書籍・雑誌

2017.02.20

■感想 園子温 中篇小説『毛深い闇』

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毛深い闇 :園 子温|河出書房新社

" 少女の眼から角膜を剥がす不可解な殺人事件。女刑事の娘・切子は母親より早く犯人に辿り着こうと悪魔画廊を探るのだが!?

 世界的映画監督による衝撃の小説。高橋源一郎・村上龍氏推薦。

著者コメント     今まで書いてきた小説は、映画から想を得た、いわば“ノベライズ”だった。今回初めて小説をオリジナルで書いた。この作品こそ、自分の小説デビュー作だ。"

 園子温の中篇小説『毛深い闇』を読んだ。
 書店で手にとって、画家 篠原愛による表紙に衝撃を受け、一気読み。

 ミツコという名の女の死体から角膜を剥がす豊川市の連続殺人。それを追う刑事の娘 切子の魔を描く詩的小説。

 ファミレスにたむろする切子が作った少女三人の集団"退屈同盟"。暴走する夢想と現実化する妄想。自転車事故で自らも角膜を一度失った切子、父の交通事故による死が落とす彼女の影の闇。

 ラブクラフトを紐解き、そして近所の店を"悪魔画廊"と名付け、貼りつく妄想。

 切子の描写する地方都市 豊川の青空、そこに描かれる父への想いの切なさと、彼女の影の中で育っていくどす黒い闇のコントラストが凄い脳内イメージを形成する暗黒小説。

 園子温のその映画作品の強烈さに、さらに繊細な幻想を掛け合わせた佳作です。

◆関連リンク
Ai Shinohara 篠原 愛 - Facebookタイムライン 篠原 愛 『毛深い闇』装丁

"映画監督・園子温さんの小説『毛深い闇』の装丁に、自分の油彩作品を使って頂きました。河出書房新社さまより発売されています。"

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Ai Shinohara/篠原愛(公式HP)
 こちらにアップされているトップ画像を引用しましたが、素晴らしいです。

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2016.12.28

■情報 デビッド・クローネンバーグ長編小説「Consumed(原題)」

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デビッド・クローネンバーグ監督が作家デビュー 処女小説の予告動画を公開 : 映画ニュース - 映画.com

"320ページの長編小説「Consumed(原題)」は、出版社の公式シノプシスによれば、「ソーシャルメディアの時代を背景に、恋人同士でありライバルでもあるジャーナリストの男と女が、あるフランス人哲学者の死を契機に、グローバルな陰謀のなかへと超現実的な旅に出る」というストーリー。 一方、予告編は、小説の登場人物のひとりであるブダペストの無免許医Dr.モルナーの視点から撮られた映像で、両胸をあらわにした若い女が、体のなかに虫がいるので乳房を切除してほしいと訴えるという内容になっている。"

 前回の記事で紹介したブルータス誌「危険な読書」特集で滝本誠氏が紹介されていたクローネンバーグ監督の処女小説「Consumed(原題)」。これらの記事によると、なかなかぶっ飛んだ内容の様です。
 以下リンクが、その予告篇映像。
 なかなかショッキングな映像であるため、視聴は御注意ください。


David Cronenberg: Consumed - YouTube

滝本誠氏のTwitterつぶやき

"クローネンバーグの小説『CONSUMED』、どうも東京情報が正確すぎるような気が。まるでS情報他、柳下毅一郎さんが基礎データを送信したかのような印象。"

 ますます興味深い。早く翻訳が実現し、日本語で読める日が来ることを祈りたいと思います。どうしても我慢できない方は、kindle版がすぐ入手できるので、以下リンクをご利用ください。

◆関連リンク
デヴィッド・クローネンバーグ - Wikipedia.を見ると長篇映画は『マップ・トゥ・ザ・スターズ Maps to the Stars 』(2014年)以降、予定されていない様だ。
David Cronenberg- CONSUMED presentation - YouTube
A tale of sex, technology, and murder: David Cronenberg's first novel "Consumed" - YouTube
 インタビュー。
David Cronenberg Reads From Consumed - YouTube
 クローネンバーグによる朗読。
David Cronenberg『Consumed』
 Amazon.co.jpでKindle版と洋書、購入できる様です。
William Hurt朗読CD David Cronenberg『Consumed』
 こちらもAmazon.co.jpで購入可。

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2016.12.26

■情報 ブルータス (BRUTUS) 「危険な読書」

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危険な読書 - Brutus No. 838
ブルータス (BRUTUS) マガジンワールド

