アニメ・コミック

2021.04.07

■感想 「特集:「エヴァ」シリーズの”作画”を総括してみる!」 by アニメーター 井上俊之


追告 B『シン・エヴァンゲリオン劇場版』絶賛公開中

After 6 Junction TBS アトロク 特集:「エヴァ」シリーズの”作画”を総括してみる!

 アトロク「『エヴァ』シリーズ作画の真髄」アニメーター井上俊之さんの話、とても面白かった。
 テレビ版 1話と19話の磯光雄作画から始まり、Qでの自身のエヴァ改2号機、8号機作画について。本当はキャラを描きたかったのに、アスカは数カット、シンジも5カット位しか描けなかった。

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 鶴巻和哉監督のフリクリ以降の日本アニメへのキャラクターの外連味とリアルのバランスという貢献とエヴァでのカメラが動きまくる/空間をたっぷり使ったメリハリのある映像への貢献(鶴巻監督は宮崎駿監督的に映画全体の作画に関与されているとか)。そして前田真宏の抽象概念を絵にするスキルの凄さ。

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 Qでの本田雄作画監督による登場人物がそこに実在する様なリアリティ、その絵がシンの現場でも多くのアニメーターの参考になっていたというエピソード。

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 最後に今後の日本アニメについて問われて、宮崎駿監督の元で新作の作画監督を務める本田雄の話に。宮崎監督に理屈通りでなく、リアルを超えた表現/カットにふさわしい表現を実現する可能性のある人材として大抜擢された。昨年自分も加わって一部試写を観たが、宮崎アニメでありつつ、本田イズムがある良い作画だった。この秋くらいに完成するのではないか。夏にまた追い込みで井上氏もジブリに戻る、とか。

◆情報の補足
 最初から関わってなかったから、エヴァを語るには余り自分は適切じゃないからと当初断られていたという、井上俊之さんの発言で一部誤解されているかな、と思う部分。

・本田雄はテレビ版後半でエヴァのルックを作った→第2話から8,19,25話で作監。
・本田雄は序に参加してない→序ではメカ作監
・前田真宏はテレビ版参加してない→設定補として8,9話に使徒デザインで参加

 僕はエヴァのキャラもだけれど、メカの作画も本田雄がかなりそのイメージの中心にいたのでは、と思ってるので、荒探しということでなく、メモっときます。

◆関連リンク

・エヴァ 25話Air/まごころ 弐号機戦闘シーン アニメーター担当パートAMV(ニコニコ動画)

"25話Air/まごころの弐号機戦闘シーンの担当アニメーターを併記したAMVです。
新世紀エヴァンゲリオン劇場版原画集上巻に 村木靖パート(P126~141) 岡村天斎パート(P144~156) 本田雄パート(P160~170、P174~177) 磯光雄パート(P202~243) 小倉陳利パート(P245~253) 鴨川浩パート(P261) 吉成曜パート(P263~280) 安藤真裕パート(P285~296、P301~305)"

 この動画を見ると、本田雄氏がエヴァメカ作画のトーンを牽引したのがよくわかります。
 2'20-3'00 本田雄パート エヴァ2号機と量産型の対決シーン。4'18までの磯光雄パートが、特にすばらしい。

#アトロク 井上俊之 再降臨!本当にすごいアニメーターとは?特集パート2 #utamaru 2018.10.16(火)(togetter)
#アトロク 2018.08.07(火) hy4_4yhライブ&配信決定!/アニメーター 界の神・井上俊之降臨(togetter)
2019/08/27(火) アフター6ジャンクション #utamaru - 宇多丸&宇垣美里/井上俊之 アニメ映画「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」とは(togetter)

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CGメイキング映像特別公開(カラー公式twitter)

"ヴンダー艦内(Cパート/シーン133/cut002)
プリヴィズ→3Dにてアニメーション検証後、キャラは作画です。"

 プレヴィズでのアングルの複数制作、そこからキャラ作画へ移行する様子がよくわかります。最終のプレヴィズが絵コンテがわりになってるんでしょうね。

『新世紀エヴァンゲリオン 原画集』が20年の時を経て電子書籍で復刻!
 本稿で引用した原画は、いずれも原画集のサンプルからです。この原画集持っていないですが、サンプルにはアニメーターのクレジットがなく、残念です。なので、上記引用も特に文章に出てくるアニメーターと引用原画の関係は不明ですので、念のため。

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2021.03.29

■情報 ポピー ジャンボマシンダー 恐怖の悪魔軍団 マジンガーZ ガラダK7 フィギュア

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希少 ポピー ジャンボマシンダー 恐怖の悪魔軍団 マジンガーZ ガラダK7 ダイナミックプロ 東映動画 現状品
 何とこのフィギュア、21.3/27に1000万円で落札されたとのこと!
 マニアの世界は凄いですね!Q&Aをみると出品者さんの驚きがリアルで、これは本当かもと思えてきますが、真相やいかに…(^^)?

