映画・テレビ

2017.12.25

■感想 大林宣彦監督×檀一雄原作『花筐/HANAGATAMI』


大林宣彦監督×檀一雄原作『花筐/HANAGATAMI』予告編 - YouTube

25995003_1916394015356850_7094099_2

 大林宣彦監督『花筐』を名古屋シネマテークで、観てきました。『この空の花 -長岡花火物語』『野のなななのか』に続く高密度イメージ圧縮映画第三弾。

 今回も冒頭の絨毯爆撃のようなセリフと音楽の密度は圧巻。

 前作よりはその過激さは少しセーブされ、後半で大林劇映画に回帰する感じであるけれど、それでも大東亜戦争直前の学生達の生活を活写し、まるで現実と幻想と夢が記憶の断片のように描写される筆致は素晴らしい。

25660166_1916394018690183_476559329

 デジタル技術を駆使する、この生涯アマチュア映画魂を失わない作家の凄みの結実。
 戦前の学生生活と病床の美少女、まるで吸血鬼のように描写されるその義姉。反戦への意志と戦争に向かう高揚、そして血と性。佐賀県唐津市の「唐津くんち」と呼ばれる極彩色の山車の祭りの映像で描かれる、美しくも混沌としたクライマックスは本篇の見事なクライマックスである。

 夢のような映画の中で、リアルな重い現実を体現していた、門脇麦と長塚圭史(とても学生とは見えないがw)の存在感が素晴らしかった。

 そして映画館で買ったパンフレットに書いてあった右の記述。

25592036_1916394075356844_756086462

 大林監督が2018年に次の新作を予定中とある。次の作品でも映画の革新を先に進めてほしいものです。次回作、期待しています。


◆シナリオ 「花がたみ」

25550593_1916394102023508_887706689

 上の写真は、DVD『HOUSE』の特典映像に入っていた、大林宣彦による商業映画デビュー作『ハウス』の映画化成立までの道のりを語った中で、紹介されていた初期『花がたみ』のシナリオ。
 商業映画第1作としてこの『花がたみ』を撮りたかったが、東宝からこうした文芸作は東宝の社員監督でも撮れるが大林さんにはもっと斬新な映画を(スピルバーグ『ジョーズ』なような作品を)提案してほしいと言われて、当時11歳の娘 千茱萸(ちぐみ)さんのアイデアを元に『HOUSE』の企画に至る過程が語られている。
 そのプロセスについては、以下の最新の大林監督の語りでも聴くことができる。

 『HOUSE』の冒頭。檀一雄の娘さんの檀ふみが先生として登場。そして女生徒の手にはカメラ。本作『花筐』との連続性を感じないわけにはいかない。


【宇多丸×大林宣彦】映画について『リビング・レジェンド』と語りつくす!《サタデーナイトラボ》 - YouTube

"サタデーナイトラボ「<最新作『花筐(はながたみ)』公開記念!>大林宣彦 監督 再降臨!!この際だから、巨匠ともう一度、ざっくばらんに映画駄話特集!」"

◆関連リンク
・当ブログ感想『この空の花 -長岡花火物語』『野のなななのか

| | コメント (0)

2017.12.20

■動画 デイブ・スクール卒業制作(?) 「スター・ウォーズ:コンセプトトレイラー」The Star Wars: Concept Trailer from The DAVE School

The Star Wars: Concept Trailer from The DAVE School on Vimeo
 ラルフ・マッカリーによるコンセプトアートを映像化した、なかなか興味深い試み。もうひとつのスター・ウォーズ、といったところでしょうか。
 枝分かれしたパラレルワールドでは、別のスターウォーズが花開いていると想像すると楽しいです。

 これは、DAVEスクール(Digital Animation & Visual Effects School)卒業生の2017年8月の作品のようです。
 面白い試みですね。もっと他の映画のコンセプトアートも同様に映像化してみてほしいものです。

◆関連リンク
DAVE School | Digital Animation & Visual Effects School(公式HP)
 各種作品が掲載されています。
THE STAR WARS Concept Trailer Resurrects Ralph McQuarrie’s Early Designs | Nerdist

| | コメント (0)

2017.12.18

■感想 ライアン・ジョンソン監督・脚本『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』: Star Wars: The Last Jedi


Star Wars: The Last Jedi Trailer (Official) - YouTube

 ライアン・ジョンソン監督・脚本『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』観てきた。
 今回、IMAXが2Dのみ(3D上映はリンク先によると12/29〜追加とのこと)なので、立体映画ファンとして、今は仕方なくReal-Dによる3D 吹替版を観てきた@各務原イオン。

 ネタバレは後半で書くとして、152分の長い映画、途中のダレ場があったとはいえ、観終わった時は充実した映画体験ができたと満足。

 ep.4-6ファンの琴線に触れる描写と、新しい登場人物による活き活きした物語、その両輪が前作ほどではないとしても、まあ上手く噛み合っていたのではないか。
 僕はJ・J・エイブラムスの爽やかなメリハリある描き方に軍配をあげる。今回のライアン・ジョンソン監督のちょっと粘着して描かれる人物像で好き嫌い別れそう。

 3D描写は、ひさびさにIMAXでない3Dを観て、残念ながら光度とコントラストが悪く、映像の切れはイマイチだった。しかし前作に続き立体視を意識した戦闘シーンほか、なかなかダイナミックな迫力のある3D映像を堪能できて満足。

 今回のステレオ化は、Stereo D社。前作同様、あのかっこ悪い(失礼)デザインのXウィングを大迫力のシャープなアクションシーンにしているところは、立体映像の効果も大きいだろう。

 それにしても巨大なファーストオーダーの戦艦描写、赤い砂漠のシーンの色、そしてルークの島の映像、、、素晴らしい映像の快感効果も映画の印象を良いイメージにしていた。

 最近のブログ記事を見てもらうと分かるように、今年後半はツイン・ピークス シーズン3に耽溺しすぎていたのでw、かつてのシリーズが懐かしのキャラクターと新キャラクターで語られるところが同等で、つい比べてしまい、このシーンはリンチならこう捻るなとか、ここには謎を置かなきゃ駄目だろうとか、ここは幻想シーンが必須とか、ついツイン・ピークス脳で観てしまったことも正直にメモしておきます(^^)。



★★★★★★★ネタバレご注意★★★★★★★★




 迫力はあるのだけれど、冒頭の戦闘シーンがあまりにも無謀でレジスタンスの真剣度が削がれて残念。その後の追跡劇も何故か冗長な追いかけでリアリティに欠け、そうした詰めの甘さで全般的に戦闘シーンの緊迫度はアクション映画としては残念な出来だった。

 途中、レジスタンスが絶望的な状況に陥っていくところ、並行して描かれるレイのジェダイとしての修行シーンは、ep.5『帝国の逆襲』をなぞっているようで、このまま誰かがカーボンで固められるのかな、とか思ったのだがw、、、。

 ここはep.7がep.4をなぞっているのと対になっているようだったが、ライアン・ジョンソン監督の脚本はこの後、ぐいぐいと新しい物語を切り開いていった感じ。そのクライマックスが映画にドライブ感を与えて、観終わった後の満足感を持てたように思う。

 カイロ・レンとレイの闘いもスノークとの闘いと絡めて、ダイナミックな展開で面白かったかなと。カイロ・レン、演じたアダム・ドライバーと対するレイ役のデイジー・リドリーによって前作から深みを付けてなかなか迫力の闘いになっていたと思う。

 あとツイン・ピークスファンとしては、あのローラ・ダーンが主要人物として登場するのも注目。
 ついついローラ独特のビッチな役かとw思いきや、、、、知的な軍人役で素晴らしい活躍に拍手と涙。この映画では金や赤でなく紫の高貴な髪w。

