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2016年7月

2016.07.31

■感想(後半ネタバレ) 庵野秀明 総監督/脚本, 樋口真嗣 監督/特技監督, 尾上克郎 准監督/特技総括『シン・ゴジラ』


映画『シン・ゴジラ』新予告 - YouTube

◆まずは総論(ネタバレなし)
 名古屋109シネマ IMAX版 初日最終回を観てきた。最高に面白く刺激的。
 ネタバレ感想は後半に書きますが、是非、白紙で観に行かれるのをお薦め。前半はネタバレ避けますが、先入観なしでの視聴がお薦めなので、この原稿を読むのはやめて、是非劇場へ。(初代ゴジラを昭和29年に初めて観た観客のワンダーに近いものが感じられる作品なので、、、。そんな体験ができる超貴重な機会を自ら捨ててはいけませんw)

 会場は古い特撮ファンより、3, 40代のファンで満席。初日のこういう時間帯だからかもしれないが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の客層と似てる感じだった。そしてラスト、会場から拍手が巻き起こったので、大ヒットになる予感(^^)。

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「ニッポン対ゴジラ」と冒頭の展開(少しネタバレ)
 映画はまさしく庵野秀明映画と言っていい、巨大生物と日本自衛組織との一大映像ページェント。僕らがずっと観たかったリアルで空想科学なゴジラがそこにいた。(ギャレス版もリアルだったけれど、「空想科学」ではこちらが圧倒的にセンス・オブ・ワンダー)

 「ニッポン対ゴジラ」、そのリアルのひとつの要素は、すでに関係者から公開前にいろんな場所で語られているように、政府と自衛隊の対応を徹底的に現実の法律の枠に即して描いているところ。

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 そのシーンの演出と編集がスピーディで冴えていて映画として大きな見所になっている。ここは『エヴァ』でも一部シーンで描かれてきたトーンだが、今回のは徹底的にそれを突き進めてあり、まさに庵野映画としての「進化」でもある。

 最近、どこかでこれだけの情報量を言語によって(話し言葉と字幕で)畳み掛ける映画を観たなぁと思い出したのが大林宣彦監督の『野のなななのか』
 庵野総監督にあの素晴らしい映画の結晶のような作品が影響を与えているかどうかはわからないが、政治描写のベースになっていると語られている岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』を再見しても、そこにいる閣僚と官僚は『シン・ゴジラ』ほどスピーディな思考と言葉を操ってはいない。

 映画のタッチが、どちらが似ているかといったら、その言語のトーンとしても『野のなななのか』を挙げるしかない。(もちろん群像劇としての形態と政治家の精神とか若者の感覚は『日本のいちばん長い日』の影響が間違いなく色濃くあるのだけれど、、、)。

 ゴジラという怪獣を新しい巨大生物として、旧作にリスペクトしながらも新たな息吹を吹き込んで定義し直し、初代をリボーンした『シン・ゴジラ』。ギャレス版に勝るとも劣らない白組他のCG映像と、東宝特撮スタッフの映像、スタジオカラーのアニメ演出家とアニメーターの素晴らしいレイアウトとデザインで、その奇想を徹底的に描き出したシン怪獣映画。

 これは怪獣映画ファンだけでなく、SF映画好きアニメ好きほか、映画ファンも参戦するしかない、映像のまさしく祭りです。

★★★★ネタバレ注意(絶対読んじゃだめです)★★★






「現実対虚構」(ネタバレ) シン・ゴジラに埋め込まれたもの
 観終わった時はエンターテインメントな怪獣映画にワクワクしそれほど意識しなかったが、本作は日本の現在晒されている現実がリアルに表現されている。
 1日経って話の骨格を思い出してみると、身も蓋もない言い方になるけれど 「体内で核分裂をする動く "福島東電原発であり東日本大震災" が東京の街を蹂躙、それを日本人の集団の英知が救う」というのが作品の骨格。(加えてそこに日米安保と世界のパワーポリティクス、そして自衛隊と米軍による戦闘という、現実の日本の国際上の課題が強く反映されている。ラスト、将来の日米政治を担うだろう2人の主人公のセリフでパートナーシップでなく「傀儡だろ」というのが効いている)

