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2019.11.25

■感想1 「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」@森美術館

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未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか (公式サイト)

"豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何か
2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)"

 東京出張の帰りに「未来と芸術」展 @ 森美術館 観てきた。

 AIが都市や建築、衣装や映像を創り、バイオ技術が神経細胞による音楽やバッハの耳や進化したベビーを生み出し、3Dプリンタが人造寿司や月面基地を作り出すおぞましくも輝かしい未来。本業側で聴いたAIによる異様な知性の話とともに印象的な1日になりました。

 一番強いインパクトを受けた映像は、1番目の写真にある、メモ・アクテン「深い瞑想:60分で見る、ほとんど「すべて」の略史」という作品。どこにもないが、何処かでいつか観た様な異様な、AIが創り出した自然の光景。時間が許せば、いつまでも観てたい魅力の奇想映像。

 そして「未来の芸術」展、最後のコーナーにそうした未来を予見した手塚治虫と諸星大二郎の原画が置かれていたのが象徴的な、素敵に不気味な展示会体験でした。※

 その最後のコーナーのタイトルは「人類の変容」、ここはブルース・スターリングの描いた未来を垣間みせるバイオな超人を夢見るコーナーw。そういえば、この展示でSF作家の小説との連関が示されたり、小説の世界が紹介されてなかったのは残念。(一部、展示キャプションにいささか唐突にP.K.ディックの言葉は出てくるが、作品の引用とは言えない)

 あとメモしときたいのは、AI各作品で感じた<アウトサイダーアート>感。AIの同じ計算を根気よく延々繰り返して創り出す奇想は、「アウトサイダーアート」展で見た数々の奇想作品と肌合いが似ている。これがどこから来る印象かはもう少し考え続けてみたいと思う。とりあえず思いつく言葉は、スターリングとも通じる、デッドテックでパンクでゴミガジェットっぽい感じでしょうか…。

※手塚作品『火の鳥 未来篇』、諸星作品「夢見る機械」『暗黒神話』『孔子暗黒伝』『マッドメン』「失楽園」。

◆個別作品の写真とレポート

 以下、個別写真の紹介と簡単なレポートです。

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 MADアーキテクツ「山水都市リサーチ」と ハッセルスタジオ+EOC「NASA 3Dプリンター製住居コンペ案」。
 後者は、CG動画による3Dプリンターの建築の様子も並設され左かなか。

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 SF映画とアニメからポスターと映像を紹介した五十嵐太郎「映画に見る未来都市」とウォーターフロントの未来都市に映像によるAR/MR的な表現を加えた経産省「2025年大阪・関西万博誘地計画案」。

 ここで取り上げられるのは、アキラ、攻殻機動隊、メトロポリス、TRON、ブラックパンサー、レディプレイヤーワン、ブレードランナー、エヴァンゲリオン、といった作品。しかし都市の未来は特にディスプレイされておらず残念。

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 エコ・ロジック・スタジオ 「H.O. R.T.U.S. XL アスタキサンチンg」。
 3Dプリンタによる建築プロトタイプ。六本木ヒルズからの眺望とこの立体模型の組合せがなかなかのセンスオブワンダー。

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 ニュー・テリトリーズ/フランソワ・ロッシュ「気分の建築」(以下、展示キャプションの 引用です)

"(略)「気分の建築」の基盤となっているのは、欲望の表出に内在する矛盾を再読することである。(略)言語の秩序と建築家の協調組合主義的な利便性や慣習に揺さぶりをかけるという立場から、「誤解」と抵抗のプロセスを物理的に構築するために、言語が持つ偽装のメカニズムに侵入することである。(略)現在、AIによるディープラーニングや演算ロボットのような、機械設備、工学技術、科学の専門知識と制御が、権力構造を維持および再現するための主な方法となっている。それに対する解毒剤を打つ時が来ているのだ。

「この世界がひどいと思うなら、別の世界に目をむけるべきだ」フィリップ・K・ディック "

 相当に難解な内容で今ひとつ理解できないですが、表現したいことは何となく伝わってきます。AIによるジェネレイティブデザインという先端の技術が人の言語や欲望と紐付けられ、なかなかワクワクする造形になっています。引用されていたディックの言葉ともう少しリンクしていると良かったかと。

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 OPEN MEAL「スシ・シンギュラリティ」。

 食の四原色SSSB(ソルティ、スイート、サワー、ビター)で寿司をデータ化、米粉、寒天、大豆、海藻など原材料のジェルを素材とし3Dプリンタやロボットアームで造形化するコンセプト。寿司という日本の食文化は、回転寿司というテクノロジーとの融合(一部の寿司は機械で握られているものもあった)で我々の現実に定着しているけれど、今後、IT(3Dプリンタ)、バイオ技術との融合でこうした奇妙奇天烈なものも出てくる可能性をどこか想像させる。しかし、寿司に「シンギュラリティ」の言葉がくっつく時代が来ようとは、、、!!

 ここまでで全体の半分、残りは次回の記事とさせて頂きます。この後がバイオ技術で奇妙な歪んだ未来が提示されていきます。

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