 エンドタイトルで、ジョン・ウィリアムスのあの音楽が変転し寂しげになる瞬間、画面には、60歳という若さで亡くなってしまったキャリー・フィッシャーへの追悼文。僕は第1作からレイア姫の熱心なファンであったことはないが、それでもグッと来てしまった。改めてご冥福をお祈りします。

◆関連リンク
レイアの死、ルークの帰還──『スター・ウォーズ:最後のジェダイ』制作秘話 | WIRED.jp ライアン・ジョンソン監督の言葉。

"『エピソード8』を監督するにあたり、ヘンリー・キングの『頭上の敵機』(1949)のような第2次世界大戦ものや、岡本喜八の『斬る』(1968)、五社英雄の『三匹の侍』(1964)のような1960年代の“泥臭い”時代劇を観まくったらしい。"

Star Wars: The Last Jedi | Evolution of the Crystal Fox - YouTube
 ガラスの狐:クリスタルフォックスのメイキング映像。
 クリスタル・フォックスはまるで名和晃平のガラス玉の動物のように、アート作品を見るようでした。

スターウォーズ 当ブログ関連記事 - Google 検索

| | コメント (2)

2017.12.13

■感想 ニコライ・アーセル監督『ダーク・タワー』: THE DARK TOWER


THE DARK TOWER - Official Trailer (HD) - YouTube
ダーク・タワー - Wikipedia

"2007年頃からJ・J・エイブラムスやロン・ハワードにより映画化が検討されていたが、実現には至らなかった。最終的に『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の脚本で知られるニコライ・アーセルによって映画化され、アメリカでは2017年8月4日に公開。日本では「ダークタワー」の邦題で2018年1月27日公開。"

Darktower_004

 中国出張の飛行機で観た。
 スティーヴン・キングの集大成とされている小説の映画化。実は未読なので、この映画観るかどうか迷ったのだけれど、日本ではまだ未公開とのことで、飛行機の小さい液晶画面で観てしまった。

 それにしても7分冊のキングの大長篇をわずか95分の映画でどのように映像化するのか。未読のため比較はできないが、、、。

スティーヴン・キングの超大作が原作の映画『ダーク・タワー』予告編。実は小説の続編!? | ギズモード・ジャパン

"原作ファンの一部にはイメージと違う!と怒る人もいるかもしれませんが、Entertainment Weeklyによると、映画は小説の続編であるということがキング本人と監督によって明らかにされているので、最終巻での話(大きなネタバレなので詳細は割愛)を思い出せば、納得のいく展開ですし、この画像を見たらファンは観ないわけにはいかないでしょう!"

 ということでこの映画、小説の続篇とのこと。
 原作ファンの人は、きっとあの物語の続きが〜、とキャラクタの世界の続きが観られて感慨深いのでしょうね。

 僕はガンスリンガーという名前くらいは知っているけれど、小説版の話は全くわかっていなかったけれど、この映画単独としても十分楽しめた。キングの映画化作品としては、上位3割位のところかな〜と。

Darktower_006_2

 まず端正な画面構成が気持ち良い。冒頭の塔を巡る異変の映像がなかなかいい。ここで世界観としてトールキン『指輪物語』が底流に流れていることは明らか。

 そして導入部の主人公の少年の描く絵がとても良い。これが映画の基調のトーンを構成。どこか寂しげな主人公のキャスティングが良い。

Darktower_003

 映画の最大の見所が、ガンアクション。
 ガンスリンガーであるローランドの銃さばきが素晴らしい。凄まじい感覚能力と超絶の運動特性。

 特筆すべきはクライマックス。
 この映画最大の鋭敏なシーンがここだ。
 西部劇をファンタジーの世界で再生させている。黒衣の男(マシュー・マコノヒー)との決戦は見逃せない。

 制作費60millionドル。世界での興行収入は111millionドルとのこと。
 以下リンクにあるが、映画の前日譚(つまり小説の本篇)がテレビドラマ化の可能性もあるとのことで、この興行収入はヒットとしては十分なものではないが、期待したい。

◆関連リンク
The Dark Tower - The Official Website
キング「ダーク・タワー」映画版に「ロイヤル・アフェア」ニコライ・アーセル監督 : 映画ニュース - 映画.com(2015.6.8)

"アーセル監督はキングの大ファンで、「ダーク・タワー」も熟読しており、脚本のリライトを手がける予定だという。ソニーは、スウェーデン版「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の共同脚本家でもあるアーセル監督なら適任だと考えているようだ。"

映画『ダーク・タワー』のあらすじと日本公開日は?キャストと原作を紹介! | 映画FANー映画から始まる充実した時間

S・キング原作「ダークタワー」18年1月27日公開! 超絶ガンアクションを映す予告編も : 映画ニュース - 映画.com.

"8月4日に全米で公開されると、オープニング成績初登場第1位を獲得。18年の制作開始を目指し、映画版の前日譚をつづるテレビシリーズ化プロジェクトも進行中だ。"

The Dark Tower (series) - Wikipedia.

"A film based on The Gunslinger and also serving as a sequel to the events of The Dark Tower due to the nature of said book's ending was released in August 2017."

| | コメント (0)

2017.12.04

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第18話


Chrysta Bell performs 'Sycamore Trees' | 'David Lynch: Between Two Worlds' at QAGOMA - YouTube.

 18時間にも及ぶリンチの大長篇映画wが、いよいよ最後の放映になってしまった。
 最後の感想である。
 そして今回の冒頭引用動画は、FBI捜査官タミー・プレストンを演じたシンガー クリスタ・ベルによる「シカモア・ツリー」。素晴らしいヴォーカルだ。

 ある意味、本シリーズの最後に引用するのにふさわしい曲かもしれない。シーズン2の最終話、赤い部屋のシーンでジャズ歌手 ジミー・スコットが歌ったのと同じ曲を歌うクリスタ・ベル。この寂しさはシーズン3最終話にもとても似合う。

 どんなラストを迎えるか、観る前はとにかくドキドキワクワク。何にしても終わってしまうのが怖くてならなかったが終わってしまった。 怖い? そうです、何故だか大げさだが、そんな感じだったのだ。リンチの最新作を毎週観られる充実の5ヶ月。それが終わってしまい、次週から緊迫した土曜21時を迎えられないのは、ファンとして、怖いくらいなのであるw。
 18話を観終わったらこの半年あまりツインピークスという夢を観てきた我々も夢から強制的に目覚めないといけないから、怖いと感じるのかもしれない(^^;)。

 そして観終わっての感想。
 この半年間、スリリングで幻惑的で貴重な時間を過ごせた。ここまで濃密な映像体験はなかなか他では味わったことのないものだった、というのが偽らざる感想。デイヴィッド・リンチ監督には感謝とこの喪失感を埋めるw、次への期待の言葉を贈りたいと思う(^^)。

 実は観終わった直後、最初は阿鼻叫喚だったが、今は虚無だぁ〜と叫んで町を走り出したい気持ちw。こんなドラマは他にない、と惚れた弱みで思うしかない(^^)。
 惚れたファンでリンチを取り囲み、どうなってんだ! と愛しく問い詰めたいようなラストww。あとはネタバレ感想で以下、どうぞ。

 



★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★






◆時間改変

 「私たちは夢の中で生きている」というのは17話のクライマックスで時間軸を改変し、17話までのツインピークス世界の現実を変えてしまった、そのクーパーが語った(と思う)セリフ。 うっすらと画面にかぶるその寂しげな顔は、まるでその現実に別れを告げるように現れたかのようだった。

