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2013年12月8日 - 2013年12月14日

2013.12.11

■情報 ユーリー・ノルシュテイン 円空賞受賞記念 アーティストトークとサイン会 + 作品展示@岐阜県美術館

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 ユーリー・ノルシュテインが来日!アーティストトークとサイン会(岐阜県広報紙(PDF)より)

"第7回円空賞受賞記念。申込不要・無料・先着180人 2014.1/25(土)13:30〜15:00@岐阜県美術館講堂"

 自宅ポストに入っていた岐阜県の広報紙に、なにげに載っていたノルシュテイン。家族が見つけて教えてくれました。ほとんど岐阜県美術館からインターネットでも広報されていなくて、全く知りませんでした。
 そして「円空賞」なるものの存在と、それをノルシュテインが今年受賞していることについても初めて知りました。

岐阜県美術館|関連イベント(公式HP)

"ユーリー・ノルシュテイン アーティストトークとサイン会
開催日:1月25日(土曜) 時間:午後1時30分から午後3時00分
出 演:ユーリー・ノルシュテイン
会 場:講堂 ※事前申込み不要、無料 ただし、サイン会については当日ミュージアムショップにてノルシュテイン関連書籍をご購入の方に限らせていただきます。また、作家の都合によりサイン会の内容等変更になる場合がございます。ご了承ください。

ユーリー・ノルシュテイン作品上映会
開催日:2月1日(土曜)、2月23日(日曜)
時 間:各日、午後1時30分から午後3時00分
会 場:講堂
※事前申込み不要、無料"

第7回 円空大賞展 ~受け継ぎ挑む 独創の表現者たち(岐阜県美術館)

"2014.1/24(金)〜3/9(日)「円空大賞」受賞作家の多様な作品を展示"

 なんと記念の展示会で、ノルシュテイン作品の展示もあるようです!→岐阜県美術館Blog

 葉山での大規模展示「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ」展」が素晴らしかったので、展示規模はそれほどではなさそうだけれど、今回も期待です。かなり小規模でしょうが、楽しみです。近くなので、全国のノルシュテインファンの為に、始まったらすぐにレポートします!

2014年1月26日ユーリー・ノルシュテイン特別講義が決定! : アート・アニメーションのちいさな学校だより

"ロシアの映像詩人、世界的なアニメーション作家ノルシュテイン氏が 岐阜県の円空大賞受賞〜受賞者展のため来日。短い時間ですが、東京 阿佐ヶ谷のアート・アニメーションのちいさな学校にもお立ち寄りくださる とのことで、急遽、本特別講義をセッティング!
日時:2014年1月26日(日)PM 6〜8時
受講料:¥1500円 定員:120名(予約申込制/先着順
場所:ザムザ阿佐谷
お問合せ先:アート・アニメーションのちいさな学校 東京都杉並区阿佐ヶ谷北2−12−19 TEL:03-5327-3725
お申し込みは、学校HPの申込フォームより。 ※一名様ごとのお申込み (一名様で複数名分の予約はできません。) お申込受付は事務局営業開始の1月6日からとなります。"

 岐阜の後、東京でも講演会が企画されています!

◆関連リンク
(1/26追記)・◆レポート 円空賞受賞 記念講演会 ユーリー・ノルシュテイン アーティストトーク 1/25の講演会に参加し、その内容を詳細にレポートしました。

ユーリー・ノルシュテインの仕事(ふゅーじょんぷろだくと)

『ユーリー・ノルシュテインの仕事』

"ハリネズミを包んだ霧。狼くんが食べるジャガイモの熱さ。アカーキェヴィッチの豊かな表情。ノルシュテイン・アニメの不思議で美しい映像はいかにして生まれ たのか。デッサン、絵コンテ、エスキース、実際の撮影に使われた素材など誰も見たことがないノルシュテインアニメの制作工程を豪華カラーヴィジュアルで紹 介。ハリネズミを包んだ霧の秘密を明かした講義録を収録。
ノルシュテイン・アニメの不思議で美しい映像はいかにして生まれたのか。デッサン、絵コンテ、エスキース、実際の撮影に使われた素材など誰も見たことがな いノルシュテイン・アニメの制作工程を豪華カラーヴィジュアルで紹介。"

 2004年にこんな豪華本が出ていたのですね!
 ほしいが、8900円!!

「ユーリー・ノルシュテインの仕事」

"【特別インタビュー】 ノルシュテイン自作を語る/キャラクターについて 【収録作品】 『話の話』『霧の中のハリネズミ』『25日最初の日』『ケルジェネツの戦い』『キツネとウサギ』 『アオサギとツル』『おやすみなさいこどもたち』『CM ロシア砂糖』『冬の日』『外套』 【誌上ワークショップ】 講義録/ユーリー・ノルシュテインによる『霧の中のハリネズミ』のつくり方 ・ノルシュテイン全作品解説(おかだえみこ) ・ノルシュテインを語る(高畑勲/川本喜八郎/フレデリック・バック/鎌田慧/アレクサンド ル・ソクーロフ/児島宏子) 〈概要〉 【版型】   300×270mm・ 【ページ数】  242頁(カラー154頁のほか、モノクロ頁にはクラフト紙や、和紙を使用) 【定価】 〈通常版〉8,925円(税込)"

当Blog関連記事
■「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ」展  @神奈川県立近代美術館<葉山館>

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2013.12.09

■感想 高畑勲監督『かぐや姫の物語』

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 なんと高畑勲の最新作は、この緻密な演出力を持つアニメ監督初のSFで、異星人来訪ものw。
 手塚治虫『W3(ワンダースリー)』や田中光二『異星の人(エイリアン・メモ)』などと同一テーマで(というか日本最古のこの物語のアンサンブルがこれら作品なのだけれど)、地上に落とされた異星人が、混沌として猥雑である人間の世界にいつしか魅かれていく物語。

