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2013年2月24日 - 2013年3月2日

2013.03.01

■情報 あいちトリエンナーレ2013 PV ヤノベケンジインタビュー


あいちトリエンナーレ2013 PV (5分版 Vol.2) - YouTube
 (Twitter / aitori_houdoubu(あいちトリエンナーレ公式)経由)

"(あいちトリエンナーレPRムービー) 第2弾となるあいちトリエンナーレPRムービーが出来ました! 出展アーティストであるヤノベケンジさんのアトリエを訪問しインタビューをさせていただきました。"

Twitter / taroigarashi(あいちトリエンナーレ芸術監督・五十嵐太郎氏)

"愛知芸文センターにて、あいちトリエンナーレの諸会議。教育普及プログラムのキーワード選出作業。結婚式もできるヤノベケンジさんの作品の展示打ち合せ。"

 トリエンナーレ芸術監督の建築家 五十嵐太郎氏のツィートに「結婚式もできる」と書かれたヤノベケンジの新作。
 そうした時、ヤノベケンジの新作について、冒頭のPVでアーティスト御本人から概要が語られた。

 PVでは、希望の光「太陽の神殿プロジェクト」という言葉で、語られている(^^)!教会という概要も。これから、結婚式の出来る教会でもあるアート作品、ということになる。
 8月、名古屋にヤノベアートの教会が誕生する!
 その詳細は、まだ公開されていないが、岡本太郎記念館で模型が公開されていたという、熊本で企画中という結婚式のできる美術施設《サンチャイルド島》と何か関係があるのではないか、と考えられる。
 将来、《サンチャイルド島》となる構想の一部が、今回名古屋に建造されるのかもしれない。

◆関連リンク
ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子|アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

"熊本県に建設予定のビッグプロジェクト 《サンチャイルド島》 の模型。"

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2013.02.27

■感想 ポール・オースター 柴田元幸『幻影の書』:The Book Of Illusions

Bookofillusionshorz

Photo

ポール・オースター 柴田元幸『幻影の書』|新潮社 (Amazon)

"その男は死んでいたはずだった──。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のへクター・マン。その妻からの手紙に「私」はとまどう。自身の 妻子を飛行機事故で喪い、絶望の淵にあった「私」を救った無声映画こそが彼の作品だったのだから……。へクターは果たして生きているのか。そして、彼が消し去ろうとしている作品とは。"

 ひさびさのポール・オースター、『幻影の書』読了。
 消えた映画監督ヘクター・マンを巡る映像探求の迷宮。
 傑作セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』に続く映像研究小説(^^)。オースターが描く幻の映画監督 ヘクター・マンの映画群を観てみたくて溜まらなくなる。

 本書は主人公の文学者ジンマーが世界各地に散らばるヘクターマンの映画を探求する物語を中心に進む。それは積極的な研究のためではなく、ある出来事による空虚を埋めるための旅である。
 そしてジンマーが追うヘクターマンの謎に、影を落とす映画監督の暗黒。
 この物語は、映画を縦糸に失意に落ちた二人の男の、相似する人生をたどって行くものになっている。

 オースターは、おそらくわざとこの二人を似た人物として造形している。
 読者には、2人の物語は読んで行くうちにいつしか融合し、二人の人物像が溶け合って、あたかも一人の大いなる失意に沈んだ人物の物語と区別がつかなくなって行く。絶望の自乗。

 そんな物語が最後にたどり着く先は、幻の映画の死の現場である。
 ラスト、そのヘクターの映画についての仄めかしが、読者に大きな余韻を残す。
 そこから始まる新たな物語を想起させる余韻が絶望を超える何かを提示しているようだ。綿密に組み上げられたオースターの物語は、強固に、ある映画監督の中のイメージを、クライマックスで読者に対して強く転送してきている。
 こうして、映画の魔に取り憑かれた人間の物語がまたひとつ映画ファンのコアにインストールされるのである。

◆ヘクター・マン監督『マーティン・フォレストの内的世界』
 ポール・オースター『幻影の書』で描かれた、消えた映画監督ヘクター・マンが撮った幻の長篇映画 "The Inner Life Of Martin Frost"が、なんとYoutubeに!。小説でオースターに描写されたあの映画そのものが存在する! w。
 一時YouTube にあったのだけれど、現在は、削除されている。

 (^^;) 実はこの映画は、本書出版後にオースター自身が監督した映画である。
 もし関心がある方は、日本未公開だが、海外版DVDを買うことは可能な様なので、そうした形での視聴を御薦めします。僕も観たいw。