 そして改変された世界がテレビの前の我々に今回提示される。
 その世界は、しかし単なるクーパーがローラを救った世界ではない。17話のラストで、2017年の時間軸からのサラ・パーマーの叫び声により、改変された世界が再び異変に見舞われる。それはまるでクーパーが変えた時間軸を、もう一度、押し戻したかのようだ。

Mv5bmtnkyjnkzmutn2u1ys00n2m5ltk3y2y

 しかしその結果として現れた25年後(?)の世界は、我々が観たことのない異様なものになっていた。見知ったツインピークスの街は寂しげで違和感のある街に変貌を遂げ、そしてさらに登場人物は、名前が変わり、見も知らぬ人物になっている。

 通常の時間改変SFでは、ここまで世界が変わることはまずない。
 通常は25年前の改変があったとしても、人物の名前と顔までもが全く変化してしまうことはない。たとえば『バック・トウ・ザ・フューチャー』では、マーティンの父母等、同じ登場人物が改変により別の人生の過程を通ってきたことで境遇やその経験による性格の変化があるくらいである。

 しかしこのep18では、クーパー、ローラ、ダイアンという主要登場人物の名前が変わり、若干ベースの性格は似ているように見えないこともないが、全くの別人とかしているのである。

 いったい何がおこったのか。
 前述した17話のラストでのサラによる叫び声とその際の時間改変の揺り戻し。その相克によって時空が大幅に乱れて、世界が全く違う様相を呈した、というのが僕の理解である。

 そんなSF的な解釈よりも、「私たちは夢の中で生きている」と語ったうっすらクーパーの言葉、これがツイン・ピークスの世界観には合っているのかもしれない。
 現実と夢の境界が溶け、ひとつの街の住人と別の世界/時間軸の住人が融合し入れ替わる。そんな世界が最終話にしてまた我々の前に現出した。

◆ダギーの現実
Mv5bnza2mtzjnjatmwnmyy00zjcxltllnju
 唯一のなごみシーン(^^)。
 良かったね、ジェニーEとサニー・ジム(^^;)。この家族が今作のほのぼの担当だったので、この再開はとても嬉しい。

 17話ラストの時空の歪みもここまでは至らなかったか、、、とホッとしたが、でも考えてみるとこの後のシーンで、クーパーはリチャードになりダイアンはリンダに変貌している。
 次の朝、世界は変貌したとしたら、、、この家族も、、、。今はそんなことは考えないようにしようw。

ダギーの一言のセリフ「ここは家だ」で、クーパーというよりダギーが戻ったと感じさせるカイル・マクラクランの演技、素晴らしかった(^^)。

◆時間改変以外の変貌
 17話のサラのパワーが余波を巻き起こす。

 クーパーがローラを助けたことで、何故ローラと思しき人がキャリー・ペイジになってしまうのか?? これもサラによる時空の歪みなのか、、、。

Mv5bzgqynwq4ztetmtg4mc00ntzmltljzjg

 ここは前述したように、クーパーによるローラ救出という単なる事象の変化でなく、サラの力で大きな歪みが生じて、いろんなものが変化してしまったと考えるしかない。

 430マイルの高圧電線の近くの地を越えた後、彼らは既にリチャードとリンダに変異させられていたのかもしれない。
 それにしてもこの流れで、モーテルでいきなりベッドシーンになるとは驚き。別れをあの長いベッドシーンはどういう意味があるのか。

 二人とも430マイルの地点から徐々に別の人間に変貌してしまうことがわかっていて、その別れを惜しんで抱き合っていたのだろうか。特にそのシーンでの二人が、主にダイアンの表情と仕草で表現されていたが、クーパー/リチャードの顔を押えて天井を辛い表情で睨んでいたのが印象的で、別れの苦しみと感じたのかもしれない。

◆オデッサの謎
 そして前の記事で書いた謎の「ジュディ」の名前を冠したレストランの登場。
 でもジュディの店は、ジェフリーズの言う「シアトルの店」ではなかった。なぜなら、ツインピークスから430マイル以上を走った場所がジュディの店のあるオデッサの街だから。ジェフリーズの言った「シアトル」なら、ツインピークスからはわずか数十kmの距離。

 オデッサで検索すると、一番にテキサス州の街がでてくる。
 wiki「オデッサ(テキサス州)」によると、18話で出てきたオデッサの街の看板にあった「POP 99940」と同じ人口99940人(2010年の調査によると記されている)。

 で、ワシントン州スノコルミーまでで距離を見ると、1800マイル(2880km)と凄く遠いことは間違いない。で、クーパーとダイアンが車に乗った距離430マイル(688km)との整合はない。430マイル地点を過ぎたところのモーテルから、一晩で別の2200kmほど先のモーテルへ空間転移したのか??

 そしてキャリー・ペイジの部屋に置かれた射殺屍体。腹の緑の変なものがカビの様に見えたが相当に時間が経っている?、あれはなんなのだろう。18話最大の新たな謎かもしれない。

 この屍体役、Facebookで教えて頂いた情報では、ダギーの借金取り立てにジェニーEが会った2人組のうちの1人が演じていたらしい。どんな時空のつながりなのだろう。

◆オデッサからツインピークスへ
 グーグルマップで、オデッサからスノコルミーの経路を見ると、テキサスから、まず(ホワイトサンズのある)ニューメキシコ州ロズウェル!とインディアンの地 ナバホを通り、コロラド州、ユタ州、アイダホ州、オレゴン州、ワシントン州というコースになる。今回の舞台になったラスベガスとかはある程度の近くだけれど、通らない。

Mv5bmzbjy2e3nditztqyzc00n2rkltllmdc

 長いリチャード/クーパーとキャリー/ローラの車のシーンで思わず(1〜18話で初めて)時計を見てしまった。あと20分しかない!! どう終わるんや〜〜って。

 で、そのままずっと車の無言シーン!! 残された謎は満載なのに、ファン、まさに阿鼻叫喚w。

 そしてローラの家と思って訪ねたアリス・トレモンドの家、元はミセス・チャルフォンの家と言ってた。で、以下のサイトだと、トレモンドとチャルフォンという名は、、、。

ツイン・ピークス THE RETURN 第18話ネタバレ解説 – Twin peaks Japan

"ミセス・チャルフォンは、「FWWM」で、コンビニエンスストアの上にいた老婆です。あと、チャルフォンのトレーラーハウスの床下で、指輪を発見したデズモンド捜査官が消えました。重要人物です。「トレモンド」という名前も、蘭を育てるハロルドのエピソードで出てきました。チャルフォンとトレモンドは同じ人物だったはず。"

 あの謎の老婆 トレモンド夫人。
 もしかするとあの老婆とその孫の不思議な少年(FWWMでリンチの実子が演じた役)は、異世界間を自由に行き来する、2つの世界をつなぐミッシングリンク的な存在なのだろうか、、、。もはやこの謎もいろいろな憶測を我々ファンの脳内に渦巻かせる事象のひとつにすぎない、、。

◆フィクションから現実へ、そして再びフィクションへ
 「映画秘宝 17.12月号」の滝本誠師×高橋ヨシキ対談によると、ローラの家の住人 アリス・トレモンドを演じていたマリイ・リベアーは、ローラの家としてロケで使ったあの家の本当の住人らしい。
 
 なんという事実。
 これは、シーズン1,2〜シーズン3の17話までが夢/フィクションで、この18話が現実だ! とでも言っているのか。
 そう考えると、先に述べたオデッサのリアルな人口との整合、普通の映画のシーンと異なり、まるで現実の長距離ドライブの様に無言のシーンが続くところ等、いずれも現実に帰ったことを明示しているかの様だ。

