映画・テレビ

2018.09.19

■予告篇 ルカ・ハルゴヴィック監督「スライス・オブ・ライフ (人生の一コマ)」"Slice of Life"


Slice of Life - Official Trailer - YouTube

""Slice of Life" is an original short Science Fiction film inspired by the Blade Runner universe."

 "Slice of Life" ブレードランナー風未来都市を描いたインディーズフィルム!
 『ブレード・ランナー』にインスパイアされたルカ・ハルゴヴィック(Luka Hrgović)監督による短篇映画。

 リンク先の予告篇を観てもらうとわかるが、「強力わかもと」ならぬ「吟徳門」と名付けられた商品(日本酒か?)のCMガールのふんどし美女が凄い(^^)!

 そして手作り特撮と思えぬ完成度の映像。後述するメイキングの映像を見るとわかるが、いずれも手作り感のあるミニチュアによる特撮である。
Slice Of Life Film(公式HP)


Creating the miniature sci-fi city in a garage - from junk! - YouTube.
 こちらにミニチュアの手作りシーン、それを利用した特撮シーン撮影のメイキング記録映像。

 『ブレード・ランナー』インスパイアは、その制作スタイルにまで徹底している。全篇見てみたいものです。

◆関連リンク

Solposter_web_big

Creating a sci-fi city in the garage
 特撮シーンの模型制作等のメイキング映像。
Slice of Life (Facebook)
 メイキング映像ほか、最新情報が語られています。
Slice Of Life - YouTube.
 こちらにも多数のメイキングが掲載されています。
Slice of Life - original short film homage to 80's SCI-FI by Julius Film — Kickstarter
 キックスターター、すでに受付は終了しています。ファンディングゴール $25,000に対して、$81,756の資金が集まったようです。
ファンが作った「ブレードランナー」のサイドストーリー動画「Slice of Life」のクォリティが高すぎる - DNA.

"クロアチアのLuka Hrgovićを監督に、極少人数のグループが自主制作している短編動画。完成すれば30分程度の上映時間になるそう。 現在、実写パートの撮影は終了し、ミニチュアなどを使った特撮パートの撮影に入っているとのこと。今後はKickstarterで3万ドル(約340万円)の出資を募り完成を目指すとしています。"

『ブレードランナー』へのラブレター、80年代SF映画への愛を込めた短編SF作品『SLICE OF LIFE』。 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。.

ちなみに本作品では、80年代のSF映画における特殊技術、ミニチュア、リアプロジェクション、マットペインティングなどの、今となっては旧式だと言われる技法がフル活用されているとのことで、「You won't find any CGI here!!!」と豪語している、それは本当にすごい!

Luka Hrgovic - IMDb
 4本の短篇映画の制作実績が記載されています。

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2018.09.17

■感想 フアン・アントニオ・バヨナ監督『怪物はささやく』"A Monster Calls"

 フアン・アントニオ・バヨナ監督『怪物はささやく』、WOWOW録画初見。
 少年のリアルとファンタジーの交錯。

 裏の巨大な古木が巨人として少年の前に現れ、人間の3つの物語を語り、悪夢に絡む4つ目の物語を少年に語らせる。
 巨人の語る物語を映像化したイラストレーション風の3D CGアニメが素晴らしい。絵本の中から立ち現れたような水彩風のCG。このシーンを観るだけでも、大きな満足が得られる映像。この映画は3D上映はなかったようだけれど、3Dでこの水彩の映像が動くところが見たくてたまらない。

 巨人の現実との重なり合い、伝える善悪の併存というメッセージの少年への影響、母親との関係。そしてラストで示される映画だけの、この巨人のエピソード。
 アメリカではヒットしなかったようだけれど、なかなか素晴らしい映画。どこかで観られる機会があれば、お薦めです。

 最後、蛇足ですが、少年の悪、自分の周りのものへの暴力が罰せられることがないところは少し違和感。通学路のごみ箱、祖母の居間、そしていじめっ子への逆襲。いずれも誰からも否定的な言葉は出ず、母親からはラスト付近で、怒りは自由に出しなさいと逆に肯定的に言われるところ。

