映画・テレビ

2017.07.24

■感想 デイヴィッド・リンチ他監督『ツイン・ピークス』シーズン1,2 序章〜29章


ツイン・ピークス 完全なる謎 Blu-ray BOX 予告編 - YouTube

 『ツイン・ピークス』シーズン3に備えて(少し遅いがw)、シーズン1,2の全てのエピソード 序章〜29章(WOWOW吹替版)を先週末から観はじめて日曜(7/23)に見終わりました。特にこの土日で8話から29話までいっき見をして、まさにマラソン完走状態でへばってますw。

 へばっているけど、記憶の鮮明な今ならどのシーンを語られても付いていける自信あり(^^)。もう来週になると記憶は赤いカーテンの向こうに消えていくでしようが、、、。

 序章から16章までが「ローラ・パーマー」篇。その後〜29章が「ウィンダムR」篇とでも呼べる様な大きな変化があります。(wikipediaのあらすじにある「第一部」「第二部」「第三部」の記述は明らかに、話数とストーリー内容が合ってないし、いいかげんです。参考にするには、全エピソードのあらすじを載せた英語版wikipediaがお薦めです)

 デヴィッド・リンチが監督したのは、「ローラ・パーマー」篇は序章と第2, 8, 9, 14章(序章〜8章は脚本にもリンチがクレジット)。主に奇想部分はほとんどがリンチの担当分になっているため、凄くリンチ自身のやりたかったことが明確。

 そして「ローラ・パーマー」篇は、16章で見事にほぼ伏線から謎までほぼ回収できているようにみえる。ここで終わっても良かったのでは、というのが僕の感想。

 「ウィンダム・アール」篇はリンチ監督部分は最終話 29章のみということで、明らかにリンチテイストは薄く、マーク・フロストや脚本をいくつか担当しているロバート・エンゲルスの作品と言っていいかもしれません。で、「ローラ・パーマー」篇とはほとんど話は繋がっていなく、別の物語と考えてもいい。

 ブルーブックとかアブダクションとか洞穴とか出てくるけれど、このあたりのヴィジョンはリンチではないような雰囲気。

 さすがに29章はブラックロッジ=赤い部屋が舞台なので、リンチテイストmax.なのだけれど、それでもシナリオはリンチではなく、マーク・フロストとロバート・エンゲルスとハーレイ・ペイトン。出来上がった作品は映像から物語までリンチテイスト全開なので、どれだけシナリオが作品に残ったかは不明。

 以前、通しで観た時は、もっと全体の謎がモヤモヤと残ったような気がしたのだけれど、今回、かなりスッキリとしたストーリーに見えた。ただし29章が赤い部屋を描いて「ローラ・パーマー」篇へ強く繋がりを付けて、クーパーの恋人アニーがどうなったか、とかラストの笑うクーパー/ボブがこの後、一体どうなるかとか、謎を放置して余韻を残す(?)形をとっているため、そのことでツイン・ピークス全体が謎を多く残して終わった印象になっているのも、確認できた。

 というところで、あと『ローラ・パーマー最期の7日間』とその未公開シーンをリンチがまとめた『ローラ・パーマーもうひとつの最期の7日間』が残っているけれど、これは来週末に観ようかと(もう今週末はお腹いっぱいw)。

 いよいよ7/22からWOWOWでシーズン3が毎週1本づつ放映となったわけだけれど、先行で既に放映された1-4話を観る限りでは、リンチテイストは「ローラ・パーマー」篇の各リンチ担当回よりも数倍アップしていて、既にソープオペラ的テイストはほとんど薄まっている。

 むしろシーズン1, 2の物語と登場人物を利用した、別のリンチ作品と考えたほうがいい位、ぶっ飛んだ映画になっているというのが僕の感想。

 なのでシーズン1, 2を観ていなかったリンチ映画ファンも、シーズン3だけは観たほうが良いのではないか、というのが今のところの僕の感想です。

◆関連リンク
『 ツイン・ピークス 完全なる謎 Blu-ray BOX(数量限定生産)(10枚組)』

"<新収録特典映像(すべてHD)>
1. 劇場版 削除シーン集&もうひとつのシーン集...リンチがこの゙ブルーレイBOXのために監督・編集し約90分にまとめた映像作品(「ツイン・ピークス もうひとつの ローラ・パーマー最期の7日間」として放送)
2. チェリーパイを食べながら:デイヴィッド・リンチとキャストらの語らい(新たに撮影した特典映像が追加で入ります。)
3. 『 ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』の思い出
4 .「ツイン・ピークス」の世界(英語版) 他"

