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2013年2月3日 - 2013年2月9日

2013.02.08

■感想 ドキュメンタリー立体映画 松江哲明監督『フラッシュバックメモリーズ3D』Flash back memories 3D

フラッシュバックメモリーズ[3D]特報 - YouTube

 音楽ライブドキュメンタリー立体映画『フラッシュバックメモリーズ3D』を名古屋シネマスコーレで観た。
 アップテンポのディジュリドゥの音響の中に紛れ込んで、まるでステージの中を歩き回っているような感覚。そして3Dで、後方のレイヤーに過去のホームビデオの映像、前方に日記のテキストの複合的体感。

 松江哲明監督の映像は、ライブを主眼に構成。
 ディジュリドゥの繰り返しの低音が終止劇場を支配し、GOMAの家族映像と交通事故で高次脳機能障害を受ける以前のライブは、もっとウェットなドキュメントを想像してたが、観客にも客観的な背景映像として提示するのみ。

 印象的だったシーンは、事故の少し前のハイビジョンで撮られたライブのコマ落としの映像と11.10月の3Dライブが 融合された画面。ラスト手前でGOMAが長いパイプのディジュリドゥを観客(と未来の自分)に突きつけ眼を開いて此方を凝視するシーンの臨場感。

 これら二つのシーンには、新しい3D映像の可能性が何か潜んでいるような気がした。それが何だか、まだ言語化できないんだけれど、グッと来たのは間違いない(^^)。

 音楽ライブや演劇といったステージの生の感覚をスクリーンに届け得る3D映像の可能性。
 僕は残念ながらGOMAのディジュリドゥの音楽には実は今ひとつ乗り切れなかったのだけれど、いろんなステージ立体映像を観てみたいと思った。舞台に紛れ込む様な臨場感は生のライブを超える感覚を生起するやも…。

 観終わってから考えていたのだけれど、この映画は自分がGOMAの立場になったとして、その際にこの映像が自分にどう観えるのか、というのを問いながら観ることを促しているのかもしれない。
 再見する時は、その感覚で観直してみたいと思う。

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 名古屋シネマスコーレの劇場前の看板も3Dでディジュリドゥが飛び出てた(^^)!
 そして同日公開されていた『デッド寿司』は、普通の寿司が殺人寿司に変身するパフォーマンスw。
 「へい、名古屋おまち!」の横のポップの普通の寿司をめくると中から殺人寿司が現れます。爆笑。

◆関連リンク
『フラッシュバックメモリーズ3D』対談 松江哲明(監督)×高根順次(プロデューサー) - CINRA.STORE -
BP@究極映像研(@butfilp)/2012年11月04日 - Twilog
フラッシュバックメモリーズ3Dができるまで」の生配信をツィートしたもの。
 講師は監督松江哲明氏、音響山本タカアキ氏、編集今井大介氏、プロデューサー高根順次氏!
 松江監督 "GOMAさんの過去と現在を3Dを使って描く。2D-3D変換、当時1万円/分と言われていたが、とてもそれで実現できるとは思えなかった"
 高根順次P "最低でも数千万円かかる。渡辺さんという編集マンのHPで安く出来ることを知り訪問した"
 渡辺知憲氏HP
 松江監督 "3D編集も5.1chもスタッフが自宅でやった。(略)3Dは映画界で嫌われている。黒沢清監督とか。ハリウッドの撮り方は3D的な工夫が足りない"
 "映像そのもので疑似体験をしてほしいと3Dにした"
 GOMA氏の撮影した映像『ジャングル大陸』等について。"興味のあるものにズームする" "映画二本をいっぺんでやるようなものだった。実態感が得られる3D。
 "3Dなので2Dよりカット割は長い。観客が集中する様に"
 iPhoneで撮った縦長の奥さんが撮られた映像について"これだ、という素材"
 アニメーションのシーンについて、飛び入りでイワイサワケンジ氏登場。
 "GOMA氏の点描絵をアニメに。交通事故の映像化も"

当Blog関連記事
■情報 ドキュメンタリー立体映画 松江哲明監督『フラッシュバックメモリーズ3D』Flash back memories 3D
■情報2 大口 孝之、谷島 正之、灰原 光晴『3D世紀 -驚異! 立体映画の100年と映像新世紀-』

