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2020年4月

2020.04.29

■感想 神山健治 × 荒牧伸志 監督『攻殻機動隊 SAC_2045』


『攻殻機動隊 SAC_2045』| クリップ | タチコマが大活躍!カーチェイスバトル
 4/24に世界配信が始まった『攻殻機動隊SAC2045』@Netflix にて、1-12話、いっき観しました(2日間に分けて)。

 神山健治攻殻に久々浸れて幸せ(^^)。明日も仕事なので、グッと我慢で半分までで泣く泣く止めました。

 『009』『ULTRAMAN』に続くセルルックとフォトリアルの間くらいのCGで描かれる“公安9課”。この独特な映画感覚は何なんでしょう。さすがに人物のアップ(特に荒巻)の違和感には眼をつぶりつつ観ていると何とも言えない独自のリアリティが立ち上がってくる。まさにSAC世界がグニュッとリアル世界に首を突っ込んできたような異質な感覚。

 そして描かれる「アレ」。このCGルックだからこそ異様さが引き立つ奇怪な存在がこの後どう描かれていくのか、これはもう明日の晩に12話までいっきに観ることになるでしょう(^^)。

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 そして、第7〜12話、金曜にいっき観。
 ええぇ〜〜ここで終わる!?こりゃあシーズン2を即配信しないと駄目でしょう!

 この話数では、舞台を日本に移し、アレを追う9課。
 空挺部隊とか1984とか魅力的なテーマが散りばめられています。

 そして何と言っても、スリムだけれど武装を強化したタチコマが今回も最高。やはりタチコマあってのSACです。可愛くて手元に置きたいこと必至。フィギュアを検索すると…。

◆関連リンク
『攻殻機動隊 SAC_2045』ROBOT魂
 もうフィギュアも出てるんですね。これは欲しい!

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2020.04.27

■感想 関根光才監督 ドキュメンタリー映画『太陽の塔』


『太陽の塔』予告編

 関根光才監督 ドキュメンタリー『太陽の塔』Bluray初見。

 テレビでやる様な、万博の企画から制作までのドキュメンタリーかと思って見始めたら、何とこれは関係者への取材というより(そうした部分も前半に一部あるけれど)、学者からアーティストといった『太陽の塔』に関心を持つ人たちの、太陽の塔の分析をインタビューで追いかけたもの。

 太郎が留学先のパリ大学でマルセル・モースから民族学を学び、バタイユと知り合ってバタイユの作った秘密結社に参加したり、といったところから、帰国後の沖縄の習俗、東北の縄文に触れていく過程。特に縄文の火焔土器と獣との共生といった概念に日本人の本質を見ようとするところが、丁寧に描かれている。

 特に岩手の「地域の平安と悪霊の退散を祈願する鹿踊」の映像とアイヌの習俗を映像で示したところが、岡本太郎の思想を映像的に表現できているのではないだろうか。

 映画は、この後、太陽の塔とほぼ同時期に構想されていた「明日の神話」/Chim↑Pom事件経由で、311の原子力と日本人の関わりについて綴っていく。ここはある意味、太郎から飛躍して描かれている部分にも思えたが、監督と製作陣の受け止めた太郎の思想を受けとめた想いが結集しているのだろう。

 最後のパートも圧巻で、南方熊楠の粘菌と太陽の塔の地下の単細胞生物に込められた太郎の思いをつなぎ、曼陀羅とチベットへと世界を広げていく。

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 そして太陽の塔とチベットのトルマ:Torma(上画像 右)という太陽への供物の形の相似から、太郎の人の原意識みたいなものに触れていた感覚を描き出している。ここはチベットの僧の言葉と中沢新一の分析であるが、こうした解析は読んだことがなかったので、とても興味深かった。

 そして映画のイマジネーションは、冒頭と節々で描かれている未来と思われる日本の風景の中で、荒野となった千里の地に残された太陽の塔が未来人に与える畏怖を映し出す。

 思想的/哲学的分析と、さらにそうした空想の映像、そして「明日の神話」の前で、ダンサーの菅原小雪が絵から受けたイメージで身体を自然に動かしていくダンスで示された、そうした多面的な岡本太郎のイマジネーションが映像として焼き付けられていて、とても密度の高い太陽の塔映画となっていました。

 太郎のあの像に関心持つ方には興味深い映画になっていると思います。

◆関連リンク
「太陽の塔」誕生秘話 (風の旅行社)

