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2016年3月

2016.03.30

■情報 押井守監督『ガルム・ウォーズ』特典DVD 1999年幻の「G.R.M.」パイロット・フィルム

Dvdside

「ガルム・ウォーズ」3月26日前売開始
特典に1999年幻の「G.R.M.」パイロット・フィルム収録 | アニメ!アニメ!

" 『G.R.M.』のパイロット・フィルムは3年におよぶ開発期間に、数多く製作された。今回の特典DVDに収録されたのは、このうち1996年に製作されたものだ。これまで2001年の東京国際ファンタスティック映画祭でのみ上映された1本である。非常に貴重な蔵出し映像となっている。

 特典DVDの収録分数は12分22秒。なお先着3,000枚のみの用意となり、なくなり次第終了となるそうだ。また、このニュースにあわせて『G.R.M.』パイロット版の冒頭1分も公開となった。"

 押井守監督『ガルム・ウォーズ』の特典付き前売り券を買いました。
 特典DVDは、あの幻の企画『G.R.M』の映像12'22"。上に掲載したジャケットとDVDの写真は『ガルム・ウォーズ』ですが、その予告篇等はなく、中身は『G.R.M』のみ。

 『G.R.M』映像をずっと観たかっただけに、これは外せないと前売り発売の3/26(土)に劇場で並びました。結果は、ほとんどの並んでるお客が仮面ライダーのパンフだとかグッズを買う人で、30人ほどの中で『ガルム・ウォーズ』前売りを買ったのは極一部のようでした(レジを待ちながら見ていただけでよくわからないが直接見かけたのは一人だけだったw)。

 で、肝心の中身は、少々ラフなセルルックアニメーション映像(たぶん)ですが、登場する様々な異界のコンセプトは見応えあります。(たぶんCG映像によるセルルックアニメだと思われる映像ですが、一部、手描きアニメもあります)
 イメージスケッチを動画にしたような映像だが、この世界がフォトリアルに描かれたら、ドキドキするような映画体験がそこに立ち現れたのではないか。
 特にダナンの巨人の朽ちた姿がとても印象的だった。

 この特典映像には、ネットに動画がある以下のものもこの中にまるまる含まれていました。


[G.R.M.]パイロット版 幻のアニメーション映像 冒頭1分 - YouTube.
 今回、新たに公式に公開されたパイロット映像。

RoGW pilot film 投稿者 manuloz
 こちらは以前から掲載されていた動画。どこかのワイドショーで紹介された時の映像のようである。

◆関連リンク
ガルム・ウォーズ - Wikipedia

"デジタルエンジンプロジェクトの企画として製作が行われていた、特撮とアニメを融合させたハイ・ファンタジー映画。2000年に公開される予定だった。パイ ロットフィルムが3本存在する(このパイロットフィルムはいまだに一般には未公開であるが、東京国際ファンタスティック映画祭で上映されたことがある)。"

 パイロットは3本存在するのですね。Facebookで教えて頂いたところ、今回の特典映像で制作された全てのシーンが入っている、ということです。

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2016.03.28

■感想 ザック・スナイダー監督『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』Batman v Superman: Dawn of Justice


映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』予告2【HD】2016年3月25日公開 - YouTube.

 109シネマ名古屋でIMAX 3D版(残念ながら今回も字幕)を観てきた。
 総論として、迫力は凄いんですが…もちょっとジョス・ウィードン『アベンジャーズ』(1本目)の様に大人の映画になっていてほしかったな、と。
 神と人の闘いなので、どれだけでも広がったはずですが…。スーパーマンもバットマンもそれぞれ深い考えなしに御互いを敵視している描写もイマイチ。もっと深くその誤解の原因を描かないと、ただの頭の緩いヒーローが単純な誤解で命を懸けて戦っている、というおバカな展開にしかみえない。折角のゴージャスな映像がいささかその欠点によって空虚に観えたのは僕だけだろうか。

 と欲張りな感想は持ったが、その映像は『マン・オブ・スティール』に続き臨場感に優れ、いい絵が一杯、しかも3Dとして絶妙のアングルも沢山あって、ワクワクする楽しめる映画だったことは確かw。

