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2014年5月11日 - 2014年5月17日

2014.05.16

◆感想 デイヴィッド・クローネンバーグ『危険なメソッド:A Dangerous Method』、アベル・フェラーラ監督『ニューローズホテル』、 荒牧伸志監督『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』

◆デイヴィッド・クローネンバーグ『危険なメソッド』

A Dangerous Method - Trailer Italiano - YouTube
 DVD初見。
 クローネンバーグでなくてもいいかな、っていう映画でしたw。

 何とも渋いテーマ。ユングとフロイトが知り合い、そして袂を分かつまでの物語。精神分析に興味がある人には、この映画、スリリングなのだろうか。ユングもフロイトもさわりしか知らない僕には、あまりエキサイティングではなかった。特に言ってることも先鋭ではないように思えるし、少なくとも刺激的な映画ではないかと…。  ユングの集合的無意識とか神秘主義の部分をもっとクローズアップしてもよかったんじゃないかとw。

 冒頭、ザビーナ・シュピールラインの統合失調症の演技が、どこか戸川純に似ている、と思ったのは僕だけだろうか。

デイヴィッド・クローネンバーグ『危険なメソッド』(DVD)

◆ウィリアム・ギブソン原作 アベル・フェラーラ監督『ニューローズホテル』

New Rose Hotel - YouTube
 アベル・フェラーラ監督『ニューローズホテル』(1998)をDVDで観た。

 サイバーパンク華やかりし頃、映画化の噂を何度も聞いた本作、日本では結局上映されず、(何故か)昨年末にひっそりとDVD化されてたのですね。

 ウォーケン、デフォーというメジャー俳優が出演してたのに何故公開されなかったのか、その疑問は最後まで観てはっきりとわかりますw。

 会話劇で電脳描写もなく、謀略部分も地味、アクションなし。映像的にはビデオを加工して少し面白い描写もあるけれど、繰り返しが多く冗長w。

 まさに売れない要素満載の本作、DVDが出ただけでも奇跡的かも。

 でもダリオ・アルジェントの娘のアーシア・アルジェントの魅力(DVDジャケットのシーンは本篇にありませんが…w)と、ウォーケンの怪演と天野喜孝の存在感、これらを観るだけでも90分の時間は無駄ではなかったかな…(^^)。

 何にしてもサイバーパンクに嵌った向きは、幻の「ニューローズホテル」を観れるだけで、当時、映画化でもしかして傑作が…という期待の辿り着いた場所を確認出来ることは貴重かと…w。

 タイトルバックの変な日本語と、サイバーパンクな都市に観える日本の街、これらの要素がそれらしい雰囲気を醸し出してますが…決してサイバーパンクでもSFでもない映画と化したギブソンの佳作の成れの果て…。

C・ウォーケン&W・デフォーの幻のSF「ニューローズホテル」12月に初DVD化 : 映画ニュース - 映画.com

"個性派俳優ウォーケン、デフォーに加え、ホラー界の鬼才ダリオ・アルジェントの娘で女優、映画監督としても活躍するアーシア・アルジェントが、サンディー役を熱演。美しい肢体を惜しげもなく披露し、ミステリアスな魅力で画面を彩っている。さらにジョン・ルーリー、坂本龍一といった豪華なキャスティングが実現し、「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインを手がけてきた天野喜孝が映画初出演を果たしたにもかかわらず、日本では劇場未公開となっていた貴重な作品だ。"

『ニューローズホテル』(DVD)

・New Rose Hotel 1/5 (WILLIAM GIBSON) - YouTube
 ウィリアム・ギブスンの「ニューローズホテル」を朗読した動画。

◆荒牧伸志監督『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』

『キャプテンハーロック』[HD]映画予告編 - YouTube
 荒牧伸志監督『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』ブルーレイ2D (をプロジェクタで3D変換にてw)初見。

 この映像は、劇場の3Dでしっかり観れば良かったと後悔w。
 福井晴敏氏による物語は、ダークマターのように暗く重厚で、僕の知ってるアニメのハーロックが持っていたペーソスがなかった。賛否両論あるだろうからそれは横に置いておいて…w。

 映像的には3D-CGのキャラクタは、やはりゲームのCG映像のイメージで、映画の人物の演技としては特筆すべき部分は残念ながら少ない。

 凄く良かったのは、建造物やメカやプロップのスチームパンク感。
 悪夢の様な現実を背負った、幽界からの幽霊戦艦の設定であるアルカディア号の造形が迫真。
 アルカディア号のアイコンである船首の髑髏の迫力が素晴らしい。
 ダークマターの黒煙(^^;)でなかなか全体の形状がわからない船体のデザインとCGのデテイルも、まさにスチームパンクな出来でもっとじっくり観たいと思わせる。

 とにかくスチームパンクとして語られているウェブの記事は少ないようだけれど、その手のファンは是非ブルーレイレンタルで、重厚なデザイン世界を御楽しみ下さいw。

戦機キャプテンハーロック | CGWORLD.jp

荒牧伸志監督『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』ブルーレイ(DVD)

