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2018年9月9日 - 2018年9月15日

2018.09.14

■感想 黒崎博脚本・演出『容疑者Nと刑事の15年』 NHKスペシャル | 未解決事件 File.07 警察庁長官狙撃事件


NHKスペシャル | 未解決事件 File.07警察庁長官狙撃事件容疑者Nと刑事の15年

"この日は、「実録ドラマ」で描き出す。 執念の捜査で犯人を追っていく刑事役に國村隼さん。別の強盗事件がきっかけで容疑者として浮かび上がった男役にイッセー尾形さん、警視庁トップ、警視総監役に小日向文世さん。日本を代表する名優たちがしのぎを削り合う「実録」にして「本格派」。「未解決事件シリーズ」ドラマの新境地を開く。"

 黒崎博脚本・監督『容疑者Nと刑事の15年』、力作でした。
 押井守の映画音楽を手がける川井憲次のサントラをバックに描かれる現代警察事件の闇。まるで『パトレイバー THE MOVIE』の帆場暎一のように霧散していく犯人像。
 警視庁捜査第一課元刑事・原雄一を演じた國村隼、容疑者N 中村泰を演じたイッセー尾形の熱演と、黒崎脚本による「虚構」と「真実」のせめぎ合い。
 昨年の是枝裕和脚本・監督『三度目の殺人』の影響もあるかもしれない。三隅(役所広司)ほどではないが、掴みどころのない中村(イッセー尾形)の描写は影響を受けているような気がする。
 で、興味深いのは、このドラマが現実をベースにしていること。まだ謎は明らかになっていない。
 先週のドキュメンタリーのラストからは、NHKはまだこの資源を取材し続けている。今後の展開にも期待したいもの。

◆関連リンク

原雄一『宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年』 

警察庁長官狙撃真犯人「捜査秘録」 原雄一×江川紹子 | 文春オンライン
 原雄一元刑事の証言。
 これを読むと今回のドラマの各々のエピソードが実際に原氏が警察内部で経験したことを元にしたのがわかる。

   それより面白いのは、原視点では中村は思想犯、自分が革命家であるというフィクションを作りたがっている殺人愛好家である、と分析しているところ。
 ドラマでは隠し続けた事件当日の共犯者の名前を明らかにしなかったのは、自分の物語を崩してしまう、ただ金が欲しかった共犯者であることが明るみに出るのを恐れてのことだったのではないか、と推定し語っている。

 ドラマは、全体として中村の革命家的物語を意図してか意図なしにかわからないが、番組としての強度を高めるために(?)、そうしたフィクションを結果的に補強してしまったように見える。

 現実とドラマの関係性が、メタレベルで、この事件が複雑化しているのを地で表現してしまったようでとてもスリリング。

警察庁長官狙撃事件「真の容疑者」中村泰からの獄中メッセージ(原 雄一) | 現代ビジネス | 講談社
 そしてこちらは、獄中の中村泰による、原雄一『宿命 警視庁捜査第一課刑事の23年』レビュー。
 この第三者的筆致、すごく面白い。現実は小説より奇なり。

 次はこのNHKのドラマのレビューも書いてもらいたい。

警察庁長官狙撃事件の真犯人を支援した男の「正体」(原 雄一) | 現代ビジネス | 講談社
 事件当日の共犯者について、原氏が自著にあえて変えて記述した仕掛けに、本当の共犯者かもしれない男から連絡が入った経緯。

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2018.09.12

■写真レポート 【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館


「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」イメージ映像 - YouTube

【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト

"航空と宇宙を同時に体験できる 国内唯一の本格的な専門博物館"

 今年の3月にリニューアルした空宙博:かかみがはら航空宇宙博物館に行ってきました。実物の迫力、やはり良いです。
 今回は写真レポートです。

 まずは入館する前、博物館の前の広場に展示されている5機ほどの飛行機。
 こちらは入場料なしで観ることができます。下はそのうちの1機「川崎 P2-J 対潜哨戒機」、このスレンダーなプロポーション、魅力的です。

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 そして大人料金800円を払って入場。この手の入場料としてはなかなかリーズナブル。この値段でこれだけの展示物が見られるのはお得かと思います。
 まず冒頭には、今回のリニューアルの目玉になる太平洋戦争中の戦闘機「飛燕」の世界で一機という実機と、ゼロ戦試作機「十二試艦上戦闘機」実物大模型。
 「飛燕」はジェラルミンのボディが美しい。僕は零戦よりこのデザイン、好きです。 

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 そして次にメイン展示スペース。巨大な屋内(体育館3つ分位)に並べられた航空機各種。

Sora_haku10 戦闘機からSTOL飛鳥まで、壮観です。

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 その一角からはじまる宇宙コーナー。
 まずはH2のフェアリングとエンジン。フェアリングは近くの川崎重工岐阜工場で作られたものとか。

