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2014年4月13日 - 2014年4月19日

2014.04.16

■予告篇 ギャレス・エドワーズ監督『ゴジラ』Godzilla (2014 レジェンダリー・ピクチャーズ版)

この予告篇と今回の当Blog記事には本篇の重要なストーリーのネタバレがあります。白紙で観たい方はご注意を。

Godzilla - Extended Look [HD] - YouTube.

"予告篇 公開日: 2014/04/05
http://godzillamovie.com
https://www.facebook.com/GodzillaMovie
In theaters May 16th.(日本では2014/07/25)"

 冒頭のシーンに絶句です。911以降の映画ではなく、さらに描かれるのは…。
 日本のエンターテインメントがタブーにし始めている映像をここまで描いてるのか…とインパクトを受けました。

 相当にキツイこの予告篇、予想できたはずなのに、今年観た映像の中で最も衝撃的でした。国内の上映にはいろんな声が出てくるでしょうね。
 放射能怪獣ゴジラを、東宝版60周年の今、日本の特撮界が映画化出来なかったことは、とても残念な気がする。

 大げさな物言いになりますが、昭和29年の『ゴジラ』の衝撃に近いものを、現代の日本人は再びこのハリウッド映画で悲痛とともに受け止めるのかもしれません…。

 それにしても、これまでの予告篇で感じた、ただならぬ気迫が漲った映像は、このテーマへ踏み込むレジェンダリー・ピクチャーズギャレス・エドワーズ監督の強い決意の現れだったんでしょうね。
 彼は日本の現在の被曝地に立ったんだろうか。

◆関連リンク
Twitter 五穀米さん

"EMPIRE誌レジェゴジ特集記事によれば、「ゴジラは核にまつわる事故で目を覚ます」「それが起こるのは日本」というのが東宝からの約定条項。その契約が交わされたのは福島第一原発事故よりも前だったため、監督・脚本家たちはかなり配慮したとのこと。"

 EMPIRE誌のHPを探してみましたが、ネット上にはこの情報の掲載はなさそう。誌面の方に掲載されたものではないでしょうか。
Twitter / akihiko89さん

"G・エドワース監督「初代『ゴジラ』製作当時の日本では、原爆で受けた被害を映画で描くことは難しかった。それでも日本人は怪獣映画という形で、破壊され放射能に汚染された街を描くことができた。国民にとっての一種のセラピーだったんだと思う。我々もその精神を大切にする」(EMPIRE誌)"

噂話ですがTwitterではこんな情報も…

Twitter / sayakaiuraniさん

"…新作ハリウッド版ゴジラ。配給会社の友人によると多方面からの圧力で広報活動がかなり制限されているそーです"

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 とりあえず宣伝ということでは、映画館にこのようなでかい看板がありました。でもこの内容…日本での公開が不可能になるようなことは避けられると思いますが…。日本のマスコミ(広告屋?)の力がちょっと心配。杞憂と思いますが、一部カットして公開とかならないでほしい…。

 日本での公開へ向けて、この映画はいろんなことのリトマス試験紙になりそうですね。 恐怖の放射能怪獣による戦争と原子力への怨念、しかと受けとめましょう。映像の一コマづつに込められた気迫、本多猪四郎にも見せたいですね。

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2014.04.14

■感想 「マインドフルネス!高橋コレクション展 決定版2014」@名古屋市美術館 : Mindfulness @ Nagoya

Mindfulness

マインドフルネス! 高橋コレクション展 決定版2014|名古屋市美術館

"会期   2014年4月12日(土)~ 6月8日(日)
開館時間   午前9時30分~午後5時
 金曜日は午後8時まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日 (ただし、5月5日[月・祝]は開館し、5月7日[水]は休館)
特別協力   高橋龍太郎/高橋コレクション医療法人こころの会
企画協力   内田真由美/児島やよい

概要
日本屈指の現代美術コレクターにして精神科医の高橋龍太郎氏。  

彼のコレクションは、2008年から2010年まで「ネオテニー・ジャパン―高橋コレクション」展として全国を巡回し、また、2013年には 「高橋コレクション展 マインドフルネス!」として2館を巡回しました。(中略)
 草間彌生、奈良美智、村上隆といった現代の日本を代表する作家をはじめとし、会田誠や山口晃といった実力派、そして、フレッシュな若手の作家たちまで、素晴らしい感性と個性を持った作家たちの作品がずらりと並びます。

「マインドフルネス」とは

 私たちがアートという対象を知るときに、わきおこる解釈、評価、感情の殆どに個人的な(文化的な、集団的な)バイアスがかかるため、アートを 「ありのまま」に知覚することは困難です。この既製の判断やとらわれを一旦かっこに入れ、あるがままにアートを受け入れることを「マインドフルネス!」と 名付けました。

