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2019年5月

2019.05.29

■感想 「チェコデザイン100年の旅」@岡崎市美術博物館

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「チェコデザイン100年の旅」(岡崎市美術博物館(マインドスケープ・ミュージアム))

"2019. 4月6日(土曜日)から5月19日(日曜日)
ヨーロッパの中心に位置するチェコ。その首都プラハは19世紀に世界の富が集中し、チェコ・キュビスムなどの芸術運動が花開きました。本展では、チェコ国立プラハ工芸美術館の収蔵品を中心に、19世紀末のアルフォンス・ミュシャから現代のアニメーションまで、幅広い魅力を持つチェコの文化をデザインの視点からたどります。チェコのデザインを、日本で初めて総合的に紹介します。"

 「チェコデザイン100年の旅」@岡崎マインドスケープ美術館 に行ってきました。

 ミュシャ、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、キュビスムからチェコセルアニメまで。写真撮影禁なので展示風景は会場外のビデオ紹介から引用させてもらいました。
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 チェコは「人形アニメが有名」とビデオでも謳われていたけれど、残念ながらトルンカもシュヴァンクマイエルもありませんでした。これは残念。でも違う側面からチェコのアートの文脈を知れたのは良かったです。


 あとチャッペック『RUR』の初版とかも見られてなかなかでした。この端正なデザインの美しさ!
 リンク先はチェコのオークションサイト。5500CZK(チェコクローネ) =約2.6万円位で落札。ロボットがここから生まれたことを考えると、来るべきシンギュラリティの時代にAI達のオークションで破格の値段がつくかも(^^)

 岡崎はすでに閉幕しましたが、今後、富山と東京へ巡回されるとのことなので、お近くの方は是非。

全国巡回展

"2019年4月6日(土)~5月19日(日)岡崎市美術博物館 終了
2019年6月1日(土)~7月28日(日)富山県美術館
2019年9月14日(土)~11月10日(日)世田谷美術館"

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2019.05.27

■感想 今石洋之監督『プロメア』


映画『プロメア』第二弾PV 制作:TRIGGER

 今石洋之監督、中島かずき原作,脚本、TRIGGER 原作,アニメーション制作、舛本和也 アニメーションプロデューサー 『プロメア』@イオンシネマワンダー で観てきた。

 『グレンラガン』『キルラキル』ファンはもちろん、『スパーダーバース』に痺れた先端アニメ好きは必見。かつ何故かどこか東映動画初期長篇の薫りを感じたのは僕だけでしょうか(^^)。冒頭からのいきなりアクションと物語の立ち上げ方の映画的なところからかな?

 完全オリジナルで冒頭からここまで熱く惹き込まれる作品はなかなかありません。『グレンラガン』『キルラキル』ファンはあのシーンやこのシーンを想起して目頭が熱くなるわけですが、それだけでないパワーを感じる。むしろそれらを観たことのない映像ファンが劇場で椅子から落っこちそうになるくらい驚く所が観てみたい。

 シナリオと声優陣のセリフの熱さとそれを超える作画レイアウト、奇怪な動きと3D CGの快感。とにかくとめどない映像シャワーの圧を感じに劇場へ是非!

 僕は金田伊功ファンとして、今石監督の昇華(消火?w)進化したアクション作画、特に火炎龍と幾何学デザインチックな圧倒的なアニメートを観れただけでも大満足なのでした(^^)。以下に金田伊功氏の『幻魔大戦』の火竜と『プロメア』の予告篇で流されている火竜を比較。本篇には発火描写の中心イメージとしてドラゴンは出まくっているので、本篇ブルーレイが出た後に再度ここは検証してみたいですが、この二つを比較するだけだと、金田作画のタメの感覚が、やはり今でも火龍描写の最高峰と感じさせます。

 とは言え、それだけでなく特に幾何学模様を多用したグラフィカルなアクション描写は、金田伊功を起点にして(後述関連リンク参照)、そうとう先鋭的に進化発展させたものになっている、というのが僕の感想です。
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◆関連リンク

『プロメア』のドラゴンのシーン。0'50"あたり。

金田伊功のドラゴン集成。0'10"あたりに『幻魔大戦』の火龍シーン。

 映画本篇の冒頭映像。

当ブログ関連記事
感想 静野孔文・瀬下寛之監督、ストーリー原案・脚本/虚淵玄『GODZILLA 星を喰う者』『GODZILLA:The Planet Eater』
 金田伊功の龍のアニメートとキングギドラについて、少し書いています。
ガイキングオープニング 金田伊功の作画の進化
 『プロメア』にも影響していると考えられる金田伊功後期のグラフィカル表現の進化について述べています。幾何学模様の作画利用としては当時の先端を切り開いていたと思います。今回の今石監督のグラフィカルな作画演出はそれをさらに先鋭化した感じです。

