映画・テレビ

2018.11.12

■感想 静野孔文・瀬下寛之監督、ストーリー原案・脚本/虚淵玄『GODZILLA 星を喰う者』『GODZILLA:The Planet Eater』


『GODZILLA 星を喰う者』(『GODZILLA:The Planet Eater』

"その<黄金>は<絶望>すら焼き尽くす。 ゴジラ・アースVSギドラ、滅びの祭典が幕を開ける。 アニメーション映画『GODZILLA』、ついに完結。 【最終章】『GODZILLA 星を喰う者』11/9(金)全国公開。
【第一章】『GODZILLA 怪獣惑星』
【第二章】『GODZILLA 決戦機動増殖都市』

<STAFF> ■監督/静野孔文・瀬下寛之  ■ストーリー原案・脚本/虚淵玄(ニトロプラス) ■キャラクターデザイン原案/コザキユースケ ■副監督/吉平”Tady”直弘・安藤裕章 ■プロダクションデザイン/田中直哉・Ferdinando Patulli  ■CGキャラクターデザイン/森山佑樹 ■造形監督/片塰満則  ■美術監督/渋谷幸弘  ■色彩設計/野地弘納  ■音響監督/本山 哲"

45776569_2133055120357404_533329391

 虚淵玄のCGアニメ『GODZILLA』3部作観終わりました@109シネマズ名古屋。
 いや〜SFでした。おそらくゴジラ史上最高にSF。そしてまさに、地球最大の決戦。

 特に宇宙のGのシーン、映像と音響でこの世ならざる異界の存在感をたっぷりと見せてくれます。(本当に第1作からこの作品の音響の素晴らしさには感動します。あの音を聴くだけでも劇場をお薦めします。音響監督は本山哲さん)

 そしてその設定の暗黒。さすが虚淵玄。
 人類/知的生命史の暗黒描写が鈍く光ります。
 ゴジラの設定とそのルーツとなる日本に叩き込まれた事象、そしてそこに某が重なる描写には震えました。

 庵野監督作が物語とキャラクタ群とバトルと音楽で見せているのに対し、こちらは骨太い宇宙史的暗黒構造と独特のCGの質感で魅せます。どちらに軍配を上げるかというと前者ではありますが、本作が東宝から怪獣プロレスは除外して(以下関連リンク参照)、と言われてなかったら、後者が勝っていたかも(^^)。


kanada dragon - 金田龍 - YouTube
 『三大怪獣 地球最大の決戦』のキングギドラ(特にその奔放な怪光線)に大きな影響を受けたアニメーター金田伊功が描いた龍の迫力のシーン。この龍のダイナミックなアニメートに、『GODZILLA 星を喰う者』のギドラはインスパイアされたものだと思う。
 特に全体のフォルム、竜の下顎が長いところ。首のもたげ方とダイナミックな動き。
 欲を言えば、あの怪光線がなかったのが残念。そして画面構成はさらに金田伊功のものを強く導入しても良かったのではないかと思ったり。

■関連リンク
「GODZILLA 星を喰う者」虚淵玄・静野孔文・瀬下寛之鼎談インタビュー、あのラストはどのように生み出されたのか? - GIGAZINE.

"企画の初期段階で東宝さんから「このアニメ版ゴジラは怪獣プロレスにはしません」という宣言というか、方針確認があったんです。「アニメで怪獣をやる」という意味について初期段階で検討したんですね。日本だと「怪獣という存在」と「怪獣プロレス」がどこかでセットのイメージがあって。だからこそ「プロレスをしない怪獣」というのは、大胆な切り口であり、虚淵さんは原案を考えていく段階で、そこを起点にしていました。もともとゴジラ映画を見ていない静野さんには、僕と虚淵さんで「ここから先、ゴジラ映画を見ないでください」と伝えました。"

『GODZILLA』ギドラナイトでクリエーターが語る、実写とCGで「怪獣はどう造形されてきたか」 | マイナビニュース.

"『星を喰う者』を試写で観たという品田氏は「ギドラの設定が、『三大怪獣 地球最大の決戦』でのオリジナル・キングギドラに近いことに驚いた」と感想を述べた。瀬下監督はこれについて「企画が始まった当初の1年間は、今までの東宝怪獣映画を改めて調べ上げて、何を引用してどの部分を膨らますか、を徹底的にやったんです」と、過去の東宝怪獣映画、「ゴジラ」シリーズを研究した上で、実写と同じものにせず、アニメでしか描くことのできない世界を作ろうと熟考を重ねたと話した。"

CREATORS' INTERVIEW 音響監督 本山晢|アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』OFFICIAL SITE

godzilla 当ブログ 関連記事 Google 検索
当ブログ関連記事 感想 虚淵玄 脚本、静野孔文,瀬下寛之 監督『GODZILLA 怪獣惑星』

| | コメント (0)

