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2019年1月

2019.01.30

■感想 谷口悟朗監督『revisions リヴィジョンズ』1-2話


TVアニメ「revisions リヴィジョンズ」本PV - YouTube.

 谷口悟朗監督×シリーズ構成 深見真×キャラクターデザイン原案 近岡直×アニメーション制作 白組×CG監督 平川孝充『revisions リヴィジョンズ』1-2話録画見。

 いつか街に破滅的な事象が起こって、その時に自分のSFファンとしての知見が活かせるんじゃないか、という妄想wが現実化した様を描く、白組の3D CGアニメによる本格ロボットアクション(^^;)。

 まずは楳図かずお『漂流教室』、押井守『ビューティフルドリーマー』を彷彿とさせる冒頭。そして直後に校舎屋上で繰り広げられるシビリアンと名付けられた奇想巨大ロボットによる殺戮シーン。この奇想ロボット作画が素晴らしい。蜘蛛と使徒を合体させたような?造形と、抜群のレイアウトとカメラアングルによる迫力のCG映像。

 細部を描き込めるCGモデリングの特性を最大限に活かして、細かなディテイルのメカを、とても手描きでは描ききれないような画角で存分に描き出した白組のCG映像に感嘆。

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 CGの持つポテンシャルを最大限に引き出したCGアニメーターのセンスが最高。第1話で力が入っているとは言え、ヱヴァンゲリヲン新劇場版の最高レベルの作画に近いものがテレビアニメの画面で観られるのも、CG技術の進化の賜物か。

 人物の作画は、モーションアクター/モーションキャプチャーで撮られているようだけれど、なんとなくまだこなれていない感がある。このあたりは『亜人』や『虚淵ゴジラ』で先行して手がけるポリゴン・ピクチュアズが一歩リードというところでしょうか。

 それにしてもスピーディな動きは、CGを用いることで、リミテッドアニメというよりフルアニメっぽいコマ運びを実現しているようで、これも素晴らしい。今までテレビアニメはブルーレイの4倍速で録っていたけれど、これは4倍速ではもったいない出来で、DR録画が必要かもと思っています。というよりいよいよ4Kが必要なのかもw。

 今後の物語の展開と映像が楽しみです。

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2019.01.28

■感想 コーネル・ムンドルッツォ監督『ジュピターズ・ムーン』

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 ハンガリーのコーネル・ムンドルッツォ監督によるハンガリー・ドイツ製作の映画。ハンガリー国境からブタペストの都市部を舞台としたこの映画、僕はWOWOWの録画で、公開時のポスターイメージも予告篇も何も知らずに、タイトルのみの情報で、内容については真っ白な状態で観られたのですが、かなり意外な物語と映像で、是非、前情報なしで観られることをお薦めします。

 というわけで今回は冒頭の予告篇動画リンクも、記事の以下のネタバレ部分に置くこととします。

 とはいえ、これではどんな映画か全くご紹介できないので、ネタバレ回避しつつまずは全体のイメージ、感想をご紹介してみます。
 とにかく冒頭から急展開、あるとても印象的なシーンが開劇十数分のところで突然画面に開示されます。この映画的なインパクトは素晴らしい。僕が観たここ数年の映画の中でも1,2を争う印象的なシーン。
 この映像をメインアイデアに展開する映画の宣材はそのため必然的にネタバレになってしまうので、ポスターも予告篇もここで示すことができなくなるわけですね。

 シリア難民とヨーロッパの関係。それをある映像のマジックで、未来の姿/夢を見事に描き出した映画、というのが僕の感想。それにしても猥雑に進む構成のストーリーは、そんなゴールイメージを描き出すまでに、相当な迷宮に入っていく。その迷宮が難民とヨーロッパの関係そのものであるかのように。

 僕は学生時代に読んだ栗本慎一郎『ブタペスト物語』にて、ハンガリーのブタペストの魔術的で自由な空気に憧れたことがあったけれど、この映画のブタペストは移民に対して都市がその歪を受け止めきれず、昏い叫び声をあげているように見える。そんな陰鬱な雰囲気の街で描かれた微かな光の物語。

 極めてシリアスな現実問題を、映画だけが持ち得る表現で見事にスリリングにフィルムに定着させた傑作と思う。何も情報を事前に入れないで、観られることをお薦めします。






★★★★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★★★★



 冒頭でのみ、タイトルになっている木星の衛星に関する文言がタイトルバックに映し出される。生命の可能性がある「エウロパ」についての説明である。
 この記述から、タイトル「木星の衛星」の意味は、本作のヨーロッパにおける主人公の奇跡を、エウロパに例えていると捉えられる。

