2008.07.16

■イベントーク「シュヴァンクマイエル展」
   @ 愛知県文化情報センター

 ~ゆらゆら大陸~のununさんから情報をいただきました。
 地元名古屋でのシュヴァンクマイエルの美術展は初めてなので、東海地方のファンにはとても嬉しい。まだ愛知県文化情報センター公式HPでも詳しくは触れられていない情報です。

 ununさん、ありがとうございます。長文ですが引用させていただきます。

イベントーク「シュヴァンクマイエル展」

■会期:2008年8月26日(火)~31日(日)
■会場:アートスペースG(愛知芸術文化センター12階)
■主催:愛知芸術文化センター企画事業実行委員会(愛知芸術文化センター、 中日新聞社、東海テレビ放送)
■企画・制作:愛知県文化情報センター(名古屋市東区東桜1-13-2、
     Tel.052-971-5511 内線724、Fax.052-971-5644)
■後援:チェコセンター〈予定〉
■企画協力:株式会社レンコーポレーション
■入場料:500円程度を想定

■主旨
 「イベントーク」は、愛知芸術文化センターが開館した1992年以来、継続している 企画で、身体を統一テーマに、様々な芸術ジャンルの先端的な状況を、横断的に切 り取り紹介してきました。身体は、インターネットの進展などにより、ヴァーチャ ルな電子情報空間の重みがしだいに増してゆく状況において、いわばその対極にあ るものとして位置づけられ、それゆえ、私たちが生きる現代社会を相対化し、考察する上で、極めて有効なキーワードであるといえるでしょう。
 チェコの映像作家ヤン・シュヴァンクマイエルは、粘土や人形、オブジェ、実写映 像など、様々な要素を組み合わせ、コラージュし、融合する、独特かつ特異な手法 のアニメーションで知られるアーティストです。彼が提示する、変形、融合し、時 に崩壊する異形の身体像は、シュルレアリスムの論理を独自に追求した、現代社会にある歪みや抑圧を視覚化したものといえますが、同時にその独特なイメージの飛 躍によって、観る者に諧謔やユーモアを感じさせ、奥行きの深い世界を実現してい ます。
 シュヴァンクマイエルは、近年、日本でも若者を中心に熱狂的な支持を集めていま すが、一般に広く知られているのはアニメーション映画で、これは彼の表現の一側面にすぎません。彼自身、自分はシュルレアリストであって、アニメーションはそ れを実現する手段の一つに過ぎない、と発言しているように、本来の姿は、様々な手法の作品を手掛ける、総合的なアーティストというべき存在です。この展覧会では、平面のコラージュ作品を中心に展示を行い、造形美術の仕事をまとまった形で 紹介することで、その一端を紹介します。

■展示予定作品
『不思議の国のアリス』原画(2006年) 21点
『鏡の国のアリス』原画(2006年) 21点
『人間椅子』原画(2007年) 16点

 昨年のラフォーレ原宿の『 ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展~アリス、あるいは快楽原則~』で展示された作品のようです。

 僕もまた観に行きます。芸術文化センターのあの空間で観るシュヴァンクマイエルがどんな印象をもたらしてくれるか、とても楽しみ。

◆関連リンク
愛知県文化情報センター:自主企画事業.

イベントーク 「シュヴァンクマイエル展」
(アート・アニメーション・フェスティバル2008と同時開催) アートスペースG 8/26~8/31 (予定) パフォーマンスやレクチャー、上映会など異なるジャンルを横断する構成で、気軽に様々なアートに触れることができる「イベントーク」。今回はチェコの映像作家シュヴァンクマイエルの作品を展示するとともに、関連する講演を実施する。

 同時開催の各企画については、以下参照ください。(これもununさん情報です。)

続きを読む "■イベントーク「シュヴァンクマイエル展」
   @ 愛知県文化情報センター"

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2008.06.27

■ドキュメント オン ヤン・シュヴァンクマイエル
  Documentary on Jan Svankmajer

The_animator_of_prague_jan  定点観測しているYoutubeでのヤン・シュヴァンクマイエル関連映像を4つ紹介します。
 詳細はよくわかっていないので、すみませんが皆さん、各ファイルを観て解説をコメントでお寄せいただければ幸いです(^^;;っていいかげん)。

YouTube - Documentary on Jan Svankmajer :
 PART 1/3
 PART2/3  PART 3/3

 TALES FROM PRAGUEというチェコのTV番組におけるシュヴァンクマイエル特集番組(らしい)。

 いくつかの作品の紹介と、FILM WRITERのMichael O'Pray氏が語るシュヴァンクマイエルの世界、という番組。制作風景とシュヴァンクマイエルの言葉が貴重か。

Jan Svankmajer at the 1997 SF International Film Festival

San Francisco International Film Festival's Golden Gate Persistence of Vision Award in 1997

 サンフランシスコのフィルムフェスティバルの授賞式でのシュヴァンクマイエルのコメント。
 通訳(or司会)の女性がやたらとしゃべって笑っているが、いったい何が可笑しいのか。シュヴァンクマイエルがギャグを連発しているとは思えないので、なんだか不思議な光景です。って、ちゃんとヒアリングしろよ>>自分。いや、わからないんです(^^;)。

Jan Svankmajer in conversation
 立ち話のようなシュヴァンクマイエルとの会話ビデオ。

Where is Jan Svankmajer?
 現在のプラハの街で、シュヴァンクマイエルのことを一般の人々に聞き込んでいるビデオ。なんだかこれもよくわからない映像。

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2008.03.20

■ヤン・シュヴァンクマイエル『ワンダフル・サーカス』予告編@ラテルナマギカ
  Kouzelny Cirkus (Wonderful Circus) @ Laterna magika

Wonderful_circus_image1 Laterna magika -Wonderful Circus
  Photogallery
Video (予告編)  

 以前記事にした『Kouzelny Cirkus (Wonderful Circus)』。チェコプラハで1977年からロングラン上演されているEvald Schorm, Jiri Srnec, Jan Svankmajerの3人の共同監督による芝居+人形+映像のチェコの舞台。

 観劇記は上記記事を参考にしていただくとして、シュヴァンクマイエル担当パートの魔術的雰囲気が素晴らしい。

 最近、ヤン・シュヴァンクマイエルの情報がないので、ひさびさにラテルナマギカ劇場のHPを覗いたら、アップデートされて予告編映像が見られるようになってました。
 しかし、残念ながらヤン・シュヴァンクマイエルパートは観られません。この独特の舞台の雰囲気だけですが、お楽しみください。

 リンクのPhotogalleryにあった上の写真はシュヴァンクマイエルパートです。
 ここは人形の面をかぶった役者のシーン。後ろが投影された映像。こういう雰囲気の作品です。

◆関連リンク
YouTube - 15.12.2007 Laterna Magika in Prague
 劇場の外観

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2008.01.01

■潜水謹賀新年

08_new_year_sensui

 あけましておめでとうございます。

 本年も究極映像の探索にお付き合いいただきたく、よろしくお願いします。

 新年の写真は、昨年某所で体験した潜水艦の映像。
 なかなかABYSSな写真になりました。
  (文字がくっきりでなくて、ちょっと不本意。Jpegの欠点?)