 見終わった後の第一印象、エンタメの枠でいいものを観た〜という感想に引っかかるのが、クライマックスの戦いで要になるポンプ車シーンのカタルシスが低トーンであっけない出来であったこと。
 もっと消防師とか自衛隊員の誰かをクローズアップして決死の行動を詳細に描いた方が良かったのではないだろうか。感情移入できる登場人物を1名中心に置いて。

 でも考えると、そんな描写をするのはこの映画を作れる力量のあるスタッフなのだから別に難しいことではない。意図的にこのように薄味で描かれているのだ。
 観終わった後、このように引っかかったので考えると、このシーンは観客の現実の311の記憶が映画を補完するような、そうした構造に組み立てているのではないか。
 そこから福島原発を想起して前述の話の骨格(まさにゴジラが福島原発のメルトダウンした原子炉を体現しているのだと)気づかせる仕掛けがあるのだ。

 今回の巨大生物は、海底へ投機された放射性廃棄物が原因になってるし、核兵器がその契機になっていた初代に対して、まさに「東京に原発」が本作の構造である。

 今作は初代ゴジラに迫れたろうか。
 あのシンプルな水爆と科学の暴走への恐怖は、本多猪四郎監督他スタッフが映画製作直前に体験した戦争と日本に投下された二発の原爆、そして繰り返される水爆実験の影が色濃く滲み出ている(公開の9年前が敗戦の年、二発の原爆が人類史上初めて投下された年)。

 それに対して本作は、311による巨大な災害と原子炉メルトダウンによる核の洗礼を受けたスタッフ(と我々観客)。5年前の311の体験がスタッフに生々しく残っている中での、核廃棄物に起源を持つゴジラ。ここが初代をターゲットに本作を企画した庵野総監督の意識に強くあっただろうことは間違いない。そして原発批判をどこまで入れるか、スタッフは多分葛藤しただろう。

 本作は表面上はエンターテインメントに徹して仕上げている。もしかしたら、311直後で強烈に震災の影響を受けてねじくれた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に対して、その影響は整理され『序、破』のエンタメ性が復活してきているのが本作ではないだろうか。(ここから、次のヱヴァンゲリヲン新劇場版は、再びエンタメ回帰で一大カタルシスが期待できるかも。)

 ゴジラは今回も皇居を目指して進行。で、都心に原子炉が現出。そして最後はオブジェのようになって、東京駅の隣の皇居と都民と国民を睥睨する。続篇ではあの凍結したオブジェのようなゴジラが再度、、、といった展開で未だ収まらない原発問題をさらに鋭くえぐるような映画も可能性があるのではないだろうか。

 戦争という巨大な体験に対して、規模は比較すると小さいがそれでも未曾有の物理的傷と神的な傷を現代に残した「東日本大震災」。これによって初めてリアルに初代に拮抗しうる負のエネルギーを持ち得た「シン・」ゴジラ。

 これからのシリーズ化があるかどうかは分からないが、未だ終わっていない福島原発と国際的なパワーポリティクスの日々増していく不安の堆積。これらは初代と違い、「現実」が今後も持ち続ける負のエネルギーである。
 ここに正面から向かい合うことが、シンシリーズの宿命としてゴジラ細胞のDNAに刻み込まれたものである。少なくとも僕は倒壊し放射能汚染された東京が、現実の日本と並走しながら、あの若い政治家と官僚たちの手で蘇る姿を今後も観てみたい。その時、「現実と虚構」の対決はどちらに軍配が上がるのだろうか。

◆蛇足のアラカルト ここからは箇条書きでw

・「巨神兵、東京に現わる」に続き青い光で焼かれる東京。庵野監督は本当に『風の谷のナウシカ』第七巻をやりたいんでしょうね。今回の「巨神兵」は、東京に現わるよりもシャープな演出だったと思う。レイアウトと編集の冴えがさらにピシッと決まっている。庵野総監督がDNAは埋め込んだので、シン・シリーズからは離れて、是非(ヱヴァンゲリヲン新劇場版と)『ナウシカ第7巻』を早く撮ってほしい。

・第2→3形態への変貌シーン。あの覚醒シーンも白眉。こんなゴジラ観たことない。幼体からの急激進化/巨大化の過程には個性が現れるだろう。今後のVSものの可能性もここに埋め込まれている。