 それにしても「ヤフー簡単決済」で1000万円って取り扱えるのかなw??
 以下、とても貴重なフィギュアの写真です。ヤフオクからの引用です。
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 ということで、このフィギュアについて、いくらかネット情報から確認してみると、、、、。
 どうやら、このフィギュア、本当に実在されるかと言われていた逸品らしい。

幻のマジンガーZ敵ロボット「ガラダK7」のフィギュア!!海を越えてアニメ大好きベルギー人が3Dプリントで再現してみた!!
 このリンク先をみると、その辺りの状況と、本当に貴重な逸品ということがわかります。

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「キーワード:ジャンボマシンダー」の検索結果(まんだらけ)
 そしてまんだらけでは、上記事情を勘案してか、買取価格が何と1千万円。

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ジャンボマシンダーのガラダK7のジャンク品で、その落札価格は5,251,000円
 数年前のヤフオクでカマなしで500万円、というのはどうやらこれみたいですね。


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 スペイン語の動画に、ガラダK7のCM映像!1番最後の辺り。
 まさに世界で貴重な逸品とされていることがわかります。
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RARE JAPANESE TOY GOES TO AMERICAN COLLECTOR

 2006年に石川県の女性がゴミの中から見つけてオークションに出品したガラダK7は170万円で落札…とか書いてありますね。

 同じヤフオクで日本沈没(73年版)の深海潜水艇わだつみ 6500円をいつも眺めて入札すら出来ない自分の小ささが嫌になりますw。
 にしてもマジンガーZにそれほど思い入れのない私は、事情を知らずこのフィギュアだったら、1000円でも落札していなかったでしょう。物の価値というのは、不思議な物です。

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2021.02.08

■感想 「諸星大二郎展 異界への扉」@ 長野イルフ童画館

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「諸星大二郎展 異界への扉」@ 長野イルフ童画館

"会期 2021年1月24日(日)~2021年3月13日(土)
※会期中、一部展示替えを行います。
前期:1/24~2/16、後期:2/18~3/13
休館日 水曜日(祝日は開館)
開館時間 10:00~17:00(受付は16:30まで)
会場 長野県岡谷市 イルフ童画館 2階企画展示室"

 「生物都市」『暗黒神話』『マッドメン』『妖怪ハンター』、、、ワクワクしたあの作品群の原画を観られて感激でした。諸星氏のタッチの細部を堪能しました。
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 縄文文化の地、長野県諏訪湖近郊の岡谷市で開催されている諸星展、縄文の土偶と諸星氏の原画が対比して置かれたコーナーも、その展示空間を異界の趣に変貌させていて、実に印象的な体験でした。

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 そしてミュージアムカフェで特別メニューとして暗黒星雲チーズケーキを食し、魂は伝奇空間から遥か彼方の馬頭星雲まで飛翔しましたw。
 これが「暗黒星雲」でなく「暗黒神話」チーズケーキだったら、きっと今頃、家には帰ってこれなかったことでしょうw。

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 ショップには数々の諸星グッズが溢れていましたが、どうしても欲しかったオオナムチTシャツもマッドメンのサイン入り版画も家内の冷たい視線にたじろぎグッと我慢なのでした。でも眼福眼福。さすがに平日だったので、観客はほぼ貸し切り状態で何とも贅沢な空間でした。

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 展示作品リストを追加しました。展示が入れ替わる、後期も観に行きたくなってしまいます。

 長野の後の巡回予定です。

"・2021年3月20日(土)~5月23日(日)
 北九州市漫画ミュージアム(福岡県北九州市)
・2021年8月7日(土)~10月11日(月)
 三鷹市美術ギャラリー(東京都三鷹市)
・2021年10月23日(土)~12月26日(日)
 足利市立美術館(栃木県足利市)"