2018.11.05

■予告篇 『流浪地球 : The Wandering Earth』


2018中国科幻电影《流浪地球》“The Wandering Earth”片花 - YouTube

"站長超級期待的中國大陸首部科幻大片 《流浪地球》首款電影海報發布!
本片改編自大陸科幻小說名家劉慈欣同名小說,吳京參與本片演出,中國大陸將於2019年2月5日大年初一上映。
劇情描寫太陽即將毀滅,人類在地球表面建造出巨大的推進器,尋找新家園。然而宇宙之路危機四伏,為了拯救地球,為了人類能在漫長的2500年後抵達新的家園,流浪地球時代的年輕人挺身而出,展開爭分奪秒的生死之戰。"

44805180_1905250752862231_995020991

 Facebookで教えていただいた中国のSF大作映画『流浪地球』。予告篇がまさに大作SF映画の香りで、これは期待できます。
 そしてあらすじからうかがえるのは、まるで『妖星ゴラス』のような地球に巨大な推進器を付けて、地球が宇宙を放浪する様。そんなストーリーを映画大国中国の総合力で描かれるかと思うとワクワクします。右のポスターもなんだか質感がいい感じです。

 以下にあらすじが日本語で書いてあるページが見つかりました。 噴射ノズル、まさに『妖星ゴラス』のようです(^^)

さまよえる地球 | 中国のSFを読もう!.

"太陽が数百年以内にヘリウム・フラッシュ(大爆発)を起こして赤色巨星化することが判明したので,地球ごとプロキシマ・ケンタウリまで逃げようという話である.映画『妖星ゴラス』に出てきたような巨大エンジンを作って逃げるのだ.木星でフライバイするときには空が木星に覆いつくされる.このイメージが素晴らしい."

 リンク先には、もう少しあらすじが詳しく書かれていますので、ご興味のある方はクリックして読んでみてください。

劉慈欣 - Wikipedia.

"さまよえる地球(原題:流浪地球) - 『S-Fマガジン』2008年9月号、訳:阿部敦子     初出:『科幻世界』2000年12号。第12回銀河賞特等賞[3]。"

 そして原作のSFは、既にSFマガジンに訳出されているとのこと。
 映画の公開まで(日本では果たして公開されるのか!?)、まずは原作を読んで楽しみに待つことにしましょう。


电影《流浪地球》正式预告片--改编自刘慈欣 同名原著 - YouTube
 もう少し長い予告編です。

| | コメント (0)

2018.10.31

■動画 キューブリック監督『2001年宇宙の旅』のメイキング


Stanley Kubrick | 2001 A Space Odyssey (1968) | A Look Behind The Future - YouTube

 キューブリック監督『2001年宇宙の旅』のメイキングがいくつか映像として、Youtubeに掲載されているので紹介する。今週は『2001年宇宙の旅』50周年ミニ特集です(^^)。

 まず上の動画。セット、プロップデザインからディスカバリー号の人工重力シーンの現場まで、こんなドキュメントが映像で残ってたということは知らなかったのでネットで見つけた時は嬉しかったので、ご紹介。
 A・C・クラークもしっかり語ってます。

 そしてこのメイキング映像を紹介したディスカバリーチャンネルの記事。

徹底的な科学考証が生んだ映画『2001年宇宙の旅』、そのデザインの裏側 – Discovery Channel Japan.

"人工重力空間は直径18m、重さ32トンもある空間を実際に回して撮影された。これほどまでに大規模な人工重力空間はISSには無いが、先日ドラゴン貨物宇宙船が届けた実験用の多用途重力可変プラットフォーム「MVP」はこれと同様に遠心力を使って人工的に重力を作り出すものだ。"

 いくつかの先進的なデザインについて、その出自を紹介しています。
 かなり簡易的な書き方なので、これはしっかりとした記事が読んでみたいものです。


Stanley Kubrick 2001 A Space Odyssey 1968 Making of a Myth - YouTube.

 もう一本、メイキングドキュメント。ペンの無重力シーンの再現シーン、ジェームズ・キャメロンやダグラス・トランブルも出演。
 モノリスの前で、語る後年のクラークの映像とかも味があります。

キューブリックが徹底研究した作品と、集められたスペシャリストたち『2001年宇宙の旅』 |CINEMORE(シネモア) 大口孝之氏

" 『2001年宇宙の旅』がいつ観ても古さを感じさせないのは、その後のSF作品を一変させてしまったメカデザインや、セット、ミニチュア、特殊メイクなど、美術全般の魅力が大きい。そして何より、とんでもなくリアリスティックな画面を実現させた、高度な特撮技術(*1)の貢献を忘れてはならない。本来であれば、製作・配給を手掛けたMGMのスタッフが、特撮も担当するべきなのだろう。だがこの時期、ほとんどのハリウッドの撮影所は特撮課を廃止してしまっており、スタンリー・キューブリックは新たにスタッフを見つけることからスタートしなければならなかった。
*1:この映画が公開された1968年は、ビジュアル・エフェクトという英国式表記がアメリカでは普及していなかったため、スペシャル・フォトグラフィック・エフェクトという長い役職で呼ばれていた。" 

 日本の3D映像、大型映画、CG映像の先端を切り開かれたクリエータ 大口孝之さんの筆になる『2001年宇宙の旅』のスペシャル・フォトグラフィック・エフェクトのスタッフの系譜をまとめた、大変興味深い論考。

 特に後のIMAX社の創業者であり、NFB(カナダ国立映画制作庁)の短篇映画の特撮の名手であったローマン・クロイター氏との共同の仕事の際に、直接聞き込まれたスターゲート以降のビジョン構築の裏話等、貴重なエピソードは必読です。

◆関連リンク


50th anniversary 2001: A Space Odyssey interview actor Keir Dullea - YouTube
 『2001年 宇宙の旅』ボーマン船長こと、キア・デュリアの最近のインタビュー。
 老け方が映画ラストのボーマンそのもの。
 俳優の50年後を見事にキューブリックが予見した! のか、もしくはキアが、自分の代表作の、映像の鋳型にはめるように自身で老けていったのか(^^)!