・ヤシマ作戦ならぬ、ヤシオリ作戦のネーミングの由来がわからなかったのでググってみたら、このお酒の名が起源のよう。同名のバーが名古屋にあるみたい。ゴジラファンで混むかもしれませんね。
 以下はそのバーについて書かれたブログ記事からヤシオリについて。まさに粗ぶる神を眠らせる酒。Facebookの石田達也さんによる『シン・ゴジラ』ネタバレ談話室で教えて頂いたのですが、「八塩折之酒」という漢字になるそうです。
「むぎコメぶどう ヤシオリ」(名古屋市中村区)にて~~|吹き抜ける風と太陽を浴びて・・・心の行くまま流れるまま・・・

"「ヤシオリ」は「ヤマタノオロチ」伝説に出てくるお酒の名前から採ったとか。
ヤマタノオロチは、甘くて飲みやすい日本酒の古式製法・「しおり法」で造られた「ヤシオリの酒」をがぶ飲みし、酔っ払った寝込みを襲われた・・・・と言う話。ヤシオリの酒の「ヤ」は日本の古語で「何度も繰り返す」と言う意味。"

・前回の初代ゴジラの記事で述べたゴジラの足音について。
 本作では、初代ゴジラをなぞるように、冒頭東宝マークが現れるととも、あのゴジラ音が。その後は、後半で一箇所だけ主人公がビルの谷間に見るゴジラシーンにあの伊福部昭によると言われている音が使われていた。まさに初代へのリスペクトである。

・若い理想を持つ政治家の言葉は、その将来を想像すると『ナウシカ第七巻』の理想を持っていたはずの為政者の腐敗を思い起こさずにはおれない。膿のように溜まっていく現実との軋轢で磨耗する理想。そうしたところもシン・シリーズで描かれるテーマのひとつでしょうね。

・自衛隊攻撃、その政治的手続きと絞り込まれた作戦、そしてギリギリと積まれた緊迫感がとても良かったですが、ひとつ特筆すべきは攻撃精度。普通のゴジラ映画では火機の攻撃は当たらない玉が周囲に散らばりまくる。しかし今回は的確に攻撃対象にほぼ全弾が当たっている(予告篇で何回か見てみると一発外れているようにも見えるけどw)。あれだけの巨大なターゲットなので全弾当たるのは当たり前。その描写のリアルさもとても良かった。

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2016.07.27

■感想 本多猪四郎監督『ゴジラ』(1954年)


ゴジラ - YouTube

 本多猪四郎監督『ゴジラ』(1954年) デジタルリマスター WOWOW版録画見。
 ちまたでは庵野秀明総監督&樋口真嗣監督『シン・ゴジラ』試写の感想がつぶやかれているようですが、(ネタバレが怖くて情報シャットアウト中w) 、『シン・ゴジラ』の前に第一作を観直した。真面目に丁寧にそして大胆に作られていることを再度実感。

 特に昨年観た時に気になっていたゴジラの足音に着目して今回の感想をまとめてみた。

 ゴジラの足音は、タイトルバックと海からの登場シーン、大戸島シーンのみに、太鼓の音で付けられている。日本本上へ上陸してからは.地上シーンも海上シーンも足音は無音。
 建物が踏み潰されるシーンのみに、その破壊音が当てらえているので錯覚するが、今回注意して観るとまさにそのように演出されている。特に無音のシーンは、どこかゴジラの幽玄な雰囲気を創り出している。

 冒頭でゴジラの脅威を足音(太鼓)で表現しているので、普通に考えればリアリティーを出すために、巨大な存在のおそろしげな地響きをともなう足音を使うのが常道であろう。
 しかし本多監督(と円谷特技監督?)は、そこを無音で処理した。明らかに強い何らかの意図があったものと考えられる。

 この無音の意図は何だろうか。
 やはりよく言われる様に、太平洋に散った英霊の象徴化を意図されていたのか。それとも水爆という脅威を映像化するのに、現実的な音を廃して幻をイメージさせようとしたのか。

 科学志向が強かったという本多監督がこの抽象的描写で何を狙ったか、機会があれば御本人に確認したかったと思わざるを得なかった。ネットで検索すると、いくつかこの描き方に対する解釈を読むことができるのだけど…。今回探した限りでは直接関係者に確認した情報はネットにないようだった。
 54年版ゴジラのドキュメンタリー的な映像描写、テーマである科学批判と、そして幻の様なゴジラ描写。これらが、後年のエンタメ作、リアル志向作と圧倒的に異なり、本作に鋭いギリギリするような緊迫感をもたらしているのだと思う。

 そして、芹沢博士の発明したオキシジェンデストロイヤーという仕掛けを用いることで、ゴジラという存在で水爆の脅威を描くとともに、科学の暴走の悲劇を二重に描き出している。ここは何度でも書き綴られるべき本作の素晴らしい描写であろう。
 さてこれを復習した上で、原発事故後の日本と『シン・ゴジラ』の闘いがどのように描かれているか。オキシジェンデストロイヤーに変わる仕掛けは何か用意されているか。そしてゴジラの足音の処理は?