 我々は、ツインピークスの世界から、現実のテキサス州オデッサとワシントン州「ツインピークス」の街に戻ったのであろうか。

Mv5bmtnkyjnkzmutn2u1ys00n2m5ltk3y_2

 そんなローラの家で迎えるラストシーン。リチャード/クーパーがつぶやく「今は何年だ?」のセリフに続く、「ローラ!」という低い叫び声(サラ・パーマーの17話の叫びだろう、それしかないはず)を聴き、覚醒した様に叫ぶローラ。

 我々は現実に帰ったかと思ったら、あのラストでまたツインピークスのフィクション世界に引き戻され、もうそこから戻ってこれない現実に居続けるしかない、という訳なのだろうか。

 観た後に感じた阿鼻叫喚と虚無感は、リンチによって仕掛けられたこうした迷宮の罠に閉じ込められた我々の無意識が叫ぶ理性の断末魔の声だったのかもしれない。

 やはり凄いドラマだ! まだこの世界はリンチによってフィクションに絡め取られたままだ。なので、一週間経ってツインピークスのない土曜21時を迎えても、思ったよりも喪失感がないのかもしれない、、、、。

 それにしても、リンチ、まさにトラウマと唖然の中間くらいに落として、そしてエンディングのリンチ/フロストプロダクションとSHOW TIMEを無音にして視聴者の心に強烈な虚無を生成するという離れ業。 途中の無言のドライブシーン、ローラ絶叫の後の放送事故的真っ黒静寂画面も同様の効果をもたらしている。

 最後に、やはり惜しかったのはWOWOWのクレジット。他のエンディングシーンと同じく、何で無音にしないんだ! と強く突っ込んでしまったのは僕だけではないはず。 

◆関連リンク
映画秘宝 17.12月号 株式会社洋泉社
 “タキヤン×高橋ヨシキ対談、決着はどうつける?
 『ツイン・ピークス The Return』通信 最終回。第14話~18話完全解説!/In Memory of “TWIN PEAKS””
 ネタバレが怖くて買えなかった「映画秘宝 17.12月号」をamazon マーケットプレイスで購入。デイヴィッド・リンチファンとしての僕の心の師 滝本誠さんと、高橋ヨシキ氏の14-18話、一気見後の熱い対談でお薦め(僕は映画秘宝初購入号)

Jimmy Scott-Sycamore Trees (Twin Peaks) - YouTube
 ツインピークス シーズン2の最終回を飾ったジミー・スコットの"シカモアツリー"。
[COLUMN] ツイン・ピークス The Return 観察日記(第18話) – | HERE I AM | AKIRA MIZUMOTO WWW

“ というわけで、25年ぶりの新作が完結した。
 オードリーはどうなった? とか、全裸で見つかったジェリー・ホーンは? とか、そんな些細なことを気にしている場合ではない。
 なにせこの最終回は新作の第1話から第17話まで、あるいは旧シリーズの序章から29話までと同様の展開を、たったの60分で描き切ってみせたのだから。
 シリーズを見通した上で、ぼくの思うところはこの〈観察日記〉を来年ZINE化する予定なので、そこで詳しく書こうと思う。(中略)

 しかし、これもまた〈6〉の電柱と同じことだ。
 悪の象徴としてローラたちの前に度々出現する存在───というだけで、深く考察したところでなんの意味もない。

 さて、もう一度書こう。
 ツイン・ピークスに謎など、なにもなかった。
 すべては繰り返される輪の上の出来事で、どこが始まりでどこが終わりでもない。
 過去が未来に、未来が過去に影響を与え、クーパーはローラを……いや、リチャードはキャリーを助けるために、ぐるぐると廻り続ける。
 シーズン4があろうと、シーズン100まで続こうと、もはやぼくは気にしないだろう(もちろん見るけど)。

 あなたがもしこの〈TWIN PEAKS THE RETURN〉で答えを見つけられなかったのなら、クーパーのように何度でも赤い部屋のカーテンをめくり、はじめからやり直せ(RETURN)ばいい。

 こちらはミズモトアキラさんの観察日記。
 いろいろと斬新な解釈がされていて、大変興味深い。この引用だけではそこがわからないと思うので、是非全文を読まれることをお薦めします。黒クーパーとダイアンの実態、最後のシーンでサラの叫ぶ「ローラ!」という言葉の真相。素晴らしくラディカルな読みがなされていてスリリングな論考です。ZINEでのさらなる詳細化もとても楽しみです。
内藤理恵子さん、twitter
 解釈できたそうです! 考察を楽しみにしましょう!

Twin Peaks final episodes synced - YouTube
 これは面白い!「これは未来か、それとも過去か?」というのは、この動画の共時性みたいなことを言ってるんだろうか?
Twin Peaks The Return Synced Ending [Synced 17&18] "Happy Ending" Theory - YouTube
 こちらも核心に迫ってますね。

ツイン・ピークス The Return 登場人物相関図
 毎週更新されている、ネタバレ注意。

◆関連 当ブログ記事
分析『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第17話 と 『ローラ・パーマー最期の七日間』と『もうひとつのローラ・パーマー最期の七日間』、そして『ツインピークス 序章』比較
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第17話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第15話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第14話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第13話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第12話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第11話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第10話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第9話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第6話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話 

| | コメント (0)

2017.11.29

■分析 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第17話 と 『ローラ・パーマー最期の七日間』と『もうひとつのローラ・パーマー最期の七日間』、そして『ツインピークス 序章』比較


Twin Peaks: The Entire Mystery/Missing Pieces (2014) - Official Trailer HD - YouTube.

 最終回に向けて、『ローラ・パーマー最期の七日間』( "Twin Peaks:Fire Walk with Me (1992)" )と『もうひとつのローラ・パーマー最期の七日間』( "Twin Peaks : Missing Pieces (2014)" )、そして『ツインピークス 序章』(パイロット版) を見直した。まずは謎の存在、ジュディについてのメモ。

 



★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★



◆ジュディの謎
ミズモトアキラさんの観察日記より、以下引用

"ブリッグス少佐が姿を消す前、『ある存在を発見した』とわたしとクーパーに報告してきたんだ。それは究極的な負の力(An Extreme Negative Force)で、かつてはジャオデイ(Jowday)と呼ばれていた。やがて時間が経ち、その名は変化し、ジュディ(judy)となった。クーパーとわたしと少佐はそのジュディを探す計画を立てた。"

 17話でゴードンが語った「ジャオディ」って、またチベット関係かと思ったが、ググってもそれらしき言葉は見つからない。ジェフリーズが、黒クーパーに対して「既にジュディに会っている」と言ってたので、一体正体は、、、?

 という最も謎の存在、ジュディについて、過去作から紐解いてみる。

『ローラ・パーマー最後の七日間』

Img_8784

① FBI フィラデルフィアのゴードンの部屋に現れたジェフリーズ。部屋に入るなり「ジュディのことは話さない。彼女の話は一切禁止だ」とゴードンとクーパーとアルバートに突然語る。

『もうひとつのローラ・パーマー最後の七日間』
② ホテル(ブエノスアイレス?)の受付でジェフリーズ「ミス・ジュディはここに宿泊を?」

続いて、上記と同じゴードンの部屋で、同じセリフと加えて以下のセリフ。
③「ジュディも確信している」
「やつらの集会を見た。コンビニエンスストアの上だ」「夢だった。僕らは夢の中で生きている。」アルバート「シリアルが降っている夢か?」と混ぜっ返すw。

Img_8793

④「ちくしょう、そうじゃない。シアトルのジュディの店で何か見つけたんだ」「やつらがそこにいた。何時間も黙って座ったまま。やつらをつけてった」「指輪。指輪に」。ゴードンの言葉に「5月(メイ)。2月。1989年?」と言ったと思うと消えるジェフリーズ。

次のシーンはホテル(ブエノスアイレス?)の階段に突然ふっと湧いて出て叫んでいるジェフリーズ。

 これだけの情報がジュディについて明らかになっているのだが、もう消去法的に考えて、ジュディが人だとしたら、あの蛙蛾が入ったあの人しかいないはずなんですが、、、。

 シアトルの店が、あのコンビニエンスストアのことなのか…。それにしても何故シアトルなんだろう?
 