 今年はどんな凄い映像に出会えるか、今からワクワクしてます。
 面白い映像を見つけたら、ご一報、よろしくです。

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2007.09.02

■レポート④ ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展(2)
   @ラフォーレミュージアム原宿

 展示会のレポートの続きです。

●人形たちのインパクト

 葉山の展示会の時にインパクトがあったのは、『ファウスト』の人形(『舞台装置』と名づけられた作品)だった。
 今回の展示でも『ファウスト』の人形とセットを使って、『小劇場』という作品が展示されていた。舞台の中のセットと人形は少し前回と違うが、たぶん両脇に立つ巨大な2体の人形は同じもの。
 全体の印象は何故か少し違っていた。照明の関係だろうか。 

 今回、インパクトがあったのは、『悦楽共犯者』の人形二体を使った『ロウバロヴァーとピヴォンカ』という作品。

 会場でこの二体がいる空間は、何かまがまがしいものが漂っていた。前回の『自慰マシーン』の猥雑な空間も相当だったけれど、インパクトではこちらが勝ち。

 その他『アリス』の人形たちによる3つの作品も存在感が素晴らしい。
 前回もあった『兎とボート』の兎の顔は何度観ても飽きない。あとその兎が洋服を脱いで、裸の樹の人形と対峙する『帽子屋』。そして魚の剥製の貴族たちの『家』。

 これらも人形の質感を想像しつつ、シュヴァンクマイエルがどうひとコマづつ、触覚しながら動かしていったかをイメージすると、さらに味わい深い。舞台の横やうしろにも回れるので、いろんな角度からそんな想像をするのが、シュヴァンクマイエルの撮影風景をよりリアルに体感できる。
 

●メデュウム・ドローイング

 エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの作品でとても気になっている『メディウム・ドローイング』であるが、今回も数点紹介されている。前回とは全部異なる作品で13作品。プラス『メディウム・オイル』と名づけられた同様のイメージの油彩の2点。

 いずれも眼や手や顔がモチーフになっていて、それらがなんとも言えない奇妙な、そして病的なタッチで捻じ曲がって描かれている。

 今回、ひとつ気づいたのは、モチーフとして二点に獣(たぶん狼)のイメージが大きく入り込んでいること。エヴァ氏はこうしたイメージをどのように抽出し、何を感じながら描いていたのか。抑圧したイメージが相当に浮かび上がっているので、質問するのが怖い気もするが、ご本人に一度でいいから聞いてみたかったと思う。すでに鬼籍に入られており、これは叶わぬことなのだが、、、。

 作品はいずれも2000年以降の最近のエヴァ作品。

 講座で話があったエヴァが書いていたヤン・シュヴァンクマイエルの映画脚本に、そうしたメディウム・ドローイングの内容が反映していたとしたら、、、。そして美術をエヴァが担当していたら、、、。シュヴァンクマイエル作品の幅をさらに深く広げることになったかもしれないこのイメージの導入は、我々ファンのイマジネーションを広げる。いや、この路線がファンを増やすのか減らすのかは、誰にも分からないのだが、、、。

Jan_svank_sign●触覚の一日としてのサイン会の意味

 そして17:00から整理券の順にサイン会が展示会場の外でスタート。

 順番がまわってきて、図録にサインをしてもらう。一人ひとりの時間が短いので、僕はペトル・ホリーさんを介して、講座がとても有意義だったことと、新作をがんばってください、と伝えただけだった。

 サインの際に握手をするのだけれど、シュヴァンクマイエルの手は大きく柔らかく暖かい感触を僕の手に残した。

 今日は触覚をめぐっていろいろと考えさせられた一日だったのだけれど、この握手の触覚がそんな一日の締めくくりになったのは、素晴らしく印象的で象徴的。

 この手が、あの映画作品のひとコマひとコマを作り出し、触覚実験を感覚していった手なのだ。ごく短い握手だけれど、その手の感触からいろんな触覚の想像を膨らませてしまった。まだ僕の手には、シュヴァンクマイエルの手が経験したいろんな触覚が微かだがイメージとして残っている気がする。その手が持っている感触がPCをタイピングする僕の指からこれら文章で伝わっていたらいいのだけれど、、、。

 このシュルレアリストのサイン会と握手は、触覚というキーワードで他と違う特別な意味を日本のファンにもたらしたのかもしれない。

 行かれた他の皆さんの触覚はいかがでしたか。コメントいただければ幸い。

●ちょっとしたまとめ

 2ヶ月前にダリ展を見に行ったけれど、実はあまり感動しなかった。高校の頃からずいぶん好きだったはずなのに、実物を見てもインパクトを今は受けなかった。

 シュヴァンクマイエルの作品は、ダリに比べると一見美術的な価値は低く見える。知名度はもちろんだが、ダリのがフォーマルな絵画の文脈の中にあり、シュヴァンクマイエルのアートはそこから外れてジャンクな感覚に溢れている。

 ダリ展の年齢層のそれなりに高い客層に対して、今回は若い人がほとんどな会場をみて、ダリが20世紀の代表的シュルレアリスムなら、こちらのジャンクで肉感的なシュヴァンクマイエルがもしかしたら21世紀のそれになるのかも、なんてことを考えていた。

 幻想的なチェコ人形アニメーションの映画作家という現在のシュヴァンクマイエルの位置づけは、しか本来映画の文脈だけでとらえるのでなく、映画にも絵画やオブジェやそうしたアートにも反乱を続ける戦闘的シュルレアリストと捉えなおした方がいいのではないかと思った今回の展示会だった。