『 海外ドラマFan! ツイン・ピークス大特集 (別冊宝島)』
 こちらには全エピソードのあらすじと各話ポイントが記されています。資料価値ありかと。

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2017.07.19

■感想 「ゴジラ展」@ 名古屋市博物館

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特別展 ゴジラ展|名古屋市博物館

"会期  平成29年7月15日(土)~9月3日(日)                

開館時間  9時30分~17時00分(入場は16時30分まで)

休館日  毎週月曜日・第4火曜日(7/18、24、25、31、8/7、21、22、28)※8/14は特別開館
会場  名古屋市博物館  名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
TEL.052-853-2655 FAX.052-853-3636"

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 ゴジラ展、猛暑の中、行ってきました。
 まずは冒頭の写真は、会場入り口とそこに置かれていたミニチュアセット、そして名古屋市博物館への通路に貼られていたポスター(内部の展示品の紹介パネル)。
 会場内について撮影は基本禁止でしたが、2作品のみ撮影可でした。

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 その2作品は「シン・ゴジラ」の全身造形と東京駅ミニチュア、「ゴジラ×メカゴジラ」(02年)のゴジラスーツ。これらについては3D動画も撮ってきたので、造形の立体感をどこかでお見せできると良いのですが、、、。

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 『シン・ゴジラ』については、他にも撮影禁止でしたが、幻となったアニマトロニクスの上半身像(高さ184×幅151×奥行220cm)が展示されており、凄い迫力でした。さすがにディテイルは残念ながら竹谷隆之氏の造形を取り込んだCGのリアルな迫力には敵わないのですが、この大きさの現物の迫力は特筆。大画面でこのアニマトロニクスの特撮も一度眼にしたいものです。

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 会場で配られていた作品リストと会場見取り図。
 コンパクトな会場ですが、作品リストによると展示総数は約350点ほどと充実したものになっています。

 僕は、今まで拝見したことのなかった怪獣イラストの原画。開田裕治さんの原画8枚と生頼範義さんの4枚が見られたのも収穫でした。開田さんの「魔獣降臨」と生頼さんの「ゴジラFinal Warsポスター原画」が迫力!

 あと特撮博物館にも展示されていた『日本沈没』の深海潜水艇「わだつみ」とか、『ゴジラ』(1954)のラストで出てくる「オキシジェンデストロイヤー」とか「潜水帽」とか思い入れのある作品の"本物"が見られたのも収穫。

 酒井ゆうじ氏による『ゴジラ2000 ミレニアム』造形とか、歴代作品の造形が実は着ぐるみスーツよりも映画のイメージをその形状に定着していて、素晴らしい出来に感激して見てました。

 ゴジラ作品、平成後はあまり見ていないのだけれど、これを機に見てみようかと思った次第。

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2017.07.17

■感想 米林宏昌監督『メアリと魔女の花』


「メアリと魔女の花」予告2 - YouTube

 米林宏昌監督『メアリと魔女の花』@各務原イオンシネマ、観てきた。

 エンドクレジットで「感謝 高畑勲 宮崎駿 鈴木敏夫」と表記されていたが、まさにスタジオジブリという豊穣な土壌に咲いた見事な果実。

 冒頭の畳み掛ける様なアクションから雷雲の中の不可思議な町まで素晴らしいイマジネーションとアニメートで、アニメーション映画としての完成度は、ジブリ作品と比べても水準以上というか、作画レベル,完成度は歴代ジブリ作品と並べても、トップ5位には入る見事な出来ではないか。

 隙のないアニメートと情感を湛えた霧にむせぶ森の描写等、みどころも多い。物語はストレートに幻想みとアクションが融合、さらにテーマ的にもジブリの正当な後継となっていて、人間の前向きの可能性を謳いあげていて万人に楽しめる作品になっている。

 というのが一般的な感想。

 宮崎駿ファンとして観ると、クライマックスに少し物足りなさもある。宮崎作品のどこかねじれるような情念というか複雑さというかそうしたものとはやはり距離があるように思う。宮崎の中に蠢いている闇とか光とか、あのコンプレックスな渦のようなものがないのが、米林作品にどこか物足りなさを感じる理由なのかもしれない。
 おそらく作家としてのそうした資質は違うのだろうから、米林監督らしい作風にさらに磨きがかかることが楽しみ。

