映画・テレビ

2017.02.08

■感想 スコット・デリクソン監督『ドクター・ストレンジ』DOCTOR STRANGE


25 DOCTOR STRANGE Facts You Must Know - YouTube

 『ドクターストレンジ』IMAX 3D 字幕版を109シネマズ名古屋で観ました。

 最初にストレンジが見る時空のねじれシーンが凄かった。『2001年 宇宙の旅』リスペクトなシーンにかぶる眼や手が増殖した奇想映像がIMAXの大画面に立体映像として炸裂!ここと後半の香港の街の破壊の超絶映像だけでも観る価値がある映画かと思う。

 3D効果もなかなかのもので、かなり画面手前に飛び出るような演出もあり、立体映像ファンとしても満足。奥行きの彼方まで続く立体視空間、惜しむらくはそれぞれのシーンがすごいスピードで動いていくため、立体視でじっくりと画面全体を堪能できないところ。予告篇にもある、街が立体的に縦横高さ方向に積み木細工のようにうごめくシーン、ここはじっくりと隅から隅までその空間を堪能したいものです。

 そうした映像の出来に対して、残念ながら、物語はその奇想を支えきれず、映画全体としてはマーベルでは平均点くらいの作品だったかな、と。

 あとこの奇想映像技術があれば、神林長平『猶予の月』等現実改変奇想SFの映像化も可能ではないだろうか。
 そしてこの映画のレビューは、是非ともイアン・ワトスンにお願いしたいものです。

 最後に109シネマズ名古屋に苦言。今回、3Dはまたもや字幕版のみ。
 せっかくの大画面での3D効果が台無しなので、3D吹替え版での今後の上映を切に望みます。

◆関連リンク


Behind the Magic: Creating the Mirror Dimension in Doctor Strange - YouTube
 あのシーンのメイキング。

3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「ドクター・ストレンジ」 3D初見レビュー
スコット・デリクソン監督(wiki)

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2017.02.01

■情報 押井守監督 “Sand Whale and Me” 『スナクジラと私』


Mamoru Oshii's "Sand Whale and Me,"

"A female paratrooper. A the distant future. A vast desert. With limited supply of food and water, her only hope is to catch a Sand Whale from a pack. Catch the trailer for “Sand Whale and Me,” a 25 minute, 5 part short film from legendary director Mamoru Oshii (Ghost in the Shell, Patlabor) and Production I.G. Premiering in Toonami on March 18th!"

Toonami Streams Trailer for Mamoru Oshii, Production I.G's 'Sand Whale and Me' Micro-Series - News - Anime News Network.

"The series will premiere on March 18 to celebrate Toonami's 20th anniversary. Toonami describes the project as a 25-minute, 5-part short film."

佐伯日菜子 主演 押井守監督先品の最新動画公開されました!: 佐伯日菜子NEWSブログ.

"佐伯日菜子 主演、押井守監督作品『Sand Whale and Me』、アメリカのテレビCARTOON NETWORK「Toonami」20周年記念作品の5本のショートムービーが2017年3月18日よりオンエアされます!"

押井守 情報サイト 野良犬の塒 - 検索結果

"公開は北米3月18日で、タイトルは『Sand Whale and Me(スナクジラと私)』。『真・女立喰師列伝』『アサルトガールズ』に出演した佐伯日菜子氏のほか、やはり『アサルトガールズ』に出演した藤木義勝氏も出演。音楽は川井憲次氏。撮影は『アサルトガールズ』と同じく大島で行われているとのことです。"

 押井守監督のTOONAMI(カトゥーンネットワーク)向け短篇の予告篇と関連情報です。「25分で5本のショートムービー」なのか「25分×5本」なのか不明ですが、英語の紹介文からは「25分で5本のショートムービー」ということなのでしょうか。

 サンド・ホェール:砂クジラの迫力ある映像が観られますが、どこからが新作か。

 主演の佐伯日菜子さんのブログだと「ロケ地からのファーストメッセージ」と新作として撮られている部分があるようです。

 「アサルトガールズ」(70分)より追加されてそうで楽しみです。
 下には押井監督のロケ地(大島)でのコメントのようです。

Toonami Facebook

"Presented in a hybrid live action/CG style, "Sand Whale and Me” is the story of a female paratrooper in the distant future who is stranded in a vast desert. With limited supply of food and water, her only hope is to catch a Sand Whale from a pack. If she can’t, her life may just hang in the balance."

◆関連リンク
押井守監督は、この15年で何を見て感じてきたのか? | アニメイトタイムズ

"「映像作品にとって、絵コンテの有無」に対して、監督はどう考える!? ──『ガルム・ウォーズ』を経験して、押井さんの撮り方も変わったんですか?

