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2015年4月5日 - 2015年4月11日

2015.04.08

■感想 矢口史靖 監督『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なぁなぁ日常』

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矢口史靖監督作は自主映画「雨女」から観てますが、本作、一番好きかもしれない(^^)。三重県の奥深い森の魅力。むんむんと匂い立つ自然。何かが映画に宿っている。

 森と人間の関係から、中上健次による熊野を舞台にした小説群、今村昌平の『神々の深き欲望』といったところを想い出すが、こちらの映画も性と生がテーマであった。もちろん中上、今村と比べると、矢口監督のタッチは軽やかである(^^)。
 が、映画に山が宿っているところは、映像の力、映画の演出の真骨頂である。

 特に何かが宿っているような、気が画面から漂ってきたのは、神隠しのシーン。
 結界が張られた山に子供が消え、そこに主人公たちが入っていくシーン。ここが描かれたことにより、最後の祭りのシーンがとても生きてくる。

 矢口作品は、うちの近所、田舎のレンタル屋でも、いつも10本近くのDVDが並ぶのだけれど、今回は異例の2本だけ。こんなに面白い映画なのに、『スウィングガール』や『ハッピーフライト』のように多くの方に見られていないのは残念です。

◆関連リンク
揺れ動くほんものの景色のなかで。 - ほぼ日刊イトイ新聞.

2村の生命力とか、開けっぴろげなエロチズムとか ぼく個人からは出てこない題材も小説のなかにはあって、 それをとても魅力的に感じたし、 撮ってみたいと思いました。 つまり、あの小説のなかには、 ぼくが映像化するときに得意技としている部分と、 手をつけたことがない部分があったんです。"

揺れ動くほんものの景色のなかで。 - ほぼ日刊イトイ新聞.

"矢口 ぼくは『WOOD JOB!』を観た人に 「林業っていいよ、やろうよ」ではなく、 もしかしたら今の生活の延長上に なにか別の世界の扉があって、 その扉を少しでも開くと、 「あ、世界って、こんなに広かったんだ」 ということを感じてもらいたい。 ただ、それだけ。"

 矢口史靖監督と糸井重里の、本作品を巡る長文の対談。とても面白く読めます。
宇多丸が映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なぁなぁ日常」を絶賛 - YouTube
▶ 荻上チキ・SS22 矢口史靖監督 現在公開中の『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』
『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』(Blu-ray)

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2015.04.06

■感想 ウォシャウスキー姉弟監督『ジュピター』

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 ウォシャウスキー姉弟監督『ジュピター』観ました。
 期待して行っただけに落胆は半端ではないw。『クラウド・アトラス』は悪くはなかったのに、これは相当な駄作。こんなにバジェットを投入して、この馬鹿っぽさは何なのだろう(あ、金があり過ぎて強引に映像で作り込むばかりに、物語と人物が馬鹿になってしまった典型例かもしれない)。

 いちいち物語の展開と登場人物の会話が類型的すぎて、映像が頑張っている部分をスポイルしてしまっている感が半端ない。

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 その映像にしても冒頭から前半1/3は、木星の映像とか3Dでなかなかワクワクしたのだけれど、中盤から失速。どこかで観たことのあるような映像の乱れ打ちオンパレード。

 そして右図の「THE ZERO」と名付けられたロボット型戦闘機(?)に代表されるように、少しユニークなデザインなのに、充分物語の中で、活躍しないのが残念でしょうがない。スピーディな戦闘シーンで描かれているため、せっかくの周囲に翼を持った独特の工夫の構造が活きてこない。
 3D映像としても面白くなる可能性大なのに、残念である。

 もうひとつ辛口で書くと、3D上映が字幕しかない、というのは興行的に致命的。しかたなく3Dで初めて字幕版を観たのだけれど、やはり危惧した通り、3D空間の臨場感が字幕で台無し。せっかくの木星映像を返してくださいw。

 冒頭の木星画像のシーンとか、どこかジーン・ウルフ「アイランド博士の死」とか想い出させるのだけれど、このセンスオブワンダーが活かされていない。
 特に後半の木星は駄目駄目で、単なる煙に包まれた秘密基地程度の軽い映像。木星って、とんでもない重力と熱の惑星というイメージが全く活きていない。

公式ページ
 67枚のイメージ画へのリンクされている。

------------------未見の方、以下、注意-------------------------


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 あと少しネタバレですが、メインプロットの「収穫」「DNAで過去の人物と同じ配列の人間が地球に生まれる」というところ、半村良のSFを思い出します。そして主人公が清掃員なのだけれど、実は女王で数々の冒険に巻き込まれる、っていうのも半村良の主人公の妄想チック(^^;)。
 この映画、全く半村SFと雰囲気は違うのだけれど、ネタ的にファンとしては思い出さざるを得ない。

 半村作品で『虚空王の秘宝』は確か木星ならぬ木製w宇宙船が出てきてヴィジュアル的に類型がなくオリジナリティに溢れているので、ここまで半村作品にネタがかぶるならw、ウォシャウスキー、『虚空王の秘宝』を映画化すれば良かったのに(あ、収穫とDNAは『虚空王の秘宝』でなく別作品ネタです、、、)。

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