 というだけでは何とも間抜けな感想なので、『アベンジャーズ』にあって『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』になかったもの、という観点で冒頭に書いた第一印象に続いて、観終わって1日位で考えたことを少し細く書いてみます。

◆唯幻論的 アメリカにおけるヒーロー物について

 スーパーマンが作中で、自分は「カンザスの農夫の夢が作った幻想」のヒーローであると語る言葉がある。今回、この表現にとても興味を惹かれた。
 ここから、どんな展開があるかと思ったのだけれど、父子の話としてまとめてしまったのは残念。スーパーマン自身が自らのその出自で自分の正義について反問する様な展開もあり得たはずで、それとバットマンの自省が絡まって、ギリギリの状態で二人が戦わざるを得なくなる、というクライマックスも考えられたのではないか。

 幻想というキーワードでアメリカのヒーロー物を考えるのに、素晴らしく鋭い切り口のアメリカ論が存在する。

岸田秀の「アメリカを精神分析する」(『現代思想』1977年11月)

" 岸田秀によると,アメリカの歴史は自らの経験を自らに都合のいいように偽ることからはじまっていると言います。

 ここでいう「経験」とは,メイフラワー号に乗って新大陸にやってきたピルグリム・ファーザーズが「インディアン」を虐殺した事件を指しています。

 「自由と民主主義の国」の礎石を築いた“聖徒=ピルグリム・ファーザーズ”は「インディアン」と呼ばれたアメリカ大陸の原住民を虐殺し、彼らの土地を奪った犯罪者だと言うのです。

 経験を偽り,ピルグリム・ファーザーズを英雄にしてしまったアメリカは,同じような行為を強迫的に反復していくことになります。

 岸田秀は,こんな風に書いています。
「アメリカの対外侵略の歴史もまたこの強迫的反復の歴史である。それは、外国の反民主的な独裁政権に反対して、アメリカの自由と民主主義を守るという形を取る。そして、つねに第一発は相手側から撃たせ、アメリカはそれに反撃するためにやむを得ず立ちあがったということになっている」"

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インディアン - Wikipedia

" ヨーロッパ人がアメリカ大陸にやってくるようになった頃、1890年12月白人によるインディアン戦争は終結した。最終的には推定1000万人いたインディアンは白人の直接・間接虐殺により実に95%が死に絶えた。"

 引用文は1977年に書かれ、のちに『続ものぐさ精神分析』に掲載された「アメリカを精神分析する」という岸田秀の論考の紹介である。

 ここで述べられているのは、アメリカの現在の大国主義/世界の警察官といったヒーロー的な国の位置付けは、自らの出自であるインディアンの大虐殺の記憶を偽るために、繰り返し戦争に加わり、自らの暴虐の歴史がいつか本物の正義に転化する瞬間を希求する「強迫的反復」に理由がある、とするものである。
 学生時代にこれを読んで衝撃を受けた記憶だけれど、その後の歴史がまさにこの反復を繰り返しているようにみえてしまう。反復は、911後のイラク戦争に代表されるように、民族としては無意識に敵に対するヒーロー的な戦争として実施され、意識的にはある為政者層が自覚的にそれを利用しているという裏面もあるのかもしれない。

 この視点から、アメリカの民族意識を構成するのに欠かせないハリウッド映画、特に最近大ヒットを繰り返すヒーロー映画を思い起こしてみると、とても興味深い読み取り方が獲得できる。

 自らの国の出自である原罪、偽りの正義の記憶がいつか真の正義に転化する日を夢見て繰り返される正義の戦争。アメリカの能天気な正義崇拝はこの原罪の後ろめたさの裏返しとは言えないだろうか。

 そしてアメリカ精神を代表するハリウッドで繰り返される強大な敵に対する、ヒーローたちの正義の戦争。それはかつての西部劇のようにインディアンを敵とみなして安直に正義を描写するような欺瞞ではもはや贖罪ができなくなった観客の無意識を満たすことができる新たな物語。

 もちろん原罪はそんなもので解消されるわけではない。それは偽りの正義の戦争によって、かつての先住民族虐殺の歴史が拭えないのと同等に。いつまでたっても自分たちが正しかったことが証明されることなどない虚構の正義。