役者との付き合いもかなり変わったし、撮り方も変わった。撮り方でいえば『TNGパトレイバー』(2014年)(*8)が一番の転機になった。「絵コンテなんて絶対切らないぞ」って、カットで撮るのをやめた。『TNGパトレイバー』では、最初にセットの中で役者さんの好きに芝居してもらった。「台本読みながらでもいいから」って。それをじっくり眺めて「じゃあ、カット割りを発表します」と毎日その場で決めていった。キャストを眺めている間に、与えられた条件で、どうカットを決め撮影するかを考える。なので、カメラを置く場所も瞬間的に決める。これをやりだしたら、めちゃくちゃ楽しくて、やめられない。だって日々自分が試されているんだもん。まあ、『アヴァロン』(2001年)(*9)までは、鉄のコンテ主義でやってたんだけどね(笑)。"

 12月に公開された記事ですが、読んでなかったのでシェア。
 演出方法の変遷等、興味深いインタピューです。
 先日紹介した『シン・ゴジラ』での庵野総監督演出と通じますね。



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2017.01.25

■感想 庵野秀明責任編集『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ : The Art of Sin Godzilla』取材、執筆/氷川竜介、中島紳介、木川明彦

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庵野秀明責任編集『 ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』

『シン・ゴジラ』公式記録集 ジ・アート・オブ シン・ゴジラ - 監督・庵野秀明自らが編集した『シン・ゴジラ』の詳細全記録集が、豪華ハードカバー上製本で発売決定!:EVANGELION STORE

"【収録内容】
・庵野秀明ロングインタビュー(本書のみの独占掲載)★7万字以上の大ボリューム!
・主要スタッフインタビュー
 樋口真嗣、尾上克郎、前田真宏、竹谷隆之、鷺巣詩郎、山内章弘、佐藤善宏、佐藤敦紀、大屋哲男、山田康 介、林田裕至、佐久嶋依里、山田陽、野口透、稲付正人、三池敏夫、摩砂雪 他
・『シン・ゴジラ』はこうして作られた!
 庵野秀明による企画メモやプロット、脚本(準備稿、決定稿、最終決定稿)、各クリエイターのデザイン画やイメージボード等を網羅して収録
・前田真宏による『シン・ゴジラ』デザイン画
・竹谷隆之による『シン・ゴジラ』雛型写真
・メイキングスチルによる撮影現場紹介
・ゴジラをはじめとするCGモデリング画像
・美術セット、特撮用ミニチュアその他劇中登場アイテム
・ポスター、チラシなど広告媒体、サントラCD、エキストラ参加記念品など関連アイテム
・完成台本(関係者配布用製本と同仕様)を別冊付録で同梱
・描き下ろしイラストポスター(前田真宏、鶴田謙二)封入
監修/カラー、東宝"

 年末に出た560ページという大部の記録全集『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』をやっとw読了したので、その感想です。
 冒頭の写真はカバーを広げたところ。ゴジラの長い尾をカバー全面を使って、ダイナミックに見事に表現しています。下は怪しい本を察知して、匂いを嗅ぎにきた我が究極映像研 猫たちw。

◆総論
 前田真宏他のデザイン画、竹谷隆之の立体造形、初期プロットから完成稿、そして圧倒的な分量のインタビューで構成され、映画の成立を追った充実の記録集である。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 全記録全集』と同様にその徹底した作品の制作過程へのアプローチが素晴らしい。

 特に今回はカラーでの初の長篇実写映画ということで、今までのアニメに対して、どう制作過程が同等/異なるのか、というところが読んでいく/眺めていく時の興味の中心だった。

 その結果は、主に氷川竜介氏によるインタヴューで明らかになっているが、特に「庵野総監督の今回の演出が絵コンテ、プリヴィズ至上主義で予め決められたレイアウトで撮影時の画面設計が決められている」と考えていた部分が大きく誤解していたことがわかった。

 当ブログ記事 『シン・ゴジラ』感想2でもそうした前提で考えていたが、これは僕だけの誤解ではなく、ネットや本で書かれている批評家、観客の多くが誤解している部分である(例えば『映画秘宝 17.3月』「秘宝ベスト&トホホ10」での町山智浩氏と柳下毅一郎氏の対談での誤解)。

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 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』を読むと、特に実写部分は現場でiPhone含む多くのカメラでいろんなアングルから被写体(主に俳優の演技)を撮って、その多数のカットのサムネイルを使って、ベストな画角の絵を選んで行った、とある。

 実写ならではの、現場での新鮮な映像を捉える方法をとっていたわけで、その手法はアニメーションとは明らかに違う。
 単にアニメの手法を持ち込んだという、型どおりの批評が多い中、この映画は実はそうした撮影技巧含めて、実写映画(日本映画?)としてのある種の革新を成し遂げていたのではないか、と思うのだ。

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 もちろん複数カメラは黒澤明含め、すでに多くの映画監督によってとられている手法であるが、今回は機動力の高いiPhoneとかキャノンのCANON XC10とかそうしたものが普通には撮れなかったようなアングルで画角を切り取り、それが画面に躍動感をもたらし、この映画独特のルックを作っていたということ。特にインタビューで触れられていた摩砂雪氏のカメラが独特の画角と言われていて、ここはアニメの演出/レイアウトで鍛錬された摩砂雪氏独特の感覚が息づいていたのであろう。

 iPhoneの映像も全1558カット中31カット使用されているという。XC10は146/1558カット。二機種合わせて全体の11%というのはなかなかの数字。(ちなみにメインのデジタルシネマカメラ ALEXA 1018カット、RED 55カットと(P343)。)

 上記、この本の数々のインタビューとカットのサムネイル画像から、実写部分は現場での複数カメラと認識したが、特撮とCGは全てプリヴィズ通りということか、Blu-ray特別版に特典として収録されるというプリヴィズでの確認も楽しみである。

◆ビジュアル設計
 まず前田真宏氏のデザイン画が素晴らしい。
 第1形態、第5形態に加え分裂進化形態まで。制作過程で検討されたヴィジュアルイメージの数々に「もう一つのシン・ゴジラ」を体感し、ワクワク(^^)! 大判の写真で見られるのでこれだけでもこの本の価値があるかと。第5形態についての詳細、かなり当初は踏み込んだ設定があったようで、もし全部のイメージが映画に焼き付けられていたらと考えるとゾクゾクくる。