 興味は尽きないがこうした空想をして時間を潰すのもあとわずか3日程。週末の公開が楽しみでならない。

◆関連リンク
ゴジラデジタルリマスター版三大放送ビットレート比較 - 録画人間の末路 -

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2016.07.25

■情報 ヤノベケンジ展「シネマタイズ」&「ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016」 開催!

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ヤノベケンジ個展『シネマタイズ』@高松市美術館 - Togetterまとめ

"ヤノベケンジ個展@高松市美術館「CINEMATIZEシネマタイズ」
2016 年7 月16 日(土) ~ 9 月4 日(日) [会期中無休]
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/index.html
開館時間:月~土9:30~19:00 日曜日9:30~17:00
* 入館は閉館30分前
入場料:一般1,000円、大学生500円、高校生以下無料
http://www.yanobe.com/
ヤノベケンジHP
http://ultrafactory.jp/news/post_204.html
京都造形芸術大学ウルトラファクトリーHP"

 7/16から開催された大規模なヤノベ氏個展。僕はすぐは行けないため、twitterの皆さんのつぶやきから、開催の様子をまとめてみました。
 撮影自由とのことで、皆さんの撮られた素晴らしい写真が見られますので、リンク先をご覧ください。(冒頭の写真は、Google画像検索の結果です)

Uxa2016

「ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016」開催! | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY

" 今回は同時期に高松市美術館で開催されるヤノベケンジ展「シネマタイズ」で映画出演とコラボレーション展示をする俳優の永瀬正敏も特別出品し、20年以上のキャリアを持つ写真家としての顔を披露致します。
加えて、新たに誕生するアーティストが客室をディレクションするアーティストフロアでは、本展出品のヤノベケンジと、名和晃平率いるSANDWICHが生み出すアート空間にご宿泊いただけます。まさにホテル全体が刷新され、日常を超えたアートを体験できる場となることでしょう。今まで以上に京都から世界への 文化発信基地となるホテルアンテルーム京都で、世界を変え続けるウルトラ・クリエイターの展覧会を是非ご高覧ください。
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「ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016」
会 期:2016年7月14日(木)-9月11日(日)
会 場:ホテル アンテルーム 京都 GALLERY9.5
会期中無休・入場無料/営業時間:12:00~19:00"

 こちらは二回目になる京都のホテル・アンテルームとウルトラファクトリーの企画。ホテルにウルトラな作品群が飾られ、部屋ごとにアーティストの作品が飾られているようです。
 京都一泊、高松ツアーが必要かもw。

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2016.07.20

■情報 磯光雄監督 新作『レユニオンの海賊とドードー鳥』"Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos"

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磯光雄監督 最新作が発表! | インフォメーション | 月刊アニメージュ

" この作品は、インド洋にあるフランス領レユニオン島を舞台にした物語で、キャラクターの一部とイメージボード、島のイラストが紹介。磯光雄さんはフランスのアニメファンにも熱烈な支持を受けており、2007年の『電脳コイル』以来の作品発表に、会場のボルテージは上がり、期待の高さをうかがわせた。
 また、会場に磯光雄本人がサプライズで現れ、オーディエンスに紹介されると、会場は大きな拍手と歓声に包まれ、磯さんも手を振ってそれに応えた。"

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 磯光雄監督『電脳コイル』以来の待望の新作!どうやら映画企画として進行中のようです。
 『Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos』、フランスのスタジオ"Yapiko"とのコラボレーション。イメージボードとキャラクタデザインが発表されています!