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 そして2階へ上がってNASAとJAXAの展示。
 火星探査機とISSに搭載された日本実験棟「きぼう」の実物大模型。
 きぼうには内部に入り、実験装置のラックやエアロックを見ることもできます。

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 次にはISSの模型とJAXAの衛星群。
 下は無人宇宙実験機 SFUの模型とパンフレットの展示。これに搭載された部品の開発を担当していたので、感慨深いです。

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 ということで、今回の写真レポートを終わります。
 実は今回、立体映像を撮るために3Dハンディカムを持って行ったのですが、何と充電がすぐ切れてしまい、ロクに動画が撮れなかったので、今回体験できなかったシミュレーター体験共々、再度来訪予定。家から車で40分ほどと近いのでいつでも行けるのです(^^)。

◆関連リンク

岐阜かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアルオープン記念番組~オープン前に博物館の中をまるっと見せちゃいます~ - YouTube.
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「ひそねとまそたん」上映会|【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館公式ウェブサイト
 この9月には「ひそまそ」上映会も開かれるとのこと。
 聖地「自衛隊岐阜基地」のすぐ隣の空宙博会場での上映はファンには格別ではないでしょうか。ショップにはグッズコーナーもあります。

日本最大級! 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 - 3月24日にオープン! (1) 「飛燕」が里帰り - 幻の「Qロケット」の風洞試験モデルも公開 | マイナビニュース.

"空宙博最大の目玉となるのは、三式戦闘機「飛燕」の実機である。正確には飛燕の中でも、エンジンなどを改良したII型の、試作17号機という。 飛燕は1941年に開発された旧日本陸軍の戦闘機で、当時の日本軍戦闘機としては唯一、液冷式エンジンを積んでいるのが最大の特徴。空冷エンジンを積む「ゼロ戦」などとは異なり、液冷ならではの細くスマートな機首をしている。 飛燕を開発、生産したのは、岐阜県各務原市にあった川崎航空機岐阜工場(現在の川崎重工航空宇宙カンパニー)で、飛燕全体では約3000機、II型に限っては99機が生産されたという。空宙博での展示は、飛燕にとっては"里帰り"にあたる。

展示機体は塗装のない、ジュラルミンがむき出しの状態になっている。これは工場からの出荷時の姿でもあるものの、実際に配備されたあとも迷彩色などに塗らず、日の丸など以外は無塗装のままの場合もあったという。"

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2018.09.10

■感想 ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』&前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』"Train to Busan 2016" "Seoul Station"


Train to Busan 2016 - Behind the Scenes - YouTube

 ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』と前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』WOWOW録画初見。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』
 見事なホラーアクション映画。そして家族の物語。とても泣かせます。
 この映画、アニメーションの監督であるヨン・サンホの実写作品とのことだけれど、シナリオも見事(各エピソードと解決策等)なら映像の作りもきっちりしていて(ガラスが集団の重みで割るところとか列車に大勢がぶら下がったところのシーケンスとか)、安心して観ていられる作品。
 閉じた空間での恐怖感をうまく演出している。映像としての外連味もあり、世界でヒットした理由がわかります。


Seoul Station Japan Trailer - YouTube.

 そして前日譚のアニメ長篇『ソウル・ステーション/パンデミック』。
 こちらがヨン・サンホ監督の本来の領域での仕事なのだろうか。シナリオとか映像の作りは、実写版からスケールダウンしている。アニメ描写もロトスコーピング(?)なのか、キャラクタの表情と演技が硬い感じ。

 、、、、と思っていたら、これはこの映画のラストの非情さを描くための仕掛けだったのかもしれない。このラストの救いのなさはある意味すごい。
 『新感染 ファイナル・エクスプレス』が家族の愛の映画になるのに対して、こちらは正にそれをひっくり返したようなブラックさ。
 この監督の他のアニメーション作品もぜひ観てみたいと思った。

◆関連リンク

・「新感染」続編製作へ 2019年撮影開始 : 映画ニュース - 映画.com.

"続編について、「ウイルス感染後の半島が舞台だという点と、ゾンビ映画にインスパイアされたサバイバルアクション物だという点では続編と呼べるかもしれないが、キャラクターもまったく異なるし、さしずめ『同一の世界観を持った前作の延長線上の物語』とでも言ったところかな」と明かしたヨン監督は、「まだ脚本を書き始めたばかりだけど、前作よりはるかにスケールの大きい、アクション満載の映画になるということだけは確か」と自信をのぞかせる。"

ソウル・ステーション パンデミック 特集:
 あの感染はなぜ起こった?ソウルに何があった?本作を見て、初めて“すべて”が完成する! - 映画.com
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