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2019.05.22

■予告篇 ポーランド映画 Bartosz Konopka監督 "KREW BOGA : 神の血" オリヴィエ・デ・サガザン出演


KREW BOGA - oficjalny zwiastun 長文ですが、以下Youtubeの紹介文(Google翻訳)

"「神の血」は、オスカーにノミネートされた「ベルリンのうさぎ」と受賞歴のある「高みの恐怖」の作者であるBartosz Konopkaの最新作です。演出家の前作からのこの独特で逸脱した美学は中世に設定されていますが、ニコラス・ワインディング・レフナの妥協のない作品や連載「ゲーム・オブ・スローンズ」を彷彿とさせる形で。

 映画の主なキャスティングは次のとおりです。KrzysztofPieczyński( "Belfer"、 "Grain of Truth"、 "Jack Strong")、Karol Bernacki( "Amok")、Jacek Koman( "Moulin Rouge!"、 "Son of a Gun"、 "ヨーロッパでよく知られているワルシャワの国立劇場の女優、ヴィクトリアの俳優Jan Bijvoet( "Peaky Blinders"、 "In Darkness")、Jeroen Perceval( "The Bull's Head"、 "The Day")、そして最も現代的な出演者 - フランス人オリヴィエ・デ・サガザン

 ゴールデンライオンズにノミネートされた「神の血」は、JacekPodgórskiの写真でグディニアで開催された43.ポーランド長編映画祭で高く評価されました。絵画はまた、第41回モスクワ国際映画祭のプログラムに含まれていました。

中世初期。最後の異教徒の島では、騎士のWillibrord(KrzysztofPieczyński)が奇跡的に死を免れました。猛烈な運命を経験したが、戦闘中の戦士で、彼は、名のない者(カロル・ベルナッキ)の助けを借りずに亡くなったでしょう。世界観や宗教への取り組みに違いがあるにもかかわらず、男性は旅行の仲間となります。彼らは彼らの共通の目標によって結合された彼らの旅行を続けます - 彼らは山に隠された異邦人居留地を見つけて洗礼を受けたいです。住人のキリスト教化は切迫した運命からそれらを救うための唯一の方法ですが、英雄の使命は異邦人の司祭と彼らの指導者、Geowoldを保つことを試みるでしょう。彼らの行動は異星人の見解をすばらしい試練にさらします。

 しかし、「古い信仰」の最後の砦では、WillibrordとThe Unknownは予想外の味方を頼りにすることができます。それはPrahwe - Geowoldのカリスマ的娘です。すぐに、愛は憎しみ、暴力との対話、規則との狂気に直面し、そして多くの人が死ななければならなくなるでしょう..."

 当ブログでたびたび紹介しているフランスの人体変容 生パフォーマンス アーティストのオリビエ・デ・サガザンが出演しているポーランド映画の予告篇。

 作品は、サガザンがドルイドの魔術師を演じ、その変容パフォーマンスを劇中で観せるようである。予告篇にも一部映っているが、日本でも公開されその全貌が見られるといいのだけれど、、、。

◆関連リンク
・ヴァルトスツ・コノプカ監督の過去作ドキュメンタリー『ベルリンの野うさぎ』について

"今年のアカデミー短編ドキュメンタリーにノミネートされた作品が、昨年NHKのBSドキュメンタリーで放映されていました。先日再放送があったのでようやく視聴!

原題: Rabbit a la Berlin
制作: MS Films / ma.ja.de Filmproduktion (ポーランド/ドイツ 2009年)"

The Mute / Krew Boga(公式Facebook)
・以下、おまけ

 


Teaser performance Hybridation
オリビエ・デ・サガザンとステファニー・サントによる融合パフォーマンス。
Olivier de Sagazan "Hybridation with Stephanie Sant"
かなりショッキングな映像ですので、ご注意ください。
人間の融合のリアルタイムパフォーマンス !