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 そしてもちろん、竹谷隆之氏の造形が素晴らしい。右の尻尾の造形はCG化せず映画にそのまま映し出されたとか。
もう美術品の域です。未来の国宝かと(^^)。

 それにしてもこんな素晴らしい造形の記録が2Dだけとは残念すぎます。こうしたものこそ、3D映像として記録し多くの人に立体物としての魅力を広めて頂きたい。

 3Dハンディカムでもかなりの臨場感ある映像として残せるので、是非ブルーレイ特典に入れて頂きたい。
 今までに彫刻等、美術品を撮って家で観るとそこにあって触れそうですから(^^)、かなりの臨場感で記録できると思う。

 私、立体映像師としてボランティアで撮影に伺ってもいいのだけれど、、、呼んでもらえないですかw。

◆庵野G/プロット改訂版(13.12月27日版) 庵野秀明、神山健治15780781_1714892585506995_823576598
 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』に掲載された最も初期のプロットを読む。引用写真に書かれている「神山版プロット」というのも神山健治監督ファンとしては興味深いが、この掲載プロットは神山監督のクレジットが残った物。

 大きな骨格は完成作品に近い。異なるのは主人公が元総理の息子で、官房副長官から総理代行になること、巨災隊は組織されるがそれが物語の中心にはいないこと、主人公の元彼女が官僚としてGに関わっていること、博士の娘がG退治のキーを握ること。
 『SAC 2nd.Gig』での日米中関係、『東のエデン』で政治家を描いた神山監督の経験が活きている部分かもしれない。

 博士の娘、主人公の元カノ、義母等が出てくるところ、こうした部分は東宝怪獣映画テイストが残っている。こうした情の要素を落としたことで映画のテイストを変えることが出来て正解だったと思える。

 本稿でのクライマックスは放射性熱線照射&飛翔後、分裂しかけて8つの頭を持つG(まさに八岐大蛇)が米中ロの艦隊からの核ミサイル攻撃を受ける。自衛隊とGの熱緑でそれらが撃ち落とされるシーンは、まさに神山監督の前述2作を彷彿とさせる。この展開も映像化されていたら素晴しい物になっただろう。アナザー『シン・ゴジラ』を脳内再生できます。

 以上、本では文字が小さく読めなかったので、iPadで写真にとりPDF化して、拡大しながら読んでみた(^^;)。本には最終決定稿含めあと5本のプロットが掲載されている。

◆G作品プロット案修及び同2 (14.7月7-9日版) 庵野秀明
 実際の撮影を配慮したのか、上で書かれていた派手なシーンがカットされている。
 博士の娘の設定が孫娘に変更。主人公が政治家になりたくなかったが、兄の死で元総理の父親を継いだ。主人公が総理補佐官の設定。不明巨大生物の秘密を探るため、主人公が博士の息子の家を目指していたといった部分が公開版と異なる。
 核攻撃は日本の懇願で待ったがかかり、自衛隊+αによる経ロ投与によりG凍結というプロットとなっている。

◆G作品新プロットメモ2 (15.1月7日版) 庵野秀明
 かなり映画に近いプロット。巨災隊の面々が登場しない所とデテイルがまだ描れていないのが違う位。
 示唆されるゴジラが持ついろんな種の遺伝子。人のそれは「教授の可能性がある」と明記されている。
 大統領特使は祖母が被曝者である設定が出てきているが、主人公の留学時代の恋人の設定。

 あとのプロットは、ほぼ映画の物語のリファインされていく過程なので、ここでは省略。やはり冒頭の「庵野G/プロット改訂版(13.12月27日版)」のクライマックスの奇想炸裂が圧巻。前田真広氏のイメージスケッチを思い浮かべながら読むと、壮大な当初のスケール感ある物語が楽しめる。ただこれは東宝が望むゴジラからはあまりにかけ離れているのと、制作費がさらにかかるのとで、諦めざるをえなかったのではないかと邪推する。

◆庵野秀明インタビュー
 あえて観客の記憶と想像力に委ねるという発言が印象的。
 またミニチュア感による(東日本大震災の)災害イメージの軽減とか、夢と現実の境界でギリギリ夢になるようにするための、車や列車の描写とか興味深い。
 震災に対して、理想を描くエンタテインメントに終始しよう、気持ちいいもの楽しいものだけで構成したら何度でも観られるのではないか(P510)と述べられており、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』での震災の影響を真っ向から受け止めようとして悪戦苦闘した様からの、クリエータとして、吹っ切ろうとする姿勢が印象的だった。

 これを受けての『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の大エンターテインメントへの回帰(『破』の作風への回帰)を期待。完成が楽しみでならない。

 最後になりましたが、この大部の充実した映画制作ドキュメントを届けていただいた、責任編集の庵野秀明総監督、取材、執筆の氷川竜介さん、中島紳介さん、木川明彦さん、そしてカラーの編集スタッフの皆さんに感謝したいと思います。これは、怪獣映画が進化した瞬間の、貴重な記録です。必読。

◆感連リンク
「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」発売記念プレゼントキャンペーン :EVANGELION STORE

"庵野秀明総監督直筆サイン入り表紙カバーを抽選で50名様にプレゼント!!"