Avenjers_last

 悪がでかいほど倒した時のカタルシスは大きいのだが、原罪は解消するわけでなく、一瞬の勝利の後に来る虚しい気持ち。

 それを表現していたのが、アベンジャーズたちの勝利の後の空虚かもしれない。あのジョス・ウィードン『アベンジャーズ』のラストでヒーロー達が虚ろにダイナーの片隅でパイを頬張る姿は、いつ癒されるとも知れぬ自責を噛みしめるアメリカの姿の象徴とは言えないだろうか。

 『アベンジャーズ』の戦いのシーンで最も印象的な、ハルクの闘いの回路に火が入る描写。無意識にスイッチが入り、暴走するあの姿は、どこか原罪を反復するかのようにオートマチックに暴走するアメリカという国の姿を体現していると考えるのは穿ち過ぎだろうか。

 ひるがえって『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』。
 スーパーマンという一人の神による、冒頭の罪なき人たちの大殺戮シーン。
 まさに911を再現しているかのようなあの摩天楼の市街戦は、スーパーマンの原罪を描くとともに、アメリカの観客たちが無意識にいつも見たかった大きな敵によるカタストロフの瞬間である。それに対する反撃による正義の戦争の偉大な勝利。

 その視点はバットマンから描くことになるかもしれない。
 そしてそれが、二人の偽りの正義の戦いの描写になって、どちらも大きく傷つき、そして正義でもなんでもない神によるただの殺し合いであったことが判明するクライマックス。
 そんな映画の幻を凄まじい物量で描かれる大映像スペクタクルに酔いながら、想起していたのでした。

 今回の映画の原題は「Dawn of Justice : 正義の夜明け」。まだ正義は顔を出しただけである。
 今後続くジャスティスリーグ(チーム名がTHE JUSTICE LEAGUE OF AMERICA)がまさにアメリカの正義を描くシリーズで、そうした民族の精神分析という様なメスをふるって患部を白日にさらしていくような映画であって欲しいものである。

◆関連リンク
岸田 秀『続 ものぐさ精神分析』(中公文庫)
岸田 秀『ものぐさ精神分析』(中公文庫)

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2016.03.23

■情報 福島県須賀川市「特撮アーカイブセンター(記録保存館)」と「円谷英二ミュージアム」計画

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【福島県須賀川市】“特撮の神様”円谷英二氏の出身地に「特撮センター」整備構想! ~ 建設通信新聞の公式記事ブログ

"福島県須賀川市は、2016年度当初予算案に特撮センター整備事業実施設計業務委託費2420万円を計上した。議決されれば今秋に発注手続きを開始する方針だ。
 同市は、ウルトラマンなどを手掛けた“特撮の神様”と呼ばれる円谷英二監督の出身地。円谷氏の功績をたたえるまちおこしの一環として、“特撮”文化を生かした文化振興を図っていく。
 同市柱田にある岩瀬農村環境改善センター(RC造2階建て延べ約1100㎡)を改修し、展示などを行う拠点施設を整備する。"

故円谷英二監督の古里須賀川 特撮文化後世に 保存拠点整備へ | 福島民報.

"「特撮の神様」故円谷英二監督の古里須賀川市は特撮アーカイブセンター(記録保存館)を整備する。岩瀬農村環境改善センターを改修して活用する方針だ。
 世界に誇る特撮文化の保存、継承の拠点とし、須賀川の魅力向上につなげる。現在、映画関係者らと協議を進め、特撮の関連資料の保管、展示の内容などを検討している。開館時期も含め、概要を年内にも公表する。  橋本克也市長が18日、構想を発表した。「円谷監督が残した特撮文化を未来に伝える世界唯一の場所になる」と話した。特撮の資料を保存、展示する常設の施設は円谷プロも設けていない。
 市は施設設計費2420万円を平成28年度一般会計当初予算案に計上した。

 このほか、市は30年度開館を目指し整備する市民交流センター内に円谷英二ミュージアムを造る。"

 福島県須賀川市が計画する「特撮アーカイブセンター(記録保存館)」の情報です。以前、日本各地で開催された「特撮博物館」に続き、こうした企画はとても素晴らしいものだと思います。今回は、円谷英二の故郷での企画で、「特撮博物館」とどうリンクしているのか/していないのか、よくわかりませんが、どんどんこんな企画が進み、昭和の時代の特撮が文化遺産としてしっかりと残されていくことを望んで止みません。

