アニメ・コミック

2017.03.01

■情報 神山健治『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』


映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』本予告【HD】2017年3月18日公開 - YouTube

映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」オフィシャルサイト 神山健治監督初の劇場オリジナルアニメーション!

 予告篇にある、日常でVRのヘッドセットを高校生が通学バスの中で観ている世界。そこで交錯する現実と夢。
 ポスタービジュアルも予告篇コピーも『君の名は。』を意識した作りになっているが、神山監督らしいアイテムで展開される物語が期待できる。

 神山監督は、Facebookでフォローさせていただいているが、いつも先端技術の投稿が多い。特にAR,VRへの関心が高い様子なので、どのように先端技術の成果をアニメ映像として映画に定着されるか、その想像力の羽ばたきに期待したいものです。

◆関連リンク
神山 健治『小説 ひるね姫 ~知らないワタシの物語』
『ひるね姫~知らないワタシの物語~ 公式ガイドブック』
神山 健治『映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版』

"神山健治が、新刊「映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版」を3月23日に刊行することが明らかになった。庵野秀明との特別対談も収録されている。"

神山健治 当ブログ関連記事 Google 検索

・主題歌PV版予告篇 かなりネタバレ的な映像が含まれます。
 この予告観ると、宮崎駿『未来少年コナン』テイストも感じられ、ますます期待です!

映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』主題歌予告(デイ・ドリーム・ビリーバー)【HD】2017年3月18日公開 - YouTube

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2017.02.15

■感想 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』第1巻

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「映像研には手を出すな! 1」第1話 試し読み  小学館公式

    " アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。
   ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!    

 「月刊!スピリッツ」連載時よりSNSで「すげえ漫画が始まった!」と驚異の拡散!

〈 編集者からのおすすめ情報 〉
ドラえもん、宮崎駿、そしてザリガニが好きな方、設定・世界観・背景フェチの方には絶対刺さります!

第1話 最強の世界 第2話 映像研、爆誕す!
第3話 無給! ブラック・パラパラ漫画 第4話 映像研の災日
第5話 手間を減らして派手にしろ!! 第6話 1日48時間労働の危機
第7話 鉛筆を強く握れ! "

 サンプル 第1話がリンク先で読めます。波長があった人は是非1月に出た第1巻を読んでみてほしい。

 スーパーアニメ一ターを目指す少女たちの物語。タイトルの「映像研」に同じ映像研仲間として、強烈にシンパシィを感じて(^^)、第1巻読んでみました。

 途中、たとえば「井上さんが作画監督のアニメが今日から始まるんだ!」というセリフがあったり、作画ファンにも堪らないくすぐりが随所にあります。もちろんこの名前は、カリスマアニメーター井上俊之氏のことではないか。そして「映像研」の名に相応しい物語が展開する。

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 人物はアニメ的な省略の効いたデザイン。そして背景がとても凝っていていい。右引用画に示すように『ブレードランナー』風のデッドテックなイメージとジブリの構造物との融合体的なアニメファン、SFファンの郷愁を誘うテイストになっている。

 また物語は、舞台となる柴浜高校(この名前がまたレトロ! 落語ファンの琴線もさすりますw)で、新設された同好会である、映像研究会が校内の予算獲得に向け、短篇アニメを制作するところから始まる。

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 部室の確保から、ストーリー、設定、キャラクター、イメージ画と物語の進行とともに制作過程が刻々と描かれる。主人公達がそれらをイメージする時に、芝浜高校は未来都市になり、部室の椅子が宇宙機になり、浅草みどりがお年玉をはたいて買ったリュックは、生命維持装置に変わる。学生生活の部活動の夢想が広く宇宙にまで羽ばたく気分が、漫画の媒体で最大限活きていて、あの高校生独特の精神世界が見事に活写されている。

 第1巻の途中で主人公が宮﨑駿監督『未来少年コナン』を観るシーンがある。まさに本作は『未来少年コナン』の直系の雰囲気を醸し出しており、若いファンだけでなく、往年の宮崎ファンにも優しいw、広い世代の漫画映画ファンに受ける絵柄と物語になっている。特にメカデザインの丸っこさは、コナンメカを彷彿とさせる。

 また何回か出てくる「面白くなってきやがった」というのは言わずもがなの『カリオストロの城』からの引用かとw。

 この漫画家の名前 「大童澄瞳」、ペンネームと考えられるが、字義を考えて眺めてみると、まさに『未来少年コナン』直系、漫画映画の明日を担って頂ける素晴らしい名前ではないだろうか。

