« 2016年3月13日 - 2016年3月19日 | トップページ | 2016年3月27日 - 2016年4月2日 »

2016年3月20日 - 2016年3月26日

2016.03.23

■情報 福島県須賀川市「特撮アーカイブセンター(記録保存館)」と「円谷英二ミュージアム」計画

20160320_75730

【福島県須賀川市】“特撮の神様”円谷英二氏の出身地に「特撮センター」整備構想! ~ 建設通信新聞の公式記事ブログ

"福島県須賀川市は、2016年度当初予算案に特撮センター整備事業実施設計業務委託費2420万円を計上した。議決されれば今秋に発注手続きを開始する方針だ。
 同市は、ウルトラマンなどを手掛けた“特撮の神様”と呼ばれる円谷英二監督の出身地。円谷氏の功績をたたえるまちおこしの一環として、“特撮”文化を生かした文化振興を図っていく。
 同市柱田にある岩瀬農村環境改善センター(RC造2階建て延べ約1100㎡)を改修し、展示などを行う拠点施設を整備する。"

故円谷英二監督の古里須賀川 特撮文化後世に 保存拠点整備へ | 福島民報.

"「特撮の神様」故円谷英二監督の古里須賀川市は特撮アーカイブセンター(記録保存館)を整備する。岩瀬農村環境改善センターを改修して活用する方針だ。
 世界に誇る特撮文化の保存、継承の拠点とし、須賀川の魅力向上につなげる。現在、映画関係者らと協議を進め、特撮の関連資料の保管、展示の内容などを検討している。開館時期も含め、概要を年内にも公表する。  橋本克也市長が18日、構想を発表した。「円谷監督が残した特撮文化を未来に伝える世界唯一の場所になる」と話した。特撮の資料を保存、展示する常設の施設は円谷プロも設けていない。
 市は施設設計費2420万円を平成28年度一般会計当初予算案に計上した。

 このほか、市は30年度開館を目指し整備する市民交流センター内に円谷英二ミュージアムを造る。"

 福島県須賀川市が計画する「特撮アーカイブセンター(記録保存館)」の情報です。以前、日本各地で開催された「特撮博物館」に続き、こうした企画はとても素晴らしいものだと思います。今回は、円谷英二の故郷での企画で、「特撮博物館」とどうリンクしているのか/していないのか、よくわかりませんが、どんどんこんな企画が進み、昭和の時代の特撮が文化遺産としてしっかりと残されていくことを望んで止みません。

20160320_80047

20160320_80303

kouryu-c_kihon_giyou.pdf.

"(仮称)市民交流センター基本設計説明書 ー概要版ー 平成26年10月 須賀川市"

 そしてこちらは、同じく須賀川市による「市民交流センター」の企画。基本設計説明書の図に、しっかりと5Fに「円谷英二ミュージアム」の記載があります。
 そして「大震災からの復興アピールや風評被害などを払拭するため、現在ウルトラマンによるイメージアップ戦略を展開」という記載もあり、原発事故が起きた福島の復興に円谷特撮ヒーローが今後どんどん活躍することになるかもしれません。

 まさに科学特捜隊とともに、僕らの「21世紀の科学の輝かしいイメージ」の中心にいた円谷プロ作品による、福島の科学の暴走による悲劇を、精神的に浄化するこのような活動を見守りたいと思います。

 たとえば原発のダークツーリズム、その旅程の最後に未来への希望を感じさせるこれらの特撮の輝かしい記録を見せる、というのは興味深いアイデアかもしれません。

◆関連リンク
岩瀬公民館/須賀川市公式ウェブサイト
 現在の「岩瀬農村環境改善センター」のようすが伺えます。
円谷英二 特撮 ゴジラ ウルトラマン - Google 検索
 トップの画像は、この画像検索の画面キャプチャーです。

| | コメント (0)

2016.03.21

■情報 東北学院大学 驚異の記録プロジェクト 金菱 清(ゼミナール) 編『呼び覚まされる霊性の震災学』

Reisei_sinnsaigaku

呼び覚まされる霊性の震災学(新曜社)

"震災による死に人々はどう向き合うか。
 霊を乗せて走るタクシー、わが子は記憶のなかで生きていると慰霊碑を抱きしめる遺族、700体もの遺体を土中から掘り起こして改葬した葬儀社、津波のデッドラインを走る消防団員、 骨組みだけが残った防災庁舎を震災遺構として保存するかなど、被災地の生と死の現場に迫るノンフィクション。亡くなった肉親や津波犠牲者の存在をたしかに感じるという、目にみえない霊性の世界に迫ります。"