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2007.09.01

■レポート③ ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展(1)
   @ラフォーレミュージアム原宿

Laforet_svank ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展
~アリス、あるいは快楽原則~
(公式HP)

夢と現実、秩序と混乱・・・
カオスを漂うシュヴァンクマイエルの自由世界へようこそ

会場/ラフォーレミュージアム原宿
期間/2007.8月25日~9月12日

 待望の美術展がスタートした8/25に、観てきました。

 既にレポートした朝日カルチャーセンターの講座とあわせて、東京へ出かけることにした。シュルレアリスムに理解のない家族にはまるで韓国スターに会いに行くおばさんみたい、と言われつつ(苦笑)。ま、チェコまで行ったと思えば安いし、この機会に会えれば、と思った僕の感覚はそうした人たちに近いでしょう。

 ヨン様ならぬ、ヤン様だね、と家族に自虐的に言って出発。あんまりだ。
 どうせ君たちには戦闘的シュルレアリストに会ってみたいなんていう僕の感覚はわかんないんだ(^^;)。

◆ファースト・コンタクトと骨骨ファースト・フード

 朝10:30に炎天下のラフォーレに着いた。もう既に長蛇の列。列の後ろにつくとサイン会の整理券97番です、11時までここで並んでください、と言われる。
 どうせ東京まで出たんだからしっかり充実させようと思っていたので、炎天下だけど並ぶことにする。それにしても若い人ばかりの中に並ぶのは、なかなか抵抗が、、、。にしても直射日光が暑かったー。

 やっと11時に会場へin。しかしそこからさらに図録を買って整理券をもらう順番をラフォーレの階段に並んで待つ。

 で、並びつかれた30分後。
 突然、階段を下りてくるチェコのシュルレアリスト。オープニングセレモニーが終わった会場から出てきたらしいシュヴァンクマイエル氏は、僕たちの横を手を振りながら、にこにこして軽やかな足取りで通り過ぎていく。
 今、ヤン・シュヴァンクマイエルが近くにいるんだ、という現実感のない感覚が到来。とにかくこれだけで並んだ汗は充分報われた感じ。

 図録を買った上で、整理券をもらって会場を後に。今度は13:00の新宿の講座へ移動だ。移動前に原宿で昼飯。やはりシュヴァンクマイエル・デーは骨骨なフードが似合うと、骨付きチキンが食べられる駅前の名も知らぬファーストフード店へ。手が油でベタベタになるあの触感とスパイシーな味覚を感じつつ、新宿住友ビルへ。(朝日カルチャーセンターの講座の詳細はこちら)

◆ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 

Laforet_svank02

 講座で直にアーティストの言葉を聞いた後、その作品をじっくり観る。これは作品が我々に与えるイメージをある領域へ縛り付けるリスクもあるけれど、語られた思想をダイレクトに生の作品で体感できるという贅沢なチャンスでもある。

 そんなワクワクした気持ちで再び原宿へ。

 会場の広さは葉山の神奈川県立近代美術館で05年に開催された展示会に比べると狭いと感じたが、作品数は葉山165点から今回の216点(除資料)へと拡大し規模は大きくなっている(図録を数えたので点数は正確かわかりません)。

 まず骨のオブジェの06年新作「ヤマアラシの馴致」が観客を出迎える。
 このヤマアラシくんの愛嬌が素晴らしい。卵と骨で作られた愛嬌。この不気味とユーモアのバランスがシュヴァンクマイエルファンにはたまりません。

●視覚と触覚のジャンクイメージ

 そして葉山でも凄いと思った猿の剥製を貝殻や鉱物でキメラ化した「食虫動物Ⅳ」。これは圧巻。ずっと観ていたい。
 そして今回、講座の言葉がまざまざと脳裏に。触覚をフル稼働して触れぬ作品を脳内で触って体感。そうすると以前の展示と違った見方が立ち上がってくる。あくまでも映像として視覚で感じていた作品が、もうひとつ豊かな触感として脳内にイメージを沸き起こす。
 つまり猿の体毛に触る柔らかい感覚、鉱物のごつごつした手触り、貝殻の軽密度な独特の触感。そうしたものが綯交ぜになった独特の触覚イメージと、視覚から入ってくるブラックでシックでシュールなキメラ映像の融合。この感覚はどう表現したらいいだろう。触れないことによる想像力の倍加イメージも手伝って、このジャンクな感覚は、新しいものだった。

 シュヴァンクマイエルが描くオブジェに込めたものは、その素材の選定から触覚を大いに意識したものであることがぐっと身近に体感される。

●何故、触覚のシュルレアリスムなのか

 何故彼が触覚芸術に目覚めたかは、今回の講座では、映画が当局の弾圧で撮れなくなって、その期間に何か新しいことをしようとして触覚実験をしたと語られただけだったけれど、僕の推定はこうだ。

 粘土や樹の人形を使ってコマ撮りをするアニメータは、長時間手を使って撮影対象をこねくり回す。これは映画監督や2Dアニメ監督が対象を視覚と聴覚だけで捉えているのに対して、圧倒的な差異である。コマごとに粘土の形を指で変え、視覚的な形状の小さな変化の連続を映像として捉える。しかし彼の手はその触覚をひとコマごと感覚し、試写の際にはその触覚を明瞭に頭の中に再生しているのではないか。ひとコマづつが連続して流れることにより、その触覚の記憶も連続的に。

 ここでクリエータの脳内イメージとして感じられているのは、視覚だけでなく触覚の連続的なイメージである。粘土が変形する指がそこに食い込んで行くヌルッとした感覚。人形の材料である樹木の断片の持つごつごつした手触り。

 講座で映写された『闇・光・闇』が持っていたのは、粘土、樹、布、卵、毛、そして骨や動物の内臓や脳の手触り。脳そのものの手触りを脳内イメージとして視覚と触覚が稼動して立ち上げる。

 人形劇とコマ撮りアニメから出発したシュヴァンクマイエルのシュルレアリスムが触覚の芸術へと向かったのは、こう考えると必然に感じられる。

 そんなことを考えつつ観る、オブジェ作品は、今まで以上に刺激にとんだ脳内イメージを沸き起こしてくれた。触覚を想起しながらの鑑賞をお薦めします。

★長文になったので、続きは(2)で書きます。

◆関連リンク
渡邉裕之編集『ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則』(amazon)
Blog 辛酸なめ子の女一人マンション シュヴァンク先生