2001: a space odyssey; CG discovery - YouTube
2001年宇宙の旅、ディスカバリー号の構造: 万象酔歩.

"残念なことにディスカバリー号の設計図は廃棄されてしまったとの ことで、正確な構造は分かりません。 ここでは次の大まかな情報     頭の球体は直径12mくらい     人工重力(遠心力)居住区の直径は10mくらい     ポッドの直径は2mくらい と、映画の各シーンからディスカバリー号の内部構造を推測しCGモデルを作成してみました。"

 ディスカバリー号の内部構造をCG化したCG動画とその記事。
 ボーマン船長他の移動経路を知りたくなった時に、とても参考になります。労作ですね。

| | コメント (0)

2018.10.29

■感想 スタンリー・キューブリック監督『2001年 宇宙の旅』IMAX , 2001: A Space Odyssey - 50th Anniversary

44797821_2124505391212377_391640028

43636875_2124505447879038_717786559

 2週間限定公開の『2001年宇宙の旅』IMAXを、名古屋では唯一の上映館となったイオンシネマ大高で観てきたので感想です。

 まずは映画を観終えて、「50年前の2001年」から現在の2018年に戻ってきて、感じたこと。
 劇場の映像空間から、大高イオンに戻っても、LEDの光と21世紀のショッピングモールのリノリウムの床の空間は正に地続き(上の写真)。キューブリックとクラークは21世紀を50年前に幻視していたのをまざまざと実感。
 というのはこの映画のひとつの側面にすぎないのですが、続けて映画本篇の感想です。少し回りくどいけれど、初めて観た時の印象から始めます。


4K/BD【予告編】『2001年宇宙の旅 HDデジタル・リマスター』11.21リリース & 10.19 IMAX上映 - YouTube

 僕が劇場で『2001年 宇宙の旅』を観るのはこれで二度目。
 1度目は1978年のリバイバル上映、白川公園横にあったシネラマ名古屋の巨大スクリーンであった。ずっと憧れていたSF映画の最高峰に触れるには最適な環境だったと思う。
 実はその時の感想を細部については覚えていない。70mm上映だったかどうかも、、、。ネットで探ってみるとこのリバイバル上映は70mmと35mmの両方が使われていたらしい。巨大なシネラマの大画面用に70mmが使われたと想像しますが、、、。

 その時の感想としては、期待が大きかったからか、映画の感想としては、「凄い ! 」の一言ではなかった。映像としての洗練、凄さは感じたけれど、SFとしての物語が(当時、SFにどっぷりはまっていたので)、実はいまひとつに感じられたのだ。

 覚えている一番の点は、登場人物が人間らしくなくって(まるでファッション写真に出てくるモデルみたいで感情が感じられない。人の進化を描くのに、人間らしい矛盾した存在感が描けていないのは足りないのでは、)これで進化を描かれてもなぁ〜、というもの。(実はキューブリック映画にはこの時の印象がずっと尾をひいていて、全面絶賛にならない自分の気持ちがいますw)。

 で、今回、通して観るのは5回目くらい、大画面で観ての率直な感想。物凄い数の論評がなされてきたこの映画に新たに自分が追加できる視点はほとんどないと思う、ので、率直な自分の感想を記しておきます。

 この映画、今更だけれど、やはり映像の力が素晴らしい。画のバランス、隅々まで気迫のこもった未来描写。いずれも映像で象徴的に観客に400万年前から2001年の未来までを見せていく手腕がやはり素晴らしい。

 例えば月着陸船とディスカバリー号内部の重力と無重力の描写。人が円筒の中に作られた重力の中で、観たことのない動作をするのをこれでもかと描いているが、まさにこうしたところに映像で新しい世界を観客に、ある種の驚きを体感させることでリアルに実感させることを狙った手法。

 今では宇宙ものの定番描写になっているディスカバリー号が画面左から入ってきてて、カメラがその表面を舐めるように映し出す映像。これも、上に書いたのと同じく観客に映像の衝撃で未来を実感させる手法のひとつと言える。

 どのシーンも実はそうしたことを隅々まで考えてキューブリックが設計した映像であることがとてもよくわかる。400万年前の人類の夜明けも。2001年の月世界も。そして木星からスターゲートと欧州家具で調度されたボーマンの部屋。
 特に木星シーンから以降は、人類の進化を映画の時間軸で体感させるためにキューブリック(とクラーク)によって、同じく映像ショックで体感させるべく設計された映像なのではないか、と強く今回感じられた。