" ただ共感を得られることを目的とせず、当たり前に思っていた価値観を崩壊させ、考え方やモノの見方を一変させる。そんなこころ揺さぶる「危険な読書」体験、してみたいと思いませんか?
 文筆家、小説家、書評家、詩人、ミュージシャンなどが、小説、エッセイ、ルポタージュとフィクション・ノンフィクションとりまぜて、一冊まるごと「危険な読書」について語り尽くすします。“日本で最も危険な作家”、筒井康隆の特別インタビューも。あなたの人生変えちゃうかもしれない1冊に出会えます。"

 ブルータス「危険な読書」特集。
 滝本誠×荒俣宏対談「10代で読んでおきたい異常本」おどろおどろしさ満点(^^)。
 滝本さんが中学時代に夏休みの宿題として書いたというハードボイルド『黒いバラのエネルギー』、クローネンバーグが2014年に発表した第1小説『CONSUMED』、読んでみたいものです。

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 そのほか、筒井康隆のインタビューほか、興味深い記事が満載。
 今から、読みます。

◆関連記事
危険な読書 - From Editors No. 838 フロム エディターズ | ブルータス (BRUTUS) マガジンワールド

"数年前に演劇関係の古書を多く取り扱う神保町の矢口書店にて滝本誠さんの処女評論「映画の乳首、絵画の腓(こむら)」を発掘し氏の小誌連載(「cafe noir」)を担当していることもあって取り寄せたのですがこれがタイトルに偽りなく、はたして異常な本でした。滝本さんはとりわけ狂気やインモラルをはらむ危険なアーティストや作品を取り上げ、映画、芸術、文芸、音楽といったジャンルを縦横無尽に飛び越えてはそれらの題材をあいまいな記憶でつなぎとめたかのような魔術的な原稿が魅力となっております。「映画の乳首〜」に描かれたほの暗さや淫靡めいた異常世界を後ろめたい気分で読みながら思ったものです、本はこうでなきゃ。"

 滝本誠氏はブルータス編集部のOBです。映像評論集『映画の乳首、絵画の腓(こむら)』、最高です。

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2013.07.17

■情報 古川日出男『ただようまなびや 文学の学校』@福島県郡山市 : tadayou manabiya

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ただようまなびや 文学の学校(公式HP)

" 古川日出男が代表となり、出身地である福島県郡山市で、今年からはじめるサマースクール。校舎もないこの文学の学校に、どうぞ、この夏の一日か二日のあいだ、ご入学下さい。

 私たちはどうしたら「自分の言葉」を持てるでしょうか。2011年3月11日の東日本大震災の発災後、たとえば福島県はただひとつの大きな悲劇に見舞われたかのように語られています。実情はそうではありません。それぞれの立場で、みんなが、それぞれの暮らしのために日々を過ごしている。そこには前向きな戦いもあれば後ろ向きの苦闘もあるし、また、数々の小さな喜びすらあります。こうした当たり前のことを伝えるためには、私たち一人ひとりが「自分の言葉」を発信できなければなりません。
 そのために開校される文学の学校が、この『ただようまなびや』です。文学の言葉は、単に教科書や本に詰めこまれているだけではありません。日常を離れて、物語る言葉、歌う言葉、外国語から訳される言葉、社会の成り立ちを分析しようと試みる言葉、そうした全部が「あなたの文学」なのです。確固不動とした校舎もないこの文学の学校に、どうぞ、この夏の一日か二日のあいだ、ご入学ください。
                      古川日出男"

 連日のイベント案内(^^)。
 興味深い文学イベントで、長文になったけれど、古川氏の言葉を全文引用させて頂いた。
 「ただよう」という浮遊感ある言葉と、「まなびや」という地に足を付けた言葉のマッチングが心地よい。
 「物語る言葉、歌う言葉、外国語から訳される言葉、社会の成り立ちを分析しようと試みる言葉」、文学の定義としてとても味わい深い文言であると思う。

 こうした柔軟な視線で語られる文学の新たな、今だからこその可能性の討議に参加してみたくってたまらない(^^)。

 上記公式HPで現在、参加者募集中。
 貴重な空間の募集人数は、極少ないので、早い者勝ちですw!!