◆当Blog記事 関連リンク
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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2007.08.28

■レポート② 公開講座 シュヴァンクマイエル氏と語ろう(2)
   (朝日カルチャーセンター講座)

Analogon  右の写真は、僕の持っているチェコ・シュルレアリスム・グループの会誌『ANALOGON』。今回の講座で、チェコアニメの文脈でなくチェコ・シュルレアリスムの側面で感じるものが多かったので掲載。

 ではさっそく講座の続きです。

◆⑥『闇・光・闇』はトゥルンカの『手』の影響はあるか、また『オテサーネク』はチェコの伝承の話、ポーやキャロルらの原作、そうしたいろいろなものの作品への影響について聴きたい。

 チェコの人形劇の伝統の影響を受けている。特に7~9才の頃に両親に買ったもらったこのくらい(注. 20cmくらいを手で示す)の人形劇セットの人形で遊んでいたのが大きな影響になった。子供の頃、内気でいろいろな問題を抱えていたが、善玉と悪玉を誰かに見立てたりして、人形で問題解決していた。

 これがプラハで人形劇学部へ入った理由。映像の教育は受けていないが、映画にこれだけ人形とか書割とか出てくるのは、この影響。

 ポーやキャロルについては、生き方の一部というくらいの影響がある。 
 ただそうした本や映画については、筋はすぐ忘れてしまい、筋と関係ない部分が残り、それが作品に影響する。

 たとえば『アッシャー家の崩壊』では筋ではなく、流れてくる泥を活躍させたくてあの映画を作った。そうした細部の切抜きから、間違いなく私の作品として作り出している。

 クレジットするのは、断らないと盗んだことになるから(笑)。

◆⑦作品を作り上げて観客に届く時に、日本語字幕が入るとか、本来の表現からどうしても変わって死んでしまう部分がでてくる。自分の中に入って出ていく時に変わってしまっている。この時の感情をどう思うか。

 いつもそれはハンディ、気になって仕方がない。
 それなので長いことセリフを拒んでいた。

 また作品を作る場合、プロデューサや観客(の受け止め方)を気にしないように。それが結果的には観客のためにもなる

◆⑧『人間椅子』は何がよかったか。そして何をイメージしたか。

 江戸川乱歩はその名前だけでなく、作風もポーの影響を受けている。そして日本のオリジナリティを持っている。
 『人間椅子』は乱歩の触覚主義にびっくりした。私たちが70年代にやった触覚実験の結果に非常によく収まっている。こんなのが日本にあったんだとすぐに気に入った。

 『人間椅子』は「触覚的文学」。早くに知っていれば『触覚と想像力』でも触れたかった。今のところ挿絵のレベル。(注. 将来映像化の可能性を含ませたニュアンスだったと思う)

 他の「触覚的文学」としては、フランスのラシェルド(?)『魔法使い』とか詩人のアポリネール(?)『わが友ルードヴィヒ』とかがある。

◆⑨卵と髑髏を使う理由は。プラハ城で髑髏の置物を見たが、チェコでの髑髏の認識は何かあるか。

 卵は誕生、髑髏は人が亡くなってからの様。チェコ文化としての特別な意味はない。
 骨については、建築の素材として優れている。物体として巧みなことができ、オブジェに使っている。
 卵は子供の頃、スクランブルエッグが(嘔吐されたもののようで)気持ち悪くて食べられなかった。強迫観念があった。今は、食べられます(笑)。

 今日は限られた時間でまだまだ質問があると思う。その答えはラフォーレ原宿の展示から得てほしい。

 最後、大きな拍手の中、微笑みながらはにかみ気味に出て行くシュヴァンクマイエル氏のうしろ姿が印象的でした。

レポートの最後に

 触覚の芸術とか想像力による反乱というのは、シュヴァンクマイエル氏がいろいろなところで書いている/インタビューに答えている言葉である。しかしそれを直接生で聴けたのは、とても有意義。

 目の前で直に話を聴くのは書かれたものを読むのとはまた違う。コミュニケーションとしては身振りや顔の表情といった文章だけでない情報が加わる。
 そして加えて眼。僕は一番前の左側にいたので、時々視線が合う。講座の内容にもあるが、まさに眼は心の窓。大げさに言うと、視線のコンタクトでシュルレアリストの心を直接覗けたわけだ。今まで読んで知っていたことが、それだけでない実感として伝達された。

 本当にその視線は優しく暖かいものだった。あの作品の過激さは、口から述べられるラジカルな言説は別にして、御本人の雰囲気からは感じられない。あの暖かい雰囲気がただグロテスクなだけでないシュヴァンクマイエル作品の素朴なユーモアの源泉のような気がした。

 この講座の後、ラフォーレ原宿の美術展へ向かう。そこで観た作品200点は以前の葉山のものともダブっている。しかしその見え方は少し変わっていた。

 特にポイントは、触れないオブジェや映像作品もかなり触覚を思い出させるようなものになっているということ。あらためてこの講座の後、展示作品を見ると、今までオブジェ等も視覚としてみていたが、それに触った時の触覚を想像しながら見るとずいぶん変わった印象になる。講座で伝わったイメージをもとに、脳の中の触覚感覚を呼び起こしながら見てみる。「触覚の芸術」というのが、実態として迫ってくるのが感じられた。(展示会については別に追ってレポートします。)

講座の様子、そして想像力。

 最後に講座の状況から無理やり日本のコアなシュヴァンクマイエルファンの様子を想像してみる。

 会場はほぼ20代の若者が95%。特に女性が9割くらい。しかも上の9つの質問は女性からのみ。

 シュヴァンクマイエル作品は葉山の展示も若い女性ファンが圧倒的に多かったし、今回の展示会場も7割くらい女性だった。

 全般的に最近は美術展とか行くと女性が多い傾向なのだけれど、特にシュヴァンクマイエル作品は顕著。この視点で分析するのも面白そう。(女性が社会で感じている現実と、そこを突破するためのシュヴァンクマイエルの体内的な感覚の芸術による反乱、という切り口でひととおりの分析の言説は書けそうに思うが、それこそシュヴァンクマイエル氏が嫌う人の想像力を何らかの形の中に閉じ込めるような行為かもしれない。)