 このまま人気が拡大して、スーパーアニメーター達によるテレビアニメ化/漫画映画化されることを望むものである(^^)。

大童澄瞳氏 対談!!
【単行本発売記念】大童澄瞳×りょーちも、魂のアニメ対談!【映像研には手を出すな!】 - コミスン(comic soon)

"大童 母が、「ルパンは緑まで」「ウルトラマンはセブンまで」という感じの人で。怪奇大作戦みたいなのが好きで、僕からの着信音はレッドキングで、姉からの着信音はバルタン星人っていう......。

ちも なぜこういう作品を作るようになったのか、すごく感じるところが多いです。全体としては、すごい昭和なんですけど、舞台がどこなんだろうというのがわからなかったので、この人はどういう時空を生きているんだろうって。
大童 高校時代には、後輩から「あなたは第一世代オタクのコピーだ」って言われました。
ちも それを断言できる後輩もおかしいよ!(笑)

大童 僕は玩具をあまり買ってもらえなかったので、子供用のハンガーをメーヴェに見立てて、モモンガのぬいぐるみを載せて『風の谷のナウシカ』のコルベットに追いかけられるシーンを......てれれってってて~♪というのをずっとやっていて。"

 なんとりょーちも氏との対談! そして大童氏のルーツが語られる。
 素晴らしいお母さんをお持ちのようです! まさに直系!

◆関連リンク
大童澄瞳 - Wikipedia
 23歳にしてこの漫画映画スピリッツ、素晴らしいです。
大童澄瞳:単行本発売中 (twitter)
デンノー忍者こと大童澄瞳です。 - ザリガニを釣れ!
 ブログだけれど、まだ記事は2つだけです。
「デンノー忍者」のプロフィール [pixiv]
 オリジナルのイラストが多数見られます。
想像力が暴走する、アニメ制作JK青春冒険録! 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』/アニメ評論家・藤津亮太のアニメな?マンガ【第4回】

大童 澄瞳『 映像研には手を出すな! 1』(Amazon)


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2017.02.13

◆感想 宮﨑駿監督『風立ちぬ』 白い服の少女と漫画映画監督の救済、その完結

 前回の記事で書いた宮崎駿の作品モチーフとして描かれ続けている「白い服の少女の救済」について、『風立ちぬ』との関連で思うところあり、以下、記してみます。

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 何度目かの『カリオストロの城』がテレビ放映された昨年末に、ラストまで目が離せなくなって、十数回目を観てしまった。
 そのラスト。テーマ的にも、宮崎駿終生の「白い服の少女の救済としての浄化」を最も高度に描き出した傑作であると再確認。

 宮崎駿のこのテーマについては過去にこんな記事を本ブログに書いた。

■BS アニメ夜話 『カリオストロの城』

" 白い服を着た少女について。
 『宮崎駿の原点―母と子の物語』という大泉 実成が書いた本の中に非常に興味深い宮崎の子供時代のエピソードがある。あまりに後の作品にピッタリはまりすぎてかえって嘘くさく思えるエピソードなのだけど、、、。

 手元に本がなく記憶で書くけど、東京大空襲の中で宮崎家の自動車に乗せてほしいと言われたが、もう上院に余裕なく助けられなかった少女。
 それが原罪となって、全ての宮崎作品の感情的描写の根底にあるように思います。死んでしまった少女が持っていた無限の可能性。宮崎の描く少女(女性)のキャラクターは、その生きられなかった未来の可能性の一つ一つの姿なのかもしれません。

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 そしてその少女の救済、それが最も昇華した形が、『カリ城』のクラリスと『未来少年コナン』のモンスリーを描いた「大津波」(白い服ではないが、、、)。

 どちらも記憶の中の少女の姿がキービジュアルとなり(それは空襲の業火の中で宮崎の心に焼き付いた空襲で死んでしまったかもしれない少女の姿)、物語の中でその記憶の少女の成長した後の浄化を見事に描き出しています。"

 宮崎駿の映画で、この戦火/災害の業火の中に佇む白い服の「少女の救済」がそのテーマの中心にいることは数々の作品で明らか。上に挙げた以外にも、「さらば愛しきルパンよ」『風の谷のナウシカ』「On Your Mark」『ハウルの動く城』『もののけ姫』等々、監督作以外にもテレビや映画のシーン担当としても同様のテーマは枚挙にいとまがない(一度いつかしっかり確認し、まとめてみたい)。