 タイトルの『Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos』は、Google翻訳では「ドードー達の海賊会議 目覚め」という訳文を編み出してくれていますが、以下の磯監督自身のHPに記載された『レユニオンの海賊とドードー鳥』というのが正しい訳なのでしょう。

ima-ima's INFO

"なお、謎のフランス人プロデューサーと共に絶賛漂流中のこの企画ですが、 脱稿後にちょっとした動きがあり、ひょっとしたら近いうちに どこかに漂着(座礁?)したりするかも… 2016/07/06"

"「企画書サルガッソ」連載第二回 というわけで雑誌「アニメスタイル」で漂流企画書をチラ見させてみる連載 「企画書サルガッソ」、第二回は 「レユニオンの海賊とドードー鳥」 興味ある方は是非アニメスタイル009号をご予約ください。7月14日 発売予定です。 "

 すでに『アニメスタイル』008号から、「企画書サルガッソ」という連載で紹介され始めているようです。残念ながら僕は未見ですが、、、。

 傑作『電脳コイル』から9年、磯監督が予見したAR,VRの本格的な時代が到来しつつある現在、新たに監督が挑むのは海賊の物語のようです。イメージスケッチもワクワクする出来なので、期待して待ちましょう。

◆関連リンク
Les Pirates de la Reunion | Facebook
 作品のFacebookページ。
磯光雄監督 twitter

"アニメーター・演出家/「電脳コイル」原作・脚本・監督/最近戦ってる見えない敵:ポピュリズム、宇宙の谷(造語)、水平"

 今年の春からスタートした磯監督のtwitter、ご自身の近況と、最新のテクノロジー情報のRTが中心のようです。相変わらずトンがった未来技術を紹介されています。
Yapiko(フランスのアニメスタジオ 公式)
『アニメスタイル009』
『アニメスタイル008』

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2016.07.18

■情報 クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム― @ 神奈川県立近代美術館<葉山館> "Quay Bros. Phantoem Museums "

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クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―:神奈川県立近代美術館<葉山館>

"会期 : 16年7/23-10/10。
休館日 月曜日(ただし、9月19日と10月10日は開館)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)

 本展開催にあわせてクエイ兄弟が来日し、初日に公開制作を行います。制作された作品は、会期中ご覧いただけます。
日時:7月23日(土曜) 午前10時~11時30分(予定)
※申込不要、参加無料(ただし「クエイ兄弟」展の当日観覧券が必要です)

 アジア初の本格的な回顧展となる本展では、これまで日本では紹介される機会の少なかった映像作品や舞台デザインも交えて、クエイ兄弟の美の世界を総合的に紹介します。"

 ついに日本でクエイ兄弟の回顧展。映像の上映から造形作品の展示まで。
 以前こちらの美術館は、ノルシュテイン夫妻の展示会があり、とても充実していただけに楽しみでなりません。

 いよいよ今週末、クエイ兄弟が日本のファンの眼前に現れるのです!
 初日に行くのは無理だけれど、また東京出張のついでに葉山訪問を目指します。

◆関連リンク
・当Blog関連記事
 「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ」展@神奈川県立近代美術館<葉山館>

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2016.07.13

■感想 ローランド・エメリッヒ監督『インデペンデンスデイ リサージェンス』IMAX 3D


Independence Day: Resurgence | Official Trailer 2 [HD] | 20th Century FOX - YouTube

 先週に続いて週末IMAX第2回は、ローランド・エメリッヒ監督『インデペンデンスデイ リサージェンス』IMAX 3D 字幕@名古屋大高。

 いやー、前作を凌駕する超巨大宇宙機による大侵略SF。とにかくその凄まじい超弩級の巨大戦闘艦が月と地球に現れた際に起こる飛んでもないカタストロフの描写には痺れる。たぶん冒頭40分ほどだと思うが、その映像のセンスオブワンダーを観るだけでももう一度IMAXへ行きたい(^^)。宇宙機の大気圏突入映像としては屈指の出来(何が何だか分らないが勢いで観せられている感は強いのだが...w)。月からの連続的な描写で大気圏突入を一気に見せて唐突に破滅の淵にたたされる地球の姿が描かれ、迫力は満点である。

 魅力的な若者たちと前作の登場人物をうまく絡らませて(ep.7には少し負けるけどw)、各戦闘シーンも1つ1つ臨場感をうまく演出している。そしてそれをさらに迫力一杯に観せているのが、ステレオDとレジェンダリ3Dという両雄3Dスタジオによるステレオ映像変換技術。