 ある意味、この主人公の「悪」部分が本人にとって肯定的とも受け取られかねない描写が取られている。決してハッピーエンドではないこの映画のラストにこの映画はある意味、少年の将来が暴力に彩られるのではないか、という不安な余韻をもたせているように感じた。この後の祖母との生活、学校での生活がどんな展開になるかで、少年の未来は決定されていくのだろうけれど、そうしたダークなイメージを残したのも人の善悪の並存を描いたこの映画のテーマに沿って、そうした余韻は意図的なものなのかもしれない。

■3Dアニメーション部分のメイキング

Making of A Monster Calls (Animation Sequence)
  from GLASSWORKS VFX on Vimeo
 こちらにメイキングがある。
 やはり3D CGを水彩風に描き出した手法。こういう手法で撮られたアニメーション立体映画を是非制作いただきたいものです。短編でもいいので(^^;)。

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2018.09.14

■感想 黒崎博脚本・演出『容疑者Nと刑事の15年』 NHKスペシャル | 未解決事件 File.07 警察庁長官狙撃事件


NHKスペシャル | 未解決事件 File.07警察庁長官狙撃事件容疑者Nと刑事の15年

"この日は、「実録ドラマ」で描き出す。 執念の捜査で犯人を追っていく刑事役に國村隼さん。別の強盗事件がきっかけで容疑者として浮かび上がった男役にイッセー尾形さん、警視庁トップ、警視総監役に小日向文世さん。日本を代表する名優たちがしのぎを削り合う「実録」にして「本格派」。「未解決事件シリーズ」ドラマの新境地を開く。"

 黒崎博脚本・監督『容疑者Nと刑事の15年』、力作でした。
 押井守の映画音楽を手がける川井憲次のサントラをバックに描かれる現代警察事件の闇。まるで『パトレイバー THE MOVIE』の帆場暎一のように霧散していく犯人像。
 警視庁捜査第一課元刑事・原雄一を演じた國村隼、容疑者N 中村泰を演じたイッセー尾形の熱演と、黒崎脚本による「虚構」と「真実」のせめぎ合い。
 昨年の是枝裕和脚本・監督『三度目の殺人』の影響もあるかもしれない。三隅(役所広司)ほどではないが、掴みどころのない中村(イッセー尾形)の描写は影響を受けているような気がする。
 で、興味深いのは、このドラマが現実をベースにしていること。まだ謎は明らかになっていない。
 先週のドキュメンタリーのラストからは、NHKはまだこの資源を取材し続けている。今後の展開にも期待したいもの。

◆関連リンク

原雄一『宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年』 

警察庁長官狙撃真犯人「捜査秘録」 原雄一×江川紹子 | 文春オンライン
 原雄一元刑事の証言。
 これを読むと今回のドラマの各々のエピソードが実際に原氏が警察内部で経験したことを元にしたのがわかる。

   それより面白いのは、原視点では中村は思想犯、自分が革命家であるというフィクションを作りたがっている殺人愛好家である、と分析しているところ。
 ドラマでは隠し続けた事件当日の共犯者の名前を明らかにしなかったのは、自分の物語を崩してしまう、ただ金が欲しかった共犯者であることが明るみに出るのを恐れてのことだったのではないか、と推定し語っている。

 ドラマは、全体として中村の革命家的物語を意図してか意図なしにかわからないが、番組としての強度を高めるために(?)、そうしたフィクションを結果的に補強してしまったように見える。

 現実とドラマの関係性が、メタレベルで、この事件が複雑化しているのを地で表現してしまったようでとてもスリリング。

警察庁長官狙撃事件「真の容疑者」中村泰からの獄中メッセージ(原 雄一) | 現代ビジネス | 講談社
 そしてこちらは、獄中の中村泰による、原雄一『宿命 警視庁捜査第一課刑事の23年』レビュー。
 この第三者的筆致、すごく面白い。現実は小説より奇なり。