 謎解きについては、クラークの小説、キューブリック自身のラストを語る言葉、そして多くの評論家、SF作家、ファンによって語られた言葉で、既にキューブリックの意図したところは、ほぼ解明されているのではないか、というのが僕の印象。

 今後もこの映画が語られ続けるのは、映像としての素晴らしい構築力についてではないか、と思う。
 今回、僕がもうひとつ感じたのは、月面のシーンとか、宇宙の暗黒空間をゆくディスカバリー、そして木星のシーンでの、音の演出と各カットの長さである。
 真空の無音を限りなく意識した音設計。そして通常の映画と比べて恐ろしく長い各カットの時間である。
 これにより感じられる静寂な印象がもたらす映画空間としての印象。
 感情を排したように感じられた僕の初見の感想は、こんなところにもあるのかも、と思った。

 ではなぜこうした静粛を狙った映像になっているのか。
 もちろん宇宙の独特の空間を体感させる効果はある。しかし400万年前のシーンもラストのボーマンの部屋もそうした描写が際立っている。
 どこか神の目の視点、ここではモノリスを作った異星の存在の視点を意識した描写ではないだろうか。静かに人類を眺めている存在の視点を隅々まで意識的に張り巡らせることで映画自体に異星人は登場しないが、見終わった時になぜか観客に残る人類と異なる存在の意識みたいな冷たい異質な感覚。
 これをまさにキューブリックは意識的に描き出していたのではないか、というのが今回の鑑賞の一番の収穫だった。

 今度は、この感覚の正体を、意識しつつ、もう一度、この映画を観てみたい。
 初見の感想から40年経って、その古びていない未来幻視と映像の独特の感覚に浸って、いろいろと考えるところの多い映画体験でした。こんな機会を作ってくれた映画関係者に感謝です。


2001: A Space Odyssey - 50th Anniversary Trailer Comparison - YouTube

 最後に、IMAX版の映像について。
 これは今までのブルーレイ映像と70mmレストアの予告編映像を比較したもの。ブルーレイと比べて、アンレストア70mm版は、明るくて色味が黄色っぽく見えますね。

 この比較映像と比べると、IMAX版は中間よりちょい70mmアンレストア版の色合いに近い感じだったかな。 でもIMAXで観ると、70mmフィルムの解像度は、IMAXのデジタル解像度(2Kなんですけど)に追いついてなく、細部がつぶれてる印象。違ってたらごめんなさい。

◆関連リンク
【関連動画】『2001年宇宙の旅』アン・レストア70mm版と、デジタル処理されたBDとの比較動画 : KUBRICK.blog.jp

 これをソースに同シーンをBDから抜き出してBD→70mmの順で比較した動画が一番上の動画ですが、けっこう印象が違います。当然キューブリックの意図は後者なので、後者を基本に考えるべきですが、BDを見慣れていると違和感も否めません。ただしモニターとスクリーンでは映像の投影方法が異なるので映画館で観ればこれとは印象は異なるかも知れません。

 キューブリック関連の情報では日本最強のキューブリックブログさんの記事。
 この他にも2001年に関する素晴らしい情報があふれていますので、是非ご覧ください。
8K版「2001年宇宙の旅」、NHKが12月1日放送。70mmフィルムからフルレストア、世界初 - PHILE WEB.

NHKによると、70mmフィルムは8K並みの情報量を持つとのこと。「70mmフィルムのポテンシャルを十分に生かし切ることができる8Kでのテレビ放送は世界初」としている。 今回の8K放送はNHKが呼びかけ、現在作品を管理しているワーナー・ブラザースが、専門の作業チームに修復と8K化を依頼。「フィルムの傷などを丹念に修復し、すべての色彩を検証、細かく補正し、初公開時の映像と音声にできるだけ近づけるようレストアを行った」という。

 これは是非観てみたい、録画して手元に残したいと思うのですが、8Kテレビが68万円、HDレコーダーが14万円。まだまだ高嶺の花で絶対自分では手が出ない値段ですね。

マイケル・ベンソン, 中村 融 訳, 内田 昌之 訳, 小野田 和子 訳『2001:キューブリック、クラーク』

20181027_204408

“1968年、映画史に残る名作『2001年宇宙の旅』が製作・公開された。 スタンリー・キューブリックとアーサー・C・クラークという映画界・SF界の二人の天才の出会いから製作、公開までを克明に綴る。公開から50年、エポックメイキングな傑作の価値を再検証する”

2001年宇宙の旅 IMAX版の功罪 | シュウさんのブログ.