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"(仮称)市民交流センター基本設計説明書 ー概要版ー 平成26年10月 須賀川市"

 そしてこちらは、同じく須賀川市による「市民交流センター」の企画。基本設計説明書の図に、しっかりと5Fに「円谷英二ミュージアム」の記載があります。
 そして「大震災からの復興アピールや風評被害などを払拭するため、現在ウルトラマンによるイメージアップ戦略を展開」という記載もあり、原発事故が起きた福島の復興に円谷特撮ヒーローが今後どんどん活躍することになるかもしれません。

 まさに科学特捜隊とともに、僕らの「21世紀の科学の輝かしいイメージ」の中心にいた円谷プロ作品による、福島の科学の暴走による悲劇を、精神的に浄化するこのような活動を見守りたいと思います。

 たとえば原発のダークツーリズム、その旅程の最後に未来への希望を感じさせるこれらの特撮の輝かしい記録を見せる、というのは興味深いアイデアかもしれません。

◆関連リンク
岩瀬公民館/須賀川市公式ウェブサイト
 現在の「岩瀬農村環境改善センター」のようすが伺えます。
円谷英二 特撮 ゴジラ ウルトラマン - Google 検索
 トップの画像は、この画像検索の画面キャプチャーです。

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2016.03.21

■情報 東北学院大学 驚異の記録プロジェクト 金菱 清(ゼミナール) 編『呼び覚まされる霊性の震災学』

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呼び覚まされる霊性の震災学(新曜社)

"震災による死に人々はどう向き合うか。
 霊を乗せて走るタクシー、わが子は記憶のなかで生きていると慰霊碑を抱きしめる遺族、700体もの遺体を土中から掘り起こして改葬した葬儀社、津波のデッドラインを走る消防団員、 骨組みだけが残った防災庁舎を震災遺構として保存するかなど、被災地の生と死の現場に迫るノンフィクション。亡くなった肉親や津波犠牲者の存在をたしかに感じるという、目にみえない霊性の世界に迫ります。"

 「はじめに」の部分がリンク先で読めます。以下、さらに一部引用。

" 津波や原発によって文化の虚構性が暴かれた社会において、一足飛びに天に向かう動きに飛躍するのではなく、眼の高さを起点とする天と地の間の往復運動によって、身体性を伴う言語以前の、コミュニケーションの場を設定しうる可能性が示される。生者と死者が呼び合い、交換し、現世と他界が共存する両義性の世界が、すなわち〝霊性〟である。"

 『霊性の震災学』、これはとても興味深いリサーチです。
 もしこの引用で不謹慎なイメージを抱かれた方がいらっしゃったら、たぶん僕の引用がまずいので、リンク先等にしっかり当たってください。

 ここで言われている「霊性」というのは、あまりに巨大な突然の不幸に対して、それに遭遇した方がどのようにその衝撃を心の中で折り合いをつけていくか、ということだと思う。
 その心的な受け止め方は、ある時はあまりの衝撃に現実的な折り合いがとりにくく、ある時は神秘的な体験として、その方の心的な記憶として定着することもあるのではないか。その神秘的な表現から、我々はその巨大な体験を、少しだけかもしれないが、擬似的に体験できるのかもしれない。まず、そんな興味がこの本に対して湧いてきた。

 さらにこの切り口から拡大して、心的なストレスが精神活動のレベルでどんな社会的なうねりを作り出しているのか、そんな分析を読んでみたい。個人の定着の仕方だけでなく、社会としての定着がどのように起こるかということ。

 それは宗教的であったり、政治的であったり、、、あの巨大な悲劇がその後の日本人の心的世界に何をもたらしているのかの分析になっているのではないだろうか。

 そんな分析に関心を持ったのは、以前の記事、新刊情報 佐々木中『夜を吸って夜より昏い』にて紹介した、佐々木中氏が推薦した書籍 中井久夫ほか『昨日のごとく―災厄の年の記録』について語られたラジオでの言葉である(リンク先記事に引用有)。

 震災から5年、日本社会を覆う空気は相変わらず重苦しいのだけれど、この重苦しさは、もしかするとあの体験を日本民族が受け手めようともがいている姿そのものかもしれない。