◆関連リンク

図録『諸星大二郎 デビュー50周年記念 異界への扉』

当ブログ記事 諸星大二郎関連

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2020.11.30

■感想 MTJJ木頭監督『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』


『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』アクションシーン

 MTJJ木頭監督『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』@ミッドランドスクエアシネマにて観てきました。

 アトロクにて、スーパーアニメーター 井上俊之氏の大絶賛を聴いて、これは観るしかないととても楽しみに観たわけですが、期待にたがわぬ大エンタメ作で楽しめました。

 話の展開ももちろん作画も素晴らしい出来。
 ただ、井上氏が大絶賛したアニメーションの完成度は、確かに凄いとは思いましたが、とは言え、井上氏が言うほど、日本のアニメが作画面で負けていると言う感じまではしませんでした。(アトロクの井上コメントを聴き直すと、アクションの作画シーンは日本でも近いものはあるが、映画のエンタメとしての完成度とアニメ制作のあり方で、どちらかと言うと日本は突き放されているのでは、と言うコメントでした)

 作画面ではアトロクで監督のMTJJ氏のメールの回答として、5人いる作画監督のうち、筆頭の「馮志爽(フーシーソウ)氏の功績が大きい。どのシーンも彼が最初にレイアウトを描き、動作の幅が大きい場合は何枚か描くこともありました。そして原画や第二原画の段階でも彼によるチェックと修正が入っています。つまり彼なくしてこの作品は成り立たなかったということです」とコメントされている。

 統一された映像は、この馮氏の功績であるとのこと。しかし信じられないのは、本当に一人の作画監督で全シーンレイアウトと作画のトーンを合わせるための第一第二原画修正を実現できるのか、と言うこと。これはおそらく宮崎駿監督全盛期でもできていないレベルの仕事量なのではないかと。

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 僕が思ったのは、アクションシーンとそれ以外のシーンの統一感があるかと言うと、絵柄がかなり違う印象を持った。特にアクションシーンでのデフォルメ描写は、日常シーン/ギャグシーンの漫画的デフォルメ(眼が星になったり,三頭身になったり)とは明らかに異なり、リアル系の迫力を出すためのデフォルメ描写だったから。

 そこから考えると、おそらくアクションシーンは全篇が馮志爽氏の手が入っていて、もしかするとそれ以外のシーンは別の4作画監督に任せられていたのではないかと言う推測です。この辺りは今後の情報と分析研究を待ちたいものです。

 そのリアルにデフォルメされたアクションシーンですが、世に言われている松本憲生氏の『NARTO』等のアクションの影響は、僕もすぐ想起しました。スピードは観客が見える極限まで速く、しかしアクションのロジックはきっちり描くこと、と言う監督が定めたラインがうまく表現されていると思いました。

 ただ、本当にどう描いてるんだろうという、何度もコマ送りしたくなるようなシーンは数箇所だった記憶。これは何だ! ってところは真ん中より少し前にあった記憶です。サムネイルで引用したアクションシーン抜粋動画には残念ながら入ってません。

 冒頭に引用した動画のアクションシーンから、コマ送りして観てみると、上記コマ送りで作成してみた画像の右下の数字(各画像の連続するコマ数)を確認いただきたいが、派手な動きのシーンは、全てコマが1-3コマで任意に、動きに応じてコマ数が変えられていることがわかる。

 コマが2-3コマと続くところでも背景は全コマ少しづつ移動されているので、そこは全コマ背景画像は動いているが、手前の人物作画は1-3コマ打ちになっている。このコマの数を任意に変えるのは、日本のアクションアニメのお家芸だが、しっかりとこの中国アニメにDNAが伝わっていることがわかる。

 最後に特筆したいのは、映画の厚みをさらに押し上げていた音響の厚みの素晴らしさです。ミッドランドスクエアシネマは、名古屋でもかなり音響が立派な映画館なのでそれが良かったこともありますが、音響のきめ細やかさとダイナミックさが映画に深い厚みを加えていたと感じました。

◆関連リンク
・当ブログ記事 ■ガイキングオープニング 金田伊功の作画の進化
 日本のアニメアクションの代表的アニメーター金田伊功さんの後期の作画。今回と同じように各コマの右下にコマ数を明示したもの。
 馮志爽(フーシーソウ)氏作監による上記作画と比べると1コマ打ちのシーンが続いたりして、よりダイナミックなメリハリが強調されているのが判る。この辺りが、『羅小黒戦記』の作画の快感が、まだ金田伊功レベルまで上がっていない理由と思うのだけれどどうだろう。