"時は1960年代、大阪万博開催の数年前。
岡本太郎が、東京の池袋で、日本滞在中のチベット人の僧と出会った。
そのとき、彼が僧から写真を見せられながら、教示を受けたのが、チベットの供物であるトルマであった。

トルマは、チベットに仏教が入ってくる前にあった人身供養の習慣の名残りだという。
たしかに、その膨らみ具合(上部と下部の二箇所あるものが多い)には、何かしら女体を彷彿とさせるし、赤色に染めるのは、血の跡、だとも言われている。

我らが岡本太郎は、このトルマの写真を見て驚愕し、「原初と未来が同時に見られる不思議なもん」(*)と語ったという。

(*)部分は、岡本太郎の上のエピソードを筆者に初めてご教示くださった、友人であるS氏(共同通信社)の配信記事からの孫引きである。"

 トルマについてはネットにこうした説明がされていました。映画での説明とは矛盾しています。真偽は確認できませんが、岡本太郎にインスピレーションを与える何かがあったのかもしれないですね。

映画『太陽の塔』とは? 監督・関根光才に訊く6つのこと。

"事前にシナリオは作りましたが、ナレーションでこちらに都合のいいように導いてしまったら話が小さくなると思ったんです。自分のイメージから外に出ていって欲しかった。バックグラウンドとしてのシナリオはあるけど、みなさんがそれぞれに話していることが、あたかも人間の大きな意識のように繋がっている。まるで曼荼羅のように。そうなればもっとスケールが大きなものになると。"

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2020.04.22

■感想 マイク・フラナガン監督、スティーヴン・キング原作『ジェラルドのゲーム』


Gerald's Game | Official Trailer [HD] | Netflix

 在宅勤務になり、毎日4時間の通勤時間がなくなり、一日一本の映画を日課にしようと誓って3日目。マイク・フラナガン監督、スティーヴン・キング原作『ジェラルドのゲーム』@Netflixで観ました。

 良作の多いキング原作映画としても上位と考えていいのではないでしょうか。ちょっとネタはありがちなんですが、細部で見せます。

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 特に恐怖を盛り上げる手腕と日蝕の映像、そして『ツイン・ピークス』ファンは見逃せないあの人が、幻想の存在として登場するシーンがとても深くて良いです。

 原作は物凄く昔に読んだ記憶ですが、全く忘却していましたw。

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2020.04.20

■感想 越川道夫監督『海辺の生と死』


満島ひかり 『群青』

"2017年7月に劇場公開され、4年ぶりの満島ひかり単独主演で話題となっている映画「海辺の生と死」。
戦後文学史に強烈な印象を残す傑作「死の棘」を世に放った島尾敏雄と、その妻である島尾ミホ。この夫婦の生き様と、物語の舞台となった奄美群島・加計呂麻島から美しいイマジネーションを受けた満島ひかり自身が、映画とはまた違ったアプローチで“愛のものがたり”を語りつぎたいと、EGO-WRAPPIN’に楽曲提供のオファーをし、その思いにふたりが共鳴する形で誕生した音楽作品「群青」。"

 越川道夫監督『海辺の生と死』WOWOW録画、観ました。

 大ファンの満島ひかり主演作だけれど、なぜか"積ん読"になっていた作品。
 奄美の島の異世界感と静かに佇む満島の姿が素晴らしい映画でした。

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 特にまず奄美独特の言語のイントネーションが異世界。歌も含めて、こうした異質な世界を描き出したことが映画に深みをもたらしている。そして夜の村で悪霊を払おうと「帰れ、帰れ」と山道を走る老人(この右の写真の左の方、何という俳優なのでしょう)。この二つの要素で日本に異世界が出現している。

 話はある意味、凄く通俗なのだけれど、この奄美描写と満島ひかりはじめとした俳優陣の佇まいがとにかく映画をある高みに持ち上げている。主人公の父を演じた、アニメ声優として著名な津嘉山 正種氏(この右の写真の右の方)の演技も抑えた様がとてもよい。

 この後、島尾 敏雄とミホ夫妻の話は、『死の棘』へ進んでいくわけだけれど、原作も小栗康平の映画も観ていないので、怖いもの見たさになっている。

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2020.04.15

■感想 湯浅政明監督『DEVILMAN crybaby』 : デビルマンクライベイビー


トラウマ的衝撃に備えよ!『DEVILMAN crybaby』スペシャルムービー

 Netflixに入った最大の理由、湯浅政明監督『DEVILMAN crybaby』をコロナによる緊急事態宣言下のStay Homeで、1-10話240分一気観。
 4時間もあったとは思えない、デビルマン体験の幸福な時間でした。