 次はこのNHKのドラマのレビューも書いてもらいたい。

警察庁長官狙撃事件の真犯人を支援した男の「正体」(原 雄一) | 現代ビジネス | 講談社
 事件当日の共犯者について、原氏が自著にあえて変えて記述した仕掛けに、本当の共犯者かもしれない男から連絡が入った経緯。

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2018.09.10

■感想 ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』&前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』"Train to Busan 2016" "Seoul Station"


Train to Busan 2016 - Behind the Scenes - YouTube

 ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』と前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』WOWOW録画初見。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』
 見事なホラーアクション映画。そして家族の物語。とても泣かせます。
 この映画、アニメーションの監督であるヨン・サンホの実写作品とのことだけれど、シナリオも見事(各エピソードと解決策等)なら映像の作りもきっちりしていて(ガラスが集団の重みで割るところとか列車に大勢がぶら下がったところのシーケンスとか)、安心して観ていられる作品。
 閉じた空間での恐怖感をうまく演出している。映像としての外連味もあり、世界でヒットした理由がわかります。


Seoul Station Japan Trailer - YouTube.

 そして前日譚のアニメ長篇『ソウル・ステーション/パンデミック』。
 こちらがヨン・サンホ監督の本来の領域での仕事なのだろうか。シナリオとか映像の作りは、実写版からスケールダウンしている。アニメ描写もロトスコーピング(?)なのか、キャラクタの表情と演技が硬い感じ。

 、、、、と思っていたら、これはこの映画のラストの非情さを描くための仕掛けだったのかもしれない。このラストの救いのなさはある意味すごい。
 『新感染 ファイナル・エクスプレス』が家族の愛の映画になるのに対して、こちらは正にそれをひっくり返したようなブラックさ。
 この監督の他のアニメーション作品もぜひ観てみたいと思った。

◆関連リンク

・「新感染」続編製作へ 2019年撮影開始 : 映画ニュース - 映画.com.

"続編について、「ウイルス感染後の半島が舞台だという点と、ゾンビ映画にインスパイアされたサバイバルアクション物だという点では続編と呼べるかもしれないが、キャラクターもまったく異なるし、さしずめ『同一の世界観を持った前作の延長線上の物語』とでも言ったところかな」と明かしたヨン監督は、「まだ脚本を書き始めたばかりだけど、前作よりはるかにスケールの大きい、アクション満載の映画になるということだけは確か」と自信をのぞかせる。"

ソウル・ステーション パンデミック 特集:
 あの感染はなぜ起こった?ソウルに何があった?本作を見て、初めて“すべて”が完成する! - 映画.com
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2018.09.07

■感想 岡本喜八監督『独立愚連隊』


Dgrenntai_yokoku - YouTube

 岡本喜八監督『独立愚連隊』WOWOW録画初見。
 何しろ毎週10本くらいの映画を4倍速で録画してブルーレイに突っ込んでるので、3年ほどで溜まった映画が1000本を超え、いくら観ても未消化が一向に減りませんw。

 さて今週は以前からいろんな作家とか監督が良い良いと評価されているのを聞いて、ずっと観たかったこの映画。
 確かに洒脱で痛快な感じがとても良かった。主人公の佐藤允の笑顔がまず印象的。で、三船敏郎のまさかのあの破天荒な役。こんな贅沢な使い方が当時許されたのですね。

 鶴田浩二の馬賊もカッコ良かったけれど、やはり助演の中谷一郎と佐藤允のコンビが素晴らしい。この方、水戸黄門の弥七の役の方だったのですね。観終わってから検索して気づきましたw。
 好みからはもう少し話がトリッキーで、アクションのポイントの押さえ方がシャープだと、噂に聞き続けてきた僕のイメージの中の『独立愚連隊』になるのですが、1959年当時の映画ファンの盛り上がりの一端に触れることができました。

