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2016年12月18日 - 2016年12月24日

2016.12.19

■感想 ギャレス・エドワーズ監督『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』"Rogue One / Star Wars Story"


STAR WARS ROGUE ONE Final Trailer (with Darth Vader) - YouTube.

 ギャレス・エドワーズ監督『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、IMAX 3D 前から2番目席@109シネマズ名古屋。初週の土曜18:40回、客は5割の入りでおっさんが多いw。大ヒットは厳しい雰囲気か(^^;)。

 まず総論。素晴らしいスピンオフでありプリクエル。
 前半少しすっきりしない展開だけど、とにかくクライマックスとラストで全て払拭されて、感嘆にむせびます(^^;)。
 クライマックスの宇宙戦闘シーンはシリーズ中、もしかして最長か?
 3D効果が最大限発揮されていて見事な迫力でした。今回の3Dは2D-3D変換でクレジットはステレオDで日本人の青木洋一郎氏も担当されているようだ。

 正直、前半とか人物シーンは元々の映像があまり3Dを意識した画面設計ではなかった気がして3Dとしてイマイチだったが、クライマックスの戦闘は素晴らしかった。Xウィングというのは3D素材として見栄えがしますね。そして艦隊戦から地上の基地を見下ろすカットとか、3Dによる空間の見せ方と奥行き感が素晴らしいものでした。(3Dマニアとしての欲を言うと、もっと画面手前に戦闘機とか爆煙が迫ってくる演出があってもいいかと。没入していくような3Dの撮り方ができるはずで、それにより驚異の宇宙戦シーンというのは、ぜひ映画で一度観てみたいものです。)

 それにしてもルーカスの先進性には改めて感嘆します。ほぼ40年前の作品のデザインを多用しても現代的な映像が撮れてしまうのが凄い。特に帝国軍のスター・デストロイヤーとか共和国軍の戦艦のデザイン。白を多用したシンプルな全体の形態に、巨大感を演出するデティールの表現。Xウィングはさすがに古い感じを否めないが、戦艦、タイファイター、デススター等、全く古びない素晴らしいビジュアルだと思う。

 加えて今回、自分のお気に入りはアンドロイドのK-2SO。 多くの観客が彼のファンとなったことでしょう。ちょっとシニカルなコメディリリーフが最高でした。
 劇場で後ろの席にいた白人2人組は笑い転げてました。
 目玉(?)が動いて視線から表情が生まれているのが素晴らしいです。C3POとは違うこの眼の表現がとても秀逸で、存在感に大きく貢献してました。
 で、顔が浦沢直樹 『プルートゥ』ブラウ1589に似てると思ったのは僕だけかw。


『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』セレブレーション特別映像 - YouTube
 メイキングを観ると、ブルーバックだけでなく、スクリーンプロセスを使っているのですね。確かにこの方が演者の臨場感は上がりますね。




★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★★★★★


 以前も一度書いたかもしれないけれど、僕は『エピソード4』初見時、実は映画のビジュアルは凄いと思ったけれど、ストーリーはもっとハードでクールな戦争映画を期待していたので、物足りなさを覚えていた。

 今回のスピンオフは、スカイウォーカー家から視点が離れたことで、必ずしもハッピーエンドで後につなぐ縛りがなくなり、ストーリーをハードに、主要登場人物たちの全員の死を前提に物語を組み立て得るため、ジェダイに憧れてフォースを持つことがなかった市井の名もなき戦士たちの悲劇の表現が可能になり、もしかしたら僕が観たかったリアルでハードにスターウォーズになっていたのかもしれない。
 もともとのこのスピンオフのコンセプトはきっとそれだったのではないかと思う。

 でも、そこで悔やまれるのは、前半。
 人物のつながり方を、『エピソード7』くらい見事に描き、感情の積み上げが丁寧だったら、このコンセプトで描かれるクライマックスがもっと素晴らしくなっていたのではないだろうか。

 ドニー・イェンの演じるチアルート・イムウェとチアン・ウェンのベイズ・マルバスのコンビで描かれたフォースを持たざるもののフォース描写。
 ムービーウォッチメン「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」でライムスター宇多丸氏が評したこの二人はドンキホーテとサンチョパンサであるという卓見。すでに消えたジェダイの騎士を信じるチアルート。そして最後には自分もフォースを唱えながら死んでいくベイズ。
 この二人がこの映画ももう一組の主役であろう。
 ジェダイなきあとの帝国の圧政に耐える市井の戦士。前半で中途半端だったこの二人の描写がもっと具体的なエピソードでうまくここらのフォースへの希望をうまく描いてあったら、このクライマックスがもっと感動的になっていたのではないだろうか。
 本来この映画が持っていたそうしたコンセプトが今後のスピンオフ版の骨格になり、さらに素晴らしい傑作が生まれてくることを祈らずにはいられません。

◆関連リンク
[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.48 青木洋一郎氏に聞く、映画「GODZILLA ゴジラ」における2D-3D変換と、ハリウッドにおける最新動向 - PRONEWS

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