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2020.09.29

■感想 富野由悠季の世界展@ 静岡県立美術館

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 昨年、福岡をスタートに全国巡回で開催されている富野由悠季の世界展ですが、一番家から近い静岡県立美術館での開催が始まったので、勇んで観てきました。まさに富野ワールドにどっぷりな展示でした(^^)。

 今回の展示は、基本絵描きではない(富野監督は絵コンテ、イメージボード、メカデザイン、美術設定、原画修正等いろいろな絵を描かれてはいますが、本職は)監督、演出家、原作、脚本という職域の方の美術展示というのは、展示の先頭/図録の最初のページに富野氏の言葉として書かれいるように、概念の展示にならざるを得ません。

 概念の展示であるところは、昨年観に行った高畑勲展とかなり近いものがありますが、富野展は高畑展よりは、アニメーターの原画展示、イメージボードが少なく、絵はどちらかというとアニメーターのポスター原画中心だったので、アニメーション全体のメイキングで美術展として見せるトーンは高畑展の方が強かった。

 自分の鑑賞時間が高畑展より短くしかいられなかったため、駆け足で観てしまったが、図録が高畑展の256ページに対して、こちらは416ページと大部。概念の展示としては、絵の大きさは僕にとってはそれほど問題でなく、駆け足で観た分、帰宅後にじっくり読み込んでみたい。

 観賞後、もちろん帰りには、静岡市の隣、キングビアルの母港 焼津港に寄り、ガルンゲが火球で焼いた山波を眺めながら、神ファミリーの冥福を祈りました。

 今回、家内と行ったんですが、吃驚したのは「富野由悠季って誰?」と出掛ける前に言われたこと。何たること!サンアタックだ!(^^;)

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 富野由悠季の世界展、スナップ写真です。今回、会場内は残念なことに撮影禁止だったので、会場入り口に立っていたダイターン3と、ミュージアムショップに飾られていた60,500円(税込)の全高73cmのイデオン。

 またショップには、いろんな書籍とグッズが並んでいましたが、イデ発動Tシャツは、ギリギリ我慢しました(^^;)。
 
 静岡県立美術館は、初めて行った美術館ですが、ロダン他、彫刻も楽しめました。

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 富野由悠季の世界展@静岡県立美術館、図録も416頁とずっしり。展示は残念ながらなかったが、図録には金田伊功作画シーンの原画とセル画が掲載されている。

 あと展示されていた富野メモが、入れ込んで見ていた2作品に新たな奥行きを与えてくれた。

◆ザンボット3のラストに関するメモ
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 「“戦い”のない時代があるものか?文明が高度になり、生物知能が開拓の地をなくした時に、生産なぞありえない。破壊だけがこの知的遊戯となる。それ以外に、生きる目的を種が持ち得なかろう?」

 ガイゾック(このメモ時点は「カイザック」となっている)という存在の邪悪が、生物知能の行き着く先の遊戯である、というのは、テレビで述べられたことよりも絶望としては深い。放映後、映画として構想されたこともあったとのことであるが、ガイゾックについて、さらに透徹したこの視点まで描かれていたら、と想像を禁じ得ない。

◆イデオンに関するメモ
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 「混沌の前宇宙(第一宇宙)の創意とすることは易しいが、その前宇宙さえもイデが創出したと、言えなくもない。
 が、物事をそこまで虚無の中には押しやりたくはない。
 イデの実在にこだわっていくと、前宇宙はイデの“母たるイデ”によって創られたということにまで拡大して、ゆきつく先、虚無に陥るのだ。」

 ここでも描かれる虚無。この前段にもこの概念に続く、深遠な視点が入っているため、イデオンファンは必見です。

 残念ながら、この図録、キネ旬社が観光しているのに、今のところAmazon等に通常の新本としては売られていない。なので現時点は高い値段を付けた中古本ばかりである。
 今、調べてみたら、キネマ旬報社の通販ページでは、定価で新本が売られていました。ご興味のある方は是非、この通販ページから。

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 最後に図録の中から、僕の好きな金田伊功氏のアニメートシーン。