 そしてまず今後この作品がどこまでヒットするか、一般的な感想として述べた部分で広くジブリファンの心を掴むのか、それとも実は今までのジブリファンも宮崎の複雑さに惹かれていたのか、そこらあたりがどう受容されていくかをみるのも、ファンとして楽しみである。

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2017.07.12

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube

 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話、WOWOW録画見。  テレビドラマでありえない実験的な前半と通俗的な場所でのコメディ、今回も見せてくれます。



★★★★ネタバレ注意★★★★




 冒頭の転移するクーパーのシーケンス、今回はなんと宇宙に浮かぶブリキの箱と、その屋上の釣鐘状の何か、そして両目を封印された裕木奈江(たぶん。クレジットに"NAIDO"役とある)と彼女の宇宙への落下。「青い薔薇」をつぶやく宇宙を漂うスキン・ヘッド。

 ブリキの箱のへやをノックし続け最後まで現れない驚異の"女の母親"。
 リンチ的オブジェクトに吸い込まれ、RANCHO ROSAと名付けられた町へさらに転移するクーパー。苦しむワイルドクーパーと新登場の3人目の太ったクーパー(左腕がしびれているダギィ・ジョーンズ)。入れ替わりに赤い部屋のソファに現れたダディはいっきに痩せ、そして黒い煙となって消える。

 RANCHO ROSA近郊?ラスベガスのカジノ Silver Mustangへ、黒人娼婦の車でもうろうと移動したクーパーは、スロットに赤いカーテンの幻影を見る。そこにチップを投入し次々に大きな当たりを取るクーパー。ここは赤い部屋の運用としてとても通俗的で爆笑してしまった。おふざけテレビ局コメディ『オン・ジ・エア』を思い出させる怪作ぶり。

 あまりのコメディ的不条理展開にあきれているとシーンは一転、ツインピークス保安官事務所。アンディとルーシーとホークは何か無くなったものを探している。ルーシーが証拠品のウサギのチョコを食べてしまったことを告白。このくだりのコメディも素敵。

 ついに登場する、FBIフィラデルフィア支部のリンチ演じる大声のFBI副支部長ゴードン・コールとアルバート・ローゼンフィールド。ニューヨークのガラスの箱の事件の報告をクリスタ・べル(こちらもリンチの歌姫)演じるタミー捜査官から受けている時にクーパーから入る電話。ゴードンの部屋のキノコ雲とフランツ・カフカの肖像写真が印象的。サウスダコタのブラックヒルズへ向かう3人。

 BANG BANG BARで歌うThe Cactus Blossoms "Mississippi"、今回はリンチのもう一つの音楽趣味であるフイフティーズなテイスト。

 このメモだけ見た人は一体、どんなドラマと思うだろう。凡百の不条理ドラマの枠外を突っ走り続けるリンチワールド。もはや『ツイン・ピークス』の続篇ということはわずか1/5ほどしか意識されず、あと15時間以上続くリンチシュルレアリスムドラマの行く末をワクワクして見守りたい。

◆関連リンク
Part 3 | Twin Peaks Wiki | Fandom powered by Wikia
 ファンサイト、Season 3 第3話の詳細記録。

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2017.07.10

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話


CHROMATICS "SHADOW" - YouTube.

 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話、WOWOW録画見。
 第2話もリンチ節全開。リンチアートから音響まで、テレビドラマとは思えないシュルレアリスティックな世界が今回もしっかり提示されています。

★★★★ネタバレ 注意★★★★







 前半、今回はサウスダコタでの第1話の事件とワイルド クーパーが描かれる。クーパーの悪が全開。

 そして赤い部屋、現れる「時々腕が後ろへまわる」と言うローラと、謎の腕を名乗る木。木の上の不気味な顔は、『イレイザーヘッド』につながるリンチアートでよく出てくる肉塊である。

 圧巻は「存在しない」と宣言されて起こるクーパーのサウスダコタへの転移。そしてニューヨーク。第1話と物語がこうして繋がっていく。

 その後登場する「Bang Bang Bar」、CHROMATICS "SHADOW" (冒頭に引用した動画) が素晴らしくリンチのシュルレアルに適合する。第1作からの登場人物ジェームスの25年後の、いまだ憂いをたたえた姿。最高潮にSeason 3の開幕を讃える第1話と2話だ。

 CHROMATICS、本作は『ブルー・ベルベット』とリンチの歌姫 ジュリー・クルーズに捧げた曲となっているが、他の曲もリンチテイスト満載ですね。

◆関連リンク
・Part 2 | Twin Peaks Wiki | Fandom powered by Wikia
 ファンページ。Season 3 第2話の詳細。