 これ、申し込もうと思ってます(^^)。

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2017.01.16

■感想 黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』


黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』予告編 - YouTube

 黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』ブルーレイ初見。
 日本のどこにでもある住宅街を舞台に、黒沢節が炸裂し、異常な不安感に満ちた映像描写が素晴らしい。

 ストーリー運びやキャラクタのセリフの不自然さ等、通常の作品批評の文脈で観ると荒く感じる部分がいろいろとある。しかし黒沢が描きたいのは恐らくそんなものでは決してない。この作品が描きたいのは冒頭で述べた異常な不安感を、映像として写し込み、映画館の観客を異次元に運ぶことだけである。そのために必然的にいびつに描かれる物語とキャラクターと映像演出、そして音楽。

 主要人物を描写する、その背景にいるエキストラの動きに顕著だけれど、隅々までその不安感を観客の無意識に対して叩き込むような映像描写になっている。照明と風とカメラの視点移動。恐ろしくスクリーンの奥から響いてくる音楽と音響。

 精神的に歪んだ隣人を中心にして、人間のいびつさをこれでもかと描くテーマの映画で、映像と音響が最大限の効果を発揮する様が見事にこのブルーレイに焼き付けられている。

 従来、安易な映像批評は、文学に対して映画は目の前に固定した画像を提示してしまうために、文学の想像力に及ばない、と言ってしまうことがある。だけれども文学が直接的に文字で表現する心象を、映画はこうした映像と音響で観客の想像力に委ねる比率が高いため、容易に文学を凌駕する場合がある。

 この黒沢映画は、まさにそんな一本である。

◆関連リンク
・当ブログ記事 黒沢清 関連 検索

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2017.01.11

■感想 瀬下寛之総監督 安藤裕章監督『亜人』


TVシリーズ「亜人」第2クール番宣CM(angela×fripSide) - YouTube

 瀬下寛之総監督 安藤裕章監督『亜人』第2クール、終わりましたね。素晴らしい緊迫感溢れるシリーズでした。

 第1クールが亜人の生態と永井と佐藤の非人間性を中心に描いたのに対して、今回は日本(米国),永井 VS 佐藤の戦いに集約して虚々実々の肉弾戦兵器戦を見事に描ききってました。

 クライマックスの盛上りも秀逸で、第3クールへの引きも充分。毎週テレビでこれだけの迫力を注入されると、このシリーズのない日常はアドレナリンが足りず耐えられません(あの音楽は麻薬的)(^^;)。

 今日、桜井画門の原作漫画8,9巻を読んだのだけれど、テレビシリーズの方が、物語演出ともに相当上を行っている感じ。攻めと守りの頭脳戦とその規模の拡大でアニメ版のスケールが凄い。

 加えて大友克洋似の桜井漫画描写も良いのですが、ポリゴンピクチャーズの作画が素晴らしい。亜人という非人間を描くテーマに、セルルック3Dアニメのリアルな人体描写と少しだけ自然でない動きが見事にマッチしている。
 作画のレベルで考えると、2D手描き作画の沖浦啓之、本田雄といったスーパーアニメーターと呼ばれる方々の硬質な人物の動きに少し近いような気がする。それがコンスタンスに作成されているこの手法の今後の発展に期待です。

 来年はこのスタッフ+脚本虚淵玄による『GODZILLA』の登場。見逃せません。

◆関連リンク
CGプロダクション向けフィニッシングセミナー~ポリゴン・ピクチュアズ 『亜人』メイキング、FlameとSmokeでクオリティアップ~ | Meet the Experts オートデスク ウェビナー | AREA JAPAN

"2016 年 9 月 2 日(金)に開催した「CGプロダクション向けフィニッシングセミナー~ポリゴン・ピクチュアズ 『亜人』メイキング、FlameとSmokeでクオリティアップ~」をオンデマンド配信でご覧いただけます。

CGプロダクションの皆様向けに、ポリゴン・ピクチュアズ ショット部エディットグループのクリエーターの方をお招きして、Autodesk Smokeを活用したアニメ『亜人』のメイキングについてご紹介します。
12 月 15 日(木)までの限定配信となりますので、お早めのアクセスをお願いします。 皆様のご視聴を心よりお待ちしております。"

大ヒット公開中『亜人 -衝動-』FXスーパーバイザー秋山知広氏による3DCG<エフェクト×Houdini>メイキングセミナーを開催|デジタルハリウッド株式会社のプレスリリース.

"■秋山 知広氏/FXスーパーバイザー (デジタルハリウッド[専門スクール]卒業生) 1979年生まれ。ポリゴン・ピクチュアズ所属。2006年よりFXグループリーダーとしてチームを束ねながら、エフェクトスーパーバイザーとして多くの映画、TV、ゲーム映像などの案件に関わる。 代表作は「ストリートファイターⅣ」「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0」「Tron: Uprising」など。 最新作の 劇場アニメ3部作 第1部『亜人 –衝動-』では、形状が常に変化し続ける特殊なキャラクター<IBM>のアセット開発と、Houdiniパイプライン開発を担当した。"

Shotgun がプロジェクトを救う:第6回:国内導入事例を徹底取材 Case3:ポリゴン・ピクチュアズ 〜インハウスツールをShotgunへつなぎ、大量データの一元管理と二次利用を実現〜 | 連載 | CGWORLD.jp.