 Facebookで氷川竜介さんから教えて頂いたが、この動画とセル画、各美術館の展示会場に飾られていたという。

 残念ながら、僕は静岡美術館でザンボットコーナーを探したので、見つけることができなかった。
 下は、金田伊功氏自身が動画も担当されたシーンとのことで、あの筆致の生の絵を観られなかったのは残念でならない。
"キネマ旬報社より好評発売中の展覧会「富野由悠季の世界」公式図録が、美連協大賞の「優秀カタログ賞」を受賞した。

美術館連絡協議会(美連協)は、美術展の企画ならびにカタログの質を高め、学芸員の能力向上を図ることを目的として、美連協主催展および加盟館の自主企画展の中から、優れた展覧会の企画やカタログ、論文を顕彰する美連協大賞を実施している。中でも「優秀カタログ賞」は、開催館の学芸員が協力して製作した優秀なカタログに贈られている。

「富野由悠季の世界」公式図録は、各美術館の学芸員による豊富な解説のほか、この図録のためだけに新規取材を行った約3万字にもおよぶ富野由悠季監督のロングインタビューも掲載されるなど、大ボリュームの“読める図録”となっている。
展覧会会場のほか、書店やKINEJUN ONLINEでも購入可能なので、この機会にぜひともチェックしてみよう。"
 展覧会図録関係者の皆様、おめでとうございます! これからしっかり楽しませていただきます。

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2020.07.27

■感想 湯浅政明監督『ピンポン The Animation』


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 湯浅政明監督『ピンポン The Animation』@ Netflix 初見。

 これは素晴らしい! 『日本沈没 2020』の余韻で観たのだけれど、こちらの方が数段上(というか、全然別物なので比較しちゃいけないんですが、、、)、湯浅作品では『四畳半神話大系』が自分的にはベストなんですが、それと並ぶくらい素晴らしかった。

 『ピンポン The Animation』は、何と10話全話が湯浅監督による絵コンテ(脚本はなくいきなり原作から絵コンテが切られているという)で、湯浅ワールド全開になっている。

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 シャープな絵コンテがまず素晴らしく、そしてそれを支えるキャラクターデザイン・総作画監督 伊東伸高氏以下のアニメーターの腕の冴え。
 松本大洋弱者の私は、原作未読なので、どの程度、松本タッチが活かされているか、全く推測するしかないのだけれど、恐らく原作のタッチと湯浅監督の感性が見事にクロスオーバーして、この素晴らしい映像が創造されたのだと思う。

 スタジオジブリが、幻想的なシーンがあると言ってもリアル描写に向かったのに対比して、ここにはアニメーションが持つ伸びやかな、人が描き出す絵だけが持つイマジネーションの広大な空間が広がっている。

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メレンゲ 僕らについて ピンポンED Ping Pong ED
 OPの絵コンテ・演出・作画監督を担当した大平晋也氏(原画には大平氏盟友にして『かぐや姫の物語』でも有名な橋本晋治氏が参加)、そしてEDを一人描きあげたという本作副監督のEunYoung Choi:チェ・ウニョン氏、このお二人のイマジネーションに挟まれた、縦横無尽に描かれた本篇の湯浅アニメーションの魅力に溢れた10本、今まで知らなかったことを悔いつつも一気見できた充実感を噛み締めています。

◆関連リンク
TVアニメ「ピンポン」特集、松本大洋×湯浅政明監督対談
湯浅監督が全話解説! 『ピンポン』無料配信特設サイトがすごい
ノイタミナクリエーターズインタビュー 湯浅政明

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2020.07.24

■感想 湯浅政明監督『日本沈没2020』


『日本沈没2020』 TVCM 30秒 - Netflix

 湯浅政明監督『日本沈没2020』第1話オワリノハジマリ、第2話トウキョーサヨウナラ、第3話マイオリタキボウ、第4話ヒラカレタトビラ、第5話カナシキゲンソウ、Netflix に復帰して観ました。

 冒頭から飛ばしますね〜。
 主人公家族の視点で急ピッチに情け容赦なく進む物語は、まるで、人が放水して砂場の蟻が右往左往する様に、観客も蟻の視点で体感するのみ。

 『DEVILMAN crybaby』や『きみと、波にのれたら』等にあった湯浅監督の冷徹な客観視点が、自然の前の非力な人の姿を描き出しています。

 全篇を映像化されることはない、と思われる漫画版『風の谷のナウシカ』も、Netflixが湯浅政明監督で企画すれば、ある意味軽々と映像化してしまうんじゃないかという演出力です。