 「今、ここにあることの気づき」は仏教の瞑想の基本テーマですが、それを最近の認知行動療法では、マインドフルネスという言葉で表現して取り入れています。このような気づきを得ると、今までとらわれていた悩みが現実を適切に反映したものでなく、それが自分の中心的なものでないと気づくことができます。それを脱中心化といいます。

私たちのアートに向かう姿勢こそ、マインドフルネスであるべきでしょう。アーティストが作品をつくるときには新しい気づきや脱中心化がおきているのです。そしてコレクションという行為自体も、マインドフルネスそのものの行為なのではないでしょうか。 (高橋龍太郎)"

マインドフルネス!高橋コレクション展 決定版2014  名古屋市美術館2014年 4/12(土)〜6/8(日) | TAKAHASHI COLLECTION
 高橋コレクション公式HPの本展示会の作品紹介ページ。

オープニング記念トーク

"高橋龍太郎氏と出品作家(秋山さやか、加藤泉、鴻池朋子、 他)が出品作品の前で作品についてトークします。
2014年4月12日(土) 午後2時~"

 作家と高橋龍太郎氏のトークがあるというので、展覧会初日に名古屋市美術館へ行ってきました。日本の現代アートの多数の作品と作家に触れられる貴重な機会となり、刺激的な会場でした。以下、そのトークの内容も含めて、特に印象に残った作品と作家についてレポートします。まずは作家不在で作品だけ鑑賞したものについて。
各作品タイトルのリンクをクリックすると、高橋コレクションのページで作品画像を見られます。

◆作品レポート
奈良美智 「green mountain」
 切れ上がった眼の少女の顔をした緑の山岳。斜めにこちらを見つめる視線の鋭さに射られたような不思議な魅力に満ちている。全部で10点の作品が展示されているが、この一枚のあの眼に今回一番惹かれました。

村上隆 「ズザザザザザ アクリル」
 金田伊功にインスパイアされた作品。スーパーフラットの概念は「日本の伝統的な絵画から現代の漫画・アニメにまで共通してみられる、画面の立体感のなさ、平面性、装飾性、遊戯性を示すものであり、また現代の日本社会の階層性のなさやフラットさをも示すもの」(wiki)とされているが、僕は金田伊功の絵は3D空間をいかに平面に取込むかが本質だと思っているので、この絵を見ながら、金田ならもっと光とキャラが手前に飛び出てくるダイナミズムがあるだろうな、と頭の中で比較しながら観ました。

・会田誠 「紐育空爆之図(戦争画RETURNS)」美しい旗(戦争画RETURNS)
 会田誠というと写実的でイラストチックな作品をまず思い浮かべるのだけれど、今回会場にはその系列として「ジューサーミキサー」が飾られていたが、僕はそれよりもこの二枚に打たれた。特に「美しい旗(戦争画RETURNS)」の描写と二人の少女の視線の交差。不思議な力が立ち上ってくる絵画でした。

池田学 「興亡史」
 美術手帖編集部「超絶技巧 美術館」の表紙に使われている、インクを用いてペンで200x200cmの紙に描かれた超絶の一枚。 
 全体の圧倒的な迫力は、その細密に描かれたデテイルから滲み出しているということがとてもよくわかる作品。巨大な日本の城のあちらこちらに色んなドラマが埋め込まれている。端から端までじっくりと物語を読むように堪能してきたのだけれど、混沌の力に溢れたイメージが強烈な印象を残した。もっと他の作品も細部とあのペンのタッチが観られる原画で観たいものである。

近藤亜樹 くらいところでまちあわせ
 ムンクの叫びの現代版、というかとても複層的な「不安」の魅力に溢れた作品。

◆作品と作家トーク

加藤泉 「無題」 キャンバスに油彩 「無題」8体の横たわったヒト型の木製彫刻が天地に並んでいるもの。(箱根 彫刻の森美術館「加藤泉 日々に問う」展で展示された作品)
 今回、僕がこの展覧会で最も期待したのがこの作品。そして加藤泉氏のトーク。
 油彩は黒い闇の中に佇む緑色の透明な顔の人間もどきの絵。その奥深い世界に絵の前でため息をつくばかり。この絵の魅力を僕はまだ自分の中で整理できません。何がこんなにも人を惹きつけるのか。
 8体の彫刻は樹の匂いが立ち上る様な、彫られたばかりの生々しさがある。そしてその眼の素晴らしさ。球体が顔面から飛び出たその形態の訴えてくるイメージ。このプリミティブな迫力は何だろう。

 トークは実にあっさりとまずその素材について物理的に語られるだけだった。加藤氏にとって作品は語るものでなく、実物をまるごと観て欲しいという様な雰囲気を感じたのは僕のこの作品への気持ちの単なる投影なのだろうかw。
 あまりに少ない言葉に、高橋氏と美術館の方に促されて、続けて語られた言葉は「彫刻はそのままで世界を表現できるが、絵画は四角い枠に嵌っているので、何か別のものを持ち込まないと作品にならない」という内容のものだった。奥深い言葉です。
 