◆関連リンク

・石巻のタクシー運転手は、なぜ幽霊を見たのか? 工藤優花さんが語る被災地の「グレーゾーン」

"東日本大震災から3カ月ほどたった、ある深夜の出来事だった。タクシー運転手の男性がJR石巻駅(宮城県石巻市)の近くで客を待っていると、もう初夏だというのに、真冬のようなふかふかのコートを着た30代くらいの女性が乗車した。

目 的地を聞くと「南浜まで」と一言。震災の津波で、壊滅的な被害を受けた地区だった。運転手は不審に思って「あそこはもうほとんど更地ですけど構いません か?」と聞いた。すると女性は震える声で答えた。「私は死んだのですか?」。運転手が慌てて後部座席を確認すると、そこには誰も座っていなかった。"

"これは怪談ではない。1月末に発売された「呼び覚まされる霊性の震災学」(新曜社)に収録された女子大生の卒論に書いてある内容だ。東北学院大学教養学部4年生の工藤優花(くどう・ゆか)さん(22)は、震災の死者数が約3500人と最多となった宮城県石巻市の人々に「幽霊を見た経験がないか?」と聞いて回る実地調査をした。

どうして彼女は「震災と幽霊」という特異なテーマを卒論に選んだのだろうか。"

・筑摩書房 震災学入門 ─死生観からの社会構想 / 金菱 清 著

"東日本大震災によって、災害への対応の常識は完全に覆された。これまでの科学的・客観的な災害対策は、すべて被災者の視点から見直されなければならない。リ スク対策、心のケア、コミュニティ再建、巨大防潮堤計画、死者をどう弔うかなど、従来の災害学・災害対策では解決できない諸問題を、弱さの論理に根差す、 新たな「震災学」の視点から考え抜く。東北の被災地に密着しつつ、多彩な調査・研究活動を展開してきた気鋭の社会学者が、3・11以後の社会のあり方を構 想する。 この本の目次 第1章 いまなぜ震災学か―科学と政策を問いなおす 第2章 心のケア―痛みを取り除かずに温存する 第3章 霊性―生ける死者にどう接するか 第4章 リスク―ウミ・オカの交通権がつなぐもの 第5章 コミュニティ―「お節介な」まちづくり 第6章 原発災害―放射能を飼い馴らす"

Amazon.co.jp: 金菱清: 本
 この本を編纂された研究者金菱清さんのその他の著作。

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2016.03.16

■押井守監督『ガルム・ウォーズ』 予告篇 と 押井守×鈴木敏夫×虚淵玄 公開特番アーカイブ


『GARM WARS The Last Druid』 Trailer YouTube
映画『GARMWARS ガルム・ウォーズ』公式サイト

 ついに待望の『ガルム・ウォーズ』の日本公開日が、2016年5/20と決定。
 既にアメリカでの公開は終わり、日本では2014年 東京国際映画祭での限定公開だけだった幻の押井映画をついに観ることができる。

 以前の予告篇から趣を変えて、日本語版としてのアピール。日本語版はジブリの鈴木敏夫Pによるもの。

 映画のパトレイバーがヒットした様子がなかったので、ガルムの公開もジブリに頼らざるをえなかったんでしょうね。
『GARM WARS The Last Druid』 Trailer - YouTube
 以前のこの予告篇に比べると、女性主人公を前面に出し、音楽もソフトな印象に変えて女性へのアピールに比重が大きく移っています。以前の予告は『ザ・ラスト・ドルイド』という日本人に聞き馴染みのないの言葉ドルイド、というのが固い印象になっている上、ファンタジー世界とアクションを強調したものになっています。

Garm_wars_poster

 ポスター等のイメージビジュアルも変化。
 鈴木敏夫Pが『イノセンス』の時にとった宣伝戦略と、とても似ている印象ですが、あの時もそれなりにヒットしたけれど、大ヒットとはいかず、ジブリの名を付けない中での鈴木マジックが効くかどうか、今回もそうした面は気になりますね。

押井守×鈴木敏夫×虚淵玄『ガルム・ウォーズ』公開特番を生配信 - LIVE

"LINE LIVE「押井守×鈴木敏夫×虚淵玄『ガルム・ウォーズ』公開特番を生配信」

配信日時:2016年3月10日(木)21:45~23:30
出演:・鈴木敏夫(スタジオジブリ) ・押井守 ・虚淵玄"