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2017.07.05

■動画  『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」:TWIN PEAKS 2017 - The atomic bomb


TWIN PEAKS 2017 - The atomic bomb (July 16, 1945) - YouTube

 ネタバレになるかもしれないが、どうやらこれはデイヴィッド・リンチが『ツイン・ピークス  The Return』(Season 3) 第8話                 の映像として撮った原爆実験の映像らしい。

 クレジットを見ると、ニューメキシコホワイトサンズで実施された人類初の核実験であるトリニティ実験 (Wikipedia)の原爆爆発シーンを再現したものらしい。

 BGMのポーランドの作曲家 クシシュトフ・ペンデレツキ広島の犠牲者に捧げる哀歌」と相まってリンチ監督による映像が凄まじい。
 恐らく史上最恐の原爆実験映像 (詳しい情報を探すとネタバレを読みそうなので探索はここまでに留めます。)

■関連リンク
 『ツイン・ピークス  The Return』(Season 3)に登場する多数の楽曲がYoutubeで公開されています。聴いているだけであの赤い部屋へw。


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube.


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube.


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube.

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2017.07.03

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

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ツイン・ピークス The Return|ドラマ|WOWOW
 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3の日本タイトル)第1話がWOWOWサイトでネット無料配信中。

 僕は昨晩の無料放映を録画したもので第1話、さきほど観ました。

 『ツイン・ピークス』ファンとして25年ぶりの新作ということよりも、むしろデイヴィッド・リンチの『インランド・エンパイア』から実に11年ぶりの映像長篇新作というところがポイント。この日をどんなに首を長くしてまってきたか(^^)。

 まずはリンチ映像として語ると、11年の間、映画でなくアート作品を発表し続けていたリンチの絵画的なセンスが、新たな映像としてその画面に息づいているという感想を持った。

 もちろん旧作で用いられていた絵画的モチーフも今回健全なのだけれど、特に印象的だったのがニューヨークの高層ビルの一室に設えた謎の実験室の映像と、サウスダコタ州バックホーンを舞台にしたある事件の描写。

 前者の部屋は、まさにリンチのあの絵画世界が現出したような空間、黒っぽい茶を基調としたリンチアートの雰囲気が濃厚に出ている謎の実験室(特にその無機質な壁)。そしてそこで起こる事件の描写が鮮烈。

 『ロスト・ハイウェイ』のサイコジェニックフーガのシーンを一歩進めて先鋭化したイメージ。そこに援用されるリンチ絵画のテイスト。見事な映像への回帰。
 後者もまた鮮烈な殺人描写なのだけれど、そこに色濃く出ているのが、フランシス・ベーコン的な肉体の変容。

 ネットテレビだからこそ連続ドラマで実現した過激な描写なのだけれど、もうベーコンがその撮影現場に来て、自ら人体の形状と色の描写を手がけたのではないかという凄い出来。

 物語の広がりと25年の登場人物たちの経過よりも、それらのシーンが強烈に新しいリンチのドラマの開始を謳いあげ、まさに素晴らしいスタートを切る第1話となっていた。

 今回バダラメンティの新作音楽よりも印象的だったのが、上記シーンでも効果的に使用されていたノイズサウンド。サウンドデザインがクレジットによるとリンチ自身なので、まさに作り込まれた音像としてのリンチアートが強烈な精彩を放っている。

 このまま、18本、全てがリンチ監督作として描かれるシリーズに大いなる期待を持てる1本でした。  今夜、WOWOWでは2-4話も先行放映されるが、明日からの一週間の仕事と、イッキ見することが勿体なくて、僕は録画して週末を待つことになりそうです。

◆関連リンク
・当ブログ記事 主に『インランド・エンパイア』以降のアート関連
 ■感想1 個展『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』(DAVID LYNCH "CHAOS THEORY OF VIOLENCE AND SILENCE")
 ■作品集『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』

■感想1 デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six
 ■感想2 映画 「デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six
 ■感想3 絵画 デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six 

■情報 デイヴィッド・リンチ展@渋谷ヒカリエ8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
 ■デイヴィッド・リンチの展覧会 コムデギャルソンアートスペースSixで開催!!