 「はじめに」の部分がリンク先で読めます。以下、さらに一部引用。

" 津波や原発によって文化の虚構性が暴かれた社会において、一足飛びに天に向かう動きに飛躍するのではなく、眼の高さを起点とする天と地の間の往復運動によって、身体性を伴う言語以前の、コミュニケーションの場を設定しうる可能性が示される。生者と死者が呼び合い、交換し、現世と他界が共存する両義性の世界が、すなわち〝霊性〟である。"

 『霊性の震災学』、これはとても興味深いリサーチです。
 もしこの引用で不謹慎なイメージを抱かれた方がいらっしゃったら、たぶん僕の引用がまずいので、リンク先等にしっかり当たってください。

 ここで言われている「霊性」というのは、あまりに巨大な突然の不幸に対して、それに遭遇した方がどのようにその衝撃を心の中で折り合いをつけていくか、ということだと思う。
 その心的な受け止め方は、ある時はあまりの衝撃に現実的な折り合いがとりにくく、ある時は神秘的な体験として、その方の心的な記憶として定着することもあるのではないか。その神秘的な表現から、我々はその巨大な体験を、少しだけかもしれないが、擬似的に体験できるのかもしれない。まず、そんな興味がこの本に対して湧いてきた。

 さらにこの切り口から拡大して、心的なストレスが精神活動のレベルでどんな社会的なうねりを作り出しているのか、そんな分析を読んでみたい。個人の定着の仕方だけでなく、社会としての定着がどのように起こるかということ。

 それは宗教的であったり、政治的であったり、、、あの巨大な悲劇がその後の日本人の心的世界に何をもたらしているのかの分析になっているのではないだろうか。

 そんな分析に関心を持ったのは、以前の記事、新刊情報 佐々木中『夜を吸って夜より昏い』にて紹介した、佐々木中氏が推薦した書籍 中井久夫ほか『昨日のごとく―災厄の年の記録』について語られたラジオでの言葉である(リンク先記事に引用有)。

 震災から5年、日本社会を覆う空気は相変わらず重苦しいのだけれど、この重苦しさは、もしかするとあの体験を日本民族が受け手めようともがいている姿そのものかもしれない。

◆関連リンク

・石巻のタクシー運転手は、なぜ幽霊を見たのか? 工藤優花さんが語る被災地の「グレーゾーン」

"東日本大震災から3カ月ほどたった、ある深夜の出来事だった。タクシー運転手の男性がJR石巻駅(宮城県石巻市)の近くで客を待っていると、もう初夏だというのに、真冬のようなふかふかのコートを着た30代くらいの女性が乗車した。

目 的地を聞くと「南浜まで」と一言。震災の津波で、壊滅的な被害を受けた地区だった。運転手は不審に思って「あそこはもうほとんど更地ですけど構いません か?」と聞いた。すると女性は震える声で答えた。「私は死んだのですか?」。運転手が慌てて後部座席を確認すると、そこには誰も座っていなかった。"

"これは怪談ではない。1月末に発売された「呼び覚まされる霊性の震災学」(新曜社)に収録された女子大生の卒論に書いてある内容だ。東北学院大学教養学部4年生の工藤優花(くどう・ゆか)さん(22)は、震災の死者数が約3500人と最多となった宮城県石巻市の人々に「幽霊を見た経験がないか?」と聞いて回る実地調査をした。

どうして彼女は「震災と幽霊」という特異なテーマを卒論に選んだのだろうか。"

・筑摩書房 震災学入門 ─死生観からの社会構想 / 金菱 清 著

"東日本大震災によって、災害への対応の常識は完全に覆された。これまでの科学的・客観的な災害対策は、すべて被災者の視点から見直されなければならない。リ スク対策、心のケア、コミュニティ再建、巨大防潮堤計画、死者をどう弔うかなど、従来の災害学・災害対策では解決できない諸問題を、弱さの論理に根差す、 新たな「震災学」の視点から考え抜く。東北の被災地に密着しつつ、多彩な調査・研究活動を展開してきた気鋭の社会学者が、3・11以後の社会のあり方を構 想する。 この本の目次 第1章 いまなぜ震災学か―科学と政策を問いなおす 第2章 心のケア―痛みを取り除かずに温存する 第3章 霊性―生ける死者にどう接するか 第4章 リスク―ウミ・オカの交通権がつなぐもの 第5章 コミュニティ―「お節介な」まちづくり 第6章 原発災害―放射能を飼い馴らす"

Amazon.co.jp: 金菱清: 本
 この本を編纂された研究者金菱清さんのその他の著作。

| | コメント (0)

« 2016年3月13日 - 2016年3月19日 | トップページ | 2016年3月27日 - 2016年4月2日 »