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2013.07.07

■レポートNo.1 "雨の日には (7.6(sat)古川日出男(小説家)×柴田元幸(翻訳家)朗読&トークライブ『読む文字と聴く言葉』)"

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雨の日には (7.6(sat)古川日出男(小説家)×柴田元幸(翻訳家)朗読&トークライブ『読む文字と聴く言葉』)

"デビュー15周年の記念作品『南無ロックンロール二十一部経』を上梓されたばかりの小説家・古川日出男さんと、英米文学の名翻訳家・柴田元幸さんによる朗読&対話ライブ。雨の日に、とことん文字と言葉について考え、感じましょう。"

 主宰・企画 熊谷充紘氏(ignition gallery)による、名古屋の bookshop & gallery ON READINGでのイベントに行ってきました。

 まずは僕のレポートの前に、皆さんがtwitterでツィートされた内容をまとめました。写真も複数掲載されていますので、全体の雰囲気は以下リンクを御覧下さい(^^)。

古川日出男×柴田元幸 朗読&トークライブ「読む文字と聴く言葉」@ON READING - Togetter

◆全体の感想
 実は東海地方に住んでいながら、不明にして名古屋の書店 ON READINGさんを知らなかった(申し訳ないです)。

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 今回このイベントではじめて御邪魔して、本に囲まれた空間に丸椅子が並べられた書店内の会場に感嘆。見回すと、珍しいアート書や同人誌等々に囲まれた居心地の良い空間。

 イベントの待ち時間(17:30会場, 18:00開演)はいつも何処か手持ち無沙汰なのだけれど、今日は周りの本や店の中の装飾を眺めているだけで、なんかウキウキしてくる(^^)。30分の待ち時間がこれほど短かったことはありません。

 そんな書棚に囲まれた空間の窓側にマイクが二本立てられ、そこに登場する作家と翻訳家!(その頭上には位置を古川氏が拘ったという小鳥二匹の置物)。
 登場するなり、いきなりの朗読のスタート!!
 その居心地の良い空間は、文学言語空間に突入していくのだったw。まずは2時間のイベントの朗読作品リストだっ!

・ブライアン・エヴンソン,柴田元幸訳「ウインドアイ」
 1,3章を柴田、2,4章を古川が交互に朗読。
・古川日出男 宮沢賢治リミックス「なめとこ山の熊」
 古川が一昨日書き上げ入稿したというテキストを柴田のリクエストで古川が突然朗読。
・古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』
 第五の書 ロール・オーバー・ベートーベン三部経 P325付近(ヘリ男〜ジャパン・アズ・ナンバーワン)
 日本語を古川、追従し英語(「モンキー・ビジネス誌」掲載)を柴田が朗読。最後は順番が逆に。
・ポール・オースター,柴田元幸訳「三杯のスコッチの話」
 (『写字室の旅』から)
・ヘミングウェイ,柴田元幸訳「雨の中の猫」
 古川が柴田訳を朗読。

 これら作品が刺激的な朗読で音響として放たれる空間、そしてその中で語られる「読む文字と聴く言葉と、そして翻訳される言語」の謎。
 御二人とも何度かこうしたテーマの会話はされていると思われるが、さらにこの現場で考え込み、思索が深まっていく様がスリリングで、まさにライブでした。刺激的言語空間、ドリンクはジンジャエールでも心地良い/酔い/宵(^^;)。

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 柴田氏の命題に、古川が思考全開で仮説を述べるスピードに、とにかく酔いました。特に「翻訳を語る時、人は何故直接語ることが出来ず、比喩で説明することになるのか?」の問いに、「それは翻訳が二次創作であるから」と間髪おかず答えた古川日出男、めちゃめちゃ明晰でした!
 小説で読み続けてきた印象よりもその明晰さは特に印象的で、今までの読書で堆積している僕の古川日出男成分が新たな析出をしそうで、これらの語られた論考を再度噛み砕いていく作業が必要と感じた次第(^^;;)。

 対話と会場との会話詳細は、メモ十数頁は取ったのだけれど、どう考えても時間が足りず、今週末にテキストとして纏めるのは不可能。
 すみません(と誰にともなく謝るw)、来週分の記事にさせて下さいorz(^^;)。

 とにかく刺激的で、元気が湧いてくる朗読と思考の2時間。
 『南無ロックンロール二十一部経』の御二人の日英アンサンブル、「なめとこ山の熊」の民話的深遠な話、ブライアン・エヴンソンの奇想に奮えて帰ってきました(^^)!

