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2018年2月4日 - 2018年2月10日

2018.02.09

■情報 滝本 誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』刊行記念 滝本誠トークイベント

20100220_853460checker滝本 誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』

"エロスか死か! 美の動体視力があなたの価値観を転覆+震動させる…。若き町山智浩、中原昌也、菊地成孔に衝撃を与えた伝説の評論集が新世紀増補究極版(21 CENTURY ULTIMATE EDITION)として再起動!"

 「美の動体視力」! まさにこの名著を表すのに、適切な素晴らしいコピーである。
 装幀は小沼宏之さんによるものということだけれど、元作に比べて今回も魅力的なノワールに昏い光を放っている。

蘇る「映画の乳首、絵画の腓」滝本誠トークイベント | 誠光社

"開催日     2018年3月10日(土)
時間     19時-21時 会場     誠光社
参加費     1500円+1ドリンクオーダー
定員     30名さま
ご予約方法     E-mail:s-contact@seikosha-books.com
    (参加ご希望イベント名、お名前、お電話番号をご記載ください)      または店頭、お電話にて承ります。

『映画の乳首、絵画の腓』増補新版刊行を記念、著者の滝本誠さんをお招きし、当時のこと、四半世紀を経た新版、そしてその助走距離を経て今年秋に刊行予定の新刊についてお話を伺います。リンチ、シュールレアリスム、ノワール、そしてデヴィッド・ボウイ。独自の美意識に貫かれた滝本ワールドを是非ご堪能ください。

同書で「ディックとの和解、オバノンの脅迫」と題し、その制作背景に触れられた『ブレードランナー』は同じく昨年続編が公開され話題を呼び、ブラザーズ・クエイの回顧展が東京に巡回、初版刊行直後、著者を熱狂させることになる『ツイン・ピークス』も2017年に待望の新シーズンが放映、『カイエ・デュ・シネマ』の同年ベスト1として選出されるなど、同書にまつわる不思議な因果関係が生じています。”

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2018.02.07

■感想 モルテン・ティルドゥム監督『パッセンジャー』:Passengers


Passengers Best Scenes full HD 2017 - YouTube

 モルテン・ティルドゥム監督『パッセンジャー』WOWOW録画初見。
 あまり良い評判を聞かなかったので、劇場はスルーしていたのだけれど、期待していなかったからか、かなり楽しめた。

 特に前半は秀逸と思う。コールドスリープで90年かかって他恒星系への移住を目指す5000人の乗客という、SFのみでしか描くことができる特殊な状況下で起こるアクシデント。そしてその結果として生まれた異様な恋愛関係。

 秘密を知られた後の主人公とヒロインの関係性というギリギリの極限状況下の恋愛設定が秀逸。さてここからどういう二人の関係が描かれるのかと、ある種とても哲学的な気分に観客を誘う前半の手腕は見事と思う。ドキドキして続きを見守ると、、、。

 残念ながら後半は、ハリウッドお得意のアクションクライマックスへと展開の舵が切られてしまう。そして、SF設定としてもアクションシーンへの展開としてもかなり無理があるクライマックスが凄く残念。絵的に面白かったプールが無重力になる映像も、重力が復帰するスピードが速すぎるだろうとか、突っ込みどころはいろいろあるが、舞台設定を活かそうとした展開は上手かったので細部が残念。

 ラストは割と好きな終わり方になったけれど、前半の哲学的緊張感のある恋愛を、あのままギリギリと詰めて行ってくれたら、SFのみが描ける究極恋愛ものの1本が出来上がっていたのではないかと思わず妄想してしまった。
 『冷たい方程式』ならぬ、宇宙もののひとつの方程式が出来上がっていたかも(^^;)。

 監督はノルウェー出身で、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアラン・チューリングを主人公にした恋愛ものを映画化したモルテン・ティルドゥム。今回も理系的センスで独特の恋愛ものを描いていて、なかなか楽しめました。

 それにしても『パッセンジャー』(原題:Passengers)とは何とも安直でひねりもなく詰まらないタイトル。まだ『コールドスリープの恋愛』とかSFチックにしても良かったのに(これもダサいですねw)。

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■感想 パク・チャヌク監督『お嬢さん』


【音出し注意!】『お嬢さん』本編映像 - YouTube
 パク・チャヌク監督『お嬢さん』WOWOW録画初見。

 噂に違わぬ変態的ミステリーw。
 日本統治下の韓国を舞台に描かれる韓国語と日本語の入り乱れる淫蕩古書ノアールフィルムとでも表現しようか、、、。

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 そうしたディレッタントでデカダンな雰囲気もだけれど、映像が特に見事です。
 表面で進む作り物っぽいブラックコメディにもみえる物語(しかし三部構成で実はそれなりに丁寧に構築されている)を、画面構成の素晴らしく整った映像が、見事にイメージ喚起に優れた映画世界として下支えしている。

 原作はサラ・ウォーターズの『荊の城』。原作未読だけれど、おそらくその物語の仕掛け部分が原作からで、その他、退廃的な淫蕩な世界部分は、パク・チャヌクの創作ではないかと思われる。

 そして現出するクライマックスの光景。パク・チャヌク監督、初見ですが、他の作品も今更ながら追いかけてみたくなった。

 WOWOWでは、残念ながら浮世絵他シーンでのぼかし範囲が広すぎて何が描かれているかわからないところが、、、。あそこまで隠す必要は全くないのではないか。

 主人公のふたりのうち、お嬢さん 秀子役のキム・ミニの少し病的な風貌。スッキ、珠子役のキム・テリのどこか純朴な泥棒娘演技。こうしたキャスティングも絶妙だった。

◆関連リンク
滝本 誠さんtweet

"『お嬢さん』見て来た。満席。日本の変態にリスペクトをささげた<夢の映画>であった! いろいろ思うところあり、ある本の増補として書き下ろすことにした。まず思ったのは義父の小宮卓(河出文庫の秘本監修)の書斎である。パク・チャヌクには橘外男の画家小説『双面の舞姫』の映画化をぜひとも!。"

""幻戯書房でお世話になる、新版『映画の乳首、絵画の腓』のための、4万字書下ろし(『お嬢さん』、『エクス・マキナ』、『ネオン・デーモン』、『ウィッチ』)がようやく。現在、図版を再構築中。"

滝本 誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
 滝本さんの『お嬢さん』評が新版『映画の乳首、絵画の腓』で読める! やはり買わねば!!

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