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2017年9月3日 - 2017年9月9日

2017.09.06

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話


Trouble - Snake Eyes | Twin Peaks 2017  Part 5

 今回は前回に続き、ツインピークスの街のシーンが多くなり、シーズン1,2の雰囲気を継承し、そしていろんな謎が具体的な形でいろいろ出てきて、ツイン・ピークスらしい話に。



★★★★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★★★★



 ダギーを始末するように指示されているらしき殺し屋2人。電話の相手はロレインという人相の悪い中年女。Blackberryで「URGENT 2」というテキストを送信。蜘蛛の巣の張った裸電球のある場所で奇妙な四角い装置の音が鳴る。

 ダギーが殺し屋に狙われるのは、本業の保険金絡みの可能性がありますね。
 元々仕事はできなさそうなので、悪党と組むことで仕事の成果を出してたとか…。その報酬の5万ドルの借金で首が回らなくなってた可能性もあるかと。

 そしてサウスダコタの警察の検死のシーン。変死体(首のない男側)の腹から出てきた指輪に、"To Dougie, with love, Janey-E"の文字。ジェニーEがダギーに送った指輪!
 例の殺し屋たちの陰謀の可能性もあるかと思うけれど、それじゃあ普通の犯罪物になるので、おそらくもっと超自然な事件なのかもw。

 シーンは独房のワイルド・クーパーへ。
 鏡をみて、まだボブは自分の中に、というようなことをつぶやく。
 ドッペルゲンガー・クーパーの悪の源泉。映像的には薄くボブの顔が被さったような微妙な描写が良かったですが、これはボブ成分が薄くなっていることも表しているのだろうか。

 ツインピークスの町のある会社の面接風景。社長はなんとボビーの友達マイク・ネルソン。ネイディーンとの恋から厚生し、立派になったものです。で、スティーブンというチンピラに説教して面接から追い返す。

 この男がシェリーの娘、アマンダ・サイフリッド演じるレベッカ(・ベッキー)・バーネットの彼氏というか既に夫となっている、スティーブン・バーネット。エンドクレジットの名前からはそう判断できます。

 今回はリンチの映像幻想コカイ◯度は低かったけど、本物の粉が出てきてしまった。シェリーの娘と彼氏がいっちゃってるのが心配。親子揃って危険な男に惹かれるタイプなのか??
 彼女が空を見上げて恍惚とするのを天から写したシーンは、車がクラッシュしそうな予感でドキドキし(おまけにシートベルトしてないし)、映像的に今回の白眉。(それにしてもこの娘の父親はボビーなのか??)

 そしてもうひとつの今回の見所は、刑務所のドッペルゲンガー・クーパーの電話を使ったハッキングと謎のセリフ「牛は月を飛び越えた」のシーン。
 プッシュホンでハッキングできてしまうって余りにも脆弱ww。どういうシステムなんだろう(^^;)。

 「牛は月を飛び越えた」、うーん、シュールだ。
 このセリフで冒頭に出てきた裸電球の部屋にある黒い箱がブエノスアイレスのものであることがわかる。黒い箱の変異。いったいブエノスアイリスで何が起きているか。ここでフィリップ・ジェフリーズにつながっていきましたね。本当にデイヴィッド・ボウイが亡くなったのが残念。

 謎としては、他にもタミー捜査官(クリスタ・ベル)が指紋を確認していたシーン、「クーパーのファイル上の指紋がドッペルギャンガーの逆であることを発見」とのこと。これも面白いですね。観てるだけでは気付かなかった!

 バンバンバーのTrouble - Snake Eyesの曲のシーンで、リチャード・ホーン登場。
 ラストはひとひねり。いつものバン・バン・バーの歌(今回はリンチの息子ライリーのバンドの演奏)で終わるかと思いきや、勤め先のLUCKY 7 INSURANCE社の前の銅像の横で立ち尽くすクーパーのバックに流れるジャズで締める。哀愁が良かったが、どうなるクーパー!?