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2019.05.20

■感想 「櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展」@東京ドームシティGallery AaMo

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「櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展」 @ 後楽園

" 日本唯一のアウトサイダー・キュレーター 櫛野展正さんによる「アウトサイド・ジャパン 日本のアウトサイダー・アート」の刊行を記念した初の大規模展覧会『櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展』を、2019年4月12日(金)~5月19日(日)の期間開催します。

 本展では、櫛野展正さんによる、障がいの有無にかかわらず、70名を超える、表現せずには生きられない、表現者と呼ぶにふさわしい隠れた芸術家たちの作品2,000点以上が一堂に会します。書籍「アウトサイド・ジャパン 日本のアウトサイダー・アート」に登場する注目のアーティストによる作品を中心に、「ヤンキー文化」や「シルバーアート(老人アート)」などの芸術作品「アウトサイダー・アート」の驚きの作品の数々が並ぶ展覧会です。"

 ゴールデンウィークの4/29()に、バラエティに富んだプリミティブアートを堪能しました。
 タイミングがあって、櫛野氏のギャラリートークも聴けて、各作家のエピソードと個性に圧倒されつつ、人の精神のワンダーに潜入していくダイナミズムに、爆笑したり感応し過ぎてちょっとグッタリ感も(^^;)

 ここでのアウトサイダーは、「障害のあるなしにかかわらず、表現せずには生きられない、表現者と呼ぶにふさわしい隠れた芸術家たち」の探索を目指してるとか。

 例えるなら、「探偵ナイトスクープ」の人の深奥を覗いたような濃いエピソードとパラダイスエピソードを10本続けて観たような疲労感(^^)。
 以下、そのほんの一角の写真と簡単な感想レポートです。

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 栃木県の「創作仮面館」ストレンジナイト氏の作品。新聞配達をしてひとりでマスクを作り続けていたアーティスト。亡くなった後に実は家族もあり、作家像そのものがフィクションだとわかったとか。密集した仮面の迫力が圧倒的。是非リンク先の「創作仮面館」の写真も見てください。素晴らしい奇想の迫力。

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 左は戦隊モノに憧れてコスチュームと動画を作り続ける兵庫県の伊勢田勝行氏の作品。動画は戦隊アニメーションで声もご本人。好きであるということのパワーを体感できます。
 まん中は広島県のスギノイチヲ氏の顔模倣写真。
 右は「蝋プロ」松崎覚氏の、三島由紀夫とマイケル・ジャクソン、高精細の蝋人形。髭の一本一本まで植えられてました。確認のため顔を3cmほどの距離に接近。何故か赤面するほどのリアル(^^)。リンク先 「蝋プロ」のHPには芥川龍之介、ダリ、ピカソ、ジョン・レノンの素晴らしい造形があります。

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 左 広島県「ホラー喫茶 伴天連」藤田喜代男氏の動物の骨を加工したオブジェ。この奇怪な造形は一度見たら呪われそうな迫力です。(関連リンク 喫茶 伴天連インスタグラム)
 中央 群馬県 稲村米治氏の「昆虫新田義貞像」本物の昆虫約5千匹をピン留し作成。2万匹以上を使った「昆虫千手観音像」もあるらしい。
 右 史上最年長で東京造形大の学生となった 東京都 一つ桺 恋路氏の「落ち武者」、こちらも蝉の抜け殻、手羽先の骨等の「亡骸」で作られた「死者」のアート。

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 左 久留米市の「カラフルおじさん」こと富松義孝氏の衣装と自転車。過剰な色もアウトサイダーの注目ポイントです。
 中央 広島の山の中で奇妙なスナック「ジルバ」を経営している城田貞夫氏のカラクリ人形作品。まさに「探偵ナイトスクープ」のパラダイスのごとしw。
 
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 まん中 杉作J太郎氏のカジュアル書道。ひとつづつがわらけます。
 左と右 愛知県 村上千洋子 茂樹夫妻のシルクスクリーンのブローチ。ナムジュン・パイクとヨーゼフ・ボイス。フランシス・ベーコンとウィリアム・バロウズという取り合わせがいい感じ。

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 広島で清掃員をしながら芸術しているガタロ氏の作品。右が毎日、掃除後の雑巾をスケッチした1年分の作品群。圧巻です。

◆関連リンク
クシノテラス
櫛野展正『アウトサイド・ジャパン 日本のアウトサイダー・アート』(Amazon)
 こちらが櫛野展正 さんの著作。ここでも紹介したアーティストほか、とても興味深い人々が登場しています。是非。

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2019.05.15

■感想 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督、ケヴィン・ファイギ製作『アベンジャーズ/エンドゲーム』

