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2015.04.30

■情報 Oculus Rift用 米 DORA 遠隔操作ロボティクス : Dexterous Observational Roving Automaton


Full 6 DOF Testing from DORA on Vimeo
DORA Oculus Rift用テレイグジスタンスロボットを開発するDORAの公式HP

"Meet DORA, your personal avator.

DORA (Dexterous Observational Roving Automaton) is an immersive teleoperated robotic platform designed for navigation and exploration of remote locations."

 以下は、公式HPからの和訳。

"DORA (巧みに観測し彷徨うオートマトン)は、ナビゲーションと遠隔地の探査のために設計された没入型遠隔操作ロボットプラットフォームです。

間隙の橋渡し
DORAプラットフォームは、画期的な物理仮想インターフェイス( PVI )を確立するために、仮想現実と遠隔操作ロボットの実現技術を開発します。

無線操縦
DORAは、ユーザーがドライブやロボットを操作するために、世界中のどこからでもログインできるように、完全にワイヤレスにしている。

完全没入
ロボットは6自由度全てで微妙な人間の頭部の動きを追跡し、ヘッドマウントディスプレイを介してリアルタイムに視覚と音声フィードバックを提供する、新規な特許出願中の技術を使用しています。

直感的インターフェース
DORAは、自然な応答性、およびクリーンなグラフィカル·ユーザ·インタフェースを介してユーザ·エクスペリエンスに思慮深い注意を内蔵しています。"

 ペンシルバニア州の学生4人によって作られたDORAのテレプレゼンスロボット。

 Oculus Riftのジャイロセンサの動きで頭の移動を捉えて、それを遠隔地のロボットヘッドで再現し、その遠隔地の光景を映像と音で、Oculus Riftの装着者に伝える。
 遠隔地のロボットと視覚聴覚のテレイグジステンスを実現しているプラットフォームがDORAの開発テーマとのことである。

 上の引用動画を見ると、人の頭の動きをHMD Oculus Riftでとらえ、見事にロボットのステレオカメラヘッドを同期させてスムーズに動かしているのがわかる。

 これはまさに1980年に東大名誉教授 舘暲博士により提唱されたテレイグジスタンスの具現化システムである。そして映像は、テレイグジスタンスロボット「TELESAR」の動画にそっくり。


Telesar I - YouTube

Telesar

 この動画がTELESARである。
 TELESARは、右写真に観るようにマスターとスレーブに立体視のHMDとステレオカメラが置かれ、マスターの頭の動きをとらえて、それに同期してスレーブのマニュピレータに着けられたカメラが動くものである。

 DORAのマスター側(Oculus Rift)はジャイロセンサで頭の動きをとらえているのに対して、TELESARは頭の動きを6自由度のゴニオメーターというメカ機構を用いてセンシングしているが、まさに原理は同一である。

 DORAの着眼は、Oculus Riftというマスター機能を実現できる既存装置を使って、できるだけ簡易的にテレイグジスタンスを実現しようとしているところである。
 で、彼らがこの先に考えていることは、以下のようなものである。

20150429_175709

Graphical User Interface (GUI) Prototype on Vimeo
 こちらにDORAが開発中の、ロボットへのアクセスのインターフェース動画がある。既に世界の各所にこのロボットを置いて、Oculus Riftでアクセスすることを計画しているようだ。(赤い点がロボットの置かれた場所を示す)

 まさにここでの狙いも舘暲博士らが提唱しているテレイグジステンスそのものですね(以下のWIRED記事参照)。舘暲博士が研究していた、通産省のプロジェクトR3:Real time Remote Robotics アールキューブ:リアルタイムリモートロボティクスで、本田の二足歩行ロボットP2を用いたものの方が数段遠隔地への「どこでもドア」感は強いと思われますが、このDORAの企画は、インターネットとOculus Riftを使うことで、今すぐにでも実現できてしまう可能性を感じます。

 日本初で新たな産業の発信をイメージして開発されてきたテレイグジスタンスの具現化が日本でなく、こうしたアメリカの学生たちによるベンチャーでいち早くとっても簡易的に実現してしまうとしたら、なんだか寂しいものがあります。