 あと宮崎が漫画映画を志すきっかけとなったと言われる『白蛇伝』の主役もまさに白娘なのである。

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 この文脈で考えた時に長篇最後の作品『風立ちぬ』は、大震災の業火の中で助けた「白い服の少女」と主人公を描いた物語となっている。

 主人公の飛行機設計者堀越二郎は、その設計工房がまるで初期の長編漫画映画スタジオのように描かれていることから、おそらく監督自身を模したキャラクターなのであろう。

 そして『風立ちぬ』では、今までの宮崎作品で描かれなかった監督を模した主人公と白い服の娘、その二人の結婚と後の別れまでが描かれる。
 ついに結ばれ、そしてそのラストは、当初の絵コンテでは死んだ妻が迷宮から「来て」と呼びかけ主人公がそこへ旅立つはずだった物語構成だった。

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 大空襲の中で死んだ少女と一緒になり、そして彼女の元へ宮崎が赴くことを(物語として)ついに決意したかの様に描かれた『風立ちぬ』。

 それは宮﨑駿という一貫して「白い服の少女の救済」を描いてきた漫画映画監督自身が、その終生のテーマの集大成を意図して、まさに最期の作品として構想された作品と考えることができる。

 出来上がった作品は、ご存知のようにそのラストは国民作家のエンターテインメント作品として、あまりにブラックなセリフは一文字改変され「来て」が「(貴方は)生きて」と変更されている。

 これにより当初の意図の、白い服の少女との迷宮への旅立ちという、宮崎監督自身の思いを微妙に離れ、その監督の救済を描くことになってしまったという皮肉なオチにも受け取れます。

 まさにこれこそ作家の「業」。

 というわけで、終生のテーマに一応のピリオドを打った監督が、今まさに構想しているという長編次作で何を描くのか、期待してます(^^;)。

◆関連リンク
・当ブログ記事 宮崎駿監督『ハウルの動く城』と少女の救済

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2017.02.10

■感想 荒川格ディレクター NHK『 終わらない人 宮﨑駿』70分版

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70分版、未公開シーンあり。 宮﨑 駿に再び火がついた!
♢終わらない人 宮﨑駿 |NHK_PR|NHKオンライン

宮﨑さんのインタビューが追加され、感情の動きがより感じられる内容となっており、番組の試写を見た人いわく「宮崎さんの気持ちがよりわかった」とのこと。番組担当の荒川格ディレクターも、「Nスペとはひと味変えて、“宮﨑駿”がいかに蘇っていったか、 宮﨑さんの感情とともにわかるように作っています。」とコメント。

 未公開シーン追加版、「毛虫のボロ」現場での宮崎駿の制作者としての闘志が燃えてくる過程の生々しい記録としても、十分に面白いのだけれど、今回も僕が注目したのは、新しい長編企画に関する部分。

 このドキュメンタリーでは、ドワンゴのディープラーニングAI CG作画を観て「生命への冒瀆だ」とコメントした後に、長篇企画が始まってる様に見える。
 そして宮﨑駿の「触れてこなかったものに挑む」という発言から、『ナウシカ』漫画版7巻のテーマにアニメーションで挑むのではないかと邪推してしまった。

 つまりあれだけ生命の実像を描いてきた宮崎アニメの現場に近いところにいながら、その核心部分に対して「冒涜」するような映像を見せるジブリ中心スタッフである川上量生プロデューサー見習いの所業。それを見た宮﨑駿の絶望感はいかばかりのものか。「毛虫のボロ」でCGに触れ、恐らくその理解の延長で川上AI CG提案を見たであろう宮崎。その時の気持ちから、新しい長篇を作らなくてはいけないのではないか、という想いがメラメラと燃えてきたのは想像に難くない。

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 「生命への冒涜」に対して、最も宮崎が清濁併せ持つ「生命存在」を描き切った自作『風の谷のナウシカ』漫画版7巻を想起したのではないか、というのもあながち邪推と言い切れない、と『母をたずねて三千里』『未来少年コナン』からの、40年来の宮崎ファンである僕は直感的に思うのだ(^^)。

 もし長篇企画が本当にそれなら、これはとんでもない挑戦になりますね。世界でも稀代の、生命の本質に迫ったあの20世紀SFの最高傑作の一本『風の谷のナウシカ』漫画版7巻の映画化。

 そうか、場合によっては庵野秀明との共同監督の手もあるかも!(妄想ですがw)。
庵野があの『風の谷のナウシカ』漫画版7巻の映像化に熱心な気持ちを持っていることはいくつか語られている(主にジブリ鈴木敏夫Pとの対話とか)。