 湯浅政明監督の演出の妙は、悪魔と人間の各種描写で縦横に発揮されている。特にタイトルになっている"crybaby"な描写が素晴らしい。永井豪『デビルマン』の世界をまさにこの切り口で捉え直し、冒頭の明と了の描写からはじまり、美樹とミーコの描き方、シレーヌとカイムのエピソード。これらが全て"crybaby"というテーマに収束させる手腕は素晴らしい。
 
 そして「デビルデザイン・デビルキャラ作画監督」アニメーター押山清高氏による、情念と悲しみを表象したDEVILMANのイメージが凄く良い。 
 
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 クライマックス、永井豪が原作で描かないことにより壮大なヴィジュアルを想起させたアルマゲドンのシーンが正面から描かれる。
 初めてみるデーモン軍団とデビルマン軍団の壮絶な闘いは、僕たちの心の中の想像力のビジョンを超えて、ついに眼前で映像化された。

 イマジネーションが幻惑的に拡大していく湯浅監督のアニメーションの特質。これにより描き出されたアルマゲドンに酔いしれました。
 『映像研には、手を出すな!』に続き、この後、湯浅監督による小松左京『日本沈没』と古川日出男『犬王』のイマジネーションの炸裂も楽しみでならない。

◆関連リンク
園子温が語る"Devilman Crybaby"

" 躍動している部分と静止画とをうまくミックスさせてますよね。例えば鋭い爪が肉を引き裂き、飛沫が飛ぶ描写なんかは細かく描き込む一方で、デビルマンそのものはシルエットでしか見せなかったりする。そのシンプルさがかえって、禍々しい迫力を醸し出したりしていて。こういう演出のリズムは、作り手としても共感できます。
 あくまでも原作に忠実にありつつも、まるで見たことない初めての映画を見ているかのようなスリリングな興奮があり、後半は、怒涛の展開で時間を忘れて見入ってしまいました。必見です!"

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2020.04.13

■感想 塚本晋也監督『斬、』


池松壮亮×蒼井優!塚本晋也監督作『斬、』予告編

 塚本晋也監督『斬、』WOWOW録画初見。
 凄い作品でした。素晴らしい。

 刀の鍛造シーンの鮮烈な映像からはじまり、ラストの森のシーンまで息を詰めて一気に見せられる80分。

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 まず塚本晋也の浪人が凄い。『七人の侍』の勘兵と久蔵を合わせて、さらにクールな残酷さを持たせた武士。まさに「斬」を体現した様な刃物の様な侍。

 そして野党を演じた中村達也という役者の存在感も圧倒的。調べてみるとこの方、元はBLANKEY JET CITYのドラマーだったミュージシャンの方らしい。凄まじい凄惨な面構え。

 物語の縦軸は農村を手伝う浪人が、幕末の江戸へ出立しようとするところに、野党が現れるところから動き始め、想像した物語が異様な形に変容する。変容の様の中で、主人公の池松壮亮と蒼井優の制御しきれない精神性が表出。

 この二人の心的な描写が人の多面性を見事に描いていて、縦軸の物語に深淵をもたらしている。この横軸が実は映画のテーマかもしれないという表出。一旦、縦軸で構築された端正な物語が、この横軸で喰い破られていくダイナミズムと、森の静けさがこの映画を傑作にしているのだと思う。

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 まだ塚本監督作品は半分位しか観ていないけれど、僕には本作が今のところベストワンになりました。いや〜素晴らしかった。
映像としては手持ちカメラの特性がいかんなく発揮され、一旦これも端正に作り出された恐ろしくキレのある殺陣を、このカメラのブレが映画に幅を持たせている。

 最後に本作の音楽、 塚本作品を多数手掛けている石川忠氏によるものだが、制作中に亡くなったため、塚本が編集し完成させたとのこと。魅力的な映像を見事に複層的な映画にしていたのは、まさにこの映画音楽によるものである。

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2020.04.06

■感想 ロバート・ゼメキス監督『ザ・ウォーク』


The Walk Virtual Reality Experience- Playstation VR
 ロバート・ゼメキス監督『ザ・ウォーク』ブルーレイ3D 初見。

 いやー、舐めてましたこの映画。すみません、ロバート・ゼメキス ! 公開当時、興味はあったのだけれど、どうも実話ベースというのが、少々引っかかっていて、3D好きとして恥ずべきですがw、劇場に足を運びませんでした。