 そこで大口氏が今年一番のS3D映画の収穫として挙げられていた一本が下記のドキュメンタリーです。

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2013.02.06

■感想 アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ: Life of Pi's』3D


EXCLUSIVE: Life of Pi's Stunning Effects - YouTube

 アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ』3Dを吹替で観てきた。残念ながら名古屋地方のIMAXは3D吹替がなく、今回はREAL D方式。
 冒頭『ガープの世界』を想起させる語り口で始まる素晴らしい海外文学(の趣を持った)3D映画!
 立体視に適した素材とカメラアングルによる凝りまくった3D描写に溜息の連続。海の描写、水面と海中の透明感のある立体視映像が最高!
 まさに『アバター』以来の3Dのエポックメーキングのひとつと言えよう。

 冒頭の動物達と海洋ドキュメンタリ風の秀逸な立体映像、インド少年パイ君の幼少期からの数奇な物語、そして広大な海の謎の幻想。
 予告篇とかCFを観て、単調な映画ではないかという懸念を持って観始めたが、海の多彩な異世界性が際立ち、まるで何処か宇宙映画の様。2時間、異世界に立体視没入できたw。


 『ライフ・オブ・パイ』、パリでは、なんとプールにボートを浮かべた体感型の劇場が登場。上の動画にあるように、3Dと水の上の客席で臨場感抜群。これは観てみたい(^^)。リチャード・パーカーのようにボートの上で船酔いした状態も再現できているかもしれないw。

『ライフ・オブ・パイ』ネタバレ有メイキング映像
 このメイキングは、3D映像で楽しむために、映画を観終わってからにして下さいw。まるで海にいる様な素晴らしい3Dシーンはこうして作られた。まさに立体映画のエポックメイキング、しかも海面と海底の映像、これは海洋マニアであるジェームス・キャメロンは心中穏やかでないだろう(^^)。

 『ライフ・オブ・パイ』、中国語では『少年派的奇幻漂流』とか『少年Pi的奇幻漂流』というんですね。こちらの方が映画の雰囲気が出ているw。
 まさにクライマックスの奇想は是非幻想小説ファンにも観て欲しい(^^)。

 物語としては、縦糸に神についての物語が横たわり、動物と人の少し哲学的な関係が描かれる。特に前者とそれに貢献する俯瞰描写、水 と光の透明感…奇想な3D映像。これら立体映像による万物の神々しい自然/異世界描写が映画の縦糸のイメージを補強し言葉を超えたレベルで訴える。

 僕はREAL Dで観ましたが激しいカメラワークの嵐のシーンは最高に刺激的3D映像(^^;)。アクション3Dとしても、かなりのハイレベル。

◆関連リンク
『ライフ・オブ・パイ』公式サイト"ベンガルトラの名前をめぐる驚愕のシンクロニシティとは?"
 ネタバレ注意! 観てない方はリンク先へ飛ばないで! 観終わったら是非読んでみて下さい。このシンクロニシティは凄く興味深い。ポーが絡んでいたとは!
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 - Wikipedia
 2003年にM・ナイト・シャマラン監督、アルフォンソ・キュアロン監督、そして2005年にジャン=ピエール・ジュネ、そして2009年にアン・リーが雇われたという記述がある。各監督のファンとしては、それぞれどんな映画になっていたかと想像するのも楽しい。シャマランならもっとラストを劇的にしただろうし、キュアロンはドキュメンタリーのリアリティを増していたかもしれない。ジュネだったら、さらに練っとりと奇想シーンを作り込んでいたのではないだろうか。
CGSociety - Life of Pi

ヤン・マーテル, 唐沢 則幸訳『パイの物語(上)』
Amazon.co.jp: パイの物語(上) (竹書房文庫): ヤン・マーテル, 唐沢 則幸

『Cinefex No.28 日本版 -ホビット 思いがけない冒険-』

"『ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日』Life of Pi
 パイと動物たちの交流を如実に見せるために、リー監督とビジュア ル・エフェクト・スーパーバイザーはLegacy EffectsのアニマトロニクスのノウハウとRhythm & Huesの専門技術を必要とした。その他、国際的なデジタル・プロダクションのLook FXChristov EffectsMPCCrazy Horse EffectsBufHalon Entertainmentも作品に華を添えている"

