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2016.11.07

■感想 六本木アートナイト2016 名和晃平作品 & ダリ展 @ 国立新美術館

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THEME | 六本木アートナイト2016
 ダリ展の前に、六本木ヒルズと国立新美術館に展示されている「六本木アートナイト2016」の名和晃平作品を観てきた。
 作品は名和の作品としては、球面を活かした樹脂成形の作品。
 まず上のヒルズB2階に展示された大鹿を象った造形「White Deer」と球体の塔「Ether」。
 昼間の光のもとの写真と夜間のライトアップ。
 それぞれの佇まいが都市の中に自然が混入し、素晴らしい情景を作っている。

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 そして次に国立新美術館前に作られた、これも球面で構成された名和作品。
 人と奇妙な台車をイメージしたような作品。
 国立新美術館に展示されたダリ作品と呼応するように、その球面による軟体な作品がゴツゴツした岩の中で異彩を放っている。

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 こちらも昼の情景とライトアップ。
 ライトアップは写真にあるように下から暖色系のライトで照らされ、夜空の寒色とで作品を重層的に魅せている。
 これらは3Dハンディカムで立体映像として撮ってきたので、いつかどこかで紹介したいと思う。いつも書いているが、これらの立体造形作品は、3Dによる立体映像こそが(実物作品を除けば)記録媒体での作品表現に適している。艶かしい作品の立体の魅力をいつか3Dブルーレイで、究極映像研映像記録として配布したいものです。

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◆ダリ展 | 国立新美術館

 ガラスの球面に覆われた斬新な建築の国立新美術館に展示されたダリ作品、高校の時に図書館でシュルレアリスム好きの友人から見せてもらったダリの図録で触れて以来、ずっと観たかったサルバドール・ダリの作品を初めて生で観ることができた。
 以下、印象的な作品について、簡単なコメントです。リンクをクリックするとネット上にある作品写真を見ることができます。

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「巻髪の少女」
 展示はダリの少年時代からスタート、そしてこの作品は22歳の時の作品。
 まず冒頭で印象的だった作品。後ろ姿の少女の巻髪と、肉感的な尻と足の絵画。デフォルメされた人間の筋肉を思わせる足と体の形状が力強く描かれている。展示された作品ではここから鮮やかな色が使われていて、ダリらしさを印象付けた。
「姿の見えない眠る人、馬、獅子」
 獅子と人の融合。シュールレアリズムのダリへの注入。
「皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン」
 これはタイトルによるイメージ喚起が強烈で、それと実際の絵とのギャップに絵の前で考え込んだ一枚。目玉焼きを背にしたフランスパンの前で10分(^^;)。
「エミリオ・テリーの肖像」
 岡本太郎のような男の前の、不思議な黒いオブジェの乗る机。男の視線と机の上の奇妙な立体造形がまるで観客に彫像作品を擬似的に見せているように印象的。
「謎めいた要素のある風景」
 謎めいた要素のある風景。黒い溶けた巨人と白い球体。そして手前にヨハネス・フェルメール「絵画芸術」のような絵を描く画家の後ろ姿。黒い溶けた巨人のような形態は、まさに怪獣映画にも導入可能w。こうしたシュルレアリスムの映像作品への転用は今はそれほど多くないが、映像としての可能性の戦端を開くにはもっと造形として援用されてもいいのではないか、とか思いながら見ていた。
「アンダルシアの犬」(映像作品)
 そのシュルレアリスムの映像への援用の代表作。ピアノの上に牛の死骸二体。3人の男を引きずる欲望の男と蟻。このイメージは映画に素晴らしい奥行きを与えていると思う。現在のリアリズムに寄った幻想映画はもっと想像力の羽をこうしたイマジネーションの世界に飛ばしてもいいのではないだろうか。
「ガラの晩餐」
 これは書籍として刊行されたもの。数々のサイケデリックな料理を中心とした絵が素晴らしい。まさにヤン・シュヴァンクマイエルを直撃しただろうFoodたち。
「ドンキホーテ」挿絵
 とてもダイナミックなイラスト群。特にXの文字を大きく描いたドンキホーテと雲のような巨人の絵(リンク先参照)。なんと荒々しいパワーに満ちた作品。簡単しかありません。
「ポルト・リガトの聖母」
 福岡美術館所蔵の巨大な絵画。特に中心付近の高精彩が凄い。フォトリアルなダリのシュルレアリスムの真骨頂。圧倒的な迫力にしばし脚が動きませんでした。
「ニューヨーク万国博覧会のためのパヴィリオン」制作中のダリの工房写真
 ヴィーナスの夢のオブジェ制作現場。人魚やマネキンが妖しく佇む空間。こんなアーティストが想像力を羽ばたかせた万博展示が観たくてたまらなくなった。


New York World's Fair 1939 part 1 - YouTube
 ニューヨーク万博展示。その一部映像がありました。1'00"あたり。このパビリオンは行ってみたかった!! 

◆関連リンク
SANDWICH(名和晃平公式)

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コメント

 say3さん、お久しぶりです。

 なんと「卵の城」へ行かれたのですね。うらやましいです。

 ダリ展、学生時代に図録で観た有名どころの絵は、実は今回来ていなくて、残念な部分もありますが、ボリュウムはまあまあ(挿絵が多かったですが、「ドンキホーテ」とか良かったですし)。という感じでした。

投稿: BP(say3さんへ) | 2016.11.13 09:15

6年ぶり位にこちら覗かせていただきました。
そしたらダリ展の記事があったので思わず書き込み。

13-4年前にバルセロナに旅行した時、ついでにダリの生誕地であるフィゲラスまで足を伸ばし、「卵の城」にも行ってきました。

12月までやってるのなら、どこかで観にいきたいですね。
上京の機会はそれなりにありますが、だいたい日帰りなのが残念・・・。

投稿: say3 | 2016.11.10 19:09

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