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2014年9月28日 - 2014年10月4日

2014.10.01

■感想  ジェームズ・ガン監督『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Guardians of the Galaxy』

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(公式HP) アメリカの公式サイト
 陽性のスペースオペラ。
 最近、安心して楽しめるマーベルの映画だけれど、今作は特に陽気だ。
 冒頭、家族の重めの話でスタートしたが、それを吹き飛ばすのが主人公が肌身離さず持つウォークマンのカセット(Awesome Mix vol.1)に収録された70年代の音楽。
 映画のサントラにもなっているこれらのロックの曲が、軽快な映画のイメージをリードしている。(このカセットは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』碇シンジの持つDATの昭和40年代(1970年代)の音楽に共鳴する。あれは、ゲンドウかユイが作ったお気に入り編集テープだろう。)

 スペースオペラというと、まず『スターウォーズ』が想起されるけれど、僕がSFからイメージする良質なスペースオペラは、ハリイ・ハリスンステンレス・スティール・ラット』やサミュエル・R・ディレイニーエンパイアスター』(リンク先は米村秀雄氏による訳、全文PDF)。
 前者に対して、後者は軽やかに宇宙を股に駆ける陽性なイメージが強い。
 今作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、それらの血脈を受け継ぐ、楽しい軽快なタッチのスペースオペラである。

Rocketraccoongrootguardiansofthegal

 映像的には、詳しくは後述するが、クリス・フォスの70年代のSFイラストや、60年代SF映画のパルプ感覚溢れる未来都市と宇宙船と空がとても良い。物語の楽しさだけでなく、こうしたヴィジュアルのファンにはたまらないイメージの奔流。
 そしてそれが3Dで我々に迫ってくるのだ!
 3D、僕は今回REAL Dで観たのだけれど、かなり立体視を意識した映像演出がされており、素晴らしく堪能できる。
 宇宙船の戦闘シーンのスピーディな迫力(あれだけ敵味方入り乱れるのに、演出の手際が良く戦闘のメリハリがわかりやすい)、高空から見下ろした地上までの雲等の立体感、そして肉弾戦の奥行き(特にロケットの超兵器のパースが素晴らしい)。
 『アべンジャーズ』も3Dは良かったが、さらにその先をゆく映像になっていたかと思う。
 SFのイメージが、このように現在の巨大スクリーンに開花していく様は、まさに見事なものである。願わくば、今後、ハリウッドがコミックスからSF小説にも眼を向けて、サミュエル・ディレイニーの華麗な文章を、センス・オブ・ワンダーそのままに映像化してくれんことを(^^)。

 デテイルもくすぐるシーン、満載だけれど、僕は特にソ連のライカ犬wと樹木型ヒューマノイドのグルートが気に入った。あとシャイなヒーロー、アライグマの表情も最高ですね。

◆SFイメージの視覚分析(^^)
 と言いつつ、このコーナーはオリジナルでなく、以下の英文のサイト記事の引用ですが、、、。

James Gunn’s visual guide to Guardians of the Galaxy | Film Divider Google 翻訳 「ジェームズ·ガンの視覚ガイド」

Chrisfosschecker

 ジェームズ・ガンが、本作のビジュアルについて、FILM DIVIDERのCharies Madisonに語った記事が掲載されている。ポイントをいくつか抜粋。詳細はリンク先を読んで欲しい。

Magritte1down

・『エイリアン』『ブレードランナー』といった映画は暗い色のトーンで描かれているが、私は50,60年代のパルプ誌の明るい色を映画に持ち込みたかった。
・70,80年代のSFイラストレーター クリス・フォスに宇宙船の幾つかをデザインを手伝ってもらった。
・ルネ・マグリットの「光の帝国」シリーズの絵を、制作のための文書に引用し、全体的な感触をガイドするようにして、異星の光景に影響した。
・ルネ・マグリット「偽りの鏡」(目玉の大写しの絵の中に、青空と雲が見える絵)

 上の引用画は、左がフォスのイラスト、右が今作のイメージ画。右がフォスのものかは確認とれず、その他、どの宇宙船がフォスデザインか、どなたか情報があれば、教示下さい。
 そして右図、これはマグリッドの「偽りの鏡」と今作の1カット。
 このカットの銀河がまた素晴らしいんですよね。マグリットも吃驚(^^)。

◆関連リンク
Kev Jenkins: Guardians of the Galaxy
 カフ・ジェンキンスによるイメージ画、多数。 
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (映画) - Wikipedia
Chris Foss - Artist | The official website for Chris Foss artwork(クリス・フォスの公式ページ) ここには残念ながら、この映画のビジュアルは置かれていないようです。

Chris Foss Artist Page(クリス・フォスの公式?Facebookページ)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』
Chris Foss, Rian Hughes『Hardware: The Definitive SF Works of Chris Foss』