◆ヘクター・マンとイクター・マン(以下、蛇足)
 映画監督ヘクター・マンの名前から、劇作家 生田萬(イクター・マン)を想起した僕は、勿論ブリキの自発団ファン(^^;)。
 しかしポール・オースターがブリキファンだとは知らなかった!(違う、違うw)

◆関連リンク
Paul Auster DVD『The Inner Life of Martin Frost』
 オースターが監督した映画のDVD。
Paul Auster『The Inner Life of Martin Frost』
 こちらはその映画のシナリオと、オースターへのインタビューを納めた本。
Last night - Not Merely Living
 ポール・オースターが『幻影の書』について語ったナイトショーのレポート。このページから冒頭の写真は使わせて頂きました。サン・フランシスコの素敵なMerelyさんに感謝(^^;)。
「墓の彼方からの回想」/フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン - double edge - Yahoo!ブログ
 主人公の文学者ジンマーが翻訳に取り組むシャトーブリアンの著作について。
The Book of Illusions - Wikipedia, the free encyclopedia

・当Blog関連記事
 セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』

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2013.02.26

■動画 ARTUR FILIPOWICZ監督・脚本・編集 "Katharsis - Beksinski art movie" ズジスワフ・ベクシンスキーのアートを映像化

Katharsis - Beksinski art movie [HD] - YouTube

"Katharsis is an independent movie based on the art by Zdzisław Beksiński. It is a tribute to the great polish artist.

Katharsis to niezależna ekranizacja obrazów Zdzisława Beksińskiego. Stworzona została jako hołd dla wielkiego artysty."

Twitter / k_kazama (風間賢二さん)

"今日はズジスワフ・ベクシンスキーの誕生日。ポーランドの画家。死と崩壊と廃墟を幻想的に描く<終焉の画家>として有名。そのゴシック・シュルレアリズム(今勝手に作ったw)の世界は我が国でも人気が高い。彼のアートにもとずく短編映画。素晴らしい。"

 幻想文学研究家・翻訳家 風間賢二さんがベクシンスキーの生誕84年の今年2/24(日)にtwitterで呟かれたベクシンスキーのアート作品を動画化した作品をご紹介する。

 見事にベクシンスキーアートを三次元化している。制作したのは、ポーランドはワルシャワの映像作家アルチュール・フィリポウィッツ(と言う発音で良いんだろうか?? Googleで見ると同姓同名かもしれないが、ヨガのトレーナーの方がヒットするが、本職は不明)
 これはYoutubeの紹介文によると、自主制作のようである。

 そして続けて風間賢二さんが紹介されたメイキングと、ベースになったベクシンスキーの絵を動画にまとめたもの。こちらもとても興味深い。
 ディジタルの進化は、こうしたアート作品の映像化でも、面白い動画を生み出している。

Twitter / k_kazama

"先ほどの幻想的な映像のメイキングを紹介。
Making of Katharsis - YouTube"

Twitter / k_kazama

"ついでその幻想的映像の元ネタとなっているベクシンスキのアート作品がこちら。
Katharsis - paintings in the movie - YouTube"

◆関連リンク
Artur Filipowicz(Facebook)
Artur Filipowicz - Filmweb (ポーランドの映画データベースサイト)
 ここに掲載されたデータを見ると、役者として2本、監督として1本の映画が掲載されている。映画は『Rdza』(ポーランド語で "さび" )。
 RUST - The original Trailer [HD] - YouTube
 その予告篇。RUSTはタイトル『Rdza』の英語。
 こちらもなかなか良いです。ポーランドで映画『アヴァロン』を撮った押井守の映像にタッチが似ている。もしかして影響を受けているのだろうか。
ベクシンスキー関連 当Blog記事 Google 検索
ズジスワフ・ベクシンスキー関連映像ライブラリ DmochowskiGallery.net - film library

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2013.02.25

■感想 朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』 & 吉田大八監督の映画

吉田大八監督『桐島、部活やめるってよ』
 昨年、評判だった『桐島、部活やめるってよ』をDVDにて初見。
 噂にたがわず傑作(今頃ですが…w)。
 やはり巷間言われている様に、学校の閉鎖世界の空気感の描写が圧倒的。同じクラスにある見えない壁とその越境の微妙なバランス。
 そしてその越境のタイミングで描かれる8mm『生徒会・オブ・ザ・デッド』は圧巻。でも桐島って?