"TVシリーズのような大型プロジェクトは、膨大な量の情報やデータを扱います。1エピソードの平均ショットが300として、1期12話でショット数は3,600、アセットも何千という数にのぼります。それらを管理するため、SVとPMたちが各々の立場で工夫を重ねてきたので、多種多様な使い方、見え方のGoogleスプレッドシートが生まれました。"

CGWORLD (シージーワールド) 2015年 12月号 vol.208 (特集:アニメ『亜人』、達人たちのコンポジットワーク) | |本 | 通販 | Amazon.

"第1特集 アニメ『亜人』 11月より劇場3部作の第1部が公開、また来年1月よりTVシリーズの放映も予定されている一大アニメプロジェクト『亜人』。 決して死ぬことのない亜人と人類との戦い、亜人のもつ特殊な能力「IBM」の表現など映像化は困難と言われていた本作のアニメ化に、『シドニアの騎士』シリーズで国産アニメCGの新たな可能性を示したポリゴン・ピクチュアズ(PPI)が挑む。 Direction&Production Design 企画・演出・プロダクションデザイン Production Pipeline プロダクションパイプライン Part 1 キャラクターデザイン Part 2 ストーリーリール Part 3 アニメーション Part 4 エフェクト Part 5 背景"

単行本発売記念】大童澄瞳×りょーちも、魂のアニメ対談!【映像研には手を出すな!】 - コミスン(comic soon)

"ちも 『亜人』を作ったときに確信めいたものがあって。いままでアニメを作っていて、こう撮りたい、ああ見せたいというのしかなかったんです。『亜人』では、このシーンにはカメラを何台もっていく、このロケ地に何台カメラを用意できるかという発想を獲得できたんです。実際にそのシーンを撮る時のリアルが今までなかったんですよ。絵だからどうやっても録れたんです。それが限られたカメラを考えて配置して、それで撮ったものを編集すると、かっこいい。アニメ関係ない!かっこいいって。

大童 『亜人』を観たときに、いままで観ていた日本のCGアニメと違うところで、別の何かが動き出したなって。

ちも あれは、実写のドラマがアニメに進出したような感じの視点の設計で見たんですよ。どちらからでもアニメは作れるよ、アニメは見せ方のただの副産物ですよという方向性が仕掛けられたので、この方法は攻めれるぞって。"

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2016.12.19

■感想 ギャレス・エドワーズ監督『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』"Rogue One / Star Wars Story"


STAR WARS ROGUE ONE Final Trailer (with Darth Vader) - YouTube.

 ギャレス・エドワーズ監督『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、IMAX 3D 前から2番目席@109シネマズ名古屋。初週の土曜18:40回、客は5割の入りでおっさんが多いw。大ヒットは厳しい雰囲気か(^^;)。

 まず総論。素晴らしいスピンオフでありプリクエル。
 前半少しすっきりしない展開だけど、とにかくクライマックスとラストで全て払拭されて、感嘆にむせびます(^^;)。
 クライマックスの宇宙戦闘シーンはシリーズ中、もしかして最長か?
 3D効果が最大限発揮されていて見事な迫力でした。今回の3Dは2D-3D変換でクレジットはステレオDで日本人の青木洋一郎氏も担当されているようだ。

 正直、前半とか人物シーンは元々の映像があまり3Dを意識した画面設計ではなかった気がして3Dとしてイマイチだったが、クライマックスの戦闘は素晴らしかった。Xウィングというのは3D素材として見栄えがしますね。そして艦隊戦から地上の基地を見下ろすカットとか、3Dによる空間の見せ方と奥行き感が素晴らしいものでした。(3Dマニアとしての欲を言うと、もっと画面手前に戦闘機とか爆煙が迫ってくる演出があってもいいかと。没入していくような3Dの撮り方ができるはずで、それにより驚異の宇宙戦シーンというのは、ぜひ映画で一度観てみたいものです。)

 それにしてもルーカスの先進性には改めて感嘆します。ほぼ40年前の作品のデザインを多用しても現代的な映像が撮れてしまうのが凄い。特に帝国軍のスター・デストロイヤーとか共和国軍の戦艦のデザイン。白を多用したシンプルな全体の形態に、巨大感を演出するデティールの表現。Xウィングはさすがに古い感じを否めないが、戦艦、タイファイター、デススター等、全く古びない素晴らしいビジュアルだと思う。

 加えて今回、自分のお気に入りはアンドロイドのK-2SO。 多くの観客が彼のファンとなったことでしょう。ちょっとシニカルなコメディリリーフが最高でした。
 劇場で後ろの席にいた白人2人組は笑い転げてました。
 目玉(?)が動いて視線から表情が生まれているのが素晴らしいです。C3POとは違うこの眼の表現がとても秀逸で、存在感に大きく貢献してました。
 で、顔が浦沢直樹 『プルートゥ』ブラウ1589に似てると思ったのは僕だけかw。


『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』セレブレーション特別映像 - YouTube
 メイキングを観ると、ブルーバックだけでなく、スクリーンプロセスを使っているのですね。確かにこの方が演者の臨場感は上がりますね。




★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★★★★★


 以前も一度書いたかもしれないけれど、僕は『エピソード4』初見時、実は映画のビジュアルは凄いと思ったけれど、ストーリーはもっとハードでクールな戦争映画を期待していたので、物足りなさを覚えていた。