20171126_190445

 今調べると、シアトルってワシントン州で、かのツインピークスの町のロケ地であるスノコルミーから僅か30kmくらい。ということはツインピークスに最も近い都会。あの人が若い頃に、店やってても不思議はないか!?

 そして17話でゴードンによって語られたジュディの謎。「究極的な負の力」という存在。
 これと上記ジェフリーズの語った言葉から考えると、「やつらのいる店をシアトルに持つミス・ジュディは、究極的な負の力と呼ばれる存在である」となる。

 そして16話のジェフリーズの言葉から黒クーパーが既に会っていることもわかっている。ジュディって、女なんだよね。それとも抽象的存在何だろうか??

 にしても、FWWMで全く回収されないこの謎を仕込んだのも、25年後を考えてたのか…恐るべしリンチ!

◆17話と過去作との映像比較

Pilot_vs_s3ep17

 ツインピークスのパイロット(序章)と17話の映像比較をしてみました。左が序章、右が17話。序章のジェシー登場の冒頭シーンから歴史改変されるピートの釣りシーンまで。

 4:3 サイズのTV画面の上下を切って、ハイビジョンの横長にしているのがよくわかります。

 ただピートが歩くシーンは横長にするのに、新たに左右の映像が追加されてますね。

 あと比べるとジェシーのアップカットの入る位置が違うとか、ピートが製材所を出て歩き出す位置が序章では手前になっていたり、ローラに気づくシーンが丸ごとカットとか、編集が変わっていることに気づきます。

 音響的には、どちらも女の声が被っていること(ジェシーの悩ましい声)。ただし17話はシーンの後半で、(たぶん)サラと思われる女の嗚咽のような声がかぶせてあります。うしろのパーマー家のサラの恐ろしい声のシーンの前振りですね。時間線が捻じ曲げられるのに対する怨念の声。

 最後のピート釣りシーンは、もちろん新たに作られた映像です。

Fwwm_vs_s3ep17

 これはダイレクトに歴史が改変された瞬間。左 FWWM、右 17話。
 FWWMのシーンからローラが削除されているのがわかります。あとFWWMではレイがタバコを顔の真横に持っていくところまで映っていませんが、17話ではタバコを真横まで持っていく新しい映像(FWWMでカットされていたコマ)が使われているのが分かりました(細かい話ですw)。

Fwwm_vs_s3ep17_reland

 左 FWWM、右 17話。
 リーランドがバイクでローラとジェームズが走り出すところを睨むシーン。若干、17話は画像のトリミングがなぜか変わっています。
 下も若干トリミングされていますね。

Fwwm_vs_missingfwwm_vs_s3ep17

 左 FWWM、中もうひとつのFWWM、右 17話。
 ジェームズがバイクで迎えに来て、ローラを乗せるシーン。
 カメラの位置が3つとも違います。FWWMは、もうひとつのFWWM映像の一部 2人をアップに拡大してあるみたい(画像が荒い)。
 17話ではカットしてた別位置から撮ったシーンが新たに使われているのが分かります。

Fwwm_vs_missingfwwm_vs_s3ep17_bike_

 左 FWWM、中もうひとつのFWWM、右 17話。
 バイクが走り出すシーンも3つ比較。両脇は同一映像のカラーとモノクロです。もうひとつのFWWMのみアップ。

Fwwm_vs_s3ep17_sara

 これが最後(疲れたw)、左がFWWM、右が17話のパーマー家リビング。
 当然25年の時間が経っているので、様子がずいぶん違いますが、ローラの写真だけが同じ位置に飾られている。しかしこの後のひどい仕打ちを考えると、、、。

 ということで映像比較レポートでした。

 あとFWWMを観て気づいたのは、コンビニの2階にいるイスラム風の男。クレジットはウッズマンとなっている。
 そしてこれがシーズン3では、黒いウッズマンに変わった。
 ここはおそらく911を経て、アメリカ国内のイスラムへの受け止め方が大きく変わり、その偏見に結び付けないための方策だったのだと思う。

| | コメント (0)

2017.11.27

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第17話


Julee Cruise - "The World Spins" (Twin Peaks 2017) - YouTube

 いよいよ17話、まさに大団円に向かう大きなうねりの回。そしてここに来てジュリー・クルーズのこの曲が流れるラスト!

Mv5botjlotm3mgutmjixoc00zjdilwfhn2e

 前回がダギー・クーパーによる「明」のツインピークスとすると、今回は悪クーパーによる「暗」のツインピークス。いろんなことがこんな形で集約するとは ! 、という驚き!

 クライマックスの大ネタで、リンチの中で最高のSF映画にいまのところ成就。その結末はまだ来週に持ち越されているけれど、それが今回のラストをひっくり返す雰囲気もあり、まだまだ目が離せない。

 16話は高いテンションがずっと冒頭から維持され、最後までクライマックスのような緊張感が続く。
 いままでの16話分、それだけでなくシーズン1,2と映画版で貼った伏線、ギリギリと蓄えてきたテンションがここへ来て、解放された感じ。いろいろな伏線がラストへ向かって収束し、そして解放されるカタルシス。

 twitterで実況した人たちのコメント読んでたけれど、途中で「ひどい!」と怒ってる人も少数はいたが、大部分がこの急転直下の大団円に興奮しているのが伝わってきた。これでこのシーズン3の18話、DVD/ブルーレイが出た時に、胸を張って大推薦できることが確定(^^)。

 ということを書いて、17話の感想を先週中にあげることができず、実は今回、既に最終回放映後にこの記事をまとめていますが、衝撃の18話については、また来週、落ち着きを取り戻してから書いてみます。ので、今週はこれでご勘弁下さいw。






★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★






 怒涛の展開は、冒頭のゴードンの「ジャオディというネガティブな力」についての語りから始まり、電線を流れる電気と追走する悪クーパー。座標への到達。巨人の登場と黒い鐘群。保安官事務所でのスリリングな展開とルーシーとフレディの活躍。まさかのNAIDOの変異。そして315号室からのトリップ!

 それに続く大ネタは、なんとこんな展開が用意されていたとは!! という驚き。この後はジュリー・クルーズのエンディングまで、涙なしには観られなかった。
 ここからの来週が想像できません。でも貼りまくった伏線は今回の大きな新ネタの導入で、解消の糸口が見えたような見えないような、、、。

 後半のあの3人の登場、序章のリピートとその変容。やはりこれはツインピークスだ(^^)!


◆二つのシーズン3のクライマックスと最終話に向けて
 16話は明のクライマックス、そして17話は暗。
 僕はクライマックスとしてはどちらも甲乙つけがたい感じだった。そして次は ?? 正反合じゃないけれど、明暗合って感じだろうかw?