"最近観たアンレストア70㎜版とはまた違う印象を受けた。 70㎜では、想像以上にグレインが目立ち、いわゆる”荒々しさ”を感じたが、IMAX版は、きれいにレストアされた上品な印象だった。 ただ、IMAXの功罪を感じたのもまた事実。 「7人の侍」4Kリマスター上映でも感じた、ハッキリ見え過ぎる罪というか。 「7人の侍」では、カツラのラインがハッキリ見えてしまってたのだ。 今回の「2001年」IMAXでも、合成のズレによるチラツキとか、宇宙船から星が透けているとか、今まで気がつかなかった点がハッキリ分かってしまったのだ。 これは、IMAXならではの事なのか。 それとも、スクリーンの詳細さは今も昔も変わらず、単に私が気がつかなかっただけなのか…。 気になるところだ。"

 大変に興味深いブログ記事です。
 こちらで書かれている、窓の中のシーン(ステーションへのドッキング)のチラツキは、ハイビジョン放映版をうちのプロジェクター(120インチ)で観ても分かるので、IMAXというよりか、今回のIMAXの2Kデジタルの功罪でしょうね。 2Kでも既に解像度が当時の70mmを超えてる感が(画像のボケが気になる、ex. IBMのTele Padの文字が潰れているとか、いろいろ) あるので、8Kの意味があるか疑問を感じたりします。
【町山智浩映画解説】映画史上最も難解な映画『2001年宇宙の旅』 - YouTube.

"町山智浩さんが、ほとんどの評論家が解釈を間違えたという『2001年宇宙の旅』の解説をしています。この『2001年宇宙の旅』は、町山さんが映画に関する文章を書くキャリアの始まりとなった映画だそうです。あの、淀川長治さん、荻昌弘さんも間違えたという、難しい映画の本当の意味とは?・・・・・・"

 謎解き側面での2001年解釈の集大成的な町山氏の映画解読。とても興味深いです。

| | コメント (0)

2018.10.17

■感想 入江悠監督『太陽』(2016) 、前川知大演出『太陽』(2016)


『太陽』予告編 - YouTube 映画公式サイト

 劇団イキウメの前川知大による原作脚本の映画『太陽』をWOWOW録画で初見、続けて、2016年に再演された前川知大 原作脚本演出の舞台『太陽』をNHK BSプレミア版で初見。簡単だけれど、見比べた感想を記します。
 まず映画版。
 キュリオのひなびた村の光景、対するノクスの近代的な都市等、どこかSFチックな映像を見事に見せてくれて、まず映画的な世界の広がりに感嘆。
 物語は、ウィルスの拡散により人口が激減した世界で、ウィルスに耐性を持つが太陽光を浴びると体が燃えてしまうノクスと、ウィルスに罹患すると死んでしまうが元々の人間的な生活を太陽のもとでおくるキュリオの対立を小規模の境界を舞台にして描いている。
 そうした設定で描かれる世界は、少人数だけれど、新しい未来像を描き出していて、どう展開するのかワクワクしてしまうプロローグ。
 ただ、物語は閉鎖的な世界としてのキュリオの村の描写を昭和の邦画のようなドロドロとしたものとして描いていく。ここが僕はいまひとつだった。

宇多丸『太陽』を語る!by「週刊映画時評ムービーウォッチメン」2016年4月30日放送.

"「村としての日本、村人としての日本人」。もっとはっきり言えば、こういうことですね……「オラこんな村、イヤだ!」っていうね。「オラこんな村、イヤだ! ……でも、我々はここで生きていくしかないのだから……」っていう、こういう話をある意味、入江さんは毎回やっていると言える。"

 という評もあるが、確かに入江悠監督のテーマとしてそうした描写は必然的だったのかもしれない。しかし僕はしっくりこない。
 キュリオとノクスの世界の接触による異文化SFとして期待したものが、なぜ、昭和的日本人のムラ世界の湿度の高い世界描写に収束しなければならないのか。特に芝居にはないレイプシーンにはガッカリ。陰湿なムラ世界描写の協調かもしれないけれど、その前のシーンで太陽の下での若者三人の溌剌とした世界を描いていながら、ノクスとの対比で本来最も特徴的に描けたはずの太陽の光の下でのキュリオの世界描写を相殺してしまっている。ここが最も残念なところだった。

20181014_212129

 そして芝居版。
 こちらは映画とは逆のテーマが描かれている。人工的なノクスの論理的世界に対して、太陽の下で奔放な芸術、職人スキルでの突出(主人公 鉄彦の紅茶に対する深い理解)。ヒロイン結の変貌は映画も演劇も同様に描いているが、その後の鉄彦のとる態度で、逆の意味合いを持たせた芝居の方が僕は好きなテーマだった。

 映画は芝居で描けない太陽の光の描写を映像として思う存分にできるため、本来映画化ではそこがもっとも強いイメージを残せるはずで、それがテーマ的に消化するのは、芝居が描き出したテーマだったはず。

 映画は、入江監督のこだわりのテーマでタイトル『太陽』の持つ意味を否定してしまった。この映画化は監督とのミスマッチで、せっかくの良い映像を撮っているのに、それを十分に生かせず、芝居に対してテーマ的に力を失ってしまったのではないか、というのが僕の比較して観た感想です。

◆関連リンク
イキウメWeb 『太陽』2016 
イキウメWeb 通信販売ページ 前川知大演出『太陽』DVD
入江悠監督『太陽 Blu-ray』(Amazon)
前川知大演出『太陽 DVD』(Amazon)
前川知大『太陽』小説(Amazon)

 

| | コメント (0)

