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2017年11月12日 - 2017年11月18日

2017.11.15

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話


Eddie Vedder Out of Sand Twin Peaks - YouTube.

 第16話、凄かった〜。声を出して吃驚するシーンが最低でも3箇所はある!
 特に一番吃驚したシーンはこの楽曲の演奏中だった。

 いよいよ前作の続篇的な味わいが濃厚に現れ、そして物語の歯車がグルグルと強く回り始めた。
 ここまで引っ張って、溜めに溜めた水をイッキにダムを瓦解させるように放出して、視聴者の涙腺も瓦解させる。うーん、リンチとフロストの術中にハマりまくりの快感(^^)。





★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★







◆エディ・ヴェダー「Out of Sand」
 まずは、冒頭の曲について。

パール・ジャムのエディ・ヴェダーが『ツイン・ピークス』新シリーズのために書いた新曲「Out of Sand」を最新ライヴで初披露 - amass.

"2017年に海外で放送されるドラマ『ツイン・ピークス』の新シリーズ。200名を超える出演キャストのひとりであるパール・ジャム(Pearl Jam)のエディ・ヴェダー(Eddie Vedder)が、同ドラマのために書いたと言われる新曲「Out of Sand」を最新ライヴで初披露。"

 この曲、曲想からはちょっとリンチっぽくない感じ。だけれど、ドラマのために作られた歌であるという。

Eddie Vedder – Out of Sand Lyrics | Genius Lyrics

"今は消えてしまった
私は誰ですか
私は誰だった?
私は再び来ることはありません"

 動画のエディ・ヴェター"Out of Sand"の歌詞、ラストのフレーズ。
 これは消えてしまったダギーと、本篇で消えていった悪ダイアンへの追悼歌の位置付けなのだろうか。そうやって聴くとグッとくる歌である。

ダイアンが打った座標

 「48551420117163956」は、ルース・ダメンポートの腕に書かれていた番号と一緒のように見えた。これはヘイスティングス校長秘書からレイが入手した数字と同じということになりそう。
 リチャードが爆発した岩の上の座標は、悪クーパーが入手したもう一つの座標で(ジェフリーズからか)、そちらは間違いではないかと疑った上で、まずリチャードで危険を承知で試させたということになる。ちなみにリチャードが爆散した後、悪クーパーは舌打ちしている。もう悪を極めた男だ。

◆クーパーの覚醒 !!

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 前回のゴードン・コールと電気ショックから昏睡状態となったダギー・クーパーが遂に覚醒した。
 そして覚醒後の、ツインピークスのテーマの使い方、クーパーが病院を去る時の言葉。「私がFBIだ ! 」もう最高です。

 あのメインテーマ曲が流れたら、もう駄目。クーパーが戻ってきたのと、ダギーが消えてしまったのと、両方の涙が涙腺を、、、。

 ここでのクーパーは、幼児化したダギーの中に意識としてずっと存在してジェリーEとサニー・ジムとの経験も知っていたという描写。
 ジェニーEとのカジノでの抱擁、こんなラブストーリーをツインピークスで見せてもらえるとは思わなかった! これも大きな驚きの一つ。
 ここでのナオミ・ワッツとサニー・ジム。とても素晴らしい役者さんです(^^)。

 やっとはじまったクーパーの物語。もっともっと観たいもの。
 次回、S1,2にあった「前回のツインピークスは...」というクーパーによる前回のあらすじ紹介が復活するかも注目w。僕はあれ、大好きなんですけどね(^^)。あれは吹き替え版だけのものかもしれないけれど、、、。

◆オードリーのバンバンバーへの登場 !

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 まさかのオードリーとチャーリーの登場。前回まででオードリーの昏睡状態の夢ではないかと書いたのだけれど、3回のチャーリーとの悪夢の様なやりとりで視聴者の想像のベクトルを昏睡状態ではないか、と方向付けておいてのこの驚愕。
 ひとりで大きな声を上げてしまったのは、まさにその場面。

 そして何とも凄絶なオードリーのダンス。
 あのシーンも、非現実感が漂っていた。50代のオードリーの決して優雅とは言えないあのダンスに、バーの若者たちが乗って体を揺すり続ける。そんなことが本当にあるのだろうか。

 最後にインサートされたオードリーの闘病中らしき姿。現実かと思わせてラストはやはり昏睡状態の暗示で終わるシーン。
 やはりバンバンバーは、現実と夢のひとつの結束点なのだろうか。