 もしそんな企画が現実になったら、宮﨑駿の漫画映画人生はまさに素晴らしい大団円となる気がする。『風立ちぬ』が戦時中の、宮崎の「白い服の少女」という創作のネガ→ポジ 根本モチーフに終幕をもたらしたものなら、この『風の谷のナウシカ』の新作は、宮崎生命観のクライマックスを描写するのに最もふさわしい。

 この妄想が妄想でなく実現することを、究極映像研は今後の宮崎新作の行方を見守っていきたいと思う(^^;)。

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2017.01.30

■分析 新海誠監督『君の名は。』大ヒット要因?、中島みゆき「糸」のカラオケランキングとの関係


【君の名は。】糸【MAD】 - YouTube

◆『君の名は。』大ヒットの要因
 先日、同窓会2次会でカラオケ行って驚いたのは、ランキングで中島みゆき「糸」が5位に入っていたこと。中島みゆきの歌の中でもそれほど大ヒットしたわけでもないのに、なぜ、今??
 調べてみると昨年の年間で2位、そしてここ数年上位が続いているらしい。

ジョイサウンド年間ランキング 2016年 2位2015年 3位2014年 13位

歌唱した年代別比率(2015年)。20-50代に満遍なく分布。

 で、直感的に思ったのが『君の名は。』大ヒットとの関係。
 RADWINPSやSNSによる要因だけでは考えられないビッグヒットになっている底流に、この「糸」のカラオケランキングに現れている日本人の心象が関係しているのではないか。

 もちろん通底するのは運命/結びつき/糸。
 どこかで運命的なつながりに関する情動が現在日本人の底流に横たわっているのかもしれない。相関関係の証明は難しいが、おそらく無関係ではないだろう。カラオケという一つの気持ちの表現の場で、売れている曲から、今後の映画作品のヒントを得る、というのは無意味ではない気がする。カラオケマーケッティング(^^)。

 なーんて妄想をしながら同窓会仲間と「糸」を熱唱した夜、でした。
 探してみたらそういう分析はネットにはないのですが、いろいろと作られている『君の名は。』MADにばっちりのものがありましたので、ご紹介。ヴォーカルは中島みゆきのものではないのでけれど、なかなか良いです。

◆関連リンク
君の名は ヒット 要因 - Google 検索
■感想 新海誠監督『君の名は。』

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2017.01.18

■情報 『TRIBUTE TO OTOMO: トリビュート トゥ オオトモ』 大友克洋リスペクト 展覧会と図録

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図録『TRIBUTE TO OTOMO』
講談社 公式HP

"2017年の「アングレーム国際漫画祭」開催日に、フランス版・日本版を同時発売!"

図録「TRIBUTE TO OTOMO」岸本斉史、貞本義行ら約80名が参加 大友克洋の世界を描き下ろし | アニメ!アニメ!

" フランスで開催される「アングレーム国際漫画祭」開催日である2017年1月26日に発売される。この「アングレーム国際漫画祭」は、フランスのアングレーム市で行われるバンド・デシネのイベントで、1974年より開催されている歴史あるマンガの祭典だ。

 浅田弘幸、江口寿史、五十嵐大介、上條淳士、桂正和、岸本斉史、松本大洋、望月峯太郎 村田蓮爾、弐瓶勉、貞本義行、士郎正宗、田島昭宇、高野文子、竹谷隆之、谷口ジロー 寺田克也、浦沢直樹、吉田戦車とマンガ家からイラストレーター、キャラクターデザイナーと幅広く、ジャンルも様々だ。B4サイズ168ページというボリュームで、価格は5,000円(税別)である。"

 フランスの「アングレーム国際漫画祭」にて展示される大友克洋のトリヴュート展について情報をまとめる。まず冒頭のリンクは、講談社で出版される日本版図録。
 そして「アニメ!アニメ!」のサイトには日本人の参加作家の紹介がある。
 全員で80名の作家が参加しているということだが、そのうちの日本人が上記引用。
 次に「アングレーム国際漫画祭」の展示会場風景とフランスを中心にした海外作家の紹介。

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【展覧会】TRIBUTE TO OTOMO 大友克洋オマージュ展
- アングレーム国際漫画フェスティバル 日本語ブログ【公認】