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2017.06.19

■感想 ジェームズ・ガン監督『ガーディアンズオブギャラクシー VOL.2』


映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』予告編 - YouTube

 ジェームズ・ガン監督『ガーディアンズオブギャラクシー VOL.2』IMAX 3D(残念ながら字幕) @ 109シネマズ名古屋。

 今回もロケットとグルート、ヨンドゥ、ドラックス、クイル、ガモーラとキャラクタ皆んながいい。3D演出も工夫されてて良かった。 手前にものを置いた演出。広大な大地を舐めながら人物に立体的に近づいていくカメラ。せっかくの3Dを前面に出した描写が秀逸。
 これで宇宙船のデザインがもっとクリス・フォス風だったらさらにグッと来たのに(^^)。 もっと極彩色の宇宙を見せて欲しかったです。

 ストーリー的には荒唐無稽なGODな描写もグッドでした。もうマーベルは何でもありですね。

 いずれ『アベンジャーズ』との合流もあるのかな? であれば、逆にジェームズ・ガンが監督し、陽気な『アベンジャーズ』を観せて欲しい。ジョス・ウェドンと共同脚本でジェームズ・ガン監督というのがベストかも。

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Guardians of the Galaxy Vol. 2 spaceship concept art | SyfyWire

"George Hull (Star Wars: The Force Awakens, Blade Runner 2049, Godzilla: King of Monsters)
ベテランコンセプトアーティスト、ジョージ・ハル ( スターウォーズ:フォース・アワケンズ、ブレードランナー2049、ゴジラ:モンスターズの王 )"

George Hull Design
 本作の宇宙船デザイナーのジョージ・ハルの公式HP。
 今までに手がけたハリウッドSF映画の数々のコンセプトアートが展示されています。

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2017.06.14

■感想 北野武監督『3-4x10月』


3-4x10月 北野武監督作品 1990年公開 日本劇場予告編 - YouTube
 何度目かの北野武監督『3-4x10月』を観た。2013年の日本映画専用チャンネル『北野武劇場』♯2として放映されたハイビジョン版を録画していたもの。ずっと見てなかったので、今回この放映分は初見。

 北野映画の最高傑作と思っているのだけれど、今回見直しても武監督らしい映像の組み立てで素晴らしい。エピソードの積み上げ方、起承転結のどこか起と結をダイレクトにつないだようなテンポ、本作では音楽を排しセリフを極力無くして映像と環境音で見せるタッチ。北野映画の原石がここにある。
 最初観た時のどこにもないような新しい映画の感覚。それがこれら要素から観客の頭の中に構成されたイメージであることが、今見るとよくわかる。

 番組ナビケータを務める水道橋博士が、主役の小野昌彦(柳憂怜)と対談するコーナーが映画の終演後に放映された。ここで映画の本質に迫る興味深いコメントが出ているので以下書き記す。

★★★★★★ネタバレ注意★★★★★★


・柳の背番号は補欠なのに3。ラストでトイレから出てくる姿は、映画冒頭と異なり走ってベンチに戻る柳。そしてスタッフロールで次に彼が守備としてサードに付く映像を流し、番組の対談の中でしっかりサードに付いていることが示される。
 柳が当時、北野武に聞いた話を「僕が監督自体から聞いたのでほぼ間違いない(真相)」として紹介される。
 「(駄目な男として描かれているが)本来は全く真逆で主人公の雅樹というのはレギュラーで背番号3番でサード、4番(打者)という設定なんです、実は。できる男が「俺もし今こんな野球やっててちゃんとできてるけど、もし俺が駄目な人間だったらどうなるんだろうな、っていう発想でできてる話なんですよ、実は」」
 彼がトイレの中でもし自分が補欠で何をやっても駄目な人間だったら、どうなるかという妄想だったというオチが想定されていたという。

・この映画は当初たけし軍団の解散映画として企画された。そして柳が主人公になった理由を推定し語る。その頃、他のメンバーは売れてきて映画を撮る2,3ヶ月のスケジュールを空けることができなかった。まだ売れてなく予定が空いていたから柳が主役に選ばれた。

・映画のラストについて元のシナリオはこうだったと紹介する水道橋博士「便所で終わる夢オチだっていうけれど、台本上は本当はもうひとくだりある、南の島に行ってるんですよ。『3-4x10月』も『ソナチネ』もフライデー事件後の謹慎期間に宮古島に行った時のイメージ。暇をつぶしている、死んで行く先を探している天国みたいなイメージが続いている。その絵のイメージがね。だからああいう色彩や光があるんだと思うんですけど。そこにさらに強いものを、さらに南というイメージがあるんですけど。」
 以下は水道橋博士が『北野武劇場』の収録を記したブログ記事。