 今回のスピンオフは、スカイウォーカー家から視点が離れたことで、必ずしもハッピーエンドで後につなぐ縛りがなくなり、ストーリーをハードに、主要登場人物たちの全員の死を前提に物語を組み立て得るため、ジェダイに憧れてフォースを持つことがなかった市井の名もなき戦士たちの悲劇の表現が可能になり、もしかしたら僕が観たかったリアルでハードにスターウォーズになっていたのかもしれない。
 もともとのこのスピンオフのコンセプトはきっとそれだったのではないかと思う。

 でも、そこで悔やまれるのは、前半。
 人物のつながり方を、『エピソード7』くらい見事に描き、感情の積み上げが丁寧だったら、このコンセプトで描かれるクライマックスがもっと素晴らしくなっていたのではないだろうか。

 ドニー・イェンの演じるチアルート・イムウェとチアン・ウェンのベイズ・マルバスのコンビで描かれたフォースを持たざるもののフォース描写。
 ムービーウォッチメン「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」でライムスター宇多丸氏が評したこの二人はドンキホーテとサンチョパンサであるという卓見。すでに消えたジェダイの騎士を信じるチアルート。そして最後には自分もフォースを唱えながら死んでいくベイズ。
 この二人がこの映画ももう一組の主役であろう。
 ジェダイなきあとの帝国の圧政に耐える市井の戦士。前半で中途半端だったこの二人の描写がもっと具体的なエピソードでうまくここらのフォースへの希望をうまく描いてあったら、このクライマックスがもっと感動的になっていたのではないだろうか。
 本来この映画が持っていたそうしたコンセプトが今後のスピンオフ版の骨格になり、さらに素晴らしい傑作が生まれてくることを祈らずにはいられません。

◆関連リンク
[鍋潤太郎のハリウッドVFX最前線]Vol.48 青木洋一郎氏に聞く、映画「GODZILLA ゴジラ」における2D-3D変換と、ハリウッドにおける最新動向 - PRONEWS

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2016.11.21

■動画 ピーター・ジャクソン監督とギレルモ・デル・トロ監督の映画関連コレクション


Adam Savage Tours Peter Jackson's Movie Prop Collection! - YouTube
本物のHAL 9000が! ピーター・ジャクソン監督の隠れ家を訪問|ギズモード・ジャパン

"映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と『ホビット』三部作が代表的なピーター・ジャクソン監督もまた、途方もないコレクションを誇るオタクな人物のようです。 今回は、そんな監督の隠れ家にお邪魔してみるとしましょう。"

Photo Gallery: Peter Jackson's Movie Prop Collection - Tested
 こちらにピーター・ジャクソンの宝物殿、この"魔窟"wの写真144点が掲載されています。

 どこまでがフィギュアで、どこからが撮影用の本物か、よくはわかりませんが、以下のような錚々たるアイテムが並んでいます。

 『2001年 宇宙の旅』HAL9000のカメラアイ、『スターウォーズ』イウォーク、『ジュラシックパーク』ヴェロキラプトル、『ゴーストバスターズ』プロップ類、『エイリアンズ』クィーン・エイリアン、『サンダーバード』1, 2号、『ナイトメアビフォークリスマス』『ジャイアントピーチ』主要キャラクタ達、『ターミネーター2』液体金属ターミネーター等々。

 素晴らしいコレクション。ピーター・ジャクソンを形作った物がここに集積されている感じ。まるで彼の脳内空間を覗き込むような、ワクワクする空間が映し出されています。もっと長い映像レポートを見てみたいものです。


Andy Visits Guillermo Del Toro's Bleak House - CONAN on TBS - YouTube
映画ファンには夢の国のようなギレルモ・デル・トロの家を訪問|ギズモード・ジャパン

"L.A.郊外のサン・フェルナンド・ヴァリーに建つこの家は、デル・トロ・コレクションを展示した「ブリーク・ハウス」と名付けられ、表には看板も出ているほど有名。玄関に入ると頭上には巨大なフランケンシュタインの顔が飾られており、いきなり来訪客のド肝を抜きます。"

映画ファンには夢の国のようなギレルモ・デル・トロの家を訪問|ギズモード・ジャパン.

"なお、この「ブリーク・ハウス」から約500点ものコレクションや、監督が描いた資料などが展示される「ギレルモ・デル・トロ:アット・ホーム・ウィズ・モンスターズ」展が、ロサンゼルス・カウンティ美術館にて2016年8月1日~11月27日に開催されます。"

 そしてこちらはもう一方の雄、デル・トロ監督のコレクション。
 こちらはアメリカで展示会が開催されているとか。ぜひ日本にもこうした企画を持ってきてほしいものです。

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2016.11.14

■情報 『シン・ゴジラ』VFX / CG StealthWorks 米岡馨氏/ 特撮班美術 三池敏夫氏

StealthWorksFXReel_2016 from StealthWorks LLC on Vimeo

thinkingParticles 6によるシン・ゴジラのVFX / StealthWorks CEO 米岡馨氏 « TMSサポート

" 私は9年日本のVFX業界で働き「ファイナルファンタジーXIII」や「SPACE BATTLESHIP ヤマト」等の作品に加わりました。その後ベルリンのPIXOMONDOで 「レッド・テイルズ」、 「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」、「ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2」 、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」等に参加した後、バンクーバーのスキャンラインに移り「アイアンマン3」、「300 帝国の進撃」、「ポンペイ」、「カリフォルニア・ダウン」の初期のR&D等に参加しました。