"参加作家リスト

Virginie Augustin, Bannister, Dominique Bertail, Matthieu Bonhomme, Aleksi Briclot, Francesco Cattani, Lorenzo Ceccotti, Merwan Chabane, Olivier Coipel, Luigi Critone, Simone D’Armini, Ludovic Debeurme, Benoît Feroumont, Manuele Fior, Juan Gimenez, Joël Jurion, Jean-Philippe Kalonji, Viktor Kalvachev, Nicolas Keramidas, 金政基(キム・ジョン・ギ ), Olivier Ledroit, Stéphane Levallois, Li-An, Liberatore, Julien Loïs, Vincent Mallié, Dilraj Mann, Stan Manoukian, Thierry Martin, Laureline Mattiussi, Hugues Micol, Timothée Montaigne, Nicolas Némiri, Vincent Perriot, Gloria Pizzilli, Victor Santos, Stan Sakaï, Otto Schmidt, Guillaume Singelin, 谷口ジロー, Lucio Villani, Vince

展覧会の図録『TRIBUTE TO OTOMO』シリアルナンバー入り限定999部、表紙は大友克洋による描き下ろしイラスト(27.5 x 32cm、88ページ、29ユーロ)がフランス版『AKIRA』発行元のグレナ社が出版、同社が運営するパリのギャラリー Galerie Glénat で2月2日から販売。 なお、出品イラストは6月8日〜28日、パリ・Galerie Glénat で展示・販売される予定。"

 図録はシリアルナンバー入りの999部限定版と普及版があるようだ。
 限定版はパリのギャラリーでの販売のみのようであるが、詳細はGalerie Glénat公式サイトあたりで探してみるしかないです。フランス語なので私はお手上げ(^^;;)。

 次に引用したのは、展示会の様子を紹介した公式動画。
 これは日本でもぜひ開催して欲しいものです。
 

FIBD2016 - Hommage à Katsuhiro Otomo - YouTube

 現時点でネットで観られるトリビュート作品は以下のギャラリーの絵画販売サイト(今は購入できないようです)と、Google画像検索で確認ください。
Votre recherche pour otomo - Galerie Glénat
 グレナギャラリー 絵画検索「OTOMO」。

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TRIBUTE TO OTOMO - Google 検索
 なかなか興味深い絵があります。

『TRIBUTE TO OTOMO』(Amazon)
 1/27の発売は、Amazonでも扱いがあります。

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2016.11.28

■感想 片渕須直監督『この世界の片隅に』


映画『この世界の片隅に』予告編 HD - YouTube
この世界の片隅に - Wikipedia

" 片渕自身がこの作品のアニメーション映画を企画し、こうのに許諾を請う手紙と自作『マイマイ新子と千年の魔法』のDVDを送った。
 こうのは1996年に放送された片渕のテレビアニメ『名犬ラッシー』にあこがれ、「こういう人になりたい、こういうものが作りたいと思う前途にともる灯」として捉えていたため、この手紙を喜び枕の下にしいて寝たという"

 片渕須直監督『この世界の片隅に』を名古屋伏見ミリオン座で観た。
 まず第一に、冒頭のことりんごの主題歌が出てくるシーンの素晴らしさ。息を飲むような素晴らしい空のシーンにまずじんわりと映画全体がそこに結晶したような感覚を(冒頭なのに)何故か覚えたのは僕だけだろうか。

 そしてそれに続く本篇のアニメーション表現の何と豊かなことか。
 冒頭の化け物の背追い駕篭から、座敷わらし。空襲のリアリティとファンタシー。衝撃的な場面の心象を前面に出したようなアニメーション映像。

 音響設計と相まって、映画を芳醇にする、まさに魅せる映像になっている。
 こうの史代の原作も、ロ紅で描いたり、左手で描いたりしたそうだが、映画の心象を見事に表現した、アニメーションの柔軟な描写が活きている。

 片渕須直監督と、そして監督補・画面構成を担当された浦谷千恵さんのアニメーション表現が存分に発揮されたみごとな映像。
 アンドウの頃からの活動を会誌で少し知っていたので、このお二人のアニメーションの結実がなんとも素晴らしく感動です(^^)。

 淡々とそしてユーモラスに描かれる日常のリアル。
 絵を描くシーンも日常の家事も、いずれも主人公すずの手作業を丹念に追い、そこに息づく人間のぬくもりを伝えてくる。ホワッとしたすずの人柄がなんとも微笑ましい。
 そして呉という街の独特の雰囲気と、その日常描写があいまって、映画は戦時中の人々の生活をリアルに描き出している。

 そうした人の手の作業を前半で描き、それに退避して描かれる後半の痛ましい現実。積み上げた日常を破壊する戦争という過酷な現実の表現として、ほわっとしたすずのあるシーンでの慟哭が強く胸を撃つ。