水道橋博士の「博士の悪童日記」 : 2月5日  火曜日 【北野武劇場】 - ライブドアブログ

"『北野武劇場』♯1、♯2、スタジオゲストトーク。 初期の北野映画に出演された俳優陣の中から、 柳憂怜、芦川誠、平泉成、ベンガル諸氏からお話を聞く。 『3-4x10月』、柳憂怜さんは無気力な主人公の設定、草野球の控えのメンバーなのに、何故、背番号3(たけしさんの年代には特別な意味を持つ)をつけているのか? 長年の疑問だったが「正解」を語ってもらえたのは収穫だった"

 ここで書かれている「正解」が上で引用した柳の言葉というわけである。
 そしてネット検索したら、シナリオのラストの南の島について以下の情報を見つけたのでご紹介。

 

3-4x10月 : 拝啓活動写真様.

"日本映画専門チャンネル『北野武劇場』で、本作のプロデューサー・森昌行氏によって、幻のラストシーンの構想が語られています。

「バリ島の白い砂浜に主人公たちが、ガソリンスタンドからポンと飛んでる。つまり、そこへ逃げたという設定になっていて、彼女がパッと現れて陽を遮るところで、主人公たちの目の前が暗くなるんですね。そこで目覚めるというか、もういっぺん、ガソリンスタンドに戻って、そこでバットを取って、ホントに殴るかどうか、みたいなところで終わる作りだったのですけども。」

では、なぜこのラストシーンの構想は実現しなかったのしょうか。

ー『3-4x10 月』って、いろんなチャレンジが入るはずだったんだけど、息切れしちゃったんだよね。途中で破綻しちゃったんだなぁ。もう完全に、途中で映画を撮るスタミナが切れたっていう。(北野武『物語』より)"

 映画の謎解きは興を削ぐことにもなりますが、北野武映画のコアを知るためにこの番組「北野武劇場」の関係者コメントは貴重なものになっていると思い、書き記してみました。

◆関連リンク
北野武 当ブログ記事 Google 検索

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2017.06.12

■情報 テリー・ギリアム監督『ドン・キホーテを殺した男』がついに撮影終了 Terry.Gilliam "THE MAN WHO KILLED DON QUIXOTE"

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テリー・ギリアム監督のFacebook 『ドン・キホーテを殺した男』の撮影終了を告げる記事

"Sorry for the long silence. I've been busy packing the truck and am now heading home. After 17 years, we have completed the shoot of THE MAN WHO KILLED DON QUIXOTE. Muchas gracias to all the team and believers. QUIXOTE VIVE!"

ついに!テリー・ギリアム17年越しの『ドン・キホーテを殺した男』撮影終了を報告! - シネマトゥデイ

"ギリアム監督は、「ご無沙汰してすみません。トラックに荷物を詰み込むのに忙しくしていました。ついに自宅に戻ります。あれから17年経って、『ザ・マン・フー・キルド・ドン・キホーテ(原題)』の撮影を終えました。チームのみんな、そして信じて待っていてくれたみんな、本当にありがとう。キホーテ万歳!」"

 テリー・ギリアム『ドン・キホーテを殺した男』がついに撮影終了!
 Facebookの公式ページの書き込みに、893件のコメントが付き、テリー・ギリアムも、ファンのコメントに対して多数の返信をしています。

 紆余曲折のあった本作、ついに陽の目を見ることになったわけで、ファンとしてはとても嬉しいことです。2013年の『ゼロの未来 The Zero Theorem』以来の新作、まずは期待しましょう。

◆関連リンク
The Man Who Killed Don Quixote (2018) - IMDb
 IMDbにも公開日は今のところ記載なし。2018年公開の予定のようです。
ロスト・イン・ラ・マンチャ - Wikipedia

"『ロスト・イン・ラマンチャ』(Lost in La Mancha)は、テリー・ギリアムの映画『ドンキホーテを殺した男』(The Man Who Killed Don Quixote)の製作が暗礁に乗り上げた顛末を描いた2002年のドキュメンタリー映画。ナレーションはジェフ・ブリッジス。"

キース・フルトン監督『 ロスト・イン・ラ・マンチャ [DVD]』

"【特典映像】 ●テリー・ギリアムオリジナル絵コンテ集 ●予告編集(オリジナル予告、日本版特報、劇場予告) 《監督・脚本》 キース・フルトン 《製作》 ルーシー・ダーウィン 《出演》 テリー・ギリアム、ジョニー・デップ、ジャン・ロシュフォール、ヴァネッサ・パラディ"

 まだこのメイキング、未見なので、こちらも楽しみです。

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