 25年後のサラの圧倒的狂気のパワーがキーになりそう。
 この流れだとサラがあの8話の少女だったことは確定だろう。
 あの巨大な核のパワーが蛙蛾に集約し口に入った。そのパワーは時空の改訂を超えるということなのかも。

 クーパーは25年前にいるわけで、サラがローラの写真を叩き潰しているのは現在。時空を超えた対決になるのか、それにしても単なるタイムパラドックスに終わらない、凄い展開が待っていそう。

 序章から何かサラって変な印象だった。ずっーと伏線貼ってきてたのだろうかw。それともリンチの無意識は、そこに向かっていたのかw。

「僕らは夢の中で生きている」

Mv5bzge4otq3mtktzdlhzi00mzi5ltgzz_2

 今までのいろんな現実と幻想のブレは、タイムパラドックスだったのでしょうか。ツインピークスの町に、ふたつのパラレルワールドが交差していた??

 この言葉「僕らは夢の中で生きている」は、文字通りの「夢」ではなく、タイムパラドックスで時間線が変化して、別のパラレルワールドに変化してしまうことを表現してたのでないか。

 つまり、この17話までの時間線の世界のことを、クーパーが25年前に戻って変えてしまうため、幻として消えてしまう「夢」と表現したのではないだろうか。
 
 それにしてもアメリカでは17,18話を続けて放映したらしいけれど、一週間余韻と次週の想像を膨らませる我々日本の観客の方が幸せかもしれない。一週間、この気持ちが延長されたのは喜ばしいかと思うw。

歴史改変とサラ・パーマーの怨念
 今のところ、タイムスリップで時間線を変更して、ローラのあの屍体が存在しない朝、ピートが釣りをする1989.2/23になったという落ちを、サラが蟲パワーで揺り戻しをかけ時空に大きな歪みを与えてるという壮大な展開に見える。

 ストーリー的にもタイムパラドックス物のSFとして、蟲パワーという新機軸でさらにドンデン返しを仕掛けるという大技に見え、次回いかにリンチが暴れようと、時空の壮大な歪みという説明が可能で、リンチ史上最高のSFになったような気がする。

 17、18話がその構成として、物語的に万能のバトンタッチとなっていて凄い。この後、リンチがどこまで暴れるかが見もの。

歴史改変の予測
内藤理恵子 のブログ: 【わかったぞダイアン】旧作ツインピークスと新作ツインピークスの「つなぎ目」がBTTFですんなり分かる!
 歴史改変の件は、仏教学者にして、ツイン・ピークス評論家(WOWOW公式番組出演の)内藤理恵子さんの推定が見事に当たりましたね。

 僕は上の推定を読んでいたので、突然のタイムトラベルと歴史改変はそれほど驚かなかったけれど、それによって、ローラを救ってしまう展開は予想外。

 それにしてもカルト映画作家ディヴィッド・リンチの映像作品が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をベースにしているとは。ロバート・ゼメキスとリンチの時間改変テーマ対談を是非どなたかご用意下さいw。

 しかしあの前シリーズでの信号機とか、伏線として今回の時間テーマにつながる部分、シーズン1,2で既に仕込んであったとすると凄いぞ、リンチ&フロスト!
 前作までではタイムトラベル要素はゼロ。いったいいつからこの展開を考えたか聞いてみたいものだ。

 アメリカではBTTFとツインピークスの読み解きって、既になされてるんだろうか?知りたい。例えば以下、ツインピークスを好きな人向け映画リスト。

Great Movies To Watch If You Liked “Twin Peaks” « Taste of Cinema - Movie Reviews and Classic Movie Lists
 ここでは、BTTF、挙がってないですね。ツインピークスのテイストとは、真逆なので普通挙げないかw。

Julee Cruise ”The world Spins“
Julee Cruise - The world Spins HD ( Twin peaks S2E7 ) - YouTube
 S2E7でのJulee Cruise ”The world Spins“の映像、これは涙なしには見れません、丸太おばさんもいるし…。こうした悲劇を巻き戻したくてクーパーは17話の行動を取った。極めてクープらしい善き行動ですね。

 この歌の歌詞。噛み締めてしまいます。

Julee Cruise – The World Spins Lyrics | Genius Lyrics

"Moving near the edge at night
Dust is dancing in the space
A dog and bird are far away
The sun comes up and down each day
Light and shadow change the walls
Halley's comet's come and gone
The things I touch are made of stone
Falling through this night alone

Love
Don't go away
Come back this way
Come back and stay
Forever and ever

Please stay

Dust is dancing in the space
A dog and bird are far away
The sun comes up and down each day
The river flows out to the sea

Love
Don't go away
Come back this way
Come back and stay
Forever and ever

The world spins."

◆関連リンク
ツイン・ピークス The Return 登場人物相関図
 毎週更新されていますので、最新回を見られていない方は、ネタバレ注意。
[COLUMN] ツイン・ピークス The Return 観察日記(第17話) – | HERE I AM | AKIRA MIZUMOTO WWW.

今回のエピソードなんかを見ていると、前シリーズの30本、劇場版、そして劇場版の削除シーンを集めた『Missing Pieces』を含めた全ツイン・ピークス・サーガを有機的に再構成し、『過去が未来を決定(Dictate)』する壮大な作品になっていることがわかります。

◆関連 当ブログ記事
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第15話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第14話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第13話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第12話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第11話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第10話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第9話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第6話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話 

| | コメント (0)

2017.11.20

■感想 虚淵玄 脚本、静野孔文,瀬下寛之 監督『GODZILLA 怪獣惑星』


アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』本予告 - YouTube.

 『GODZILLA 怪獣惑星』をミッドランドスクエアシネマ2、8番スクリーンで初日に観てきた。
 まず以下はネタバレしませんが、これは新しいゴジラ映画として、何も情報なしで観に行く映画だと思う。すぐに情報シャットアウトして映画館へ向かうことをお薦め。あと劇場へ早く着いても、映画館に置いてあるチラシ類も見ちゃだめw。御注意下さい。
 情報シャットアウトして観ると、『シン・ゴジラ』とはまた別種の新しいゴジラの姿に驚くはず。特に今回は凶暴さはピカイチ、さらにその存在のSF的な設定と、さらにどう討ち取るのかという難問度合いも格別。そんなゴジラを観たい方にはまさにお薦めです。

 特に映画として、虚淵 玄の絶望が冴える。絶望のクラスでは『シン・ゴジラ』を超えるスケール。また時間スケールとそれによる進化の形が興味深い。

Godzilla_23722605_1898276687168583_

  映画としては、音響が素晴らしく凝っている。熱線のショック感が凄い。これは大音響の劇場での鑑賞がお薦め。僕が観たミッドランドシネマは、ドルビーアトモスのスクリーンもあるけれど、8番スクリーンは残念ながら違う。けれども、はじめてだったけれど、この劇場の音響すごく迫力がある。またスクリーンの大きさもかなり満足できる(109シネマのIMAXと面積では結構近いのでは?)。駅からも近いし、今後、こちらも通ってみようかな。

 次に映像は、ある意味観たことのないものになっている。超硬質なセルルックCG。
 宇宙船シーンは今までの日本映像で観たことないレベル。(シドニア観てないんでそちらが既に実現していた映像なのかもしれない…w)

 機体や スーツのくたびれ感。宇宙機の重量感。いずれも米国映画のSF大作の迫力に負けていないし、独特の質感が後述するようにとても興味深い。
 『亜人』は観ていたけれどポリゴンのCG映像のレベルがさらに進化しているように思う。

 物語も音響も理解できるけれど、あの映像の質感量感の他にはない異質さは、一回では解析しきれない感じ。単に僕の映像感知力が錆びてきてるかもしれないけれど…(^^;)。ストーリーも見せるが、この映像はとにかく一見の価値があると思う。