 もちろん『アリス』とかその他、どこか可愛らしい人形やオブジェが、なんとも言えない独特のユーモラスを身に纏って現われる部分が女性に受けているのかも。

 (ちなみに僕はエヴァのメディウム・ドローイングについて突っ込んだ質問をしたかったが、会場はシュヴァンクマイエル本人のことを聞きたい空気が強く、エヴァさん中心の質問をしそびれました(^^;)。
 僕は語り合えはしなかったけれど、先に述べたように御本人の視線を感じながら、シュルレアリストの思想を聴けたのは、とても貴重な経験だった。遠い東欧の地で語られていたチェコ・シュルレアリスト・グループの息吹を少しだけ受け止められたかもしれない。「想像力は現実の原理に対する反乱である。解放せよ。」この言葉は、究極映像研の座右の銘のひとつとして、しっかりと刻まれた。(なんちゃって(^^;)))

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2007.08.27

■レポート① 公開講座 シュヴァンクマイエル氏と語ろう(1)
   (朝日カルチャーセンター講座)

Svank_asahi_calture シュヴァンクマイエル氏と語ろう
 詳細
(朝日カルチャーセンター)

映像作家、シュルレアリスト:
     ヤン・シュヴァンクマイエル
チェコセンター所長:ペトル・ホリー

講座の内容:
 その作品の日本語訳も手がけるなど親交の深いホリー氏をまじえて、短編作品を見ながら受講生とディスカッションを行います。※短編作品のタイトルは当日のお楽しみとなります。

場所:新宿住友ビル7階
期間・曜日・時間:8/25 土 13:00~14:30

■上映作品 『闇・光・闇』

 この作品を特にディスカスするということでなく、結果的には参加者がシュヴァンクマイエル氏に聞きたい事を質問し、その回答の中で『闇・光・闇』に触れるという形になった。
 質問者は日本語、ペトル・ホリー氏が間に入られて訳し、シュヴァンクマイエル氏が答える。

 こうしたファン(今回約100名)とシュヴァンクマイエル氏の直接の対話はもちろん日本では機会が少ないので、ファンには大変貴重な1時間半。質問は次から次へと手が挙がり、終わってもまだまだ会場には質問したい空気が溢れていた。

 以下、9つの質問とその後のシュヴァンクマイエルの回答のポイントをできるだけニュアンスを表現できるように書いてみた。長文なので、2回に分けて掲載。

(下記の表現はダイジェストなため少し硬いが、会場は終始、彼と今回通訳を務められたペトル・ホリー氏が質問者聴講者に気づかいし、ほほえみながら和やかに進行したことを最初に付記。)

◆①五感のうちどれを大切にしているか。
  もしどれかひとつだけ失うとしたら、どの感覚を選択するか。

 重要視しているのは触覚。失っていいとしたら嗅覚。

 この世を我々は五感で感知している。世界に興味があるので、五感にも興味を持ってきた。現代文明は機材を使うことで手を直接使わなくなったり、触覚を忘れがち。そこで触覚実験をチェコシュルレアリスム協会で皆の協力を得て実施した。
 その結果は1974年に地下出版で5冊だけ『触覚と想像力』を出した。このうちの一冊を展覧会で展示している。
 触覚はエロティシズムと関係している。
 皆さんも触覚芸術作品を作ってほしい。『闇・光・闇』も触覚そのもの。

 嗅覚は動物には重要だが、人間にはそれほど重要でないと思う。 

◆②作品に食物が出てくるとまずそうに見える。何か嫌悪感があるか。

 (1)イデオロギー的な答えと(2)個人的な答えの二つがある。

 (1)文明は(資源を)食べつくしてしまう。大きな国の押し付けとか、消費性の恐ろしさを表現している。
 (2)子供の頃、体が弱く、食べることをいろいろと強制された。今は食べることが大好きだが、この子供時代の強迫観念が映画に出る。決してチェコ料理がまずいというわけではない(笑)。今でもゆでたタマネギは大嫌い。親子丼でも玉子丼でもタマネギをはずす。生のタマネギは大丈夫。

◆③エヴァさんというパートナーを失われた。共同制作についてお話を聴きたい。

 性格は180度違っていたが、よりよく連れ添えた。
 私は内気で、エヴァは対照的。また私は戌年で、エヴァは辰年。(注.チェコにも干支があるようです。これが性格とどう関係するか、説明はありませんでしたが、、、。)
 二人の関係はダイナミックな時もあったが、それが調味料のようでもあり、退屈しなかった。 
 彼女は画家で詩人だった。作風が独特でエヴァのものは彼女のものだとすぐにわかる。共同作業で作風のどこが混ざっているか、展示作品で確認してほしい。 
 私の長篇映画の脚本をエヴァが手がけていたが、05年に急逝し完成できなかった

◆④作品を作る時は、アイディアとテーマ性とメッセージ性のどこから入るか。また原作がある場合、それをどのように選択しているか。

 作品を作る時の想像力についての質問として答える。
 想像力の扉の鍵を持っているかどうかが問題。鍵は夢、心理オートマティシズム、エロティシズム、幼少期の経験、快楽原理といったもの。

 想像力は文明が押しつぶそうとしているものからの解放。学校、会社、警察、宗教といった現実の諸原理が文明の持つ圧力。これに対して、例えば快楽原理の道とか、想像力の自由を守ることが必要。自分の解放、心の解放が想像力への道。これは現実の原理に対する反乱である。

 国の体制や社会は今の世界が素晴らしいと人々に思い込ませようとする。それに対する反乱=想像力。

◆⑤『闇・光・闇』もそうだが、映像に舌や唇や口が良く出てくる。これらについて触覚の面、トラウマの面で何か想いがあるか。

 口は体の器官のうちで最もアグレッシブ。何もかも食べてしまう。チェコでも「目は心の窓」と言うが、私は口もまさにそうだと思う。

 俳優の配役でも目と口で判断している。
 下手な役者でも映像の編集等の持つ奇跡で救えるが、からっぽな目と口では救いようがない。

 『アリス』の主役の少女を選んだときは、目が素晴らしかった。両親の離婚とかを経験した後だった。(そうしたものが現れていたのかもしれない、というニュアンス。) ただ口が気に食わなかった。そこで口のクローズアップだけは、別の俳優のものを使った。

☆あと4つの質問は、次回掲載。

◆関連リンクNinngennisu_3
江戸川乱歩著 シュヴァンクマイエル画『人間椅子』(amazon)
渡邉裕之編集『ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則』(amazon)

当Blog記事 
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』
『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』 限定913部 発売

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2007.08.26

■ヤン・シュヴァンクマイエル新作『サバイビング・ライフ』準備中
  Přežít svůj život:SURVIVING LIFE, Jan Svankmajer

 ラフォーレ原宿の展示会「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 ~アリス、あるいは快楽原則~」の図録に掲載された年譜に、新作の情報がありましたので紹介します。

 年譜の2007年のところに「映画『サバイビング・ライフ』(仮)を準備中」とあります!
 ネットの情報を調べてみました。詳細はわかりませんが、いくつかの手がかりを発見。

Czech Film Commission - Media Links

Surrealist filmmaker Jan Svankmajer, whose latest film, Lunacy, is included in this year's Tribeca Spotlight section, has announced his next project: Surviving Life (Theory and Practice) will be Svankmajer's first since the death of his wife and long-time collaborator, Eva Svankmajerova.