 冒頭、狭い車室空間に満載された難民風の人々を見て、何故かシリアからの難民なのだろうと直感される。
 それに続く、船のシーン、まさにニュースで報道されたシリアの難民の様子の再現。そして銃撃と、血の浮遊を用いて印象的に描かれた主人公の突然の浮遊。


『ジュピターズ・ムーン』メイキング映像 - YouTube

 疾走する映像は、浮遊を神か天使の降臨のように見せて、神的なイメージを映像に焼き付けている。ここの説得力が映画全体を牽引していると言っても過言でない。

 上のリンクのメイキングのように作られた浮遊感は、この映画の見事なテーマの形象となっている。素晴らしい映画のマジックとなっている。
 僕がこの映画でよくわからなかった描写が1つある。
・浮遊の奇跡を見た訪問治療の患者二人が何故死ぬのか。
 このあたりをもっと丁寧に描いて、この神的な現象がヨーロッパの今後にどう影響をもたらすのか、そうしたところを具体的に描けていたら、もっと素晴らしいラストになっていたのでないだろうか。

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2019.01.23

■感想 M・ナイト・シャマラン監督『スプリット』『ミスター・ガラス』


Split Official Trailer 1 (2017) - M. Night Shyamalan Movie - YouTube

 M・ナイト・シャマラン監督『スプリット』Amazonプライム初見。なかなか素晴らしい映画でした。サスペンス部分もストーリーテリングも、そして最後に示されるヴィジョンも、絶好調のシャマランらしくていい映画になっています。

 この週末から公開されている『ミスター・ガラス』が観たくて、『アンブレイカブル』(初公開時と今回で2回目)とこの『スプリット』を連続で観たのも、『スプリット』で盛り上がった要素。

 まず主人公 ジェームズ・マカヴォイの演技がとてもいい。若干、誰が誰だか分からない部分もあったけれどw、複雑な役を見事に演じ分けている。

 そして予告篇のサムネイル画像にも出てくるケイシー役のアニャ・テイラー=ジョイのクールな演技も素晴らしい。多重人格から超現実的な事象へと浮き足立つシャマランの映画を、うまく地面に引き戻しているのは、この女優さんの演技とそのルックスの魅力によるのではないか、と思うほど。

 『ミスター・ガラス』と繋がる部分も粋な仕掛けで感動。

 ある意味、最近主流のMCU等スーパーヒーロー映画のアンチテーゼになりそうな期待感まで持たせてくれて、次作にさらにワクワク。

 本作、制作費 $9 millionに対して、世界興行収入 $278 millionという凄いヒットとなったとか。シャマラン最大のヒット作『シックスセンス』の制作費40 million、興行収入 $672 millionに比べても、興収/制作費=30倍は最大かと。


Glass - Official Trailer #2 [HD] - YouTube

 『ミスター・ガラス』@名古屋ミッドランドスクエアシネマ、期待が高かったので、観終わった後は、ちょいイマイチの感想。
 アンチスーパーヒーローであることは間違いなかったけれど、その言葉通りの事象がメタレベルでなく表現されていて、、、、エンタテインメントなので確かに致し方ないけれど、、、。

 スーパーヒーロー誕生のメカニズムを前作で自身の中心テーマと絡めて描き出したシャマランだったが、そのテーマの追求の形でのアンチスーパーヒーローものとしての昇華は不十分だったと思う。実はシャマラン独特のコメディではないか、という説も出そうだけれど、それにしてはいつも通りの重いテーマ音楽で、下手をすると悪趣味とも映ってしまう後半なのであった。一見さんには厳しい話運びだけれど、前2作を観ているシャマランファンには、前半までとてもいいだけに残念無念。



★★★★★★★★★ネタバレ注意★★★★★★★★★★★



 特にあのラストはいただけない。特に昨日どっかのゆるキャラが軽自動車をひっくり返すネット動画がテレビにも大きく報道された日本では、ワゴン車をひっくり返す映像ではスーパーヒーローが存在する証明と言われましても…、ギャグにしか見えません。撮られていた動画がネットに、というオチはシャマランへの僕らの期待値とは大きくずれています。