 いえ、僕は庵野秀明監督でオーマの最期を観たいですよ、勿論。でもそんないつになったら完成するか分からないものを幻視するより、ほらそこに大きな可能性が近くにあるよ、って気が凄くしてしまっているのでした。

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 湯浅政明監督『日本沈没2020』第6話コノセカイノオワリ、第7話ニッポンノヨアケ、第8話ママサイテー、第9話ニッポンチンボツ、第10話ハジマリノアサ、観終わりました。

 素晴らしいクライマックスとエンディングでした。
 1973年に出版された原作を当時読んだファンにも、納得できる物語になっています。

 原作へのリスペクトにあふれた物語構成とテーマ。小松左京が本来描きたかった、沈んでヌクヌクとした島国から世界に出て行かざるを得なかった日本人の姿を、約50年後に描かれた本作は、多国籍化が進み、そしてダイバージェンスがより顕著になっている現在2020年を舞台にして、10話の中で見事に描ききっている。

 その想いは、作中のYoutuberであるKITEのラップシーン、主人公 武藤歩のエンディングの姿、そして最後を締める楽曲といった、隅々まで丁寧に描きこまれている。

 縦軸のディザスターのサスペンスと、日本人と世界の多様性の横軸が見事に、サイエンスSARUのイメージを縦横無尽に表象するアニメーションによって、現代の小松左京の「日本沈没」を描き切っている。

 見事な快作でした。次は古川日出男原作の『犬王』。楽しみでなりません。

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2020.06.29

■動画 湯浅政明監督『日本沈没2020』OP

 


『日本沈没2020』OP(歌詞入り特別ver. )|主題歌:「a life」大貫妙子&坂本龍一

「日本沈没2020」主題歌は大貫妙子&坂本龍一の名曲「a life」湯浅政明監督によるOPも公開(Anime! Anime!)

" 湯浅政明監督は「a life」について、「透明感、日常感がありながらも、地に足がついた素敵な曲でした」とその印象をコメント。
オープニング映像については、「殺伐とした天変地異後の暗い本編とは対照的な、明るい爽やかな朝のルーチンを毎回見ることで、失ったものの尊さを感じてもらえると良いと思いました。朝の光、柔らかい布団や温かい飲み物、自然の風景や小動物のクローズアップを、記憶の中にある様に柔らかいタッチで断片的にオーバーラップしながら、透明感ある白い光の中に描きます」との演出意図を明かした。"

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 湯浅政明監督『日本沈没2020』のOP曲。今までの日本沈没の、どちらかというと重厚な感じに対して、日常感を大切にしたとてもライトな楽曲。新しい『日本沈没』の予感に満ちています。

 20年7月9日より、Netflixにて全世界独占配信とのこと。湯浅監督の新しい感覚の日本沈没、世界でヒットすることを祈念します。

◆関連リンク
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2020.05.18

■感想 山田尚子監督『聲の形』、高坂希太郎監督『若おかみは小学生』

 ずっと在宅勤務とGW中、1日1本の映画鑑賞を続けていますが、しばらく感想をサボってしまって、メモが溜まっていますw。

 で、この二日で観た、巷で評判のアニメ映画(WOWOW初見)が、とにかく素晴らしかったので、まさに今更で恥ずかしいんですが、他を飛ばして感想です。どちらも年間ベスト級の傑作で、2日連続観賞というのは至福の時間でした。

 両作は脚本 吉田玲子つながりですが、どちらも機微を抑えた人物描写の脚本と、感情表現含めた作画の丁寧さが相まって、見事な映画になっています。

◆山田尚子監督『聲の形』

『聲の形』 ロングPV
 岐阜映画でもある、見知った光景の大垣市の風景で描かれるシビアな現代の学生生活の物語。胃が痛くなる様なこうした人間関係の映画をアニメでは観たことなかった様な。あと自分の経験にはこういうのは幸いに(?)ないけれど(時代も違う?)、自分の娘たちの学生時代を思い出すと、長期連休中とその後の新学期始まる前の表情とかが全然違っていて、この映画の様な学校生活のストレスを何らか感じていたのかもしれないですね。

 ラストシーン、友人たちの顔の明るい映像から、画面全体がブラックアウトして、中心にだけ二人の人物の小さな影が映るシーン。3回ほど繰り返し、この映像効果が最後に独特の効果/余韻を作っている。