 戦争と市井の人間を描いた素晴らしい傑作。多くの人に観てほしいアニメーション映画です。

◆蛇足 岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』との関連
 この映画を観て、僕は今年観た『リップヴァンウィンクルの花嫁』を何故か強く思い出していた。主人公 皆川七海の浮遊感と、状況への巻き込まれ感がきっとその原因なのだろうと思う。

 描いている時代もテーマも大きく違うが、ここにもうひとつの現代の『この世界の片隅に』が存在しているような気がする。いささか強引だけれど、描かれている人の気持ちはとても似ている。こうした市井の心象の丹念なスケッチは、日本映画の見事な堆積物の賜物のような気がするのは僕だけだろうか。

◆関連リンク
・当ブログ記事 ■感想 岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』: Bride wedding scores for rip van winkle

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2016.08.29

■感想 新海誠監督『君の名は。』


「君の名は。」予告 - YouTube

 新海誠監督『君の名は。』初日観てきました。今日はネタバレなしの感想です。


 ★★★ 一部、物語の舞台については具体的に触れているので、前知識なしに観たい方は御注意ください。 ★★★




■劇場の客層
 実は、新海作品を劇場で観るのは今回初めて。全作観ているのだけど、いまひとつ波長合わないので劇場までは行ってなかった。でも前作の『言の葉の庭』が今までと作風は延長上なのだけど、何処か印象が違って作品の昇華度が高かった。そして今作は素晴しく前評判が良かったので、最近癖になってる週末、会社帰りにいつものイオンシネマ大高で初日の18:35回を観て来た。

 劇場はこの映画館では中程度の広さで、7割の入り。ほぼ20代男女。『シン・ゴジラ』の初日の年令層との差は歴前。きている方々が新海ファンなのか、それとも楽曲を提供しているRADWINPSのファンなのかは、判然としない。うちの娘がラッドファンなので、聞いてみようかとw。

■何と地元が舞台
 冒頭予告篇にもある流星のシーンが素晴しい。そこにかぶる新海節の独白にはじまり、急展開な物語、と何かどこかで聞き覚えのある方言。何とこの映画、飛騨が舞台。うちは同じ岐阜でも南の東濃なのでイントネーションは結構、違うけど、明らかに親近感のある言葉、そしてところどころ出てくる「高山ラーメン」の看板とか見知った光景(^^)。

 twitterで検索すると、この夏の長編劇場版アニメは、岐阜ブームらしいので、また吃驚。
 『聲の形 』の舞台が大垣市、『ルドルフとイッパイアッテナ』が岐阜市に帰る話、そして『君の名は。』の舞台が岐阜県飛騨市(古川駅が出てくる)付近に設定された架空の街。

 飛騨を舞台にしたという山の中、何もない感はなかなかの親近感でした。飛騨の山々と星の流れがとてもマッチしている。特集本をみると企画書では山中の村か島の設定とのことでしたが.....。

 新海監督自身山の国である長野出身だけれど今回何故岐阜を舞台にしたのか聞いてみたい。雰囲気としては山深い森の多いシーン、そこにある少し神秘的な情景を持つ山村というのが飛騨にイメージが合ったのかもしれない。ちなみにカミオカンデがあるのは飛騨市神岡。そうした宇宙とのつながりのイメージも影響したのかもしれませんね。

 あえて岐阜県人としてひとつ苦言を呈すると、「あほ」という言葉は「たわけ」と言ってもらった方がより地元感が出たかと(^^)。

 それにしてもこの映画が岐阜県の北部 飛騨地方では上映されていないのが残念でならない。現在、飛騨には映画館が実はないのですね。

■総論 
 と以上は映画そのものに大きく関係するわけでないどうでも良い話地元話なんですがw、ここからが本題。

 物語の不思議の提示とある危機をめぐるサスペンス、そしてそれを裏打ちする日常の確かな登場人物の息遣いの聞こえてくるエピソードのてんこ盛りで映画は息つく間もなくクライマックスへ。ここの捻り方が絶妙で、上手い構成に涙腺をやられます。
 SF映画としても、よくある設定を重層的に重ねることで、新しい緊迫感が生まれていて、壮大な流星の光景とともに見事なSFの「絵」を構成しています。

■映像について
 これ以上書くとネタバレになるのでストーリーについては止めておきますが、映像は超絶な背景とかは今回少し薄味。全体が110分と長いので、新海監督自らによるあの超絶な光と影による光景描写はある一定程度の領域に留まり、冒頭とか山の中の紅葉シーンとか絶品なシーンはあるのですが、そこは今回少なくて、一般的なアニメの背景的シーンも多かったかな、と。