 そしてこの映像で、今後、何が可能になるかを考えるとワクワクする。本格宇宙SFは可能だろう。
 小松左京が生きて若かったら、『ゴルディアスの結び目』の映像化を望んだかもしれない。練られた演技も邦画の実写というよりむしろ西欧映画のレベルで、存在感がとてもいい。(顔の表情はまだいまいちだけれど…)

 映像の異質感が何に由来するか。ゴジラの質感か。セルルックでのリアルな汚れ描写か。縦横無尽のカメラの動きとアングルなのか。物語の絶望と、ゴジラ映画としての異質感、そうしたものに間違いなくこの新しい映像が大きく貢献している。

 今後もこの道の進化からは眼が離せない。

◆関連リンク
『GODZILLA 怪獣惑星』は『シン・ゴジラ』がなければあり得なかった!その見どころを解説! | ニコニコニュース
「パイプライン3.0」開発中のポリゴン・ピクチュアズに聞く "世界に挑む"アニメーション制作でエンジニアが果たす役割とは? | インタビュー | CGWORLD.jp
劇場アニメ『BLAME!』でポリゴン・ピクチュアズがこだわったキャラクターづくり | インタビュー | CGWORLD.jp
劇場アニメ『BLAME!』で施されたポリゴン・ピクチュアズによるライティング&コンボジットの工夫 | インタビュー | CGWORLD.jp

| | コメント (0)

2017.11.15

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話


Eddie Vedder Out of Sand Twin Peaks - YouTube.

 第16話、凄かった〜。声を出して吃驚するシーンが最低でも3箇所はある!
 特に一番吃驚したシーンはこの楽曲の演奏中だった。

 いよいよ前作の続篇的な味わいが濃厚に現れ、そして物語の歯車がグルグルと強く回り始めた。
 ここまで引っ張って、溜めに溜めた水をイッキにダムを瓦解させるように放出して、視聴者の涙腺も瓦解させる。うーん、リンチとフロストの術中にハマりまくりの快感(^^)。





★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★







◆エディ・ヴェダー「Out of Sand」
 まずは、冒頭の曲について。

パール・ジャムのエディ・ヴェダーが『ツイン・ピークス』新シリーズのために書いた新曲「Out of Sand」を最新ライヴで初披露 - amass.

"2017年に海外で放送されるドラマ『ツイン・ピークス』の新シリーズ。200名を超える出演キャストのひとりであるパール・ジャム(Pearl Jam)のエディ・ヴェダー(Eddie Vedder)が、同ドラマのために書いたと言われる新曲「Out of Sand」を最新ライヴで初披露。"

 この曲、曲想からはちょっとリンチっぽくない感じ。だけれど、ドラマのために作られた歌であるという。

Eddie Vedder – Out of Sand Lyrics | Genius Lyrics

"今は消えてしまった
私は誰ですか
私は誰だった?
私は再び来ることはありません"

 動画のエディ・ヴェター"Out of Sand"の歌詞、ラストのフレーズ。
 これは消えてしまったダギーと、本篇で消えていった悪ダイアンへの追悼歌の位置付けなのだろうか。そうやって聴くとグッとくる歌である。

ダイアンが打った座標

 「48551420117163956」は、ルース・ダメンポートの腕に書かれていた番号と一緒のように見えた。これはヘイスティングス校長秘書からレイが入手した数字と同じということになりそう。
 リチャードが爆発した岩の上の座標は、悪クーパーが入手したもう一つの座標で(ジェフリーズからか)、そちらは間違いではないかと疑った上で、まずリチャードで危険を承知で試させたということになる。ちなみにリチャードが爆散した後、悪クーパーは舌打ちしている。もう悪を極めた男だ。

◆クーパーの覚醒 !!

Mv5bzjgxzwi5zjqty2e0yy00nzrmlwiyo_2

 前回のゴードン・コールと電気ショックから昏睡状態となったダギー・クーパーが遂に覚醒した。
 そして覚醒後の、ツインピークスのテーマの使い方、クーパーが病院を去る時の言葉。「私がFBIだ ! 」もう最高です。

 あのメインテーマ曲が流れたら、もう駄目。クーパーが戻ってきたのと、ダギーが消えてしまったのと、両方の涙が涙腺を、、、。

 ここでのクーパーは、幼児化したダギーの中に意識としてずっと存在してジェリーEとサニー・ジムとの経験も知っていたという描写。
 ジェニーEとのカジノでの抱擁、こんなラブストーリーをツインピークスで見せてもらえるとは思わなかった! これも大きな驚きの一つ。
 ここでのナオミ・ワッツとサニー・ジム。とても素晴らしい役者さんです(^^)。

 やっとはじまったクーパーの物語。もっともっと観たいもの。
 次回、S1,2にあった「前回のツインピークスは...」というクーパーによる前回のあらすじ紹介が復活するかも注目w。僕はあれ、大好きなんですけどね(^^)。あれは吹き替え版だけのものかもしれないけれど、、、。

◆オードリーのバンバンバーへの登場 !

Mv5byjlkndezntitmzmwmi00ndlllwiymjg

 まさかのオードリーとチャーリーの登場。前回まででオードリーの昏睡状態の夢ではないかと書いたのだけれど、3回のチャーリーとの悪夢の様なやりとりで視聴者の想像のベクトルを昏睡状態ではないか、と方向付けておいてのこの驚愕。
 ひとりで大きな声を上げてしまったのは、まさにその場面。

 そして何とも凄絶なオードリーのダンス。
 あのシーンも、非現実感が漂っていた。50代のオードリーの決して優雅とは言えないあのダンスに、バーの若者たちが乗って体を揺すり続ける。そんなことが本当にあるのだろうか。

 最後にインサートされたオードリーの闘病中らしき姿。現実かと思わせてラストはやはり昏睡状態の暗示で終わるシーン。
 やはりバンバンバーは、現実と夢のひとつの結束点なのだろうか。

 なんだかツインピークスという町自体が夢のような存在として、だんだん足が透明になって幽霊化、現実から乖離してきている。
 リンチのテーマが『マルホランドドライブ』に顕著な様に、現実と幻想/夢の並立性であるとしたら、まさにこのオードリーとバンバンバーのシーンが、今作での象徴的な場面になっているのではないだろうか。

 物語としては、黒クーパーがリチャード・ホーンの父であるとわかり、ツインピークスで昏睡状態のオードリーに会っていたという以前出てきたエピソードと合わせて考えると、やはりリチャードは、昏睡状態のオードリーと黒クーパーの間で出来た子供だという推測が立つ。

 Googleで「昏睡状態 妊娠」で検索すると、昏睡状態での出産という現実の例もあるようで、その公算が大となってきたかと。まさに今回のリチャードへの仕打ち含め、酷いまさに悪魔のような男だ、黒クーパー。

ミッチャム兄弟とキャンディーズ

 ミッチャム兄弟とキャンディーズも素晴らしくいい味出している。
 まさかのダギー家前での大立ち回りを彼らの視点から見せる手際。惨劇が兄弟とキャンディーズにより、まるで夢の一シーンのように描写されてしまう絶妙の効果。

 かつて『ツインピークス』の後、WOWOWで放映された『オン・ジ・エア』というリンチとフロストによるコメディドラマがあったが、あの時、外しまくっていた(愛すべき)ギャグwがあったのも、この兄弟とキャンディーズを生み出すための実験だと思えば、あのギャグに耐えたw、われわれ観客も浮かばれようというものww。


One The Air - Episode 1 - YouTube.

 このドラマ、アルバートは素晴らしくいい味出してました。
 DVDは残念ながら日本では出ていないのです。

 ミッチャム兄弟、黄金のハートの持ち主!!