2018.10.08

■感想 ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』


3/11(土)公開 『哭声/コクソン』予告篇 - YouTube

  ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』WOWOW録画初見。

 この映画は一筋縄ではいきません。衝撃を受けたのは確かなのですが、僕は観終わった今もストーリーに釈然としないものを覚えて、モヤモヤとした想いでいます。

 ということで、まずはネタバレなしの感想から。

 端正な画面と少しコミカルな登場人物の営み。この映画はそのように始まります。
 そして谷城(コクソン)の村に起こる猟奇的な殺人事件。ここのサスペンスはなかなかのもの。サイコサスペンスとして、さらにはそこに祈祷師という存在を登場させ呪術的闘いというホラー寄りのサスペンス見せていく。

 ここまでの映画のサスペンスはなかなかのもの。エンタテインメントとしてかなり恐ろしい話を見事に映像化している。映像の美しさとともにエンタテインメントとしての完成度もなかなかのものです。
 特に國村隼の不思議な落ち着きを持った狂気の演技が素晴らしい。

 そしてラストの15分間のすごい映像。主人公ジョングと謎の女ムミョンとの農家と畑の間での夜明け前のシーンの素晴らしさ。

 光と影と、光の色の表情、凄みのあるこのシーンの映像、助祭イサムと國村隼のシーン、そしてジョングの家をカットバックで見せ、多義的なシーンを描き切ったこのクライマックスのもたらす映画としての魅力に正に感嘆。凄いものを見せてもらいました。



★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★ 

 さてここからが難しい。僕は少なくともまだこの映画を噛み下せていないので、この後は疑問点の提示に留まりそう。

 冒頭に引用されるキリストの言葉としての聖書の一文

「なぜうろたえているのか。どうして心に疑いを起すのか。わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」

Kokuson_201702_02_fixw_730_hq

 そしてクライマックスの國村隼演じる日本人の手の甲に穿たれた穴と、この言葉を模したセリフ。明らかにキリストとこの日本人をダブらせた演出。

 しかし助祭は、この日本人を自分の見聞きしたことから「悪魔」と呼んでしまう。
 國村が答えるのは、あなたがそのように信じているのなら、私がなんと言おうと「悪魔」であろう、という言葉。そしてカメラを構える、あの凄まじいシーンが描かれるのである。

 観客はここで、この日本人が村を救おうとしたキリストなのかそれとも悪魔なのか、どちらなのか迷ってしまう。

 同時にムミョンを信じられなかったジョングが自分の家に戻ることによって、ムミョンが悪霊に仕掛けた家の魔よけが変化するところが映し出される。魔よけの植物と思われたものが小さな髑髏に変貌するシーン。

 どちらも信じることとそれによる世界の変容が描かれている。

 この映画が多義的で、観客にとってどのように捉えたら良いか、迷わせてしまうのが、こうしたシーンを見ていると、まさに監督がこの映画で描きたかったものなのではないかと思えてくる。

 つまり映画の多義性は、この世界の姿が人の信じる想いによって変化してしまうことこそが映画のテーマなのかもしれない、という感想。

 とりあえずの僕のこの映画の感想まとめはこうしたことになる。
 実はキリストなのではないかと描かれた國村が殺された自分の愛犬をジョングの家にぶら下げたり(祈祷師イルグァンの仕掛けたものかもしれない)、真剣に國村に「殺」の念を送ったイルグァンが日本人の家にあった数々の呪いの対象の写真を持っていたり、、、ひとつの解釈をしようとすると、その反証として思い浮かぶシーンが多数埋め込まれている。そしてそれらも映画の結構としては、毒キノコの混入した健康食品の見せた幻覚と解釈できないこともない仕掛け。

20170315001333

 そうした仕掛け含め、この映画全体が多義的に解釈できる世界を象徴的に描き出そうとしているものだとしたらどうだろう。
 クライマックスで登場人物たちが信じたことが世界に顕在してしまう本作は、どのエピソードも矛盾するように散りばめられているが、それらすべてが人が解釈のために自分が信じたい事象を現実から選び出しているように、この映画の断片は観客が自分の信じたい解釈のために監督が用意し散りばめられた素材だとしたら。

 我々は真相などというものはなかなか存在しない現実を生活している。この映画はナ・ホンジン監督がそれをデフォルメして我々に見せているそんな映画なのかもしれない。これが現時点の僕の解釈です。

 今後何度か観て、この映画の仕掛けをもっと深く確認してみたいものである。

| | コメント (0)

2018.10.05

■感想 ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ』


映画『ジャスティス・リーグ』特別映像【HD】2017年11月23日(祝・木)公開 - YouTube

 ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ』WOWOW録画初見。

 ヒーロー映画らしい構造で気持ちよく見せてくれました。

20180930_194128

 ガル・ガドットのワンダー・ウーマンの美しさととりわけ笑顔が素晴らしい。この映画の気持ちよさの半分は彼女の笑顔によるものではないかという位。あのアナクロなコスチュームでこのインパクトなのだから、現代的な装いでのアクションものに登場したら、と考えると恐ろしい(^^;)。

 『アベンジャーズ』ほどのインフレがなくコンパクトに収めているため、最強のヒーローの登場が痛快。もちろんインフレを極めていくマーベルも大好きだけれど、こうした小気味好いコンパクトなまとめ方も大好きです。