 今のところ主に日本でですが、「Evangelion Another Impact」「ガメラ50周年記念ムービー」「シン・ゴジラ」「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」等の大きなタイトルに参加出来ました。

「ヤシオリ作戦」はゴジラを凝固剤で凍結させるミッションで、StealthWorksはゴジラに直撃させ転倒させるために7個のビルを倒壊させるシーケンスを担当しました。これ程までのスケールの大きい破壊エフェクトは今までの日本のVFXにはありませんでした。このシーンの構成要素は非常に大きいもので、TPのキャッシュは43個あって計520GBの容量がありました。また18個のFumeFXのグリッドがありそれは3.3TBまで達しました。"

『シン・ゴジラ』が見せる特撮のこれまでとこれから
 『シン・ゴジラ』で特撮班美術を担当した美術デザイナー、三池敏夫さん
PART1
 PART2

"「技術的には、日本でもできます。『シン・ゴジラ』のヤシオリ作戦の高層ビルの倒壊は全部CGです。合成素材は現場でも撮っていますが、ビルの破片が飛ぶとか、煙もほぼCGです。CGで全部やるのは可能ではあるけれど、日本映画の制約の中でCG班が全部やるのは大変なことです」

「出来上がりの理想の画は見えていても、与えられた条件の中でそこに行きつく保証は何もないわけです。ミニチュアだったら、その場にある画はできているわけですから、最低限の保証があります。ミニチュアを超えるCGができればどんどん入れ替えるかもしれませんが、タイトなスケジュールで何百カットも仕上げる保険としては、最低限現場で撮った画があれば成立します。全部CGだったら、スタート時点では白紙からのスタートになるから、いいものになると保証できる人は誰もいません」"

 長文になりましたが、興味深い『シン・ゴジラ』のVFXについて、CGを担当されたStealthWorks 米岡馨氏と、ミニチュア担当 特撮班美術 三池敏夫氏のインタビュー記事。
 まずハリウッドのレベルに追いつき/追い越したと感じられた「ヤシオリ作戦」のビル破壊CGシーン。まさに米岡氏がハリウッド大作で経験された蓄積が、庵野秀明/樋口真嗣/尾上克郎各氏と日本スタッフと融合して生まれた名シーンであったことがわかる。

 三池敏夫氏は、CGはどこまで完成度を上げられるか、時間との勝負となる際にリスクが大きな課題になる、ということを語られている。ミニチュア特撮に関しては、どちらかというと今後は衰退する方向で、技術の温存を特撮アーカイブで物と制作の両面で維持していく必要性が述べられている。

 特撮ファン、ミニチュアシーンにワクワクしてきたファンとしては残念な気分になるがこれも時代の趨勢で致し方ないことかもしれない。

Shirogumi x StealthWorks Shin Godzilla DestructionReel from StealthWorks LLC on Vimeo.

『シン・ゴジラ』が見せる特撮のこれまでとこれから
 『シン・ゴジラ』で特撮班美術を担当した美術デザイナー、三池敏夫さん
PART1

"たとえば、手前に街燈とか街路樹があって、その奥に家とか雑居ビルが広がり一番奥にゴジラが立っている画を想像してください。すべてをひとつの画面に収めたい時はどうするか。

「それぞれの大きさを変えます。怪獣映画の基本は25分の1ですが、画面手前の街燈なんかは10分の1とか15分の1で大きく作ります。小さいものをカメラに近づけようとするとぼやけてしまうので、カメラからの距離は、被写界深度(ピントが合っているように見える被写体側の距離の範囲)を考えると、なるべく離します。カメラからは離れているけれども画面では大きく見せる必要があります。ライトをいっぱい当てて絞り込むというのが特撮の基本です」"

 特撮が培ってきた映像表現の工夫がここで述べられている。
 これはミニチュアシーンについての発言だと思うが、僕が知りたかったのは、こうした特撮のノウハウがCGシーンにも適用されたかどうか。
 CGワールドで街全体を精緻にモデル化すれば、リアルな破壊シーンはできるだろう。しかしそこにこうしたミニチュア特撮の工夫点を適用したらどうなるか。

 CGデータ作成の節約と、ある部分円谷英二等により蓄積された映像のダイナミズムを生み出す工夫がCGワールドでも縦横無尽に映像に迫力をもたらす方向に活躍するような気がするのだけれど、、、。

 ネッドで見ててもあまりそうしたところは触れられていないが、今度出る予定の『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』でそうしたミニチュア技術によるCGの活性化みたいなところが述べられているのを楽しみにしています。

◆関連リンク
Kei Yoneoka(StealthWorks) "Evangelion Another Impact" DestructionFX Reel - 米岡馨氏によるアニメーター見本市公開のリアルエヴァ作品破壊エフェクトリール
カラー、東宝, 庵野秀明『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』

当Blog関連記事
■感想(2) 「館長庵野秀明 特撮博物館」 ミニチュア特撮の未来
 CGと特撮技術の融合について、以前書いた記事です。

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2016.10.19

■感想 岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』: Bride wedding scores for rip van winkle


映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』予告編2 - YouTube

"岩井俊二監督最新作 「リップヴァンウィンクルの花嫁」
http://rvw-bride.com/
監督・脚本 岩井俊二
出演 黒木華 綾野剛 Cocco 他
制作プロダクション ロックウェルアイズ

 岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』DVD初見。
 「リップヴァンウィンクル」を冠したタイトルは、この映画の前半の虚ろなフィクションに彩られた人々の物語と、生命という現実に直面したある登場人物がクライマックスで望んで観た最大限の"夢"、そしてそれに触れて少しだけ現実に帰ってきた主人公の、まさに夢の物語を表している。

 前半のネット描写と結婚式で虚ろに描かれる虚構の描写が鋭く現在を描いている。ほやっ〜と夢見るように揺蕩う黒木華がそんな虚構の中で、綾野剛演じる何でも屋の男"ランバラル"の友人こと安室行舛(あむろ ゆきますw)が誘う悲劇に落ち、雨の中を歩くシーンが素晴らしい。このまま観客はどこまで連れられていってしまうのか、どん底の不安に包まれる前半。

 後半、謎の女優 里中真白が現れ現実が一転、二人がピアノバーで森田童子「ぼくたちの失敗」と荒井由実「何もなかったように」を歌うシーンの暗闇の中の鈍い輝きは鮮烈。

 クライマックスの夢と現実、リリィが演じた母親と綾野剛が取る行動。悲劇映画の中のこれだけ奇異な喜劇の超現実的な光景も他にはないだろう。
 そんなシーンで描かれた本映画の着地点。これはどんな他の映画も描けていない現実のちょっとだけの希望を観客に見せてくれた。岩井監督がずっと描き続ける現在の姿から、まだ当分我々は眼を離せません。


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2016.10.12

■感想 イリヤ・ナイシュラー監督 『ハードコア・ヘンリー : Hard core henry』日本プレミアム爆音上映@カナザワ映画祭


First Look at 'HARDCORE' - The World's First Action P.O.V. Film - YouTube
完全にFPSな映画『Hardcore Henry』、4月8日米国公開 | EAA!! - FPS News.

"舞台はモスクワ、主人公のヘンリーは死から蘇ったサイボーグだ。ヘンリーは、彼の妻であり創造主でもあるエステールを、テレキネシスを操る暴君“アカン”と彼が雇った傭兵達の魔の手から救わなければいけない。唯一の頼みの綱となる相棒ジミーと共に壮絶な1日を乗り越え、ヘンリーは妻を救うことが出来るのだろうか。"

 FPS : First Person Shooting , POV : Point of View Shotと言われる一人称視点カメラで映画全篇を描いたロシア映画 イリヤ・ナイシュラー監督の 『ハードコア・ヘンリー』をカナザワ映画祭での日本プレミアム爆音上映で観てきた。

 会場に少し遅れて入ったので、一番前、しかも右スピーカの前という爆裂な環境。
 映画はとにかくシャープなアクションでガンガン進む。正にキレキレの映像とはこのこと。凄い勢いで、状況に巻き込まれて、アレヨアレヨと巻き込まれ、主人公同様に観客もヨレヨレになる。

 とにかく爆音も含めて、アドレナリン全開。
 映画としてはハードアクションであり、超能力サイバーパンクもの。
 主要キャラクタであるジミーの設定が素晴らしい。ネタバレになるので詳しくは書かないが、とにかくぶっ飛んだサイバーパンク設定に痺れる。
 最初の登場シーン、浮浪者の姿で現れたジミー。息つく間も突然現れるキラキラ光る鏡男とその火炎放射器の対決。その後も姿を変えて現れる遠隔操縦サイバー男ジミー。なんともパンクでPOV VRな存在を考えたものだ。

 単なるPOV大アクションと思いきや、さにあらず。このジミーと主人公の設定で優れたPOVサイバーパンクになっている。そして一人称映像で観客にも仕掛けられるサイキック暴君"アカン"の存在。

 一部『AKIRA』ばりのテレキネシス戦も見せながら、爆音の砲撃の音が観客に突き刺さり、クールな音楽の挿入もあいまって観客の没入感は沸点へ。

 アクション映画『アドレナリン』へのリスペクトや、様々なアクション映画パロディ、アイデアをこれぞとばかりに投入した殺戮シーン。とにかく飽きさせず楽しめる大エンターテインメントになっているので、血液沸騰映画を観たい向きには大いにお薦めです(^^)。

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 この映画を撮ったのがこのカメラとカメラリグ。
 搭載されているカメラは、GoProと思われる。このようなレイアウトなら、日本映画でも手作りでこうした撮影器具は作成可能かもしれない。
 この写真からはカメラが平行に2台搭載され、ステレオに成っているように見えるが今回の映画は2D。いずれこうしたカメラで、POV & 3Dのこの映画を超えるようなものが出てくるかもしれない。
 さらには、この360度カメラ版が作られ(すでにあるでしょう)、VRヘッドセットを使って、観客の任意の視点で全篇を描くような、完全没入型劇映画も出来てくるかもしれない。そんな近未来の斬新な映画に期待です。


映画『ハードコア・ヘンリー』日本版予告編 - YouTube

◆関連リンク
FPS視点で話題沸騰のアクション作「ハードコア」17年4月に日本上陸! : 映画ニュース - 映画.com.

"「ハードコア」は、17年4月1日から東京・新宿バルト9ほか全国で公開。"

 日本公開(邦題は何故か「ハードコア」)はまだ先の来年4/1のようです。
How Hardcore Henry’s POV shots were made | fxguide
Inside the World's First POV Action Movie: 'Everybody Has To Be Awake or Somebody Could Die'
 メイキングについては、これらページに詳しい。
FPS映画「ハードコア・ヘンリー」の内容を60秒にまとめたアニメ | EAA!! - FPS News

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