 今回、ヤフオクで安く3Dが出ていたので(毎日くじで30%還元もあったしw)購入したのですが、本当にワールドトレードセンター(WTC)で綱渡りする様な擬似体験が得られました。

 ワイヤを張るところが、まるでケイパーもので、ここからが既に手に汗握り、そしてさらにクライマックスの綱渡りが、、、。

 ここからはネタバレになるので、展開については言いませんが、もうよしてくれ〜な恐ろしさ。あ、高所恐怖症気味なので(^^)。もうここまで手に汗握った映画は、ここ最近、ありませんでした。

 3Dならではの臨場感がいかんなく発揮されています。

 これ、VRに凄く向いたコンテンツだな、是非体験したい、と思ったら、何とPS VR等で出ていたのですね。高所恐怖なので、プレイできないかもしれないけれど、高度411m 360°のニューヨーク上空の光景の中、あの細いワイヤを渡るヴァーチャルは、きっと映画より凄いでしょう。

 映画のラスト、舞台がWTCであることが最大限に活かされ、NY市民が持っていたWTCのイメージをあのツインタワーの夕焼けの情景に焼き付けたシーンは白眉でした。ゼメキス、素晴らしいです。

◆関連リンク
マン・オン・ワイヤー スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

"Disc1:本編+予告編(日本版/イギリス版)
Disc2:特典映像集・アニメ『綱渡りの男』(The man who walk to between the towers)
声:ジェイク・ギレンホール(「ブローク・バック・マウンテン」)〈10分〉・プティ来日ゲリラパフォーマンス〈28分〉・プティ来日記者会見〈5分〉"

 こちらは実物のドキュメント映像。この映画を観たら、絶対観たくなるDVDですね。ポチるしかないか(^^)。

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2020.04.01

■感想 キース・フルトン, ルイス・ペペ監督『ロスト・イン・ラマンチャ』


『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』【1月24日(金)公開】特別映像&『ロスト・イン・ラ・マンチャ』予告映像

 キース・フルトン, ルイス・ペペ監督『ロスト・イン・ラマンチャ』WOWOW録画初見。

 公開された『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』を観てから随分と間が空いてしまったが、2000年に頓挫したギリアムの映画制作を追ったドキュメンタリーを観た。

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 61歳のギリアムの映画にかける姿が克明に見られる貴重なドキュメント。考えたら、ほとんどギリアム映画のメイキングは観たことがなかったので、この映画の中盤で描かれている、才気あふれ、稚気丸出しで自らのイマジネーションを膨らませて映画を構想するギリアムの姿はとても眩しかった。中盤の撮影直前の引用した写真辺りが特に素晴らしい。

 ドン・キホーテの衣装合わせでのジャン・ロシュフォールの目を讃えるギリアムの言葉。「最高だ 大傑作になるぞ。表情が実に素晴らしい、特に目が印象的だ。見事な演技、衣装、セット、ロケ。並外れた映画になる。美しく、そして同時に恐るべき作品となる」。

 ドキュメントでここまでに描かれていた巨人のカット、ギリアムのイメージスケッチ等を見ている僕の頭の中に、確かにギリアムが幻視していたイメージが少しだけ垣間見えて、その「並外れた映画」が瞬間、立ち現れる。この役者とこのタイミングでのギリアムとそしてスタッフのみで撮れたであろう幻の映画がここで解凍され観客の頭の中に展開される。

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 2020年の日本の現実に現れた『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は、ストーリーもここからは大きく変貌し、役者もジャン・ロシュフォール、ジョニー・デップから、ジョナサン・プライスとアダム・ドライバーに変化し、そして監督したギリアムも70代後半になって、そのイマジネーションと制作モチベーションも変化している。

 ジョナサン・プライスとアダム・ドライバーによる新しいドン・キホーテも現実が捻れる幻想性を獲得し、なかなか素晴らしい映画であったけれど、今回少しだけ幻視した「並外れた映画」ではなかった。この映画が完成しなかったのは残念でならないが、ここで描かれた苦難の末に完成したとしても、ギリアムのイマジネーションはかなり制限されたものになっていただろうことが想像できるため、今となっては完成しなかったのが良かったのか、悪かったのかは正に映画の神のみぞ知るである。

◆関連リンク
テリー・ギリアムのドン・キホーテ(wiki)
 こちらにギリアムのチャレンジの歴史の全体像が、書かれています。

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