 途中でヒーローは最初は飛べなかったみたいなセリフもあったので、もしかして飛ぶかも、と期待したクライマックス、もっと派手にする必要があったのではないかと思います。

 そしてビーストがライフルの狙撃で倒れるところも、もう一度ビーストに戻って弾が身体から弾き出される位の展開もあってよかったのではないか。

 イライジャの能力も分かりにくい。時間を遡るような描写があったけれど、唐突感はいなめない。

 また「照明」は心的な現象の例えのはずで、それがストロボで起きてしまうとか、いかにプラグマティズムのお国の話でも不味かろうと思うのだけれど。

 とにかくこの三部作、3部の前半まで期待させてくれた手腕で、次回作も大いにファンを楽しませてほしいものです。

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2019.01.21

■写真レポート 「特撮のDNA展」@東京蒲田

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特撮のDNA | ゴジラ、モスラ、メカゴジラ……大怪獣が目の前に!
 日本が世界に誇る「特撮」。その技術と継承者たちにスポットをあて、特撮史を紐解く大展覧会!!

 本業の東京出張の帰りに、特撮のDNA展観てきました。
 Facebookに掲載した写真を掲載します。特にFacebookの新機能の3D写真、マウスでグリグリしてお楽しみいただければ幸いです。

 シン・ゴジラ三態。 本当は3Dハンディカムで立体映像に記録したかったのですが、何と動画撮影禁止。悔しいですがFacebook 3D用の写真で諦めました。
 シン・ゴジラの絶妙の造形が、どなたかの手で3D映像として残されているのを期待するばかりです。


(8) Akira Kiei - 禍々しくも、第五形態が飛び出してくる様 @ 特撮のDNA展

 シン・ゴジラ3D。肉感的な上腕と太腿の立体感をお楽しみくださいw。

 最後にこの展示会に対する苦言。
 残念だったのは、着ぐるみ、ミニチュア等がどの映画に使用されたものか、表示がほとんどなかったところ。以前アニメの展示会の際にも記したことだけれど、こうした展示会、美術展と考えると、映画の表記だけでなく、作成したスタッフの表記をできる限りしてほしいもの。こうしたところのフォローが特撮の価値の向上につながると思うので、できる限り今後は対応頂きたいものです。

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2019.01.16

■写真レポート ルーブル彫刻美術館 : Louvre Sculpture Museum

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ルーブル彫刻美術館 - Wikipedia

" ルーブル美術館の世界唯一の姉妹館である。「姉妹館」であって「分館」ではないため、ルーブル美術館の公式サイトには掲載されていない。
 建物は黒川紀章が設計したもので、1987年(昭和62年)に開館した。開館時にはルーブル美術館館長が訪れ、年間10万人の来館者があった。

 館内の作品はルーブル美術館にある、彫刻作品約1300点を本物から直接型をとり作成したレプリカを展示している。サモトラケのニケやミロのヴィーナスはじめとして、日本に居ながらにして彫刻作品を楽しむことができる。
 常設展示作品はルーブル美術館のほか大英博物館やメトロポリタン美術館など欧米の有名美術館のものもある。"

 三重県津市 ルーブル彫刻美術館へ行ってきた。
 本家の正式姉妹館とのことで、彫像はいずれも本物から型を取ったレプリカ。ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ、自由の女神と千手観音、阿修羅像が同時に並ぶ異界。B級感覚に痺れます(^^)。

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 ローマの彫像の後ろに千手観音の背面。そのさらに奥(美術館入り口)にはツタンカーメンの像、天使たちとサモトラケのニケが、本家ルーブルと同じガラスのピラミッドの空間に展示されている。

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 これらの像を一度に全て見られるのは、なかなか貴重です。
 写真も自由ということでたくさん撮ってきましたが、彫刻作品は以前からここに書いているように3D写真、3D動画で記録するのが最適なので、3Dハンディカムでしっかり撮ってきました。

3D Photo Fun
 3D動画はなかなかネットでの公開は難しいので(Youtubeでやればすぐか、、、w)、Facebookの新機能の疑似3Dフォトとして、リンク先に掲載してみました。ご確認いただければ幸いです。

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 外壁にはナポレオン像とモナリザ。美術館前には全高7-8mのミロのヴィーナス、サモトラケのニケ、そして何故か自由の女神が建てられています。

 すぐとなり、同じ宗教法人の施設として大観音寺という寺社(?)があり、そこには高さ33mの大観音像、七福神等々が置かれている。西欧の至宝から仏教芸術まで、巨大な彫像含め堪能できるB級空間です(^^)。

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2019.01.14

■感想 マイケル・ベイ監督『トランスフォーマー/最後の騎士王』"Transformers: The Last Knight"


Transformers: The Last Knight Official Trailer 1 (2017) - Michael Bay Movie - YouTube
 マイケル・ベイ監督『トランスフォーマー/最後の騎士王』WOWOW録画初見。