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2014.05.14

■感想 園子温監督『夢の中へ:Into a dream』 アンドレイ・タルコフスキー監督『鏡:ЗЕРКАЛО』

◆園子温監督『夢の中へ』(2005)
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 Into A Dream - Yume No Naka E - 夢の中へ (2005) FULL MOVIE - YouTube
 DVD初見。
 登場人物が共通で輻輳する多元世界。手持ちカメラのブレまくる映像は、このフラッシュバックして行き来する世界への主人公 鈴木ムツゴロウの混乱を表現するのに、意識的な使用だったのかもしれないけれど、観ている方は酩酊状態(今も眼が廻ってますw)。

 最後まで宙づりにされる主人公と観客は、真にアイデンティティの路頭に迷い、不確定な多元宇宙のあわいを浮遊する。

 役者たちがアドリブ含めて活き活きしていてとても良い。
 特に同窓会の部分のリアリティと、電車の中のオダギリジョーと菜葉菜のキレ具合は最高。そしてハイテンションで演劇のセリフを叫び続ける主人公。

 「金星人のせい」で起こった「俺のチョイス」の演劇的絶叫詩は、何に似ているかとあえて言えば、筒井康隆のスラプスティックSFだけれど、これは紛れもなく「Gパンを履いた朔太郎」園子温の生々しい原型的な作品なのであると思う。

 変な映画詩が好きな園ファンは必見w!

『夢の中へ』(DVD)

◆アンドレイ・タルコフスキー監督『鏡 : ЗЕРКАЛО』

▶ Зеркало (HD) / The Mirror - YouTube
DVD初見。
 1975年、タルコフスキー43歳の作品。ずっと観たいと思っていたのだけれど、眠気に教われるのが怖くて、なかなか観られなかったw。GWで平日の疲れを癒したところで観てみましたw。

 実はもっと古い作品だと勝手に思っていたのだけれど、何も聞かずに観たら21世紀の映画と言われても不思議のない、瑞々しい詩的な作品。

 はっきり言って話は何が何だかわかりません。
 しかし朗読される詩とソ連邦の深い森を映し出す奇跡の様なカメラワークにより、圧倒的に詩的な世界が形作られている。
 そして傑作SF『ストーカー』にも似て、淡々と描かれる超自然的な短いシーケンス。タルコフスキーがSFファンの心をグッと掴む瞬間ですね。

 未見の方は、充分な睡眠をとった上で御覧ください。ちなみに僕は前半3分程、気を失いましたww。

イメージフォーラムの解説
 "挿入される詩は、監督の父アルセニー・タルコフスキーの作品で、監督自ら朗読"とのこと。あと、神業のカメラは、ゲオルギー・レルベルグとあります。タルコフスキーと組んだのはこの一本なのですね。

ゲオルギー・レルベルグのフィルモグラフィー

『鏡』(DVD)

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2014.05.12

■感想 「エヴァンゲリオン展」 @名古屋松坂屋美術館

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朝日新聞社 - 「エヴァンゲリオン展」 - 見どころ

"「エヴァンゲリオン」初の本格的な作品展が、名古屋で開催されます。作品の誕生から現在までの歴史をひもとき、新劇場版シリーズを中心に、総数1300点を超える資料で最先端の映像が生み出される過程を丁寧に紹介します。そのうち約300点のオリジナル原画(生原画)は初展示です。さらに 最新作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の原画も初公開となります。その他、設定資料や貞本義行氏のコミック複製原画など貴重な展示物も満載です。碇シンジや綾波レイら人気キャラクターや、謎に満ちた壮大なスケールの物語を鮮やかに振り返ります。"

エヴァンゲリオン展 松坂屋美術館|松坂屋名古屋店

"2014年 4月26日(土)~ 5月20日(火)"
こちらのHPに入場割引券あり。

 「エヴァンゲリオン展」@名古屋松坂屋美術館、行ってきました。
 "新劇場版シリーズを中心に、総数1300点を超える資料" 圧巻でした。TVシリーズと「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 序 破 Q」の原画、レイアウト、イメージスケッチ等がじっくり見えます。

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 一部何故か複製だったのと、この手の展示の例に漏れず、美術展のはずが各一枚づつの作品の作家名が記載されていないという不備はあるもののw、格式のある美術館で日本有数のシュルレアリスム作品である(^^)『破』の第8使徒シーンが映画館大のスクリーンに繰返し映し出され、その音響が会場全体に響き渡り、そして前田真宏氏によるそのイメージ画から原画までが大量に展示されていて、『破』ファンとして大満足。

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 原画とレイアウト、デザイン画で、本田雄前田真宏高倉武史橋本敬史各氏らの作品が、なまなましい鉛筆の肉筆で観られたのは本当に収穫。印象としては、エヴァの作品の性格を物語っているのかもしれないけれど、鉛筆の線が非常に繊細であったのが印象的でした。(右はもちろん『破』の前田真宏氏の凄い絵)

 おそらく東海地区でこれらの原画が観られる機会はそう多くないので、アニメータのマニアは必見です(^^)。

◆関連リンク
「エヴァンゲリオン展 名古屋」 開催記念イベント 「エヴァコン 名古屋」を開催!!

"エヴァンゲリオンと街コンがコラボし累計で約5,000人を超える史上最大級のエヴァファン感謝、販促、ファン交流イベントとなります。"

 凄い時代ですね。コスプレの方々もいるのだろうかw。

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