 当然のごとく中心の不在ということで『ゴドーを待ちながら』は思い出す訳だが、それを元にした鴻上尚史『朝日のような夕日をつれて』しか観ていない僕には語る資格はない…w。
 ただ桐島の存在も映画の中の生徒たちにとっては「ゴドー」なんだけど、それだけでない幅が存在していて、それが映画に広がりを持たせている。

朝井 リョウ『島、部活やめるってよ』

 映画から続けて朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』読了。
 この文庫の解説で、映画版を監督した吉田大八が書いている様に、「ひかり」の描写が小説独特の心理描写と相まって傑作になっている。
 ただ映画の方が内面を一人称の言葉で描いてない分、膨らみがあるように感じた。映像の心象描写は観る者に幅を与え、想像を拡張する。

 小説で描かれた「ひかり」は、映画版ではもっと苦いリアルな現実として描写されている。
 これは好き嫌いで評価が分かれる所だろう。
 またふたつを比べると、女子の心理描写は映画版が優れているように思う。
 これによって越境する「ひかり」の描写が、映画においてより前向きになっている故だろう。
 比較して書いたが、この二作の共鳴がとても心地いい。

 映画が凄いのは特に女子の会話で宏樹と付き合っている沙奈に顕著な様に、コミュニケーションの表層にしか自我が駆動していな い一種ゾンビの様な人物造形を、かすみと対照的に描き意識的にやっている点。小説版も客観視点でそんな描写はしているが映像の現実感が生々しい。

 小説版を読むことで奥行きが与えられて興味深かったのは、バトミントン部の実果の異様な家庭環境描写と、前田とかすみの中学時代の映画話。特に後者は映画 ファン(特に岩井俊二とか犬童一心とか日本映画ファン)にはホロ苦く、とても良いんだがw、映画はそこを省略し想像させることで広がりを獲得している。

 一般的に小説の映画化はイメージを固定化すると言われるけれど、外界の光景描写は固定されるけれど、考えてみれば心理描写は小説の方がまんま描かれ固定化する(ことが多い)。映画は限られたセリフと映像の心象描写で、人物の内面は観客の想像と読解力に委ねられる傾向。桐島はその相乗効果がある。

『桐島』と『野ぶた』

 またクラス内階層描写(スクールカーストという言葉は嫌い…)から『野ぶた。をプロデュース』を思い出すのだけれど(特に秀逸だったテレビドラマ版)、『桐島、部活やめるってよ』のコミュニケーション断絶の冷徹描写は現在のリアルな実態を反映しているのかそれとも作者の個性か。
 僕は後者の木皿泉の秀逸な脚本が大好きだった。TVドラマ『野ぶた。をプロデュース』は、草野彰という元々越境する副主人公の存在が大きかったのだと思う。『桐島』と同じ高校のクラス内階層を描いた『野ぶた』が息苦しさとともに風通しが良かったのは、まさにこの原作には存在しなかった彰を登場させた故だと思う。まさに木皿泉の成果。
 『桐島』で言うとゾンビのような存在が、この彰であり、狂言回し的にドラマをドライブし、傑作だった第9話を形成した。あの話があることで、僕は敢えて言うと『桐島』より『野ぶた』派なのである(^^)。(当Blog記事 白岩玄 木皿泉 『野ブタ。をプロデュース』第9話「別れの予感」感想)

 あと完全に蛇足だけど、朝井リョウの小説は岐阜出身だけに高校生たちの会話が東濃弁(シネマハスラーで宇多丸氏が関西弁と言ってたが、東濃の西の方の言葉w)。

 僕はすっかり馴染んで読んでいたけど中央の人達にはローカル感漂うんでしょうね(^^;)。で、ネイティブから言わせてもらうとw、このタイトル『桐島、部活やめるってよ』は標準語、本当は『桐島、部活やめるんやと』という表記がしっくり来るw。

◆関連リンク
『桐島、部活やめるってよ』はベケット作『ゴドーを待ちながら』だった (2012.8.23) - Togetter

ここにある中森明夫氏の解釈は破壊力ありますねw。これ、読んじゃうと、解釈が固定されそうな程、面白い。でも「青春映画」をキーに語っているけど、もっと広がりがある感じはする…。
・鴻上尚史氏の『桐島、部活やめるってよ』評をネットで探した。
 Twitter / KOKAMIShoji

"週刊「SPA!」の原稿、終了。「桐島、部活やめるってよ」について書く。リアルとファンタジーについて。"

 "リアルとファンタジーについて"…何となく想像はつくけれど、この原稿、読んでみたい。この映画にその二層が横たわってるのは8mmシーンだけでなく印象的なんだが…。まさにゴドーを巡る鴻上尚史のテーマとも呼応している言葉。
町山・宇多丸・博士他サブカルトップチームたちの「桐島、」感想まとめ

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