 以前、ネットで観て感動したこちらの(加藤泉 untitled)工場の隅に佇む立像も高橋コレクションなのですね。実物が果てしなく観たい。

鴻池朋子 「第4章 帰還ーシリウスの曳航」 「惑星はしばらく雪に覆われる」アニメ「Mimio-Odyssey
 6本足の狼と短剣のモチーフが共通する絵画と彫像と映像の作品。その展示空間自体も鴻池氏によるデザインということで、独特の冷たいファンタジーの世界が魅力的だった。
 名前は知ってても作品を観たことなかった鴻池作品の持つクールな幻想に、御本人の明晰な意志の強い語りとともに強い印象を持ちました。
 高橋コレクションのページにある「バージニア-束縛と解放の飛行」という作品、「第4章 帰還ーシリウスの曳航」を白い彫刻として表現したもの。不思議な立体像をいつか観てみたいものです。

冨谷悦子 「Fukaya Etuko」 
 エッチングの高精細画。知多市(確か…)に住んでいる女性とのこと。
 繊細な世界がとても魅力的でした。

名知聡子 「幸福と絶望」
 会場2Fに階段を登ったところに現れる長大な作品。
 トークによると恋愛の絶望と、それに悩みながらも空腹になってしまう体への希望から描いた作品とか。棺桶を模した展示会場の雰囲気が作品と共鳴して、この会場でだけ表現できるものがその空間に表されていた。

松井えり菜 「MEKARA UROKO de MEDETAI!」 「食物連鎖StarWars!
 ウーパールーパーのかぶりもので現れた作家が素晴らしく溌剌としていてユニーク。前者は、襖を1.5倍の大きさに拡大して、自分が5歳の頃に受けた襖絵の衝撃を再現しようとして描かれた二枚の作品。裏面のウーパールーパー2体も素晴らしいので、是非、裏面に回り込んでみてください。
 後者は、自画像の大きな口に今まさに喰われようとしている地球の生物たち。このダイナミックに描き込まれた絵の迫力。混沌の魅力がここにも溢れています。
 ブースカにポニョ、そして平面から飛び出る立体の木星。
 キャラクタも絵も、広く受ける要素が満載で 今後の活躍が楽しみな作家だと感じました。
 高橋コレクションページにある松井えり菜 ウパ・ティッシュケースも何だか凄い。

 ということで、他にも触れたい作品にいくつも出会えて、刺激的な展覧会でした。

 最後にトークで作家の生の声が聴けたのも良かったけれど、これらを評価してコレクションしている高橋氏の語りも聴けたのが大きな収穫でした。
 キュレーションの視点が伝わってきたのもですが、何より若い作家の可能性に着目し応援する高橋氏の暖かい視線がとてもここちいい空間を作っていました。

 なかには「女性ばっかり褒めてますが、最近の男性はちょっとエネルギーも足りないし志も崩れてるし…この国の未来(のアートを)託すにはちょっと頼りない」という若手男性アーティストへの厳しい言葉もありましたが、、、。次回、若い男性作家のいきのいい作品が沢山観られることも期待したいと思います。今回、女性作品が特に印象に残りました。

◆関連リンク
『池田学画集1』

"超細密なペン画で観る者を圧倒する池田学の初画集。≪再生≫(2001)、≪存在≫(2004)、≪興亡史≫(2006)、≪予兆≫(2008)など、1年 以上かけ制作した作品を核に、最新作を含め45点を収録。寄稿:片岡真実(森美術館 チーフ・キュレーター)。英語・中国語対訳付き。 出版社からのコメント 驚異の宝箱 ペンで紡がれた 壮大な宇宙で遊ぶ"

 これ、是非とも入手したいものです。
澁澤 龍彦, 鴻池朋子『ホラー・ドラコニア 少女小説集成 狐媚記』

"星丸は、助けた少女とたちまち恋におちるが、少女は、かつて狐の子として生まれ、間引きされた妹だった──暗黒メルヘンの最高傑作。
体をください…。現代アートで甦る澁澤龍彦!

松井えり菜 | Erina Matsui | Portfolio(公式HP)
松井えり菜 YAMAMOTO GENDAI
 この自画像群が素晴らしい。
Twitter / upaerina: 名知さんとの一枚!精華の皆来てください!!!^o^ 会場で先 ... こちらにウーパールーパーのかぶりもの写真。
松井えり菜ブログ
・「地球の中心で愛を叫ぶ」Facebookで公開されている新作の絵も素晴らしい。
近藤 亜樹 | ShugoArts
内田真由美, 児島やよい, 美術出版社編集部『Mindfulness! 高橋コレクション-マインドフルネス!』
 こちらは名古屋展の図録とは別。
内田真由美、児島やよい(企画・監修)『ネオテニー・ジャパン──高橋コレクション』
日本マインドフルネス学会 公式サイト
 こうした学会まであるのですね。

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