 エヴァが亡くなった後、初の作品、とあります。これまでのコラボレーション作品との違いがどう出てくるか?

Czech film fund slashed

In the future, even such Czech creative heroes as Jan Svankmajer, whose animated pic-in-progress, “Surviving Life,” won about $376,000 this year

 これは予算について述べています。37万ドルというのが、今年度の予算ということでしょう。いくら東欧といっても全体予算としては低すぎるので、、、。

Přežít svůj život

Originální název:Přežít svůj život
Žánr:horor / animovaný
Režie:Jan Švankmajer

Final Draft of Screenplay

Přežít svůj život (teorie a praxe) Surviving Life (theory and practice)

 原題です。(  )の中の「理論と実践」が副題なのでしょうね。

Přežít svůj život(pdf)

 たぶん2002年に書かれたシナリオ(!!)。このPDFファイルのP130-149。ただ全部チェコ語なので、どなたかチェコ語の読める方の情報をお待ちします。

Czech Presence at the 35th Intl

Czech projects selected for CINEMART 2006:
SURVIVING LIFE, Jan Svankmajer, Athanor (Czech Republic)

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2007.08.25

■ヤン・シュヴァンクマイエル来日!! イベント情報

Jan_eva_200708_2 朝6時に出発して、先ほど深夜11時に帰宅。新幹線の強行軍で8/25、日帰り東京シュヴァンクマイエル詣でをしてきました。

 ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展~アリス、あるいは快楽原則~ (公式HP)シュヴァンクマイエル氏と語ろう (朝日カルチャーセンター講座) (公式HP)へ行ってきました。思わずラフォーレ原宿ではサイン会にも参加(^^;)。

 とにかく感激しましたが、年齢的にこんなことをするとヘビーっす。
 というわけでレポートは後日。今回の来日に関係したイベント情報だけ取り急ぎ、ご紹介。今日の講座でのペトル・ホリーさんの情報によると、水曜に来日された後、大好きな四川料理を数回食べ、展覧会のセッティングとイベントを頑張られているとのこと。

TOWER RECORDS JAPAN : インストアイベント

8/26(日)18:00~ヤン・シュヴァンクマイエルサイン会新宿店10F

 既に整理券は配布終了とのこと。

◆TSUTAYA TOKYO 六本木店:ROPPONGI サイン会(展覧会チラシより)

 8/27(月)19:00~ヤン・シュヴァンクマイエルサイン会

 こちらは まだ整理券、間に合うらしいですが、店へ問い合わせて下さい。

「シュヴァンクマイエルの魔術的世界」 武蔵野美術大学公開講座 [2007.8.27開催].

●日時:2007年8月27日(月) 13:00~15:00
●内容:ヤン・シュヴァンクマイエル氏による講演とアニメーション作品上映。
●会場:武蔵野美術大学鷹の台校
●定員:450名
●受講お申込み方法:定員に達しましたので、受付を終了いたしました。

◆関連リンク
Ninngennisu_3江戸川乱歩著、
 シュヴァンクマイエル画『人間椅子』
(amazon)
 (エスクァイア公式HP)

『人間椅子』のために描かれたイラストにより、あの傑作短編がまったく新しく甦る。
2007年、「怪奇」の定義は、この1冊によって更新される。

 これぞポップ!!素晴らしい傑作が誕生しました。

渡邉裕之編集『ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則』(amazon)

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2007.08.09

■展示会情報 ヤン・シュヴァンクマイエル
  &エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー展

Jan_eva_200708_2ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展
~アリス、あるいは快楽原則~

                (公式HP)
 (チェコの絵本【kulicka-クリチカ-】さん経由)

夢と現実、秩序と混乱・・・
カオスを漂うシュヴァンクマイエルの自由世界へようこそ

会場/ラフォーレミュージアム原宿
期間/2007.8月25日~9月12日
時間/11:00am~20:00pm(最終日のみ18:00閉場)

 公式HPがオープンされています。アリスを主軸にした200点展示とのこと。『人間椅子』の原画も展示される。 

 僕は、エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー作品がどの程度展示されるか、期待している。リンク先の公式HPには、『判じ絵 no.2』(スターリンの顔を模したもの)が掲載されている。(それしても展示会タイトルがシュヴァンクマイエル表記だけなのは、エヴァファンとしては、寂しい。名前をちゃんと表記するのって大事ですよ)

 エスクァイア マガジン ジャパンからは、展示会と同タイトルの本が出版されるようです。たぶん展示会の図録を兼ねているのではないかと思われます。展示会、行けっかなー。

◆関連リンク
渡邉裕之編集『ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則』(amazon)

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2007.06.25

■ヤン・シュヴァンクマイエル挿画 江戸川乱歩『人間椅子』
  & 『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』限定発売

8月中旬発売予定 書籍『人間椅子』!

 チェコ絵本のネットショップ クリチカさんから、先日のヤン・シュヴァンクマイエル展情報に引き続き、新しい本の情報をいただきました。

著作 江戸川乱歩/挿画 ヤン・シュヴァンクマイエル 
B5判/パラパラ漫画、ケース付き 
予価:2,100円/発行 エスクァイア マガジン ジャパン

 確かに『人間椅子』って、触覚をテーマにしたシュールレアリスムそのものって感じなので、ヤン・シュヴァンクマイエルにぴったりですね。こういう本が日本オリジナルで出版されるというのは素晴らしいことですね。

 葉山の造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展も若いファンで溢れていました。日本とチェコが芸術の深層でリンクしている。この源流を探るとか、面白いかもしれないですね。

シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX 全世界で913部限定の貴重な美術作品

 上記リンクからたどったらこんな限定記念コレクションの発売が予定されていました!