 ジブリと関係の深いニコニコ動画でなく、なぜか今回LINE LIVEで配信された3人の対話。上のリンク先でアーカイブの動画として現在も観ることができます。
 押井守監督は、『ガルム・ウォーズ 』からまだ語れない次回作についてと『マドマギ』と自身の孫wの話まで、2時間たっぷり。

 英語版イタリア語版日本語版を巡って語られた映画の言語による印象の違いとかヨーロッパの果ての世界としてのアイルランドについてとか、虚淵玄が書いた今回の映画のキャッチコピーの下りとかが、とても興味深かった。

 次回作の為にも、ヒットして欲しいですが…。この対話を観た100万人が全員劇場で観てくれたら(^^)

◆関連リンク

・オタクにすらなれない人間は動物化するしかない!? 押井守監督が『GARM』、鈴木敏夫、『まどか☆マギカ』を語る(1)

"作る側としては丘の上に立ってみることが大事なんです。ファンタジー大作としては『アバター』(09)なんかがすでにあるわけで、丘の上に旗はもう立てられている状態なんだけど、丘の向うにどんな光景が広がっているのか自分の足で丘の上まで登って確かめてみる必要があったんです。"

虚淵玄 「ガルム・ウォーズ」で宣伝キャッチコピーを書く - Togetterまとめ

"コピーライターなんて初めて引き受ける類のお仕事でメッチャ緊張しましたが、中学生の頃に「糸井重里の萬流コピー塾」を読んどいたおかげで何とかなった! 若い頃の読書って本当に大事。"

ガルム・ウォーズ関連 当Blog記事 Google 検索
 ■感想 ノンフィクションW さらば愛する日本よ~密着・押井守の世界挑戦800日~(『GARM WARS The Last Druid : ガルム・ウォーズ ザ・ラスト・ドルイド』メイキング)
 今回の対話で語られた、まるで『プロジェクトX』のようで押井監督が恥ずかしかったメイキング番組。

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2016.03.14

■情報 デイヴィッド・リンチ プロデュース Lotje Sodderland & Sophie Robinson共同監督 ドキュメンタリー『私の美しい壊れた脳』: My Beautiful Broken Brain


My Beautiful Broken Brain - Official Trailer - Netflix [HD] - YouTube.

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My Beautiful Broken Brain (2014) - IMDb

"MY BEAUTIFUL BROKEN BRAIN is 34 year old Lotje Sodderland's personal voyage into the complexity, fragility and wonder of her own brain following a life changing hemorrhagic stroke. Regaining consciousness to an alien world - Lotje was thrown into a new existence of distorted reality where words held no meaning and where her sensory perception had changed beyond recognition. This a story of pioneering scientific research to see if her brain might recover - with outcomes that no one could have predicted. It is a film about hope, transformation and the limitless power of the human mind." 

 デイヴィッド・リンチがエグゼクティブ・プロデューサーを担当したドキュメンタリー。
 外傷性出血性脳卒中を患ったオランダとフランスハーフ(?)の映画監督Lotje Sodderland (日本語表記不明) が、ソフィー・ロビンソンと共同監督した自身の病気の脳を描いたドキュメンタリー。

 予告篇を観ると、脳の疾患による幻想と現実を描いた不思議なタッチの映画になっているようにみえます。

My Beautiful Broken Brain 公式サイト
 2016.3/18にNetflixにて公開されるようです(日本からも観られるかは不明)。観たいのですが、僕は会員になっていないので、観た方、どんな映画だったか、御感想をお聞かせください。

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2016.03.09

■情報 アーティスト 下田ひかり 絵画作品

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Home | Hikari Shimoda (公式HP)
Hikari Shimoda :Gallery: Archive(公式HPアーカイブ)
 とても魅力的な眼を描かれる画家 下田ひかりさんの絵をご紹介します。
 近作を引用させて頂きましたが、リンク先の公式HPにいろいろな作品が掲載されています。特にアーカイブで、年代ごとの絵の変遷が一望できますので、是非ともリンク先で御覧ください。

KURUM'ART contemporary|下田 ひかり(Hikari Shimoda)

