« 2016年1月10日 - 2016年1月16日 | トップページ | 2016年1月24日 - 2016年1月30日 »

2016年1月17日 - 2016年1月23日

2016.01.21

■感想 テリー・ギリアム監督『ゼロの未来』 & 園子温監督『ラブ&ピース』


映画『ゼロの未来』予告編 - YouTube

 テリー・ギリアム監督『ゼロの未来』DVD初見。
 冒頭の未来都市のカラフルで猥雑な光景、クリストフ・ヴァルツ演じる主人公コーエン・レスの住む寂れた廃墟の教会等の美術が素晴らしい。
 物語はほぼこの教会の中で描かれるためにスケール感は少々乏しいが、閉塞されたコンピュータ社会、単調な仕事に勤しむ社員と管理職、解放のイメージを描く女性キャラクター、会社の中枢にある巨大な装置、、、それらの意匠と主人公のキャラクターが、自然と彷彿させるのが『未来世紀ブラジル』。

 コンピューターやネット、ヴァーチャルリアリティを描く光景は少々異なるが、これはギリアムのセルフリメイク的な小品になっている。 VRとして描かれたネット空間上の浜辺の光景とベインズリーという女性との交流にギリアムの理想郷が描かれているのかも。ちょっと『コンタクト』の異星の浜辺に似ていますね。


映画『ラブ&ピース』×『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM ~#1入門編~』コラボ忌野清志郎「スローバラード」ミュージックビデオ - YouTube.

 園子温監督『ラブ&ピース』DVD初見。
 もともと1990年頃に園監督はこの映画の脚本を書き、忌野清志郎主演で撮りたいと考えて清志郎にもオファーしたということだけれど、もしそれが実現していたらと考えると残念でならない。
 ボーカルがキーになる映画で、朴訥とした演技でこの主役を清志郎が演っていたら、、、。
 前半の会社員としての清志郎の違和感は、本作ほど奇怪な主人公にならなかったのじゃないか、そして後半のブルースマンとしての演技と、園監督が書いた曲をあの清志郎の声で歌われていたら、、、。
 そしてクライマックスでかかる「スローバラード」。

 歴史にIFはないけれど、そんな幻の映画が実現していたら、その後の園監督作品と清志郎の、さらなるコラボレーションでどんな作品が生まれていたか、、、。二人のファンとして、存在しなかったそんなパラレルワールドの共作映画を想像しないわけにいかない。

 園ファンとして、もうひとつメモしておくと、本作は監督が好きな映画のベスト1に挙げるジョージ・ミラー脚本,制作の クリス・ヌーナン監督『ベイブ』を思わせる動物やオモチャたちのシーンがある。
 本作、初公開は6月だったけれど、本来は12月に上映すべき映画だったかも。園監督の『トイ・ストーリー3』オマージュにも溢れているような気がする。

 特撮映画としてもクライマックスの迫力は素晴らしい。園作品としては異色作だけれど、切なくも楽しいエンタテインメント、今更だけれど、お薦めです。

◆関連リンク
園監督の好きな映画ベスト10
・"水道橋博士と高橋ヨシキの「動物映画」特集「ラブ&ピース」「ベイブ」ほか"
 園監督も出演。

| | コメント (0)

2016.01.18

■チャーリー・カウフマン+デューク・ジョンソン監督『アノマリサ:Anomalisa』Charlie Kaufman Stop Motion Animation


Anomalisa Official Trailer #1 (2016) - Charlie Kaufman Stop Motion Animation HD - YouTube

Anomalisaposter

チャーリー・カウフマン監督&脚本のストップモーションアニメ、海外版予告編 - 映画ナタリー

" 脚本を手がけた「マルコヴィッチ の穴」や、監督作「脳内ニューヨーク」で知られるチャーリー・カウフマンが、初めてストップモーションアニメに挑んだ「Anomalisa(原題)」の海 外版予告編がYouTubeで公開された。 カウフマンが監督と脚本を担当した本作は、第72回ヴェネツィア国際映画祭にて審査員大賞を獲得。
 人生に絶望している男性作家が、ある女性と出会ったこと で生きる意味を見いだしていく姿をユーモラスに描き出す。共同監督には、ストップモーションアニメ作品に監督やプロデューサーとして関わってきたデュー ク・ジョンソンが名を連ね、本作は12月30日にアメリカの劇場で封切られる。日本での公開は現在のところ未定。

 チャーリー・カウフマンの『脳内ニューヨーク』に次ぐ監督第二作は、何とリアルな人形アニメーション!
 『マルコビッチの穴』等スパイク・ジョーンズ監督作品の脚本家で、自身の監督第1作『脳内ニューヨーク:Synecdoche, New York』(2008)が大傑作だっただけに、次回作が出るのを首を長くして待っていたのですが、第二作が8年空いてやっとアメリカで公開された。

 この作品、今回のアカデミー賞にノミネートされていますね。

"長編アニメーション賞には米林宏昌監督のスタジオジブリ作品「思い出のマーニー」、チャーリー・カウフマン監督の「Anomalisa」、ディズニー/ピクサー作品「インサイド・ヘッド」がノミネートされた。"

 AppleのiTunesのサイトによると、アメリカでは15.12/30に限定公開、この1月に全米拡大公開されるようです。日本での公開も是非実現してほしいものです。評判はとても良いようなので、アカデミー長編アニメ賞を受賞して日本公開の後押しとなるといいですね。

 ANOMALISA Official Featurette - Humanizing the Puppets (2015) Charlie Kaufman - YouTube
 こちらのメーキングを観ると、体の各パーツを多数作って、その組み合わせで微妙な演技をさせているようです。

 「人間は1人も出ていないのに15年もっともヒューマンな映画」と絶賛されたとのことで木目細かいパペットの演出が楽しみです。

Charlie Kaufman's Anomalisa by Starburns Industries, Inc. — Kickstarter
 この作品、制作費が集まらずキックスタータで予算獲得したとのこと。
 $200,000目標で、$406,237の予算を獲得したとのこと。でもこれだけの予算ではストップモーションアニメの制作費は厳しかったでしょうね。

◆関連リンク
Anomalisa (2015) - Rotten Tomatoes Tomatometerでは94%。高評価です。
・Duke Johnson - IMDb

 メアリー・シェリーの"Frankenhole"というシリーズ物が興味深い。日本でもどこかで観られるのでしょうか。 シェリーの他、ラブクラフト、ポー、ウェルズ、カフカと錚々たる作家の作品を原作にした人形アニメのシリーズのようです。
Mary Shelley's Frankenhole (TV Series 2010– ) - IMDb
H.P. Lovecraft's Vagina  Mary Shelley's Frankenhole | Adult Swim - YouTube
 タイトル通り、少し過激な動画。

Anomalisa(Facebook)
Anomalisa Kickstarter Behind the Scenes - YouTube
 こちらもメイキング映像。

・当Blog関連記事
 ■感想 チャーリー・カウフマン監督『脳内ニューヨーク:Synecdoche, New York』

| | コメント (0)

« 2016年1月10日 - 2016年1月16日 | トップページ | 2016年1月24日 - 2016年1月30日 »