 なんだかツインピークスという町自体が夢のような存在として、だんだん足が透明になって幽霊化、現実から乖離してきている。
 リンチのテーマが『マルホランドドライブ』に顕著な様に、現実と幻想/夢の並立性であるとしたら、まさにこのオードリーとバンバンバーのシーンが、今作での象徴的な場面になっているのではないだろうか。

 物語としては、黒クーパーがリチャード・ホーンの父であるとわかり、ツインピークスで昏睡状態のオードリーに会っていたという以前出てきたエピソードと合わせて考えると、やはりリチャードは、昏睡状態のオードリーと黒クーパーの間で出来た子供だという推測が立つ。

 Googleで「昏睡状態 妊娠」で検索すると、昏睡状態での出産という現実の例もあるようで、その公算が大となってきたかと。まさに今回のリチャードへの仕打ち含め、酷いまさに悪魔のような男だ、黒クーパー。

ミッチャム兄弟とキャンディーズ

 ミッチャム兄弟とキャンディーズも素晴らしくいい味出している。
 まさかのダギー家前での大立ち回りを彼らの視点から見せる手際。惨劇が兄弟とキャンディーズにより、まるで夢の一シーンのように描写されてしまう絶妙の効果。

 かつて『ツインピークス』の後、WOWOWで放映された『オン・ジ・エア』というリンチとフロストによるコメディドラマがあったが、あの時、外しまくっていた(愛すべき)ギャグwがあったのも、この兄弟とキャンディーズを生み出すための実験だと思えば、あのギャグに耐えたw、われわれ観客も浮かばれようというものww。


One The Air - Episode 1 - YouTube.

 このドラマ、アルバートは素晴らしくいい味出してました。
 DVDは残念ながら日本では出ていないのです。

 ミッチャム兄弟、黄金のハートの持ち主!!


化身 ダイアンの消滅

 FBIの3人と対峙するダイアン。ダイアンの内部から悪がにじみ出て、それを抑え込もうとする真のダイアン? との相克。あのローラ・ダーンの演技、素晴らしい緊張感だった。

 ダギー→クーパーが髪の毛を抜いて片腕の男に渡していましたが、もしかして孫悟空みたいにあれで化身が出現するのだろうか? ダイアンもそうして、、、、タルパ:化身が生じるのだろうか。

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 そしてまさかのダイアンのブラックロッジへの転移。

 本物のダイアンは保安官事務所にいる、というダイアンの相克の苦悶の中からの言葉。これが本当だとすると、クーパーが示したように髪の毛から化身の種が作られるとしたら、ニセモノは同じDNAで顔が一緒だのはず、、、、。顔が違ってもいいなら、あの保安官事務所ではあの人しかいないだろう(にしても元々、本物を知っているゴードンとアルバートが、偽ダイアンは顔が違えば気づいていたはずなのに、、、)。
 まずはクーパーとの再会が見ものである。
 twitterでは、DIAN(E) と NAID(O)のアナグラムを指摘している人もいた。
 (おまけで、DIANE と (C)ANDIEというアナグラムも指摘されている。一体どうなっているんだろう??)

Muddy Magnolias - American Woman (Twin Peaks S03x1 and S03x16 Soundtrack) (David Lynch Remix) - YouTube
 ダイアンがゴードンとアルバートとタミーの待つホテルの部屋へ行くシーンでかかっていた曲、第1話で悪クーパーの登場シーンでかかっていたのと同じ曲。Muddy Magnolias "American Woman"のスローモーション版。リンチのアレンジが凄い。

Muddy Magnolias - American Woman (Audio) - YouTube
 その元曲はこれ。ある意味、歌のタルパ(化身)。 バッド・"アメリカンウーマン" 。


 来週はいよいよツインピークスに役者が集合か。ということはクーパー、RRダイナーへ? もうテレビの前にコーヒーとチェリーパイを用意して、クーパーと一緒のタイミングで食べるしかない(^^)。

◆関連リンク
ツイン・ピークス The Return 登場人物相関図
 毎週更新されていますので、最新回を見られていない方は、ネタバレ注意。

◆関連 当ブログ記事
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話
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2017.11.13

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第15話


The Veils "Axolotl" in Twin Peaks 2017 - YouTube.