 評判がよくなかったので、劇場へは行かなかったのだけれど、期待していなかったせいか、なかなか楽しめました。大味ではあるけれど、マイケル・ベイの創る地球規模の壮大な絵が良い。

 特にストーンヘンジ上空に広がる異星からの侵略絵図が素晴らしい。宇宙から地上に巨大な侵略構造物が降りている絵には(何が何だかわからないが)興奮してしまう。3Dで観ておくべきだったと後悔。

 次作『バンブルビー』は、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のトラヴィス・ナイト監督によるということで、大味ではなくライカ仕込みの奇想に凝った物語と、トランスフォーマーの壮大さの混じった絵作りに期待したい。

◆関連リンク
『バンブルビー』日本版予告 - YouTube
・当ブログ記事
 トランスフォーマー 当ブログ関連記事
 ■感想 トラヴィス・ナイト監督『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

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2019.01.09

■感想 マーク・ウェブ監督『gifted/ギフテッド』


『gifted/ギフテッド』予告編 - YouTube

 マーク・ウェブ監督『gifted/ギフテッド』、WOWOW録画初見。

 数学の天才少女を描いた佳作。なかなか気持ちの良い物語になっている。猫がうまく使われているのも花丸w。(ちなみにWOWOWのW座、小山薫堂の解説によると、猫は脚本家トム・フリンの飼い猫であるらしい)

 クリス・キャプテン・エヴァンス、いい役演ってますね。

 7歳の少女役のマッケナ・グレイスもとても良い。wiki見るとこの時に既に11歳みたいだけれど、見事にキュートな「ギフテッド」な天才を演じています。

 題材になっているミレニアム懸賞問題のナビエ–ストークス方程式については、流体解析に用いられる方程式というくらいは知っていたのだけれど、数学的には証明されていないのですね。実践的なCFDではバンバン使われているわけで、工学分野ではある意味、当たり前の式なだけに、違和感も、、、、w。

 3次元CGでも爆発の煙や、水中の描写で欠かせない方程式のはずだけれど、実践的な式としては、人間の眼に流体の動きを自然に見せるのには、数学的/物理学的理論が不明のままでも、全く問題ない、ということですかね。詳細を詳しい方に解説していただきたいものですw。

◆関連リンク
CG-ARTS教育リポート 日本と世界のCG教育のいまが見える

"ナビエ・ストークスの方程式を極力単純化し、許容範囲内の数値的エラーは容認することで、できる限り高速にこの方程式を解くことが目標とされる。逆に流体の“境界部分”(水であれば“水面”)を美しく表現するといったような要素は、CFDにはなかったCG流体シミュレーションならではの重要な要求だといえる。"

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2019.01.07

■感想 黒沢清監督『セブンスコード』


Maeda Atsuko - Seventh Chord (前田敦子 - セブンスコード) - YouTube

 黒沢清監督『セブンスコード』WOWOW録画初見。
 前田敦子の曲「セブンスコード」のミュージックビデオとして作られた60分の黒沢清作品ということで実はあまり期待していなかった。
 しかしウラジオストックを舞台にした本作、なかなか見ごたえのある黒沢清作品として、高い完成度を持ったサスペンス映画となっています。傑作。

 まずロシアの街並みの切り取り方が素晴らしい。
 荒廃した街の雰囲気、アンダーグラウンドな廃墟感が見事に物語を盛り上げる的確な映像として定着されている。
 そしてクライマックス。ネタバレはしないですが、この展開は鮮烈。ラストの余韻含めて、どこか岩井俊二の傑作「Fried Dragon Fish」を思い起こす。
 残念なのは、「Fried Dragon Fish」のラストで流れるチャラの楽曲に対して、前田敦子の「セブンスコード」が弱いw。

 劇中で唱される与謝野晶子の詩「旅に立つ」、この苛烈な言葉を歌詞として、チャラの曲として流れてたらな、、、。

以下与謝野晶子「旅に立つ」引用
"いざ、天の日は我がために
金の車をきしらせよ、
颶風の羽は東より
いざ、こころよく我を追へ。"

◆関連リンク
『セブンスコード』がすごくおもしろい。あと、すごく両義的。 – 新・批評家育成サイト
黒沢清についての評論を執筆せよ – 新・批評家育成サイト

"毎回、ゲスト講師を対象とした批評文の執筆が課題となります。 したがって今回受講生の皆さまには、映画回の実作者講師である黒沢清さんについての評論を書いていただきます。"

 批評家を目指す皆さんの黒沢清作品の評論各種が読めます。

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