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2014.09.29

■情報 デイヴィッド・リンチ個展「統一場」: "David Lynch: The Unified Field"


▶ David Lynch's Unified Field, played backwards - YouTube
 
 アメリカのフィラデルフィアで開催されている、ディヴィッド・リンチの個展「デヴィッド・リンチの統一場」 "David Lynch: The Unified Field" 、予告篇動画。
 リンチ主演w。このテイストはたぶんリンチ自身が監督したものでしょう。ということでこれが最新のリンチ映像。この人を喰ったところ、ディヴィッド・リンチ一流の作品です。

David Lynch: The Unified Field | Pennsylvania Academy of the Fine Arts | Museum and School | 1805 Google 翻訳(以下引用は若干手直し)
個展「デビッド・リンチの統一場」公式HP。

"1967年にフィラデルフィアのペンシルバニア美術アカデミー(PAFA)での高度な絵画の学生として、デビッド·リンチは、絵画、彫刻、音、映画、インスタレーションといった芸術のハイブリッド作品を作りました短編映画「Six Men Getting Sick (Six Times) 」(6人の男達が病気になって)(1967)リンチの習作は発展し、映画制作の可能性に道を開いた。 彼は映画監督として国際的に有名になったが、ビジュアルアーティストとしての活躍を停止したことがない。 リンチは広く知られる様に、絵画、版画、写真、描画を熱心に制作し続けている。 彼のアイデンティティが、いろいろな意味でアメリカ人アーティストとしての主題や懸念の統一場に、彼の創造的な人生のあらゆる側面をもたらします。

 デヴィッド·リンチ:統一場は、アーティストとの緊密な協力で編成、米国のリンチの最初の主要な美術館の展覧会となります。 これは、1965年から現在まで、約90点の絵画やドローイングが展示されるでしょう。
 展示の一部は、その多くが公共に表示されたことがない、リンチの初期の作品も含んでいます。「6人の男達が病気になって」について関連図面が初めて展示されます。 フィラデルフィアで制作されたいくつかの初期の短編映画も、同時に展示されます"

 統一場というのは勿論、物理学の統一場理論からネーミングされたものだろう。そしてリンチが創作の源にしている瞑想のいう「統一場」(リンチの著作『大きな魚をつかまえよう』参照)
会場は、リンチが大学生としてアートを学んだフィラデルフィアのペンシルベニア芸術科学アカデミー。
 作品は90点と大規模だけれど、注目は公開されたことのない初期の作品に基軸が置かれている様な解説文になっていることだ。
 若きアーティストの卵、ディヴィッド・リンチがどんな想いで初期作品を綴っていたか、フィラデルフィアの空気を吸いながら想像するのには最高の機会が提供されているようだ。

 会期はSeptember 13, 2014 - January 11, 2015とのことで、もちろんアメリカまで行くことは叶わないだろうが、機会があれば是非とも行ってみたいものだ。滝本誠さんは今回行かれないだろうか。ぜひ滝本師のレヴューを読んでみたいものです。


▶ David Lynch at PAFA Exhibition Walk-Through - YouTube
 そのフィラデルフィアの空気を伝える会場のウォークスルー動画。
 東京のラフォーレ原宿で2年前に開催された『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』(DAVID LYNCH "CHAOS THEORY OF VIOLENCE AND SILENCE")に展示されていたボブの絵ほかも飾られているようです。あの魔的な空間がフィラデルフィアの硬質な空気と共鳴して、どんな異世界に誘わられるのか。

DAVID LYNCH: The Unified Field [SCRAPPLE Interview] - YouTube
 この個展に関するリンチのインタビュー映像。この動画も素晴らしい。
 最近、リンチの絵を見てなかったので、改めて見ると、初めての人に、猟奇殺人者が描いた絵だと言ってもうなづかれそうな絵ですねw。来てます。

◆関連リンク
David Lynch: The Unified FieldExhibition Programs | Pennsylvania Academy of the Fine Arts | Museum and School | 1805.
 この展覧会会期中に催される、リンチ作品の上映、セミナー他、多彩なイベントの紹介ページ。
David Lynch: The Unified Field - Google イメージ検索
Robert Cozzolino『David Lynch: The Unified Field』

  • ハードカバー: 128ページ
  • 出版社: University of California Press (2014/11/28)
  • 言語: 英語, 英語, 英語
  • ISBN-10: 0520283961
  • ISBN-13: 978-0520283961
  • 発売日: 2014/11/28
  •     商品パッケージの寸法:         27.9 x 26.7 x 1.5 cm"

 この展示会の図録集と思われる本が出版されるようです。日本のAmazonからも上のリンクから購入できますが、発売は11/末としばし御預け。

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