DVD/VIDEO 2007/08/22 Release XT-2485-6 ¥18,900(税込)

Svank_finegraph《鬼才》ヤン・シュヴァンクマイエル-----世界的なクリエイターの、都内初の大規模な個展を祝して発売される、価値ある限定記念コレクション。
全世界で913部限定の貴重な美術作品2部作封入!

全国のDVDショップ・インターネット通販等で予約受付中。

【商品内容】
■ ファイングラフ 2部作 (右図)
ヤン・シュヴァンクマイエルが本企画のために「ルナシー」をテーマに描いた珠玉の2部作。このプレミアム・ボックスでしか入手できない珠玉の美術作品。
(ファイングラフ…日本の伝統工芸である越前和紙を使用し、特殊美術技法を駆使して、1点づつ制作される版画。)
△ 2作品同一の制作番号入り
△ 画寸:各約29×21センチ

■ DVD 『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』

■ DVD 『ルナシー』
2006年劇場公開の最新作。メイキング、予告編など特典映像収録。

■ “13の体罰”シールシート
ヤン・シュヴァンクマイエルの妻であり、制作上のパートナーでもあったエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー。彼女が描いた、『ルナシー』に登場する“13の体罰”カードをモチーフにしたシールシート。

 値段が値段だけに考えてしまいますが、たぶんこれを逃すと、シュヴァンクマイエル美術作品を手元におけるチャンスは二度とないのでしょうね。悩むけれど、、、。

◆関連リンク
シュヴァンクマイエル氏と語ろう(チェコブログさん)

前回の来日イベントでは、次回作(?)は江戸川乱歩の"人間椅子"も考えているというようなお話でしたが。 (かなりぴったり!!!!)

シュヴァンクマイエル!(koringo帳さん)

特に触覚に強いこだわりをみせるシュヴァンクマイエル、乱歩の「人間椅子」を映画化してみたいとか。

 前回の来日時、講演で『人間椅子』について語られていたようです。

『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』 ¥18,900 ¥14,175 (amazon)
単品DVD『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』 ¥3,990¥ 2,993 (amazon)
単品DVD『ルナシー』 ¥4,935¥3,701 (amazon)

◆当Blog記事 関連リンク
ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  & ヤン・シュヴァンクマイエル氏と語ろう

シュヴァンクマイエル監督『ルナシー:Lunacy』 感想
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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2007.06.19

■ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  & ヤン・シュヴァンクマイエル氏と語ろう

 チェコ絵本のネットショップ クリチカさんから、ヤン・シュヴァンクマイエル氏の来日のイベント情報を教えていただきました。

ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  会期 2007年8月25日~9月12日(イベント情報は現在未掲載)

 チェコブログさん: シュヴァンクマイエル展

監督自ら、展示会場を構成するとか?!
"アリスの世界を中心に"らしいし、たまらないわ~o(≧∀≦)o

 mixi コミュの情報(フォーレのフリーペーパー情報とのこと)

ヤン&エヴァ展  ~アリス、あるいは快楽原則~
映画アリスの世界を中心に、絵画や立体作品など200点にも及ぶ作品を、シュヴァンクマイエル自らの会場構成により紹介する初めての試み

 自らの展示会場構成とアリスの世界、これは素晴らしい。
 あの独特の映像空間が東京に出現するわけですね。これは是非行きたいです。

シュヴァンクマイエル氏と語ろう (朝日カルチャーセンター) 詳細

映像作家  ヤン・シュヴァンクマイエル
チェコセンター所長 ペトル・ホリー

講座の内容:
 シュルレアリスム・アニメーション界の巨匠でありチェコ共和国を代表する芸術家、シュヴァンクマイエル氏。その作品の日本語訳も手がけるなど親交の深いホリー氏をまじえて、短編作品を見ながら受講生とディスカッションを行います。※短編作品のタイトルは当日のお楽しみとなります。

場    所  新宿住友ビル7階 朝日カルチャーセンター
期間・曜日・時間: 8/25 土 13:00~14:30
受講料(税込み): 1回 会員 3,360円、一般 3,990円(入会不要)

 シュヴァンクマイエル氏と語れる絶好のチャンス。
 ペトル・ホリー氏が、質問の翻訳をしていただけるのでしょうか。どの短編が出てくるかわかりませんが、僕は最近興味のある故エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさんの絵について聞きたかったりします。
 うーん、この機会を逃すとシュヴァンクマイエル氏に会うことなど、今後チャンスはないだろうなー。申し込むか、、、、。

 ところで東京のカルチャースクールって、凄いですね。
 他にも「手塚治虫・天才の秘密 ヴィジュアリスト 手塚眞」「漫画の時間 いしかわじゅん」「「テヅカ・イズ・デッド」から「ゲーム的リアリズムの誕生」へ 東浩紀&伊藤剛」とか、面白そうな企画が目白押し。こういう時、都市に強く惹かれます。

◆当Blog記事 関連リンク
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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  & ヤン・シュヴァンクマイエル氏と語ろう"

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2007.05.04

■刈谷市美術館『チェコ絵本とアニメーションの世界』感想

Czech_illustration_animation
 刈谷市美術館 『チェコ絵本とアニメーションの世界』(当Blog紹介記事)
 
 チェコ絵本・アート本のネットショップ クリチカさんから招待券をいただいて行ってきました(クリチカさん、本当にありがとうございました)。

 刈谷の駅を降りると、駅のコンコースにはこの展示会の大きな垂れ幕があります。そして歩いて10分ほどの美術館には上のような看板。以前のトゥルンカ展の時もそうですが、こうしたチェコの大きな文字とその独特の作品の一部が街の中に現れると、それだけでなんだか浮き浮きと嬉しくなってしまいます。

美術展の全体

Czech_illustration_animation_table  展示は美術館の一階と二階のほぼ全体を使っており、絵の展示が二会場、プロジェクタによる大画面での絵本映像とアニメの映写が一会場、そしてモニタによるアニメ紹介が4箇所。他に茶室での展示に関係したお菓子の茶会と、手にとって絵本や美術書を見られるコーナー(シュヴァンクマイエルの本やチェコ総合情報誌 CUKRも置かれていました)。右が映写会場のプログラム(クリックで拡大表示)。絵本映像というのがなかなか良かったです。これはこの展示会のために作られた映像で、子供が絵本をめくっていく映像を収めたもの。絵本をめくる手の動きから、子供のワクワク感がどっか伝わってきて、いい感じに出来上がっていました。