"下田 ひかり(Hikari Shimoda)
短大卒業後、イラストレーターを目指し、イラストレーション青山塾で2年間学んだ後、2008年より現代アーティストとして活動を開始。 子どもをモチーフとしながら、現代社会の人々が抱えている問題をテーマにペインティングを制作。日本独自の「イラスト」表現をベースに、可愛いさと恐ろしさが同居する世界を展開。書籍の装丁に作品が使われるなど、10代、20代の若年層を中心に、ネットを通じて国内外にファンを持つ。
 2011年4月に ニューヨークのFoley Galleryにて個展を開催、好評を博す。東京を中心に、個展・グループ展に多数参加。"

 このプロフィールの情報によると、既に多くの国内外ファンがいらっしゃり、ニューヨークでも個展を開催されたことがあるという。
 まず、以下の素晴らしい瞳を御覧ください。

Whereabouts_of_god_2_2012_0side

Hikari Shimoda :Gallery

"“神様の行方2”(引用画 左)  Whereabouts of God 2 2012
727mm×727mm oil on canvas 個人蔵 Private collection
首の傷は、「チェルノブイリ・ネックレス」よりインスパイアされています。 The wound of a neck drawn on this work, it is done inspire by “Chernobyl necklace”. Posted 3 years ago with 266 notes Tags: 2012"

“神様の行方3”(引用画 右)  Whereabouts of God 3 2012"

 上の引用画は、"神様の行方"と名付けられたシリーズの2点。
 ガラス玉のような、カラフルな眼と独特の肌、そして首に刻まれた「チェルノブイリ・ネックレス」(リンク先 wikipedia参考)。眼だけ見ると希望にあふれた光を湛えているのだけれど、顔色と背景とそして首の傷跡が大きな不安を観るものに与えています。
 さらに頭のツノ。
 このツノと眼の光が人類ならざるものの雰囲気をたたえて、まるで我々がサルになって新人類を見ているような気分を誘発しています。

 このような感覚で見ると、僕らみたいなSFファンには、この絵はまさにシオドア・スタージョン『人間以上』を想起させ、新しい人類の子供達を想像させずにはおきません。
 本来、上の解説文にあるように「現代社会の人々が抱えている」テーマの表現なのかもしれないですが、この魅力的な瞳の絵に、我々は新しい人類の誕生と、そこに見えるほのかな希望というようなものを感じてしまう。

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Hikari Shimoda :Gallery.

"“神様の行方6”(引用画 左) Whereabouts of God 6 2013 727mm×727mm oil on canvas 個人蔵 Private collection

“神様の行方4”(引用画 右) Whereabouts of God 4 2013 727mm×727mm oil on canvas 個人蔵 Private collection"

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Hikari Shimoda :Gallery.

"“この星の子ども9”(引用画 左) Children of this planet 9 2013 530×455mm oil on canvas 個人蔵 Private collection

“この星の子ども12”(引用画 右) Children of this planet 12 2013 530×455mm oil on canvas 個人蔵 Private collection"   

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Hikari Shimoda :Gallery.

“この星の子ども6”(引用画 左) Children of this planet 6 2012 530×455mm oil on canvas 個人蔵 Private collection

Home | Hikari Shimoda.

"Whereabouts of God #7(引用画 中央)

Astro Boy(引用画 右)"

 ここに紹介した絵は、2012年から3年ほどの間に描かれた作品である。その前の絵は、作風がだいぶんと異なり、まだまだ進化発展する作家さんのようなので、今後とも当Blogでも注目していきたいものです。このまま、どこまでこの透明感ある人類の絵が進化していくのか、とても興味深いです。

◆関連リンク
下田ひかり『HIKARI SHIMODA ART WORKS この星のゆくえ』(Amazon)
 現在在庫切れになっていますが、作品集も出版されています。


下田ひかり個展「神さまの死んだ国で」 hikari shimoda - YouTube

2012年12月11日〜16日まで開催された下田ひかり個展「神さまの死んだ国で」の作品紹介動画です。

トークイベント 下田ひかり×TARTAROSJAPAN 「新世紀の救世主と悪魔 子供たちの神話的表現の可能性」 - YouTube

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2016.03.07

■感想 ティム・バートン監督『ビッグ・アイズ : Big Eyes』

Big Eyes Official Trailer #1 (2014) - Tim Burton, Amy Adams Movie HD - YouTube
映画『ビッグ・アイズ』公式サイト - ティム・バートン監督作品 2015.1 ROADSHOW

 ティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』初見@W座 WOWOW。
 マーガレット・キーンの絵と、エイミー・アダムスの芝居と、そしてラナ・デル・レイの歌がとても魅力的な映画だった。エイミー・アダムス、『her/世界でひとつの彼女』も良かったですが、その後の作品がこれ。

 実話をベースにしているとのことだけれど、マーガレット・キーンの絵の魅力と、ウォルター・キーンのあざといアートディレクターとしての腕前がなかなかに興味深い。

 ウォルターのフィクションであるヨーロッパの戦災孤児たちに起源を持つわけではない、マーガレット・キーンのあの絵の源泉はなんなのだろう。前夫と娘にかかわるトラウマのようなものがあるのかもしれない。あの深く闇をたたえたような眼が一体何に由来するのか、とても知りたくなる。

 ウォルターを演じたクリストフ・ヴァルツの芝居がオーバーアクトすぎたのは残念。もう少し抑えて、彼なりの心の闇みたいなものをもう少し丁寧に描き出していたら、もっと傑作になっていたかも。

 最後に、ティム・バートンが描いたニューヨーク万博のシーンが、なかなかに魅力的だった。万博そのものを描く映画も、撮ってほしいと思ったのは僕だけだろうか。

◆関連リンク

20160306_184703

Margaret Keane - Google 画像検索
Margaret Keane, Painter Behind Tim Burton’s ‘Big Eyes’ | KQED Arts - YouTube
実物の、現在のマーガレット・キーンが自分の絵について語る動画。
・そして当Blogの次回更新は、日本の素晴らしいビッグアイズ画家の御紹介です。お楽しみに(^^)。

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2016.03.02

■情報 留之助商店&サーカス・ポスタラス・スタジオ主催「Monsters and Misfits IV : モンスターズ・アンド・ミスフィッツ-4」@渋谷ヒカリエ

Monsters_misfits_ivモンスターズ・アンド・ミスフィッツ-4

"モンスターズ・アンド・ミスフィッツ-4怪物と不適応者たち
参加アーティスト:ブランド・ピータース、キャシー・オリヴァス、クリス・ライニャック、アマンダ・スペード、アンドリュー・ベル、スタン・マヌキアン、他
会 期 2016年4月 1日(金) - 2016年4月 7日(木)
時 間 11:00 - 20:00(最終日は17:00まで)
場 所 渋谷ヒカリエ8/COURT
料 金 入場無料 事前申込 不要
主 催 留之助商店 サーカス・ポスタラス・スタジオ : Circus Posterus Studio
問合せ:0576-25-2010 info@tomenosuke.com

 欧米ファンタジー・アート界屈指の画家・造形家による驚異のグループ展。 布、木、硝子、金属、樹脂など、様々な素材を駆使して紡ぎ出された異世界のイタズラな怪物や茶目っ気たっぷりの小悪魔たちが、渋谷ヒカリエに集結します。作品数およそ100点。誰もがモンスターズ・アンド・ミスフィッツの不思議世界の虜になることでしょう。 開催2日目(4月2日午前11時)からオンライン・プレビューが公開されます。 www.tomenosuke.com"

 ついに4回目にして、会場が、飛騨高山 日下部民藝館から、東京のヒカリエへ移動。あの堂々とした古民家の風情の中で佇むオブジェモチャたちも捨てがたいのだけれど、関東圏の多くの人々に見られる機会が提供されることを、とにかく喜びたいものです。
 リンク先のヒカリエのページに、今回、引用させていただいた展示作品の写真のスライドショーがあるので、是非ご覧ください。
 中子真治さんの下呂温泉 留之助商店 店主のブログには、さらに制作風景等、最新の作品情報もアップされているのでモンスターズとミスフィッツのファンの皆さんは注目です。

Monsters_misfits_iv_2

 今回、上の引用画にあるような新しい作家の作品も加わるようです。
 東京で今回、これらの不可思議で愛くるしいオブジェモチャがどのような評判になるか、とても楽しみでワクワクします。

◆関連リンク
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 過去3回の展示会の様子を、写真と動画でレポートしております。

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