Marvel Studios' Avengers: Endgame - Official Trailer

 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督、ケヴィン・ファイギ製作『アベンジャーズ/エンドゲーム』@109シネマズ名古屋 IMAXレーザー3Dにて、公開初日 4/26(金)の夕方の回に観てきました。観客席は熱いファンにより満席。涙や笑いや拍手にあふれた良い環境での鑑賞となりました。

 4/26で仕事終わって明日からGWというタイミング。今回、GWが来るのより、この映画の公開の方が楽しみだったというくらい、大団円への期待は盛り上がっていたという状態ですw。

 『インフィニティウォー』が最高だったのと、勿論今までの全シリ一ズのレベルの高さから、ここまで期待してる映画が今まであっただろうか、というくらい。ケヴィン・ファイギとMCU監督陣、恐るべし。


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 ネタばれはしないで感想を書きますが、先入観なしで観られたい方は、ここから先は読まないで下さい(^^)。












 前作に引き続き冒頭の寂寥感は凄いレベル。いったいここからどうクライマックスへ持っていくのか、エンタテインメントとして観客を不安のどん底へ落し込む勢い。
 その不安も何その、逆にそこからの高度差で、期待に違わずクライマックスの盛り上がりは素晴らしいものがあります。『アイアンマン』にはじまったストーリーの集大成として、今作、見事に大団円を観せてくれました。

 各キャラクターの見せ方もなかなかのレベル。全作品のいろんなキャラクターたちの多種多様なシーンが走馬灯の様に脳裏を駆け巡ります。そして世界の民族的な課題とかも見せてきたシリーズは見事にアメリカの映画としての結末を見せています。公開初日、熱心なシリーズのファンで満席の場内そこかしこからのすすり泣きとエンドロールへの大きな拍手。熱気の中であっという間の3時間の結末を迎えることが出来ました。


 と凄くホメた後の総論としては、どちらが好きかと言うと僕は『インフィニティウォー』。この結果は今作のメインアイデアとストーリー展開のある一点に不満が残ったからです。冒頭の寂寥感が、物凄いアイデアとたるみのないストーリー展開でこのクライマックスを迎えられていたらな、と思わざるを得なかったのでした。

 にしても今後の心機一転の新生MCUにも期待です(^^)。

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2019.05.13

■感想 「シド・ミード展 未来のリハーサル」@アーツ千代田3331

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 シド・ミード展 未来のリハーサル

"  2019.4/27(sat)▶5/19(sun) アーツ千代田3331 "

 ゴールデンウィークの東京で、4/27(土) シド・ミード展に行ってきました。この日は全く待ち時間なく入れて、まあゆったり見られたのですが(それでもリンチ展の数十倍の観客w)、次の日からは数時間待ちとか大変だったようです。

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 展示作品リストにあるように、150点の作品が展示され、なかなかの圧巻の鑑賞体験でした。
 かつてスターログで初めてシド・ミードの絵を眼にしてから、すでに数十年、彼が幻視した未来に我々は住んでいるわけですが、今見ても古びていない未来描写にため息ばかりの鑑賞でした。

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 アーツ千代田3331は、視野しんのように学校をリノベーションした美術館で、小さく写っていますが、シド・ミード展の隣では「神田祭の元年」展が開催されており、御輿とミードの未来透視力の対比がまたいい味を出していました(^^)。

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OBLAGON AR
 スマホにアプリを入れて、ARでCG化されたミード造形物に近づいて、いろんな角度から観られるのも面白かった。
 写真のようなイラストにアプリOBLAGON AR を入れて、 スマホを絵に向けると、その絵に上書きされてミードの制作過程の下絵であるとか、絵を3D-CG化して、観客が回り込んで絵の中の構造物やメカをいろんな角度から見られるような映像が現れる。
 この趣向は美術の展示会では初めてだったけれど、なかなか素晴らしい、いろんな可能性のある展示形態かと思う。今後の進化が楽しみです。

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2019.05.08

■感想 『特撮映画美術監督 井上泰幸展』@グランドニッコー東京 台場 GALLERY 21

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『井上泰幸展』@グランドニッコー東京 台場

"会期:4月18日(木)〜4月30日(火)
平成の終焉に、昭和の特撮を支えた特撮美術デザイナー井上泰幸の作品展を開催します。
一昨年、創業の地”海老名”で1週間限定で開催された『井上泰幸展』。
「ゴジラ」から「竹取物語」まで、約200点を公開します。
5月31日にハリウッド版GODZILLA公開前に、日本の誇る特撮技術を再確認が必要です!
当然、東宝様よりご協力も賜りましての開催です。
三池敏夫特撮美術監督ギャラリートーク
4月21日日曜日 13:00~
4月28日日曜日 13:00~
4月30日火曜日 13:00~/15:00~"