作品メモ

 実はチェコアートと言っても僕が知っているのは、ヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻、そしてイジー・バルタ、トゥルンカ、ブジェティスラフ・ボヤールといった一部のアニメーションアーティストのみ。絵本の世界は、時々目には触れているけれども実はその作家の名前も良く知らない、という素人。

 以下、作家の名前を意識しながら作品を見たのは実は初めてというような素人の感想ですが、興味を持った作品についてメモします。

オンジェイ・セコラ:Ondrej Sekora 『アリのフェルダ』 (Googleイメージ検索)
  『ミッキー・マウス』の誕生から数年後、チェコで生まれた秀逸なキャラクタ。絵のタッチがとても柔らかくて、そしてキャラクタが活き活きとして味わい深い。
 会場では人形アニメ版を上映していたが、僕はこの作家のタッチのままでセルアニメになったものが観てみたかった。

エヴァ・ベドナージョヴァー:Eva Bednarova 『チューリップ大尉とボルドーのお姫さま』 (Googleイメージ検索)
 図録を見ながら描いていますが、やはり原画が圧倒的に良かった。こちらはセコラと違って絵画的なタッチ。重厚で幻想的なイメージがよかった。モノクロ調の『レニと呼ばれた私』も好きです。

エヴァ・シェディヴァー:Eva Sediva 『パシャダイ王子をルツカがどうやって助けたか』
 淡い透明感のある水彩の絵。これは絵が不思議なイメージでストーリーを是非知りたくなった。大きな目玉の赤い鳥はいったい何なのだろう。

ヴラスタ・バラーンコヴァー:Vlasta Barankova 『Nの街から』 (Googleイメージ検索)
 時計塔の中でテーブルを囲む3人の男と、時計にとまる襟巻きをした大きなカラス。ぐりぐりと力強いイメージが絵から立ち上がってきた迫力のある1枚。

ペトゥル・シュマレッツ:Petr S'malec 『シュマレッツのアルファベット』
 残念ながらネットにはこの方の絵が見つからない。ディジタル彩色でくっきりきっちりとした絵だけれど、なんだかぬぼっーとした感じがとてもいい。セコラのフェルダが絵の一角に登場しているのも楽しい。

ペトゥル・シース:Petr Sis  :Hlavy
 これは上映されていたアニメーションの一本。ジョゼッペ・アルチンボルトにインスパイアされた作品。これは今展示会の映像作品の中で一番刺激的だった。 

刈谷とチェコアートの関係

 クレジットを見ると図録の「編集」は、刈谷市美術館学芸員 松本育子氏と株式会社イデッフ 柴田勢津子氏となっている。図録の中には松本育子氏氏による「ハヴリーチクーフ・フロト美術館を訪ねて」というエッセイが収録されている。ハヴリーチクーフ・フロト美術館は絵本のイラストレーションを専門にコレクションしているチェコの美術館で、多数の所蔵作品を今回の美術展に提供されているが、エッセイでは2005年にこの企画展のための調査で、松本氏がチェコのここを訪問されたことが綴られている。

 ここから判断すると(明確には書かれていないので私の推測)、この展示会を企画されたのは刈谷市美術館の松本育子氏ということになるかと思う。(以前の『イジー・トゥルンカ展』でも図録の編集に同じく松本育子氏と柴田勢津子氏の名前がある。)

 我が愛知県刈谷市に、こうしたチェコアートへのアプローチを続けている美術館のキュレータの方がいらっしゃるのは大変嬉しい。もともとトヨタがチェコに工場を持っていることから(プラハにはトヨタがネーミングライツを持った「レトナスタジアム」というサッカー場がある)、三河地域とチェコとは産業的な交流が多くなっているので、こうした取組みで文化的な交流が進むのはとてもいいことだと思う。(というか自分の好きなものが街の美術館に飾られるのが単純に個人的に嬉しいだけですが、、、。)

 あと調べてみると、株式会社イデッフは、2005年の神奈川県立近代美術館で開催された『造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展幻想の古都プラハから』でも企画協力。さらにI.D.F.Incの名で『トゥルンカ展』とか『ブックデザインの源流を探して』『フランスコミック・アート展』といった展示の企画協力をされている。

 なんか気になって調べていくうちに、この部分の記述が増えてしまったけれども、今回の展示を楽しませていただいて、このお二方のご尽力に感謝します。今後もこうした企画を続けていただけることをチェコアートのファンの一人とし願ってやみません。

ミュージアム・ショップ
 絵本とか本を中心にポストカードやらトゥルンカのバッグ、箱、マッチ、ピンバッチ等々、チェコ絵本関連のグッズがたくさん並んでいた。どれも自分ちに飾れたらいいなーと思いつつ、結局図録のみ購入。
『チェコ絵本とアニメーションの世界』(Amazon)
 本展示会図録(上のリンク先はその書籍版)。全150ページにわたる展示作品と関係各位のエッセイ等が楽しめます。なぜかアニメーションのところはイジー・バルタへのインタビューでこれも嬉しかった。

・ほしかったのだけれど、随分収録作品に他の本とダブりがありそうで購入しなかったのが、イタリアのサン・ルドヴィツォ画廊(パルマ)で開催されたヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻の『記憶のアニメーション-アニメーションの記憶』展図録\6300。中身は残念ながら見られませんでした。
展示会詳細(.doc) Mostre Palazzo Pigorini インタヴューの音声
Parma. Palazzo Pigorini e Galleria San Ludovico 19.10.2003 – 4.1.2004

◆関連リンク
チェコ絵本[古本]のネットショップ【kulička-クリチカ-】さんのBlog記事
 【チェコ絵本・チェコアニメ】 - 【チェコ絵本とアニメーションの世界展】目黒区美術館
・当Blog記事 「イジー・トゥルンカ展 見学

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2007.03.29

■ベルトラン・シュミット監督  『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』
  Chiméry Jana a Evy Švankmajerových

シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』(レン・コーポレーション)

 先日『ルナシー』の感想を書いてから、時間が経ってしまったけ