 『独立愚連隊、西へ』から『血と砂』まで1枚100円のブルーレイに入っているのでw、しばらく楽しめそうです。

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2018.09.05

■感想 パティ・ジェンキンス監督『ワンダー・ウーマン』


Behind The Scenes On Wonder Woman (2017) + Movie Clips - YouTube

 パティ・ジェンキンス監督『ワンダー・ウーマン』WOWOW録画初見。
 イスラエル軍でトレーニングを積んだ主演 ガル・ガドットの魅力が、『ジャスティスの誕生』に続き素晴らしい。

 それにしても戦争に対してまっすぐの思いで突っ込んでいくこの女性主人公の姿は、いろいろと複雑な想いも抱くが、心打つものがある(ドイツ軍の兵士ならドカドカ殺しても問題ないのね、とかw)。彼女が第一次大戦からどのように世界と戦ってきたのか、この後の展開も大変楽しみ。

 コミックヒーローもの全盛の現在、神のような能力の大インフレ状態が映画界に吹き荒れているわけだけれど、このような物語の趣向で、画面構成が同じようなものになりそうなのに、映画が一定の緊張度を持続し続けていること、現在の映画の力の素晴らしさに感嘆するばかりである。

 こういう映画が年に何本も観られる状況。僕たちはCGによって素晴らしい映画の時代に生きている、と言ったら70年代オールドファンの方々の顰蹙を買うのだろうか、、、(^^;)。僕も70年代にティーンだったオールドファンの一人でもあるのですがw。

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2018.08.29

■感想 セオドア・メルフィ監督『ドリーム』"Hidden Figures"


Hidden Figures | Teaser Trailer [HD] | 20th Century FOX - YouTube

 セオドア・メルフィ監督『ドリーム』"Hidden Figures" WOWOW録画初見。
 マーキュリー計画とその後のNASAのプロジェクトにおいて、黒人女性数学者,工学者の活躍を描いた実話ベースの物語。

 何度もグッとくるシーンがあって泣けます。いい映画です。数学弱いんで黒板に描かれる数式のエキサイティングなシーンは雰囲気で感じるしかないのだけれど(まあエンタテインメントとしてかなり簡略的に描かれているんでしょうが、、、)、良きアメリカンスピリットに溢れた感動作でした。

 「電子立国日本の自叙伝」(古い! w)みたいなNHK的描き方、もしくはさきほど感想を書いた是枝監督ドキュメント風フィクションの描き方、史実を描く手法として、このNASAの女性数学者テーマでそうした別の手法を想像すると、また幅広いドキュメンタリーの広がりがある素材だと感じる。

 果たしてこの映画の手法がベストかというと、擦れたSFファンとしては、もっと別の描き方もあったかも、とか無い物ねだりをしてしまうのだけれど、この映画は広い人々に受けるエンタテイメントとしてはベスト級の映画になっているのでしょう。

 しまった、前の記事で書いた『3度目の殺人』と同じ日に観るんじゃなかった、、、(^^;)。

ドリーム (2016年の映画) - Wikipedia

"史実との相違点 本作は1961年のNASAを舞台にした作品であり、当時のNASAに白人用の設備と黒人用の設備が存在したかのように描かれている。しかし、1958年にアメリカ航空諮問委員会(NACA)がアメリカ航空宇宙局に改組された際、そうした差別的な設備は取り払われた。

また、劇中のドロシー・ヴォーンは昇進願いを却下されているが、実際のヴォーンは1949年の段階でスーパーヴァイザーに昇進している[19]。 劇中でメアリー・ジャクソンは工学の学位を得ようと奮闘する女性として描かれているが、実際のジャクソンは1958年の段階で工学の学位を修得し、エンジニアの職を得ている[20]。

また、劇中でキャサリン・ジョンソンは1961年にNASAに配属されたことになっているが、実際のジャクソンは1953年の段階でNASAの前身であるNACAに配属されている[21]。 劇中では、アル・ハリソンがSTGの責任者であったとされているが、実際のSTGの責任者はロバート・R・ギルラス(英語版)であった。これは複雑な人間関係を分かりやすくするための処置であった。ヴィヴィアン・ミッチェルとポール・スタフォードは実在の人物ではなく、当時のスタッフの行動及び価値観を分かりやすい形で反映したキャラクターとなっている。

