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2017年9月24日 - 2017年9月30日

2017.09.27

■感想 黒沢清監督『ダゲレオタイプの女』


『ダゲレオタイプの女』予告編 - YouTube

 黒澤清監督がフランスでフランス人スタッフと撮った昨年の作品を、WOWOWの録画で観た。いつもの黒沢映画の雰囲気を感じる部分と、欧州映画としてみえる部分と複合した新しい黒沢映画の誕生といった感じである。

 まずダゲレオタイプの写真撮影風景がいい。
 上の予告篇にあるように、銀板に映像を定着させるために1-2時間の間、人を静止させるなければいけない。それを補助するための器具で、人の体の線に沿って、身体の位置を支持するシーン。予告篇冒頭にあるように、撮影助手の主人公が、写真家の娘でモデルを務めるマリーの身体を固定する。その際のマリーの吐息のエロティックさが、この器具を介した二人の男女の関係を映画に定着させている。

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 この長時間の人体の固定により、銀板に人は露光され写し取られる。
 長時間の不自由を強い、身体のある種の限界を引き出していくことで、その生命の一部が写真に奪われていくような描写が秀逸である。
 写真/映像が持つ魔術的な側面をうまく映画に焼き付けている。

 この人体から魂の一部を抜き取るようなダゲレオタイプの描写が、続くシーンでの幽体の存在感を醸し出している。いつもの黒沢映画での、そこに佇む幽霊の姿が、フランスという異国の地の背景と、ダゲレオタイプという不思議な映像装置により、いつもと違った雰囲気になっている。日本の湿った感じの方が良いような気もするが、、、。

 物語は後半急転。
 どちらかというと前半が好みだけれど、主人公の見る幻がどこからどこまでなのか、判然としない様子が映画の余韻になっていて、若干無理のあるストーリー(不動産絡みのネタと銃は出さなくても良かったような、、、)だが、映画としての奥行きが獲得できている。

 『散歩する侵略者』、上映が終わらないうちに、ちゃんと観に行かなくては。

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・daguerréotype - Google 検索
 いにしえのダゲレオ写真がいろいろと眺められます。
・当ブログ記事
 黒沢清 当ブログ関連記事 - Google 検索

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2017.09.25

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第9話

Hudson Mohawke - Human (Twin Peaks clip) - YouTube

 1週飛んで第8話から2週間空けて放映された第9話。
 今回は前回でシュールな映像爆撃を終了したからか、映像的には大人しく、今回は物語を進める回の位置付け。各地各登場人物の物語が並行して語られ、そして謎の一部がわかるとともに、次の謎が提示される。




★★★★★★★ネタバレ注意★★★★★★★★★★★★★



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The Search For The Zone

 リンク先は、ヘイスティング元校長がルース・ダベンポートと作っていた異次元研究サイト「異次元を探せ」HP。なんとも懐かしいサイトデザインで、妙に落ち着いたりww。1997年にスタートしたサイトとのこと。校長先生が顔写真載せてこんなページ運営してていいんでしようか...(^^;)。

 今回第9話は、衝撃の8話で描かれた不思議な空間が、ブリックス少佐とヘイスティング元校長につながって、「異次元」と名付けられて物語に回収されていく。

 リンク先を見ると、ヘイスティングがムー的な謎の世界に惹かれていたのと同時に、SF作家 ロバート・A・ハインラインのファンということが分かる。
 僕はハインラインのよい読者じゃないんですが(『宇宙の戦士』とジュブナイルくらいしか読んでない)、あまり異次元もの書いてた印象はないのだけど…。

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 今回、映像的には奇想は潜められたのだけど、悪ダギーの血まみれの登場姿は、迫力だった。今後、このワイルドなドッペルギャンガーな男とダギーとして静かな男に転生したクーパーの、直接対決はあるんだろうか。あと9話分に想像が広がる。

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 9話ではヘイスティングが取り調べにおいて書いた日付が9/20、「異次元を探せ」サイトの最終更新はその2週前の9月初旬と設定されている。
 ただ「異次元を探せ」サイトのLast Update は2015年11月…。
 まあヘイスティングのサイトのメンテが悪いだけという可能性が高いが…(^^)。 シーズン3はいったい何年の設定なのか??

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 日付けに関してもう一つ。このメモのシーンでは2日後が10/1と言っている。
 上と比較すると、ツインピークスの町とサウスダコタバックホーンのシーンは同時進行ではないのか、時空がねじれてるのか? ここらも今後の伏線なのかもしれない、がただいい加減なだけかもw。

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 ちなみに、も一枚のメモ。
 この数字の羅列が転移するための座標なのか??
 劇中では「クーパーが2人」と言っていたが、このメモには3人目のクーパーの名「coo..」も書かれてるように見える。
 人のクーパーとは、金の球体になった本物、緑の背広が似合うダギー・ジョーンズも。クーパーに数えられるということだろうか!?
 謎が謎呼ぶ、混迷の第9話。続きがさらに楽しみである。

◆関連リンク


Au Revoir Simone - "A Violent Yet Flammable World" (Twin Peaks 2017) - YouTube 3人の女性ボーカルのさわやかなエンディングでした。特に腋の下をバリバリ搔き毟る野卑な女の子のシーンの後だったからw。あの痒みの奥に、「Frog Moths : 蛙蛾」が蠢いていたら、、、。ひぇ〜〜。

当ブログ記事
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第6話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話
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感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

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