。

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 上の写真が、クロード・モネ「睡蓮」を模した歩道横の景色。あの灼熱を忘れさせる絵画の魔力は凄い(^^;)。
 こういう景色が地中美術館手前の歩道脇に100mほど続いています。モネを観る前は、暑くて景色が全く眼に入ってなかったが、帰りに気づいたw。

 あと蛇足です。
 予約券とって2時間待たされ宗教服の人から時間も位置も制限される窮屈な鑑賞にジェームズ・タレルを観る時、不満が最高潮w、iPodで菊地成孔粋な夜電波#70キラー・スメルズをがんがんかけて観たのは僕です。
 なんとキラー・スメルズのラテンが、安藤建築に合ってたw!

 そして青の光を使ったタレル作品は、まるでアニメ(ヱヴァ?)のセットのような様相でした。

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 あと、今回、片道7時間半の青春18切符旅ゆえw、直島では時間がなく、ベネッセハウス ミュージアムしか行けなかったのだけど、ブルース・ナウマン「100生きて死ね」の置かれた安藤忠雄空間は凄かった。まるで未来世紀ブラジルw。
 掲載したのは、そのネットで見つけた写真。天井までの高い空間がギリアムしていました。御好きな方は是非(^^)!

◆関連リンク
ブルース・ナウマン「100生きて死ね」 - Google 検索

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