なお、カール・ジーリンスキーはメアリー・ジャクソンのメンターであったカジミェシュ・クザルネッキをモデルにした人物である[22]。 ジョン・ハーシェル・グレンがジョンソンにIBMの計算が正しいかどうか確かめて欲しいと依頼するシーンがあるが、現実のジョンソンはそのシーンの数日前から検算に取り組んでいた。 "

 wiki pedia見ると、史実から大分と脚色してしまっているのですね。エンタメとしては致し方ないか。

 

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2018.08.27

■感想 是枝裕和監督『3度目の殺人』


映画『三度目の殺人』予告編 - YouTube

"第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作『そして父になる』の福山雅治と是枝裕和監督が再び組んだ法廷サスペンス。死刑が確実視されている殺人犯の弁護を引き受けた弁護士が、犯人と交流するうちに動機に疑念を抱くようになり、真実を知ろうとするさまを描く。弁護士や検事への取材に加え、作品の設定通りに実施した模擬裁判で出てきたリアルな反応や言動などを脚本に反映。福山ふんする主人公が弁護を担当する殺人犯を、役所広司が演じる。 公式サイト:http://gaga.ne.jp/sandome/ "

 是枝裕和監督『3度目の殺人』WOWOW録画初見。
 是枝監督タッチで撮られた黒沢清作品的な映画w。といったら「違う!」と言われそうだけれど、役所広司の役がそんなイメージをもたらしたのかもしれない。

 その役所広司が素晴らしい。
 特に接見室のシーン、この多重性。福山雅治演じる重盛が次第に役所に引き込まれていくシーンが凄い。その重盛に「俺たちは象のどこを触っているのだろう」というセリフがあるのだけれど、まさに我々観客(群盲)もなでているその巨大な象の姿が見えない。

 ミステリが描き続けている「真相」を霧散させてしまうラスト。まさにアンチミステリの秀作と言える。そして日本の司法の阿吽の呼吸の描き方、アンチミステリはこの現代日本の法廷に横溢しているのだろうか。

是枝監督のインタビュー(セッション22 Podcast)
 阿吽の裁判舞台裏の会話は本職弁護士がまず台本を書き、撮影も立ち会ってリアルを追求したとか、興味深い。
 このリアルは、裁判にかけられることは絶対に止めようと誓う位の抑止力を持った恐怖(^^)。

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2018.08.22

■感想 ドゥニ・ヴィルヌーヴの長編第2作『渦』Maelstrom 2000


Maelstrom 2000 trailer - YouTube.

 ドゥニ・ヴィルヌーヴの長編第2作『渦』WOWOW初見。
 なんの予備知識もなく観始めたのですが、なかなか重厚な傑作。
 冒頭のまるでアレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』のような陰鬱な映像、沼地の木造建築の中で奇怪な魚をさばく男。そして映画はパリの街のひとりの20代の娘について、その魚が語り出すところから始まる。

 その主人公マリ=ジョゼ・クローズ、その影のある姿は、どこかナオミ・ワッツに似ているというか『マルホランド・ドライブ』後半のあばずれ状態のワッツに酷似して眼の周りの隈がその陰鬱な状況を顕現。そして主人公の堕胎した胎児はまるで『イレイザーヘッド』の悪夢の再現。
 物語にここかしこで登場する魚の姿。
 魚と水が画面のトーンを昏く煌めかせ、ある男の事故死とその息子と主人公の恋。そうです、この映画は実は恋愛映画だったのです。二人の運命の奇想は、クライマックスでの恋愛感情の高まりをそのまま盛り上げて終わるのだけれど、その未来に横たわる気味悪い魚の姿。
 これだけ陰鬱な恋愛映画はそうそう出会えません。
 クローネンバーグを継ぐようなスタイルでこの長篇を撮ったカナダの秀英監督、やはりただ者ではありません。
 今回WOWOWで初期代表作を放映したので、録画したそれら作品を紐解くのが楽しみでなりません。

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2018.08.13

■感想(ネタバレなし) 上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』One Cut of the Dead @ Zombie Channel

