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2014年12月14日 - 2014年12月20日

2014.12.17

■感想  クリストファー・ノーラン監督『インターステラー : interstellar』

20141111_endurance_saturn

映画『インターステラー』オフィシャルサイト
 本格的なSF映画だった。
 土星を航行する宇宙船。無音の宇宙に、飛行士の聴く虫の音が背景音として鳴っているシーン、そんなところにこの作品のスタッフのSFマインドを感じた。

 『インセプション』では予告編の、まるでクリストファー・プリーストのような奇想イメージに痺れたが、魅力的なテーマ設定にもかかわらず、本篇はあまり感銘を受けなかった。しかし今回は、全篇に満ち溢れるSFイメージを堪能しました。

 ストーリーはあちこちで言われているように、マスターピース『2001年宇宙の旅』、『コンタクト』等、そうした星間旅行ものの影響を、あきらかに強く受けている。しかし落ち着いた映像シーンを積み上げていくノーラン監督の手腕は、それらインスパイア作品をある部分、全体の物語との融合で超えるようなイメージも提示して観客を興奮させる。

 特に『2001年宇宙の旅』への挑戦。今までのどんな他の映画より、映像が2001年ルックになっていると思ったのは僕だけだろうか(『2010年』とかよりもw)。
 ただ報道カメラマンが撮ったかのような、キューブリックのクールな客観性とは少しちがう。ドキュメント色は薄い気がした。
 それはこの映画が徹底して一人称的映像優先で撮られていたかもしれない。
 打ち上げシーンですら、本来一番絵になるロケットの全体を客観的に捉えた画面が出てこない。主人公たちが乗る宇宙機もなかなかその全身像は出ない。
 これはノーラン組の演出意図が強く働いているのだと思う。
 クールな絵作りは『2001年』に似ているが、客観視点でないため、別の映像担っているのだと思う。

 映像的には、ダストボールと津波とか、雲が凍る惑星とか見所が多い。5次元の奇想映像も、ちょっとカチッとデザイン的になりすぎているのは今ひとつだけれど、なかなか奇想なイメージである。


INTERSTELLAR Featurettes - Behind The Scenes (2014) Matthew McConaughey Sci-Fi Movie HD - YouTube
 今作もノーランの今までの作品に続き、IMAXカメラで撮られていたらしい。
 そして今回の新兵器と言われている手持ちIMAXカメラ。3'20"あたりから手持ちの様子が観られます。それにしてもでかいのでカメラマンは大変でしょうね。
 


★★★★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★★★★★★★

 氷の星で待つマン博士(マット・デイモン)。生存本能と人類救済の意志から、主人公と肉弾で殺し合う極限的描写。これは凄みがあった。
 荒涼とした厳寒の大地で、ひとり、マン博士が過ごした極限を想像する。人類の生き残りという高邁な種の行動と、それを阻害する個人の限界。
 アクションを狙ったシーンだったのかもしれないが、ここの極限が種と個人というSF的なテーマを想起させて、先に述べた土星のシーンと合わせて、僕が今回この映画で最もSFを感じたシーンだった。

 あと、小ネタだけれど、冒頭のアポロは月に行かなかった、という教育が行われている未来社会。インド空軍の太陽光発電で飛び続けるドローンとか、静かなイメージで終末を描くシーンがいい。
 
 5次元のシーンは、ぜひ3Dで観たかったが、ノーランは6-70年代の映画のテイストを画面に刻み込むため、フイルムで撮るという人なので、やはり3Dを期待するのは無理でしょうね。

◆関連リンク
インターステラー - Wikipedia
Discovery Channel The Science of Interstellar - YouTube
・「ガルガンチュア」のメイキング2本。
Rebuilding the INTERSTELLAR black hole | Shanks FX | PBS Digital Studios - YouTube
 こちらは超アナログな特撮によるメイキング(^^)。Shanks FXというSFXスタジオの作品。魅力的ですね。
Interstellar – Building A Black Hole – IN CINEMAS NOW - Official Warner Bros. - YouTube
 理論物理学者キップ・ソーンの指揮によるシミュレーションメイキング。もちろん本物はこちらw。

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2014.12.15

■予告篇 ロバート・ゼメキス監督『ザ・ウォーク : The Walk』


The Walk - Official Trailer - YouTube

 ゼメキスの新作は、高所恐怖症の方には地獄w。
 しかも3D。ゼメキスは3D映画の先駆けとして立体視を先導して進めてきた監督なので、まさに3Dにうってつけなこのテーマに期待せずにはおれません。

 まだ情報が多くないので、予告篇と以下プラスαですが、今後も続報したいと思います。
 
綱渡り師フィリップ・プティを描く『The Walk』の予告編解禁!予告へ足がすくむスリルがたまらない!〜ロバート・ゼメキス監督×ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演〜 - A LA CARTE

◆関連リンク
The Walk (2015 film) - Wikipedia, the free encyclopedia

・【映画】マン・オン・ワイヤー|MAN ON WIRE|2008年度アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品

"1974年8月7日、フランスの若き大道芸人フィリップ・プティが、当時世界一高いビルであったニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーに鋼鉄のワイヤー(綱)を渡して、 その上を綱渡りで歩いた。

高さ411m、地上110階という巨大な2つの建物の間にワイヤーを渡して、その上を歩いたのだ。 命綱はない。これに気づいた警官が止めさせようと駆けつけたが、プティはそのまま45分もの間、ワイヤーの上で優雅に踊ったり、寝そべったりしてみせた。 その後、自ら逮捕され刑務所に入れられたが、最終的に釈放された。

許可なく綱渡りをするという違法な行為でありながら、プティのまるで夢を見たかのような綱渡りを見た当時の人々は、この事件を「今世紀最大の犯罪芸術」と呼んだのだった。"

 こちらは映画の元になった綱渡りの達人のドキュメンタリー。

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