 それにかぶるエンドクレジットに流れるのはこの曲。
 JOHNNY JEWEL "WINDSWEPT" (Youtube) 、ChromaticsによるPVもめちゃ渋い。特に黒猫がかっこいいので一見の価値あり。

 そしてそのJOHNNY JEWELのアルバム"WINDSWEPT"のプレイリスト(リンク先)。渋すぎる。 

◆関連リンク
本エピソード wiki
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

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2017.09.04

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話


Au Revoir Simone - "Lark" (Twin Peaks 2017)

 しばらく夢中に見続けてw、感想をアップしていなかった『ツイン・ピークス』Season 3について、各話レビューの続きを書きます。現在、第7話が終わったところです。いよいよ噂の第8話に突入する前に復習兼ねてw。



★★★★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★★★★




 カジノでミスター・ジャックポッドと呼ばれるに至ったダギー(・ジョーンズとして現生に舞い戻った)・クーパーの物語が続きます。

 ナオミ・ワッツ演じるダニーの妻 ジェイニーE・ジョーンズとのやりとりがいちいち笑えます。極め付けはダギー・クーパーが、ネクタイを頭に巻いて食べる朝食とコーヒーのシーン、そしてトイレに行けなくて股を抑えるシーンでしょうか。

 息子のサニー・ジムとの目での心の通い合ったような会話もいいです。
 ここから入れ替わる前のダギーも、どこか子供心を持ち続けている人物だった気配。


 ジャズスタンダード「Take Five」をBGMにした朝食シーンの軽快感と漂うユーモアは今シーズンの一服の清涼剤です。

 そしてゴードン・コールが首相補佐官に出世しているシーズン2の登場人物であるデニースとの会話。リンチの演じるゴードンの実直だけれど女好きな描写も味わい深い。自分の絵的な魅力もよく理解しているリンチ絶妙の自己演出ですw。

 保安官事務所、ハリーの兄のフランク・トルーマン保安官の登場と、保安官助手(?)になっていたボビー。ひさしぶりに捜査の対象として写真がテーブルの上に立てられたローラ・パーマーの顔を見て、いろいろなことがこみ上げてきて泣き出すボビーの姿が、バダラメンティのローラ・パーマーの曲と相まって、ファンの涙を誘います。このシーン、俄然本来のツイン・ピークスの世界観を思い出させます。やはりこの町の中心には空虚なローラの顔がよく似合う。

 ボビーが、父親であるブリッグス少佐が生前最後に会ったのがクーパーで、会った次の日に基地の火事で死んだ、と語る。ブリッグス少佐はブルーブックに関係していたり国家機密である何かに絡んでいて、今回のキーになるような気がするので、興味深い。

 保安官事務所に現れるアンディとルーシーの息子 ウォリー・ブランド。なぜに息子の名字がブレナンでないのかが気になりますが、息子の詩人的な言葉が『ツイン・ピークス』の底流に流れるビートニク的な雰囲気を醸し出していて、渋いです。アンディとルーシーが息子を誇らしく眺めているシーンも好きです。にしてもこの若者は本当にアンディの子供なのか(ルーシーをめぐる恋敵のデパートマン、リチャード・トレメインの子供なのか...w)。
 この後も
ウォリーは物語に絡んでくるように思えます。

 サウスダコタに収監されているワイルド・クーパーとゴードンの面会。
 クーパーの語りの異常さは何なんでしょう。噛み合わない会話の妙も今シーズンの特徴的なポイントですね。にしてもゴードンとアルバートと同行するタミーのプロポーションw。腰をクネクネさせて醸し出されるセックスアピールは強烈です。これもリンチ趣味なのだろうな〜ww。

 数年前のフィリップ・ジェフリーズ捜査官にまつわる件でアルバートが語る言葉。
 コロンビアの男の名前をアルバートがクーパーに伝え、その後一週間でその男が死んだ、というのは、今後の謎にかかわるポイントかも。

 ゴードンはアルバートとの会話で補聴器のレベルを上げて小声で話す。そんなところへコンクリート路面を擦るアルバートの靴の音。ゴードンの脳に突き刺さる鋭い音。ここらは音響設計も担当しているリンチのこだわり。

 アルバートが語る「ブルー・ローズ」という言葉も、FWWMにつながるキーワード。ブルーブックとの関係も気になります。

 今回は、奇想シーンはグッと少なくなっていた(ダギー家での片腕の男マイクの幻影だけか...?)。いよいよドラマは前作までのツイン・ピークスの物語にリンクし始め、ソープドラマ部分の、ファンには嬉しいあのドラマが帰ってきた雰囲気。

 

◆関連リンク
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