 今回の見所のもう一つはアニメーターの作画シーン。作画の良いパートは何とも素晴しい出来。
 エンドタイトルを見てると作画監督のジブリ出身安藤雅司氏の他に、沖浦啓之、橋本敬史、松本憲生、井上鋭、黄瀬和哉氏といったスーパーアニメータの名がクレジットされ、さらにジブリの名アニメータ 稲村武志、田中敦子、賀川愛氏といったの方々の名前がある。あのアニメーターはこのシーンかな、とかいろいろ思い致るも想像でしかないので、担当シーン情報が知りたいものです。twitterで検索すると幾人かの人が幾つか予想していて面白い。

 橋本敬史、松本憲生氏は流星のシーンとか、途中の抽象画的シーン、沖浦啓之氏は主人公たちが駆けるクライマックスのどこかかな、とか。沖浦氏は、例によって(?)ミニスカートのシーンかもしれない(^^)。

 いずれにしても今までの新海作品の良い部分と、ジブリ、IG等の日本アニメの財産が結晶化したような映画作品になっています。そして前述した丁寧な日常の積み上げとひねりの効いたクライマックス。新海作品で波長の合わなかったセンチメンタルに振ったシーンも、緻密で稠密な重層的物語構造によって、自然に流れに身を任せて物語に惹き込まれて観ることができる、なかなかの傑作です。

 ラッドの歌も、少し五月蝿いかな、と思うところもあったけれど、映画の雰囲気に合っていて、作品の厚みを増していてとても良かったです。

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2016.07.20

■情報 磯光雄監督 新作『レユニオンの海賊とドードー鳥』"Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos"

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磯光雄監督 最新作が発表! | インフォメーション | 月刊アニメージュ

" この作品は、インド洋にあるフランス領レユニオン島を舞台にした物語で、キャラクターの一部とイメージボード、島のイラストが紹介。磯光雄さんはフランスのアニメファンにも熱烈な支持を受けており、2007年の『電脳コイル』以来の作品発表に、会場のボルテージは上がり、期待の高さをうかがわせた。
 また、会場に磯光雄本人がサプライズで現れ、オーディエンスに紹介されると、会場は大きな拍手と歓声に包まれ、磯さんも手を振ってそれに応えた。"

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 磯光雄監督『電脳コイル』以来の待望の新作!どうやら映画企画として進行中のようです。
 『Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos』、フランスのスタジオ"Yapiko"とのコラボレーション。イメージボードとキャラクタデザインが発表されています!

 タイトルの『Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos』は、Google翻訳では「ドードー達の海賊会議 目覚め」という訳文を編み出してくれていますが、以下の磯監督自身のHPに記載された『レユニオンの海賊とドードー鳥』というのが正しい訳なのでしょう。

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"なお、謎のフランス人プロデューサーと共に絶賛漂流中のこの企画ですが、 脱稿後にちょっとした動きがあり、ひょっとしたら近いうちに どこかに漂着(座礁?)したりするかも… 2016/07/06"

"「企画書サルガッソ」連載第二回 というわけで雑誌「アニメスタイル」で漂流企画書をチラ見させてみる連載 「企画書サルガッソ」、第二回は 「レユニオンの海賊とドードー鳥」 興味ある方は是非アニメスタイル009号をご予約ください。7月14日 発売予定です。 "

 すでに『アニメスタイル』008号から、「企画書サルガッソ」という連載で紹介され始めているようです。残念ながら僕は未見ですが、、、。

 傑作『電脳コイル』から9年、磯監督が予見したAR,VRの本格的な時代が到来しつつある現在、新たに監督が挑むのは海賊の物語のようです。イメージスケッチもワクワクする出来なので、期待して待ちましょう。

◆関連リンク
Les Pirates de la Reunion | Facebook
 作品のFacebookページ。
磯光雄監督 twitter

"アニメーター・演出家/「電脳コイル」原作・脚本・監督/最近戦ってる見えない敵:ポピュリズム、宇宙の谷(造語)、水平"

 今年の春からスタートした磯監督のtwitter、ご自身の近況と、最新のテクノロジー情報のRTが中心のようです。相変わらずトンがった未来技術を紹介されています。
Yapiko(フランスのアニメスタジオ 公式)
『アニメスタイル009』
『アニメスタイル008』

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2016.01.13

■感想 原恵一監督『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』(さるすべり ミス北斎)


映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』予告編 - YouTube.