 アニメートでは特に、足、靴の丁寧な描写が妙に印象的でした。いずれのシーンもなかなか見事なアニメートと演出で、素晴らしい完成度。

 人物描写も、西宮硝子は確かに異質な存在としてクラスに現れ、こういう書き方は誤解を招きそうだけれど、はっきり言って「気持ち悪く」描かれている。この演出で小学生たちのいじめる側の視点も観客に感情移入できるものになっている。

 硝子の母親と石田将也の母親の関係とか、こうした映画にありがちな描写でなく、鮮烈で独特。この辺も素晴らしくうまいですね。

 Wikipediaにこんな記述がある。
「劇中でも登場する養老天命反転地の「極限で似るものの家」があり、そこから、「イコールではないが、無限に同じものへ近づいて行くことを表す"極限値"」というものが一つのコンセプトとして制作された」

 劇中にも出てくる養老天命反転地は何度か行ったことがある好きな場所なのだけれど、ここの傾斜した不安な/危険を感じさせるアート施設をコンセプトとして使っているのも面白い。

◆高坂希太郎監督『若おかみは小学生』

劇場版『若おかみは小学生!』予告編
 こちらは『聲の形』と比較すると、陽性の魅力に溢れた傑作。
 主人公の眼に抵抗感があって、なかなか観られなかったのだけれど、地上波放送の前に観ておこうという、、、(^^;)。

 登場人物の多層的な描き方、うりぼうとみよちゃん、鈴鬼といった”異界”キャラクターによる想像力の自由さがとてもいい作品。物語も重いテーマを描いているのだけれど、いずれのエピソードも主人公の陽性に救われるところが素晴らしい。こういうのって、漫画映画の王道って考えたいですよね。

 エンドタイトルのイメージスケッチの絵もとてもいい。気持ちいい映画をありがとう、って感じですね。

 上記引用画像は、本田雄原画パートとのこと。(関連リンクに元映像)
 回想シーンなので他と少し違うタッチにしているが、おかみ 峰子の子供時代、素晴らしくスマートでかわいい。

 うりぼうのアクションもいいし、この作画は、宮崎駿がアニメーターとして嫉妬するレベルと思う。このままこの二人の子供時代を描いた映画も見てみたくなる出来ですね。

◆関連リンク
きゅうでれ (sakyuuga) さんツィート

 "劇場版 若おかみは小学生!の回想シーンは本田雄さんの素晴らしい原画です、小黒さんが本人から確認をもらいました。"

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2020.04.29

■感想 神山健治 × 荒牧伸志 監督『攻殻機動隊 SAC_2045』


『攻殻機動隊 SAC_2045』| クリップ | タチコマが大活躍!カーチェイスバトル
 4/24に世界配信が始まった『攻殻機動隊SAC2045』@Netflix にて、1-12話、いっき観しました(2日間に分けて)。

 神山健治攻殻に久々浸れて幸せ(^^)。明日も仕事なので、グッと我慢で半分までで泣く泣く止めました。

 『009』『ULTRAMAN』に続くセルルックとフォトリアルの間くらいのCGで描かれる“公安9課”。この独特な映画感覚は何なんでしょう。さすがに人物のアップ(特に荒巻)の違和感には眼をつぶりつつ観ていると何とも言えない独自のリアリティが立ち上がってくる。まさにSAC世界がグニュッとリアル世界に首を突っ込んできたような異質な感覚。

 そして描かれる「アレ」。このCGルックだからこそ異様さが引き立つ奇怪な存在がこの後どう描かれていくのか、これはもう明日の晩に12話までいっきに観ることになるでしょう(^^)。

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 そして、第7〜12話、金曜にいっき観。
 ええぇ〜〜ここで終わる!?こりゃあシーズン2を即配信しないと駄目でしょう!

 この話数では、舞台を日本に移し、アレを追う9課。
 空挺部隊とか1984とか魅力的なテーマが散りばめられています。

 そして何と言っても、スリムだけれど武装を強化したタチコマが今回も最高。やはりタチコマあってのSACです。可愛くて手元に置きたいこと必至。フィギュアを検索すると…。

◆関連リンク
『攻殻機動隊 SAC_2045』ROBOT魂
 もうフィギュアも出てるんですね。これは欲しい!

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