 巨大宇宙戦艦舐めの、地球戦闘機の立体視ドックファイト。月表面上の戦闘砲舐めの某もうひとつの宇宙機描写。地球着陸時の超弩級艦のそそりたつ巨大感。
 そしてその後に展開する大怪獣映像。
 断言します、この映画はその迫力を真に体感するためには、是非とも3Dで観て下さい。

 物語はSFとしてはどこか映画で観たような、斬新ということはあまりないが、エンタテインメントとしてはなかなか好感が持てる出来。

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 写真引用したのは、地球軍のエース女性パイロット、上海出身の女優 アンジェラベイビー(何て名前だ!)と地球軍の主力戦闘機の姿。戦闘服姿の全身写真が見っからなかったのだけれど、冒頭の戦闘服の立ち姿の素晴しさは、近頃のSF映画ヒロインの中でも屈指。この姿を観るだけでももう一度IMAXへ....(以下略)。

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 右は『インデペンデンスデイ リサージェンス』のキャンペーンでの戦闘機の横に立つアンジェラベイビーの姿。今後、このようなSF映画で活躍されるのを望みたい(^^;)。

 そして脇を固めるのが、シャーロット・ゲンズブール。『二ンフォマニアックス』の印象が強く、どこか妙にエロティックに感じたのは、僕だけだろうか。異星人研究者として、理知的な雰囲気(少しトンデモだけれど、、、)を画面に付与している。

 あと印象的だったのは、前作でアフリカに堕ちた巨大宇宙船を探索しているディケンベ・ウンブトゥ(デオビア・オパレイ)という人物。宇宙人の技術と精神を探るうち、その潜在意識にアクセスしている、という様な設定と、アフリカの呪術的な雰囲気での異星人文明探索というのがSF的な想像力を刺激する。(といってもそのエピソードが描かれてはいないのだけれど、映画の厚みを持ち上げているのは確か。



★★★★★★★以下、少しネタバレ★★★★★★★★




 敵異星人への組織的反逆を狙っている"宇宙生命体連合"(?)について描写されているが、続篇への意欲満々。宇宙の先進テクノロジー同士の壮大なスペースオペラとそこに不屈の戦闘意志を買われて参戦するアメリカ人。

 この規模で大宇宙戦が見られるなら、次回作にも期待。宇宙戦艦の大インフレーションがどこまで進んでいくか、『スターウォーズ』とは異なる、壮大な宇宙の知的生命の運命を賭けたテクノロジーの粋を極めた宇宙戦を観せてほしいものです。

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2016.07.11

■情報 古都プラハの若手作家展 Mladí umělci ze staré Prahy @パペットハウスギャラリー

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Mladí_umělci_ze_staré_Prahy / パペットハウスギャラリー
(マリオネット・腹話術人形・指人形-Puppet House / パペットハウス)

"古都プラハの若手作家展 「Mladí umělci ze staré Prahy : ムラディー ウムニェルツィ ゼ スタレー プラヒ」
JR飯田橋駅東口改札から徒歩2分

7/9(土)- 7/16(土)
※会期中無休
11:00 AM ~ 7:00 PM

佐久間奏多
バーラ・フベナ
テレザ・コマールコヴァー
アルジュビェタ・スカーロヴァー
フランチシェック・アントニーン・スカーラ"

 チェコの若手作家のパペット展示会。Facebookのチェコ蔵さんのページで知りました。僕は不勉強でこれらの作家さんたちを知らなかったのですが、このHPや下に紹介したBlogのページに紹介されている作品写真がとても良いので、機会さえあれば(会期が1週間とは行ける機会は難しいのですが)、是非会場へ足を運びたいものです。

◆各作家のGoogle検索 作品等 画像リンク
 Sota Sakuma
 Bára Hubená
 Tereza Komárková
 Alžběta Skálová
 František Antonín Skála
 各作家の作品をネットで検索してみました。参考にしていただければ幸いです。

Ph100424

まもなく初日。古都プラハの若手作家展 | Puppet House Keeper's Blog Ⅱ

"日本ではじめてのパペット専門店"パペットハウス"を、店主と二人で営んでいます。ハウスキーパーとして、新作の紹介や作家さん情報など、ここから発信していきたいと思います。"