 第15話、今回はまずダギー〜〜! エド〜ノーマ〜!そして丸太おばさん〜〜!な回でした。 あと3話なんて信じたくない!(^^;)。

 ツインピークスまわりのいくつかの話が収束していく様子が描かれるとともに、各地での謎が、だんだんとツインピークスへ向かうことで解かれていく。

 映像の奇想と物語の結構がどうクライマックスに向けて動いていくのか、楽しみである。

 





★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★






 今回はキャサリーン・コールソンに捧ぐでなく(それは第1話エンドクレジット)、丸太おばさんに捧げられている。本話ラストでのホークと丸太おばさんの電話でのやり取りは、とても胸に迫るものがある。キャサリーン・コールソンとリンチの長年の作品作りに対する付き合いを思って観ると、なんともこのシーン、空の映像や森の映像にもいろんな想いが籠っているような気がして、グッとくる。

 丸太おばさんに追悼の意を改めて捧げたい。黙祷。

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◆ダギーの覚醒
 まさかの『サンセット大通り』での「ゴードン・コール」という言葉による覚醒への一歩。そしてコンセントにフォーク!
 コーヒーとチェリーパイの同時食で覚醒かと思っていましたが、意外な展開。

 ゴードン・コールのシーンは、ビリー・ワイルダー監督『サンセット大通り』のこのリンク先のパートから。
 この『サンセット大通り』、リンチが好きな1950年の映画だけど、ハリウッドの裏側を描いた、モノクロ映画とはいえ、今見ても古びていないノワール。未見の方は是非ご覧ください。ちなみにリンチの自宅の玄関には、この『サンセット大通り』のポスターが飾られているらしい(右図がそれと同じものかは不明)。

◆コンビニエンスストア
 あの8話でウッズマンたちの溜まり場となっていたコンビニエンスストア、そのトマソンな階段が、こんな世界につながっていたとは。

 そしてジェフリーズに通じる謎のホテルと"Bosomy woman"とクレジットされている謎の二人の女/男?。Bosomyって調べると豊かな胸の女となってて、でも顔つきが男でまたもや謎の存在。

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 コンビニエンスストアのないはずの二階でウッズマンの一人がテレビ?の裏の電気スイッチ?をいじった際に、放電とともにインサートされたピエロのような赤い鼻の人物。この人はJAMPING MANとクレジットされているが、映画『ローラ・パーマー 最後の七日間』にも出てきたキャラクターに似ている。

 しかし変わり果てた姿のジェフリーズは、この者たちと一緒にいるということはブラック・ロッジ側ということなのだろうか。黒クーパーとも繋がっているようなので、そうなのかもしれない。しかしあの釣り鐘のような姿は、ホワイトロッジの巨人側のアイコンのようにも見えるため、ここも大きな謎である。

◆不思議なバンバンバーの女とダギーの同期

Twin Peaks Compared: Cooper and Ruby crawling - YouTube.

 バンバンバーのシートに座っていた女 ( WOWOWの字幕でルビーと表記 ) の不自然な膝まづく姿。このシーンと同じく膝まづいたダギーの姿を並行で比べて映した動画。ラストまで見てもらうとわかるが、ダギーが感電するのとルビーが叫ぶところが見事にシンクロしている。この同期を見つけた人は凄い。そして、仕掛けた方も。

 女優はクレジットからはシャーリン・イー。リンク先の説明では、あれ、少女と思ったら31歳。

 この同期が何を意味しているのかは謎であるが、どこかバンバンバーに漂う異世界感がその理由なのかとぼんやりと思ってしまう。

◆オードリーの迷宮

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 オードリーとチャーリーがなかなかバンバンバーへ外出できない。
 外出できないことから、ネットで噂されている様に、やはり前作からオードリーは昏睡状態のままで動かない身体に閉じ込められてることが、部屋から出られない悪夢になってるというイメージが感じられる。
 ただそうするとリチャードがどう生まれたかという謎が…。
 リチャード含めオードリーの夢というのは、あまりに安直だし(^^)、そうするとバンバンバーやいろいろも夢ということになってしまう。

 既にツインピークスの街は、そうした現実と幻想の淡いに落ちているということなのか、、、、オードリーを起点にして、現実と幻想の境がどんどん幻想側にとろけている印象で、今後の展開がスリリングである。

◆関連リンク
ツイン・ピークス The Return 登場人物相関図(twitter やすなおさん作成)
 日々更新されている相関図。カラーで画像も凝っていて、そしてとても見やすい素晴らしい出来です。
『ツイン・ピークス ファイナル・ドキュメント』
 マーク・フロストの本、12/22日本語版発売予定。本篇で謎になっている部分の設定もいろいろと書かれているようです。

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