化身 ダイアンの消滅

 FBIの3人と対峙するダイアン。ダイアンの内部から悪がにじみ出て、それを抑え込もうとする真のダイアン? との相克。あのローラ・ダーンの演技、素晴らしい緊張感だった。

 ダギー→クーパーが髪の毛を抜いて片腕の男に渡していましたが、もしかして孫悟空みたいにあれで化身が出現するのだろうか? ダイアンもそうして、、、、タルパ:化身が生じるのだろうか。

Mv5bodviy2njzdetnznjyi00nzlklwfjyzq

 そしてまさかのダイアンのブラックロッジへの転移。

 本物のダイアンは保安官事務所にいる、というダイアンの相克の苦悶の中からの言葉。これが本当だとすると、クーパーが示したように髪の毛から化身の種が作られるとしたら、ニセモノは同じDNAで顔が一緒だのはず、、、、。顔が違ってもいいなら、あの保安官事務所ではあの人しかいないだろう(にしても元々、本物を知っているゴードンとアルバートが、偽ダイアンは顔が違えば気づいていたはずなのに、、、)。
 まずはクーパーとの再会が見ものである。
 twitterでは、DIAN(E) と NAID(O)のアナグラムを指摘している人もいた。
 (おまけで、DIANE と (C)ANDIEというアナグラムも指摘されている。一体どうなっているんだろう??)

Muddy Magnolias - American Woman (Twin Peaks S03x1 and S03x16 Soundtrack) (David Lynch Remix) - YouTube
 ダイアンがゴードンとアルバートとタミーの待つホテルの部屋へ行くシーンでかかっていた曲、第1話で悪クーパーの登場シーンでかかっていたのと同じ曲。Muddy Magnolias "American Woman"のスローモーション版。リンチのアレンジが凄い。

Muddy Magnolias - American Woman (Audio) - YouTube
 その元曲はこれ。ある意味、歌のタルパ(化身)。 バッド・"アメリカンウーマン" 。


 来週はいよいよツインピークスに役者が集合か。ということはクーパー、RRダイナーへ? もうテレビの前にコーヒーとチェリーパイを用意して、クーパーと一緒のタイミングで食べるしかない(^^)。

◆関連リンク
ツイン・ピークス The Return 登場人物相関図
 毎週更新されていますので、最新回を見られていない方は、ネタバレ注意。

◆関連 当ブログ記事
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第15話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第14話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第13話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第12話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第11話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第10話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第9話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第6話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話 

| | コメント (0)

2017.11.13

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第15話


The Veils "Axolotl" in Twin Peaks 2017 - YouTube.

 第15話、今回はまずダギー〜〜! エド〜ノーマ〜!そして丸太おばさん〜〜!な回でした。 あと3話なんて信じたくない!(^^;)。

 ツインピークスまわりのいくつかの話が収束していく様子が描かれるとともに、各地での謎が、だんだんとツインピークスへ向かうことで解かれていく。

 映像の奇想と物語の結構がどうクライマックスに向けて動いていくのか、楽しみである。

 





★★★★★★★ネタバレ、注意★★★★★★★★






 今回はキャサリーン・コールソンに捧ぐでなく(それは第1話エンドクレジット)、丸太おばさんに捧げられている。本話ラストでのホークと丸太おばさんの電話でのやり取りは、とても胸に迫るものがある。キャサリーン・コールソンとリンチの長年の作品作りに対する付き合いを思って観ると、なんともこのシーン、空の映像や森の映像にもいろんな想いが籠っているような気がして、グッとくる。

 丸太おばさんに追悼の意を改めて捧げたい。黙祷。

Sunsetboulevardinsert_2

◆ダギーの覚醒
 まさかの『サンセット大通り』での「ゴードン・コール」という言葉による覚醒への一歩。そしてコンセントにフォーク!
 コーヒーとチェリーパイの同時食で覚醒かと思っていましたが、意外な展開。

 ゴードン・コールのシーンは、ビリー・ワイルダー監督『サンセット大通り』のこのリンク先のパートから。
 この『サンセット大通り』、リンチが好きな1950年の映画だけど、ハリウッドの裏側を描いた、モノクロ映画とはいえ、今見ても古びていないノワール。未見の方は是非ご覧ください。ちなみにリンチの自宅の玄関には、この『サンセット大通り』のポスターが飾られているらしい(右図がそれと同じものかは不明)。

◆コンビニエンスストア
 あの8話でウッズマンたちの溜まり場となっていたコンビニエンスストア、そのトマソンな階段が、こんな世界につながっていたとは。

 そしてジェフリーズに通じる謎のホテルと"Bosomy woman"とクレジットされている謎の二人の女/男?。Bosomyって調べると豊かな胸の女となってて、でも顔つきが男でまたもや謎の存在。

Mv5bytmwmtuwzgitzguwys00y2fmltgyogq

 コンビニエンスストアのないはずの二階でウッズマンの一人がテレビ?の裏の電気スイッチ?をいじった際に、放電とともにインサートされたピエロのような赤い鼻の人物。この人はJAMPING MANとクレジットされているが、映画『ローラ・パーマー 最後の七日間』にも出てきたキャラクターに似ている。

 しかし変わり果てた姿のジェフリーズは、この者たちと一緒にいるということはブラック・ロッジ側ということなのだろうか。黒クーパーとも繋がっているようなので、そうなのかもしれない。しかしあの釣り鐘のような姿は、ホワイトロッジの巨人側のアイコンのようにも見えるため、ここも大きな謎である。

◆不思議なバンバンバーの女とダギーの同期

Twin Peaks Compared: Cooper and Ruby crawling - YouTube.

 バンバンバーのシートに座っていた女 ( WOWOWの字幕でルビーと表記 ) の不自然な膝まづく姿。このシーンと同じく膝まづいたダギーの姿を並行で比べて映した動画。ラストまで見てもらうとわかるが、ダギーが感電するのとルビーが叫ぶところが見事にシンクロしている。この同期を見つけた人は凄い。そして、仕掛けた方も。

 女優はクレジットからはシャーリン・イー。リンク先の説明では、あれ、少女と思ったら31歳。

 この同期が何を意味しているのかは謎であるが、どこかバンバンバーに漂う異世界感がその理由なのかとぼんやりと思ってしまう。

◆オードリーの迷宮

Mv5bztm0mge1yzctztjhzc00ymrllthhmda

 オードリーとチャーリーがなかなかバンバンバーへ外出できない。
 外出できないことから、ネットで噂されている様に、やはり前作からオードリーは昏睡状態のままで動かない身体に閉じ込められてることが、部屋から出られない悪夢になってるというイメージが感じられる。
 ただそうするとリチャードがどう生まれたかという謎が…。
 リチャード含めオードリーの夢というのは、あまりに安直だし(^^)、そうするとバンバンバーやいろいろも夢ということになってしまう。

 既にツインピークスの街は、そうした現実と幻想の淡いに落ちているということなのか、、、、オードリーを起点にして、現実と幻想の境がどんどん幻想側にとろけている印象で、今後の展開がスリリングである。

◆関連リンク
ツイン・ピークス The Return 登場人物相関図(twitter やすなおさん作成)
 日々更新されている相関図。カラーで画像も凝っていて、そしてとても見やすい素晴らしい出来です。
『ツイン・ピークス ファイナル・ドキュメント』
 マーク・フロストの本、12/22日本語版発売予定。本篇で謎になっている部分の設定もいろいろと書かれているようです。

◆関連 当ブログ記事
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第16話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第15話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第14話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第13話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第12話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第11話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第10話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第9話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第6話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

| | コメント (0)

より以前の記事一覧