 簡易的と言っても、Oculus Riftの臨場感は録画された映像データで体感しても素晴らしいので、自分の頭の動きに合わせて映像が生で送られて来れば、相当なレベルの臨場感提示となり、ネットを使った新たな簡易「観光」としては、今すぐでも相当なレベルを達成できるのかもしれません。
 
 で、この技術、世界の地図データをデジタル化して自身のプラットフォームによる世界征服(^^)を狙っているGoogleが放っておくわけはありません。このベンチャーがもし軌道に乗ったら、きっとGoogleの魔の手wが伸びていくことでしょう。

 今後の展開に注目したいと思います。

◆関連リンク
Oculus Rift and Robotic Heads: A Match Made In Geek Heaven | Popular Science
 DORAのプロジェクトを紹介したポピュラーサイエンスの記事。「ギークの天国」って笑ってしまいますが、当初はそうかもしれないけれど、この技術の世界中の生活への今後の波及効果はスマホを超えるかもしれない、と思うのは僕だけでしょうか(^^)。
 以下の舘博士のインタビュー記事に、テレイグジスタンスにより開かれる広大な世界の一端が語られています。

150119teleexistance01距離も時間も超える「自分の分身」テクノロジー、テレイグジスタンス « WIRED.jp.

"まるで「どこでもドア」のように、自室にいながら世界中の都市を訪れることを可能にする。そんな夢のような技術の開発が進んでいる。しかも、風景を眺めるだけでなく、現地の物を触ることができるというのだ。

東京大学名誉教授の舘暲博士らは、ロボットを通して触感まで伝達できるシステム「テレイグジスタンス」(Telexistance/遠隔臨場感)を開発し ている。「圧覚・低周波振動覚・高周波振動覚・皮膚伸び覚・冷覚・温覚・痛覚」という7種類の感覚を組み合わせることにより、すべての触感を再現する「触 原色原理」というコンセプトを提案。これを応用して、遠くにあるものを本当に触っているかのような感覚を得ることに成功、高性能な遠隔操作ロボットを実現 したのだ。"

NHKスペシャル|ネクストワールド 私たちの未来第4回人生はどこまで楽しくなるのか

"部屋に居ながら世界中に行ける「バーチャル旅行」に夢中の青年は、幼い頃に出会った少女のことが今も忘れられない。一方、最愛の母親を亡くした少女は、父親の手によってホログラムの技術で母親が蘇ったことに激しい葛藤を抱いていた。蘇った母親は、作りものなのか、本物なのか。"

 落合正幸監督によるテレイグジスタンスのドラマが放映されていたのですね。
テレイグジスタンスの研究 - Tachi Lab
 テレイグジスタンスの研究論文、全80報のPDFがこちらで見られます。

 テレイグジスタンスの研究(第13報)―人間型スレーブロボットの試作―
[PDF]
 こちらの文献に安川電機との共同であることが書かれています。
テレイグジスタンスの研究(第76報) -巨人化体験のための視覚伝送系の設計と実時間映像伝送系の実装
 Oculus Riftとドローンを用いた研究、これもマッドですねw。
特許・実用新案テキスト検索(詳細表示)|J-PlatPat

Pat

"【特許請求の範囲】
【請求項1】  ヘルメットを装着した操作者の頭部の動きに応じて、スレーブ装置に搭載した撮像装置により被監視体の映像を、操作者の顔面に設けたヘッドマウント・ディスプレイに、投影するテレイグジスタンス視覚装置において、前記ヘルメットの頂部X,Y,Z軸上に直交させて検出器を内装したジャイロスコープと、前記検出器の回転方向を判定する回転方向判別回路と、前記検出器の出力信号を積分し操作者の頭部の移動距離として記憶するカウンタ装置と、クロックの指令するタイミングに応じ前記カウンタ装置から払い出された移動距離に対応させ動作する前記スレーブ装置に搭載してある雲台のサーボ機構とよりなることを特徴とするテレイグジスタンス視覚装置。"

 この特許は審査請求されていないため、公告特許とはなっていません。だけれどここまで同一の特許が出されていると、これが公知技術となってDORAの動画で示された基本機能の特許は難しいでしょうね。

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