 実はパペットハウスさんのことも知らなかったので、この会期中に行けなかったとしても、一度、東京出張の折にでも寄らせて頂きたいと思っています。

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2016.07.06

■動画 ジェシー・カンダ監督 ビョークPV「マウス・マントラ」björk "mouth mantra"


björk: mouth mantra - YouTube

"björk: mouth mantra taken from the album vulnicura

director, editor, post production: jesse kanda

music: björk
produced by: prettybird
exec producer/producer: juliette larthe
head of production: margo mars
producer: hannah may"

 ビョークのPVが凄い。強烈なので僕は全篇をまだ正視できませんw。視聴は御注意を。自己責任でお願いします。
 今回はこのPVを作ったジェシー・カンダ監督作品について簡単にご紹介します。
 まずは日本語での情報はほとんど出てないですが、以下のサイトで紹介記事がありましたので、引用させていただきます。

これが世界のエグさの最先端!ジェシー・カンダの閲覧注意なMV – 音楽WEBメディア M-ON! MUSIC(エムオンミュージック)

" 最後はアイスランドが世界に誇る歌姫、ビョークの最新アルバム『ヴァルニキュラ』に収録されている「mouth mantra」。なんか、キ、キモいんですけどー!!
 同曲は3年前の声帯ポリープの除去手術で、一時的に声を失ったビョークの心境がテーマ。ジェシー・カンダは特製カメラで、大胆にも「歌っている最中のビョークの口の中」を撮影しているのだ。 ズームが多用された口内は、とにかくグロテスク!
 そこにジェシー・カンダが加えた色の反転や回転の編集により、この世のものとは思えないほど恐ろしい映像に仕上がっている。一度は観ておくべき、世にも奇妙な「口内ミュージックビデオ」である。"

ビョーク『ヴァルニキュラ』

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 左はそのビョーク『ヴァルニキュラ』のジャケットイメージ。
 なんとも壮絶な身を切るようなビョークの姿勢が感じられる。

 このアルバムの最後を飾る曲が「mouth mantra」である。
 そのPVの刺激的な内容には、まさにこのビョークの強い想いが反映されているのではないかと想像できる。

 

ビョークの新譜『VULNICURA(ヴァルニキュラ)』に思うこと | 編集部ブログ | mi-mollet(ミモレ) | 講談社.

"このアルバムは、長年連れ添った最愛のパートナー、現代美術家のマシュー・バーニーとの離別、絶望、家族崩壊からの傷の癒えがテーマになっています。"

 マシュー・バーニーとのいきさつ、僕はよく知らないのだけれど、この経験が『ヴァルニキュラ』に強く影響しているのは間違いないだろう。われわれはこの音楽と映像から、そのビョークの経験を想像するしかない。

音楽の発明家、Björkインタビュー:「VRはライブすら超えるかもしれない」 : ギズモード・ジャパン
 こちらのヴァーチャルリアリティについての、ビョークのインタビューがとても興味深い。VRと身体のリアル、この関係について、とても強い関心を持っているアーティストであることがよくわかる。冒頭のPVはその志向が強く反映されたもののようだ。

 そしてそのPVを監督したジェシー・カンダについて、前述のM-ON! MUSICで紹介されている。

これが世界のエグさの最先端!ジェシー・カンダの閲覧注意なMV – 音楽WEBメディア M-ON! MUSIC(エムオンミュージック)

" ジェシー・カンダは、カナダ・バンクーバーのビジュアルアートデザイナー。3Dデザインやアニメーションを専門とし、超現実的でユニークな映像作品を作ることで有名だ。 彼の知名度を世界的なものにしたのは、1990年生まれの若き天才トラックメイカー/プロデューサー・アルカと制作した数々の作品である。"

Jesse Kanda(公式HP)
 ジェシー・カンダ(もしかして日系の方でしょうか?神田?)監督の公式HPに、動画やCGイラストの各種作品が掲載されています。その中から僕が興味深かったものをいくつか引用掲載します。


Arca x Jesse Kanda — Fluid Silhouettes - YouTube.
 こちらも異様な人体の変容です。この動画のサムネイルは、このブログでも時々紹介する日本のアーティスト加藤泉氏の作品をどこか思い出させるプリミティブな雰囲気があります。この色彩のタッチがどこか共通項を感じます。


FKA twigs - How's That - YouTube.
 こちらは日本アニメ(金田伊功)の影響もありそうなシャープな人体変容。金田伊功の人がヒカリのようなものに変容する動画を、3D-CGで再現したものの様に見えます。


HBA GALVANIZE BY WENCH - YouTube.
 こちらは爆発を美しく表現しています。この橋の爆発は実写なのかCGなのか。
 なかなか多彩な監督ですね。今後も新しい作品、楽しみにしたいと思います。

◆関連リンク
・Arca & Jesse Kanda、東京・大阪にて来日公演 » UNCANNY.