杉浦日向子の代表作の一つ「百日紅」を、原恵一監督がアニメ映画化した群像劇。江戸の浮世絵師と­して数多くの作品を発表し、世界中のさまざまな分野に多大な影響をもたらした葛飾北斎­と、その制作をサポートし続けた娘・お栄(後の葛飾応為)を取り巻く人間模様を、江戸­情緒たっぷりに描く。アニメーション制作は、『攻殻機動隊』『東のエデン』シリーズな­どのProduction I.Gが担当する。

 原恵一監督『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』DVD初見。
 この映画、アーティストを描くことにより、映像芸術論としても大変秀でている素晴らしい傑作になっていますね。原作も読んでいないので、まさかこのような映画だとは思いもしませんでした(基本、映画は前情報をほとんど入れないようにしているので、と言い訳;;)。

 映画館に観に行かなかった自分の不明を恥じるばかりだけど、映画のキービジュアルは見ていたが、前作『はじまりのみち』の印象も手伝って、江戸の庶民の生活を地に足のついた描写で描いている作品なのかな、くらいに思っていた。
 ところがどっこい(^^;;)、これは江戸時代の人々の、記憶と幻想の視覚装置であった絵師の浮世絵と、人々の脳内映像を巡る物語である。現在、写真や映画や漫画やテレビが、人類に対して果たしている役割を浮世絵が担っていた時代の、人々の心的映像を見事に活写したアニメーションである。

 龍や鬼の絵、春画、風景画。この映画で描かれた江戸の町人の心的光景は、現在の最先端のテクノロジーにより制作されている映像文化よりも、心の映像としては深いものがあるのではないか。

 それは浮世絵が少ない色と線により表現されていることで、人の想像力に委ねていることによるのかもしれない。そしてその手前に広大に広がっているのは、科学や西欧文明によって理知的になってしまう以前の、江戸の人々が持っていた豊かな世界認識である(ヒトはそれを”未開”と呼ぶかもしれないが...)。それらが情報量の少ない絵によって、見事に広大に圧縮解凍する様が、この映画のいろいろなシーンで炸裂する。
 映画はそれだけでなく、盲目の少女 お猶が音と触覚によって、心的に見ている江戸の映像を観客に想起させることで、観客に視覚障害者の”映像"だけでなく、さらに江戸の人々の心に写っていた光景も想起させることに成功している。

 そうした奇跡的な瞬間を描くために、原監督の緻密な演出と、丹念に作り込まれたアニメーションが見事なアンサンブルを奏でている。

 また活き活きとした、過去を蘇らせるというよりも、まさに現在進行形として江戸を描くのに、富貴晴美と辻陽によるロック/ジャズの音楽と椎名林檎の曲「最果てが見たい」が最大限の効果を演出している。

 監督とスタッフ(特に作画監督/キャラクターデザインの板津匡覧氏他作画陣)の見事な手腕にとにかく感嘆して観終えました。
 原作も、是非手に取ってみなければ、、、。

 最後に蛇足ですが、この映画、江戸物ということで下町、吉原、花魁等々、落語の世界とも通ずる部分があり、その雰囲気も湛えています。
 そうした時に少し物足りなかったのが、映画の演出としてのテンポ。
 落語のような場面展開のスピーディさのようなものが取り入れられていたら、新しい江戸的な映画になったのではないか。談志師匠の落語の定義「落語は江戸の風が吹くものを言うんだ」という言葉通り、その映像にさらに江戸の風が吹いていたのではないかと想像せずにいられない(^^)。

◆関連リンク
百日紅 ~Miss HOKUSAI~(公式FB)
葛飾応為 (wiki) のちのお栄の画号。

"北斎の門人・露木為一による『北斎仮宅写生図』に、北斎と応為の肖像が描かれている。
現存する作品は10点前後と非常に少ない。西洋画法への関心が強く、誇張した明暗法と細密描写に優れた肉筆画が残る。"

 実際は北斎に「アゴ」と呼ばれるような四角いアゴの持ち主だったようです。リンク先の『北斎仮宅写生図』参照。
・お栄の作品
 月下砧打ち美人図 - 東京国立博物館
 Three Women Playing Musical Instruments | Museum of Fine Arts, Boston
(三曲合奏図)
 葛飾応為《吉原格子先の図》
 その他の作品については、こちらのブログに詳しく描かれています。
 → 2015年05月15日 : Art & Bell by Tora
原恵一監督『百日紅~Miss HOKUSAI~ (特装限定版) [Blu-ray] 』

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