 そして高畑版『竹取物語』は、宮崎駿の最高傑作『風の谷のナウシカ』漫画版で描かれたテーマ「いのちは闇の中にまたたく光だ」の平安時代異星人版でもある。

 清濁を合わせ持つ地上(山村の生活)と天上界(月世界)、そしてその間で天上を夢見ながらそのシミュラクラとして地上に存在する貴族の雅な世界、という三層構造。高畑演出はこの構造を強固な骨格として設定し、それに沿った緻密な演出を随所にちりばめている。

 特に、タケノコが町に作られた館の庭を掘り起こして、出てくる地に這う蟲達のシーン。仮想な天上界としての平安貴族世界の欺瞞的な姿に疲弊して山のシミュラクラを生成することになる庭の一角、そこに現れる混沌とした蟲的世界。抽象化されたスケッチの様なアニメーション映像の中に、リアルな描写として挟み込まれたそのシーンも、まさにその三層構造構築の演出の一環だろう。
 神は細部に宿る、の言葉通り、それらひとつひとつの描写が、かぐや姫の地球への想いを積み上げて構築していく。

 こうして再構築された日本最古の物語。観に行く前にいろいろと読んでいた情報では、ずいぶんと作画に振ったアートアニメっぽい作品とのイメージだったが、エンターテインメントの物語としても、最古の作品を現代的なテーマと接続させて見事な映画になっていたと思う。
 主人公の感覚もとても現代的というか、普遍的。
 山の自然との接触がヒトを自然な姿としてああした普遍的な感覚に育てていく、ということだろうか。平安の異世界感はほとんどなく、昭和の大戦前の空気を見事に描き出していた『風立ちぬ』より、むしろこちらの方が現代的であった。

20131208_80334

 上に書いたテーマに関して、少しだけ違和感が残った部分。
 『アルプスの少女ハイジ』ではアーデルハイドが町でノイローゼになり、アルムの山に雲に乗って帰っていくシーンがある。それに比してかぐや姫は狂ったように走って村へ戻る。

 村の生活はあくまでも子供時代のタケノコのノスタルジックな記憶の世界。
 どうしてもここは懐かしさがあいまって暖かい気持ちの源泉となることは間違いない。

 テーマが清濁の人間世界を描くことにあるとしたら、そうしたノスタルジーをともなう時代を描くだけでなく、何故、町の生活の中にもある、人間関係の中で現れる汚濁の中の光を描いていないのか、というのが少し残念だったところ。
 カリカチュアライズされ飽くまでも偽物の世界として描かれてしまった貴族社会には光の描写がなかった。それが何らか描かれていたら、さらに厚みのある三層世界になっていたのではないかと残念。

 もうひとつ残念だった所は、月へ帰る雲のシーンで流れる音楽。ここが(現代の)地上的音楽だったのが僕には今ひとつだった。
 あそこは雅楽的な音楽を換骨奪胎して、月世界の無色な清浄の異世界をイメージさせる、この世のものではない様な音楽を鳴らして欲しかった。換骨奪胎は、例えば『AKIRA』におけるケチャをああいう形で見事に映画世界に当てはめた芸能山城組の様なものを、雅楽でやっていたらもっと素晴らしいラストになっていたのでないだろうか。

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 最後に画期的と言われるスケッチ的アニメ映像について。
 絵的には、欲を言うと、50億円かかったという予算をさらに10倍にして(^^;)、ヌメヌメと動くフルアニメーションで見せて欲しかった。

 リミテッドで描かれていても、絵巻物の世界という狙いは分かるが、一部の凄まじいシーン(例えば予告にある狂女の様に走るあのシーンと桜の木の下のシーン)以外、何故か全体の印象を観賞後に思い出すと、それほど通常のセルアニメと大きな印象の違いはなかった。

 で、思ったのが、先に述べたフルアニメーションのヌメヌメ感の添加。
 この淡い色の水性画のようなタッチで、往年の東映動画かディズニーの様なフルアニメーションが描かれていたら、どんな印象が全体で残ったろうか。

 50億円でもジブリの採算が心配されている中、超無謀な願望ですみませんw。
 あまりに巷の評判が作画映像として挑戦的/前衛的というものだったので、つい臍曲りな性分で自分の鑑賞直後の不遜な感想を生で書いてしまいました。

◆関連リンク
「かぐや姫の物語」ノート情報・叶精二氏(高畑勲監督ジブリ作品) - Togetterまとめ
 高畑勲・宮崎駿作品研究所の叶精二さんによる詳細な情報。
[ノンフィクションW]「高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。」製作現場を2年半にわたって密着取材 | マイナビニュース
映画「かぐや姫の物語」制作風景 | 高畑勲展 | au
 そのダイジェスト映像。
私の好きな高畑作品投票 | 高畑勲展 |  au
 やはり『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』の人気が高い。
高畑勲展 | au 
 ウェブ「高畑勲展」。主催 au 、協力 叶精二氏(映像研究家)。とても丁寧に高畑作品が解説されています。
竹取物語 (1987年の映画) - Wikipedia

"『竹取物語』は1970年に死去した特撮監督の円谷英二が生前に映像化を切望していた題材であり、円谷とともに映画製作に携わってきた東宝映画社長の田中友幸にとっても念願の企画であった"

 この映画は市川崑監督作。円谷英二のかぐや姫も観たかった。
 高畑作品を観ながら、どこかで円谷特撮ならどうなっていたんだろう、、、と時々想像してました。

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