 井上泰幸展@グランドニッコー東京 台場、入場料無料が信じられない充実のアート展でした。

 写真は禁止だったので撮れなかったけれど、円谷特撮、東宝特撮を支えられた井上泰幸特撮美術監督の画面設計、美術造形設定の絵画とスケッチと造形物で拝見でき、映像で興奮したあの映画のシーンが正にこの肉筆の絵コンテとスケッチから生まれたという臨場感が素晴らしい。

 絵画としては、『怪獣総進撃』のゴジラとクモンガの対峙シーンとヘドラの初期デザインが白眉。浅学にして、井上泰幸さんというとメカやセットのイメージが強かったけれど、怪獣の絵のフォルムやタッチが迫真の迫力で感動的でした。

 さらに三池敏夫特撮美術監督のギャラリートークを拝聴。30名ほどの観客に円形のホールに並べられた作品を端から円の2周分、1時間以上に渡り熱心に、井上泰幸さんから直接聴かれた話を交えて語られた興味深いお話に引き込まれて聴講。話を聴きながらさらにじっくり作品を見られて、贅沢な時間でした。

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 一番の驚きは、井上泰幸さんが脚本の文字から絵コンテを起こしそれを元に大道具と小道具、セットを制作。その後、円谷監督が撮影、セットの造作の制限の中で撮影されるため、ショットがかなり最初の井上泰幸さんの絵コンテが画面作りに大きく影響していたとのお話。

 質問すると、円谷監督は最初、脚本から映像のイメージについて、井上泰幸さんと語り合った後は、絵コンテはほとんどチェックせず井上泰幸さんにセットを任せていたという。それだけ井上さんの画面作りを信頼されていたということのようです。

 それを聴いて、『サンダ対ガイラ』等の絵コンテから美術造形メモまで観ると、正にこの肉筆があの映像のイメージの源なんだと更に感慨深く感じられました。特に『三大怪獣 地球最大の決戦』のキングギドラ誕生シーンは、僕の東宝特撮NO.1に興奮した映像なので、最高でした。 

 素晴らしい展示会をありがとうございました。

◆関連リンク
井上泰幸(wiki)

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2019.05.06

■感想 「デヴィッド ・ リンチ 精神的辺境の帝国」展@ 渋谷 GYRE GALLERY

"デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国
会期:2019年4月19日〜6月23日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE3階
開館時間:11:00〜20:00
入場料金 : 無料
休館日:無休"

 「デヴィッド ・ リンチ_精神的辺境の帝国」展@ 渋谷 GYRE GALLERY、ゴールデンウィークに観てきました。
 今回、会場は自由に写真撮影可ということで、多数撮ってきましたので、今回は写真レポートということにします。

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 会場にブラックロッジが存在し、赤いカーテンの部屋でリンチの2015年の「FiRE (PoZaR)」という短篇アニメーションを体験できます。

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 短編はリンチのドローイングをアニメーションとして動かしたものでストレンジな雰囲気を堪能できる作品です。この記事のラストにその一部動画を引用しておきます。全篇を是非会場でごらんください。

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 会場は思ったより規模が大きく、ペインティング7点、ドローイング3点、工業地帯の写真22点、水彩画12点をじっくり堪能できます。何と無料で。

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 リンチの油絵の具を盛った独特の絵画がとても好きなので、今回もこれらに見惚れて帰ってきました。

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  そしてGYREのビル内は地下から5Fまでの吹き抜けがこの展示のチラシのタワーによって、デイヴィッド・リンチの精神的辺境の帝国として空間を支配されています。この吹き抜けだけでもリンチファン必見です。

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 同じフロアにあるMoMAショップではリンチデザインのスピーカーが販売されていました。この値段では僕は手が出ないですが、ファンの方は是非ご検討ください。

◆動画「FiRE (PoZaR)」一部引用 

 

■もうひとつのリンチ展
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 そして会場で配布されていたチラシ。「デヴィッド・リンチ 昏い幻想 David Lynch Industrial Fantasy」というもう1つの展示会が5/10から、「精神的辺境の帝国」展のキュレーターでもある飯田高誉氏が主宰する スクールデレック芸術社会学研究所で金土日開催(火水木は事前予約性)とのこと!こちらは「Industrial Fantasy」と名付けられていることからリンチの写真中心なのかもしれません。まだスクールデレック芸術社会学研究所の公式HPには詳細が記載されていないため、今後の情報に注目です。

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