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映画『カメラを止めるな!』公式サイト

 上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』を本映画上映の後進県 岐阜(モレラ岐阜一館のみの公開)wで観てきた。

 噂に違わぬ面白さ。劇場での周りの観客の盛り上がりも上々。またパンフレットも『ミッションインポッシブル フォールアウト』『ジュラシックワールド』『インクレディブルファミリー』『仮面ライダービルド』を抑えて、第1位の売り上げ! (以下写真 参照)

 "感染"しファンとなった皆さんも書いてますが、映画好きなら、前情報を入れずに(予告篇も絶対観ないで)、今すぐお近くの劇場へ。面白さは保証(^^)。

 うちは帰省した娘と家内の3人で行ったが、全員大絶賛。まさか自主映画を家族と観に行って全員で盛り上がれる日が来ようとは!

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 一昨年観た岩切一空監督『花に嵐』は自主映画として素晴らしいエンタテインメントになっていて、劇場公開できるレベルと思ったが、エンタテインメントとして観ると今回の上田慎一郎監督作は、まさにブロックバスターで劇場公開してハリウッドエンタメ大作と堂々面白さを競える出来。

 『ハンソロ』の1秒分にも満たない制作費300万円と関係者の知恵で築きあげた映画史に残る傑作。
★★★★★★ネタバレ感想は、後日、掲載します。まだ情報はシャットアウトされるのが望ましいのでw★★★★★★

◆関連リンク
上田慎一郎監督 twitter

"明日7/23(月)アフター6ジャンクションに出演して「カメラを止めるな!」について宇多丸さんと話します。僕にとってはアカデミー賞の壇上と同等かそれ以上の舞台です。舞いあがって30秒に1回は噛むと思われますが暖かく見守ってください。 "

話題沸騰の映画「カメラを止めるな!」上田監督が多大な影響を受けたのは宇多丸ラジオだった.

"そんな上田監督、宇多丸さんと会うのをとても緊張していて…その理由を聞いて超納得!そして恐縮!"

 リンク先にTBSラジオ「アフター6ジャンクション」でのライムスター宇多丸氏と上田監督の対談録音版が掲載されている。ここで上田監督が「自分は高卒で映画について特に学校で学んでいない。TBSラジオ「ウィークエンドシャッフル タマフル」「アフター6ジャンクション」での宇多丸さんの映画評でいっぱい映画について学んだ。まさに宇多丸さんは映画の師匠」と語っている。
 タマフルファンとして、なんだかワイワイ映画を語ってきた仲間のような気がして、この対談はとても嬉しい(^^)。 

カメラを止めるな!NHKニュース - YouTube
 【リンク先動画 鑑賞後の視聴推奨!】 NHKの『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督インタビュー。 「映画の力、凄いです」に涙w。伏線を見事に回収するエンタメの力ですね。 そしてこの動画自体が「カメラを止めるな!」になる、正に「感染」としか言えない現象!(^^)
『ブルーサーマルVRーはじまりの空ー』 | 2018年7月5日 全国公開
 視聴可能店舗一覧 - list.pdf


『ブルーサーマルVR ーはじまりの空ー』 予告編 /SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018 VR上映作品 - YouTube.

" 大学の航空部を舞台に、少年少女の青春群像を描いた人気漫画「ブルーサーマル -青凪大学体育会航空部-」を話題の新鋭監督がVRで実写化!今年開催されたカンヌ映画祭のマーケット内VRシアターでも注目された作品です。

 体育会航空部を舞台に、少年少女たちの青春群像を描いた人気漫画「ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-」をオリジナルストーリーで実写VR映像化。エンジンもプロペラもなく、風と翼のみで空を飛ぶ“グライダー”に青春のすべてを捧げる若者たちを描く。監督は『カメラを止めるな!』で世界から注目を集めている上田慎一郎。彩の国ビジュアルプラザのVRコンテンツ人材育成プログラムを受け、初めてのVRの演出に挑んで制作した。"

 『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督の最新作はVR映画! 既に全国のVRシアターで公開されてる様です。観たい!

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