 圧倒的なパワーの爆発を見せるには、こんな描き方がまさに効果的。

Justice_league_film_poster

 CGにしても、ところどころかなり荒いところがあったけれど(アマゾンの島の空撮ショットとか、、、)、ほとんど気にならない。映画の不思議は、各シーンの完成度が100%でなくても全体としての効果に貢献していれば、シーンごとの出来はそんなに気にならないというところ。(そんなことはその究極の『カメラを止めるな』をみればすぐわかりますw)。

 インフレ化している大作の世界も、こんな割り切りで、全体の構造、シナリオの練り込みに時間をかけて、適度なコストでさらに傑作が量産されることを望むものです。

◆関連リンク
ジャスティス・リーグ (映画) - Wikipedia

"ジョス・ウェドンが監督した劇場版とザック・スナイダーが監督したオリジナル版では演出や脚本の内容が異なっており、上映時間が劇場公開版では約50分ほどカットされている"

 いずれザック・スナイダー単独監督版も観てみたいものです。
ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ 4K ULTRA HD&3D&2Dブルーレイ』(Amazon)
ザック・スナイダー/ジョス・ウェドン監督『ジャスティス・リーグ 3D&2Dブルーレイ』(Amazon)
 3Dも是非入手してみたいものです。

| | コメント (0)

2018.10.03

■感想 黒沢清監督『予兆 散歩する侵略者 劇場版』


映画『予兆 散歩する侵略者 劇場版』予告編 - YouTube

" 「もうすぐ世界が終わるとしたらどうする?」
 《概念》を奪う「侵略者」はほかにもいた。 映画『散歩する侵略者』から生まれた恐怖と驚愕の侵略サスペンス。
  「侵略者」がやってきたそのとき、別の街では何が起きていたのか? 黒沢のそんな着想から生まれた本作では、新たな設定、キャストでアナザーストーリーが語られてゆく。
 黒沢に「神がかった熱演」と言わしめた彼らの演技から目が離せない。 常軌を逸していく世界で、ただひとつ揺らがないものとは― 今、新たな物語が始まる。 "

『予兆 散歩する侵略者 劇場版』公式サイト

" ほぼ三人だけのキャストで、侵略の予兆というテーマに挑みました。ごく身近な人間が、家庭や職場が、世界全体がゆっくりと確実に変貌していきます。やがて誰もいなくなった街の中で、夏帆さん演じる主人公は何と直面し、どのような決意を持って先に進んでいくのでしょうか。壮大で身の毛のよだつ出来事が、可能な限りリアルに描写されています。"

 同じ黒澤清監督による映画『散歩する侵略者』のスピンオフドラマ(WOWOWで放映)を映画版としてまとめて公開したもの。ドラマでは40分×1回+30分×4回であったものを140分にまとめてある。ドラマ版を先に観ているが、ほとんど内容としては同じと思う。ただし各話の OP, ED がなくなり違和感なく繋がれた連続した140分の作品として、緊迫度と不穏さは増しているように思う。

20180930_191232

 この作品のポイントは、概念を奪うということの不気味さと、侵略の"予兆"が漂う日本のなんでもない光景の持つ異様さである。
 なんどか黒沢清映画の感想で書いている、通常の日本のなんでもない日常を写した映像に付与される不穏な空気感。光と影、そして画面レイアウトで醸し出される黒沢映画独特のそんな空気感が最大限に発揮された素晴らしく、不安さを湛えた侵略の予兆を描いた傑作といえよう。

 『ウルトラQ』等のウルトラシリーズで描かれていた侵略の恐怖、それを現代のリアルな空間で最大限再現し、そしてそれを見事にブローアップして見せた黒沢清と脚本の高橋洋の手腕の凄み。

 東出昌大のまさに異界から来たような幽玄なサイコ演技はもちろんだけれど、それを受け止める日本の良識的リアルを体現している夏帆の芝居、そしてその狭間で異界へだんだん取り込まれていく様を見事に演じている染谷将太。

 この3人の演技と日常の切り取り方だけでここまでの侵略ものの前哨を不気味に描いた映画は、リアルSF映画好きには超お薦めです。

 週末に来襲した台風24号が現在我が地方にも迫っていますが、そんな不穏な空気の中、映画を観終わって見上げた空は、まさにこの映画のラストと強く共鳴していました。

◆関連リンク
前川知大『散歩する侵略者』(Amazon)

"海に近い町に住む、真治と鳴海の夫婦。真治は数日間の行方不明の後、まるで別の人格になって帰って来た。素直で穏やか、でもどこかちぐはぐで話が通じない。不仲だった夫の変化に戸惑う鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発。取材に訪れたジャーナリストの桜井は、“侵略者”の影を見る―。再演を重ねる人気舞台を、劇作家自ら小説に。黒沢清監督による映画化原作。"

前川知大『 DVD 演劇 イキウメ 散歩する侵略者』(Amazon)
 原案、原作となった演劇のDVD。これは是非観てみたい。演劇の限られた空間であの不気味さがどう表現されているか、観たくてたまらないです。
黒沢清監督『散歩する侵略者』(Amazon)
黒沢清監督『予兆 散歩する侵略者』(Amazon)

| | コメント (0)

2018.09.19

■予告篇 ルカ・ハルゴヴィック監督「スライス・オブ・ライフ (人生の一コマ)」"Slice of Life"


Slice of Life - Official Trailer - YouTube

""Slice of Life" is an original short Science Fiction film inspired by the Blade Runner universe."