"「TAICOCLUB’16」出演で来日するArcaとJesse Kandaが、東京・大阪にて来日公演を行う。大阪公演は、6月10日、CIRCUS OSAKAにて、また、東京公演は、「TAICOCLUB’16」のオフィシャルアフターパーティとして、6月11日にWOMBにて開催される。詳細は、 各会場のホームページにて。"

 盟友Arcaとこの6月に来日されていたようです。これは覗いてみたかった。
Jesse Kanda (Facebook)

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2016.07.04

■感想 ジェームズ・ボビン監督『アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜』Alice Through The Looking Glass


Alice Through The Looking Glass - In Theaters May 27! - YouTube

 ジェームズ・ボビン監督『アリス・イン・ワンダーランド〜時間の旅〜』を7/7にオープンした名古屋イオンシネマ大高のIMAXシアターにて、3D字幕版で観て来た。素晴らしい傑作、ワイドスクリーンバロックなアート映画であり、そして時間SFな幻想映画。

 実は、ティム・バートンが監督した前作にガッカリして続篇は全く観に行くつもりではなかったのだけれど、巨大スクリーン3D好きの血が騒いで、そのこけら落しの7/7、どうしてもIMAXを観たくなって、作品としては今イチと思いながらも、会社帰りに本作を観賞。

 そしたら何と前作の不調(物語も映像も)をはるか後方に抜きさる鮮烈な映像体験が待っていた! 予告篇をチラリとしか観てなかったのだけれど、前作に近いヴィジュアルに見え、全く期待してなかった。ところがあにはからんや、至るところに眼を見晴るヴィジュアルが横溢し、一大アート世界がIMAXの巨大スクリーンに乱舞したのだ!

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 アートの一端を示すとまずあのマニエリスムの代表的画家 ジュゼッペ・アルチンボルドへの素敵なオマージュ、そして「狂えるマーティン」の異名を持つという崩壊の画家ジョン・マーティンの様な破滅する世界の美(上の引用画参照)。
 そしてティム・バートン独特のキャラクタと衣装の、パンクでゴスな美の集大成的な赤の女王イラスベスの魔城。

 そこにクライマックスとして用意された映像、時間テーマSFが描いてきたパラドックスの先のあの崩壊シーンが、今までたぶん一度も映像化されたことのないレベルで眼前に展開する。大海原のイメージを使った時間旅行のシーンと相まって、それは見事な破滅が描かれる。

 前半、前作をなぞるくらいのヴィジュアルなのかと鷹をくくってた私が未熟でした。ティム・バートン監督、ごめんなさいと心の中で謝っていたのだ。これはティム・バートンアート映画のまさに到達点かと思っていた...のだが…。

 さらにエンドロールで驚いたのは、何と監督はティム・バートンではなかった! そうなのです、ほとんど興味のなかったこの映画、僕はバ―トンが監督だと思い込んでいたのです。恥の上塗り(^^)。それにしてもイギリスの新鋭監督のジェームズ・ボビン、今後にも大いに期待です。

 観終った直後の盛り上りの勢いでちょっと持ち上げ過ぎの感はありますが(^^)、全く期待してなかったための眼の狂いもありますので、話半分くらいで聞いて下さいww。

 というわけでIMAXの出来を観に行ったはずがそんなものはどうでもよくて、作品そのものに惚れて帰ってきたのでした。スクリーンは巾19m×高さ10m程で、109シネマズ名古屋より(感覚的には)縦方向が短い。加えて最前列とスクリーンの距離が、大高の方が3座席ほど離れているため、臨場感では109シネマズの勝ちかな、と思ったのでした。

PS.ヴィジュアルばかりの感想になりましたが、マッドハッターの衰弱した姿に見る初期ティム・バートン的キャラクタ造形、そしてサシャ・バロン・コーエンのブラックコメディアンな演技の素晴しさ、物語の骨格、どれも前作を遥かに凌駕してると思うのは僕だけか…。

◆関連リンク
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