 シネフェックスの特集が楽しみです。
3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「ライフ・オブ・パイ」3D 初見レビュー【追記】
 3d3d3dさんは、3Dに低評価とのこと。
 僕はインドシーンで窓の外の空間感覚に少し違和感を持ったくらいで、ズレは全然気づいてませんでしたw。

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2013.02.04

■動画 ジョン・カース : John Kahrs監督「紙ひこうき : Paperman」アニー賞短篇部門受賞&アカデミー賞ノミネート


Paperman - Full Animated Short Film - YouTube
'Wreck-It Ralph' wins Annie Award for best animated feature - latimes.com
 pacchiiさんのBlogへのコメント知ったジョン・カース監督「紙ひこうき」全篇公開。13.2月初めにtwitterで盛り上がっていたが、2/2のアニー賞の発表で見事最優秀アニメーション短篇賞を受賞したそうです。
 2Dルックで作られた3Dアニメーション。
 ストーリー、素晴らしい動き、そしてモノクロで醸し出される雰囲気。これらによってグッと熱く迫る見事な短篇になっている。
 抜群のレイアウトとアクション、良質なアニメートに溜息。


Paperman and the Future of 2D Animation - YouTube
広島国際アニメーションフェスティバル3DCGは2Dの夢を見るのか? 広島国際アニメーションフェスティバル2012レポート | WEBアニメスタイル

" ジョン・カーズ監督によると、これは3DCGのアニメーションに2Dのドローイングを重ねるという新技術によって、作られているのだそうだ。具体的には、3DCGのモデルを作り、それを使って3DCGでアニメート。そうして作られた映像を液晶モニターに映し出し、今度は2Dアニメーターがその上に直接、輪郭線等を描き込むのだ。描き込まれた線はベクターデータとして処理され、3Dモデルが動くと、それに張りついたまま動いていく(こうした技術の実現のために新しいソフトが開発された)"

 「紙ひこうき」のセルルックな3D-CGアニメーションを実現したのが、ここにある液晶モニターへアニメーターが直接修正を入れて、それをベクトルデータとして3Dモデルに修正を加える技術。
 その詳細は、上のメイキング映像で観ることが出来るが、以下の『ラプンツェル』でのグレン・キーンの仕事の進め方と無関係ではないようだ。

Twitter / butfilp

"「ラッシュ映像のコマに自ら絵を描き指示を出すこともあった」RT 『ラプンツェル』のパンフレット…グレン・キーンの功績についても少し言及されてました"

 この指示が既に上で述べられている技術を使用していたのか、それともこの『ラプンツェル』のグレン・キーンによる修正方法からヒントを得て、この技術が生み出されたのか、どちらかわからないが、3D-CGのアニメータによる修正方法の革新がなされているのであろう。
 こうした技術は、できれば日本でも生み出されていて欲しかった。
 現時点、3D-CGの良い点と手描きの良い点をうまくマッチさせて素晴らしい映像を作り出すベストな方法のひとつと思われるので。

◆関連リンク
ジョン・カース監督「Paperman」 & カルアーツ ラセターとアニメ作家たち - Togetter

"映像研究家 叶精二さんによるカリフォルニア芸術大学を巡るアニメ作家たちの系譜
CalArts : California Institute of the Arts"

 叶さんのジョン・カース監督「Paperman」の紹介にはじまるアニメ作家たちの系譜について、ツィートを纏めさせて頂きました。
 同じCalArtsの出身であるジョン・ラセター、ジョン・マスカー、ティム・バートン、ジョー・ランフト、ヘンリー・セリック、ブラッド・バードといった面々がディズニーとピクサーで映像の革新を追い求める状況が伝わってきます。
 これは、彼ら映像作家群と並行して進化していた西海岸のデジタル文化の寵児達、スティーブ・ジョブズらの物語と同様にワクワクしますw。
 ピクサーを巡って、そのジョブズやルーカスも引いてくれば、とても素晴らしいドキュメント本の出版企画になりそうな気がします(^^)。
 叶精二さんに是非まとめて頂きたい仕事です(勝手にすみません)。まずはこのツィート群でそのコンセプトに興奮して下さいw。
『コクリコ坂から』もノミネート! アニー賞2013 ノミネーション発表! 海から始まる!?

・当Blog記事
 ■感想 バイロン・ハワード,ネイサン・グレノ監督『塔の上のラプンツェル:Tangled』

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