 "Slice of Life" ブレードランナー風未来都市を描いたインディーズフィルム!
 『ブレード・ランナー』にインスパイアされたルカ・ハルゴヴィック(Luka Hrgović)監督による短篇映画。

 リンク先の予告篇を観てもらうとわかるが、「強力わかもと」ならぬ「吟徳門」と名付けられた商品(日本酒か?)のCMガールのふんどし美女が凄い(^^)!

 そして手作り特撮と思えぬ完成度の映像。後述するメイキングの映像を見るとわかるが、いずれも手作り感のあるミニチュアによる特撮である。
Slice Of Life Film(公式HP)


Creating the miniature sci-fi city in a garage - from junk! - YouTube.
 こちらにミニチュアの手作りシーン、それを利用した特撮シーン撮影のメイキング記録映像。

 『ブレード・ランナー』インスパイアは、その制作スタイルにまで徹底している。全篇見てみたいものです。

◆関連リンク

Solposter_web_big

Creating a sci-fi city in the garage
 特撮シーンの模型制作等のメイキング映像。
Slice of Life (Facebook)
 メイキング映像ほか、最新情報が語られています。
Slice Of Life - YouTube.
 こちらにも多数のメイキングが掲載されています。
Slice of Life - original short film homage to 80's SCI-FI by Julius Film — Kickstarter
 キックスターター、すでに受付は終了しています。ファンディングゴール $25,000に対して、$81,756の資金が集まったようです。
ファンが作った「ブレードランナー」のサイドストーリー動画「Slice of Life」のクォリティが高すぎる - DNA.

"クロアチアのLuka Hrgovićを監督に、極少人数のグループが自主制作している短編動画。完成すれば30分程度の上映時間になるそう。 現在、実写パートの撮影は終了し、ミニチュアなどを使った特撮パートの撮影に入っているとのこと。今後はKickstarterで3万ドル(約340万円)の出資を募り完成を目指すとしています。"

『ブレードランナー』へのラブレター、80年代SF映画への愛を込めた短編SF作品『SLICE OF LIFE』。 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。.

ちなみに本作品では、80年代のSF映画における特殊技術、ミニチュア、リアプロジェクション、マットペインティングなどの、今となっては旧式だと言われる技法がフル活用されているとのことで、「You won't find any CGI here!!!」と豪語している、それは本当にすごい!

Luka Hrgovic - IMDb
 4本の短篇映画の制作実績が記載されています。

| | コメント (0)

2018.09.17

■感想 フアン・アントニオ・バヨナ監督『怪物はささやく』"A Monster Calls"

 フアン・アントニオ・バヨナ監督『怪物はささやく』、WOWOW録画初見。
 少年のリアルとファンタジーの交錯。

 裏の巨大な古木が巨人として少年の前に現れ、人間の3つの物語を語り、悪夢に絡む4つ目の物語を少年に語らせる。
 巨人の語る物語を映像化したイラストレーション風の3D CGアニメが素晴らしい。絵本の中から立ち現れたような水彩風のCG。このシーンを観るだけでも、大きな満足が得られる映像。この映画は3D上映はなかったようだけれど、3Dでこの水彩の映像が動くところが見たくてたまらない。

 巨人の現実との重なり合い、伝える善悪の併存というメッセージの少年への影響、母親との関係。そしてラストで示される映画だけの、この巨人のエピソード。
 アメリカではヒットしなかったようだけれど、なかなか素晴らしい映画。どこかで観られる機会があれば、お薦めです。

 最後、蛇足ですが、少年の悪、自分の周りのものへの暴力が罰せられることがないところは少し違和感。通学路のごみ箱、祖母の居間、そしていじめっ子への逆襲。いずれも誰からも否定的な言葉は出ず、母親からはラスト付近で、怒りは自由に出しなさいと逆に肯定的に言われるところ。

 ある意味、この主人公の「悪」部分が本人にとって肯定的とも受け取られかねない描写が取られている。決してハッピーエンドではないこの映画のラストにこの映画はある意味、少年の将来が暴力に彩られるのではないか、という不安な余韻をもたせているように感じた。この後の祖母との生活、学校での生活がどんな展開になるかで、少年の未来は決定されていくのだろうけれど、そうしたダークなイメージを残したのも人の善悪の並存を描いたこの映画のテーマに沿って、そうした余韻は意図的なものなのかもしれない。

■3Dアニメーション部分のメイキング

Making of A Monster Calls (Animation Sequence)
  from GLASSWORKS VFX on Vimeo
 こちらにメイキングがある。
 やはり3D CGを水彩風に描き出した手法。こういう手法で撮られたアニメーション立体映画を是非制作いただきたいものです。短編でもいいので(^^;)。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