 こんな素晴らしい時間と空間を企画,運営頂いた熊谷充紘さんと bookshop & gallery ON READINGさんに最大限の感謝です。本当にありがとうございました。

 是非、今後ともこんな刺激的なイベントを名古屋でも宜しく御願いします(^^;)。

◆関連リンク
古川日出男×蜷川幸雄のタッグが実現 舞台『冬眠する熊に添い寝してごらん』が来年1月に上演決定 - 2013年7月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド

"音楽やダンス、アートとのコラボなどさまざまな活動を行なっている古川が、今回蜷川に戯曲を書き下ろす。100年の時代を超えて語られる、伝説の熊猟師と熊、そして犬の“聖なる戦い”を軸とした物語が、パワフルなイマジネーションで描かれるという。"

 トークライブの時には、気付かなかったけど熊と猟師の話で古川が朗読した宮沢賢治リミックス「なめとこ山の熊」に、もしかしたらインスパイアされたものかもしれない。脚本は既に古川が書き上げたということなので舞台としてどんな物語に昇華するか、とても楽しみでならない。

古川日出男 当Blog関連記事 Google 検索

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2013.06.10

■感想 古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』

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古川日出男 新作『南無ロックンロール二十一部経』(Amazon)
河出書房新社 公式HP

" あのカルト教団事件と3・11後の世界との断絶。失われたものは何か? 浄土はあるか? 稀代の物語作家が破格のスケールで現代に問う、狂気の聖典。構想執筆10年。デビュー15周年記念作品。"

 2007年の『ロックンロール七部作』(当Blog感想)に続き刊行された新著、古川日出男『南無ロックンロール二十一部経』を読了。

 「輪廻転生」に「ロックンロール」とルビを打ち、自著『ロックンロール七部作』をリーインカーネーション。幻視の強度が深まりパラレルワールドとして語られた日本の崩壊前と後の描写、地中へ陥没した東京タワーとおよそ770匹の鬼と馬頭と牛人の被曝地獄図…。

 迫力の世界は、古川物語文学の新たな境地を切り開いたと言える力強さで、まさにゴツゴツとした岩隗のように読者の頭上にガツンと落っこちてきます。ファン必読。SFや奇想文学ファンにも是非読んで欲しい一冊です。

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 たとえば、この右に引用したページ、ロックンロールと20世紀の若者と動物の奇想!このページなんて、ラファティの短篇だよって言っても通じそうなんですが…w。
 もちろん全体の読後感はラファティとは明らかに別もの。ただし想像力の源流でその水脈はつながり、奇想の血脈がラファティファンの血も騒がせることは間違いないでしょう(^^;)。

 ここまでで感想は終えても良いと思うのだけれど、ひとつだけこれは記しておいた方が良いだろう。

ネタバレ注意。まったくの白紙で読みたい方は、以下、飛ばして下さい。
 ラストは賛否両論、大きく分かれるのではないだろうか。
 しかしここで記憶に留めておきたいのは、古川が敢えて自身と同じ名前の作家を登場させて、あの宗教との関わりを描き、まさに一人称のスタンスで潜入し一体化し、そして浄土への道を本書で歩んでしまっているところ。
 
 村上春樹が『アンダーグラウンド』『約束された場所で―underground 2』で被害者と加害者両方について、インタビューでルポルタージュしたのに対して、古川日出男が本書で、自身の土俵であるフィクションの場で、それを一人称で語ることの決意は大きいと思う。しかもあの教祖の言説を肯定的な筆致で描いた後に…。

 村上が自身の砦であるフィクションの中に敢えて直接は取り込まなかったものを、まさにその砦の壁を突き崩して、自らが入信し行為する現実を描いてしまった古川の覚悟に想いをはせる…。
 どれほどの重さをこの作家は引き受けてしまったのであろうか。そしてこの後の作品は…そんな凄絶なイメージに読後感じてしまったことはここに記しておきたい。これからも古川作品に僕は向き合っていきたいと思う。

◆各書について
 本書を構成する"第一の書"から"第七の書"について、簡単に以下。
 各書は、<コーマW>と名付けられた眠る少女を見つめる「私」の短い記述にはじまり、<浄土前夜>と名付けられた日本の崩壊を描くパート、そして『ロックンロール七部作』に通じる世界七大陸+αを描く<二十世紀>という三つのパートで構成されている。
 この<二十世紀>パートが、『ロックンロール七部作』の各話に相当し、物語は各々、リビルドされている。
 このリビルド(小説のリーインカーネーション?)の中身について、二つの本を詳細に分析することが必要だと思うが、今回は時間がなく、その比較は残念ながらできません。(興味のある方は、本Blog以前のレビューを読んで頂きたいですが、実は比較ができるほど詳細に書かれていない(^^;;))

●第一の書
 リトル・リチャード 「トゥッティ・フルッティ」"Tutti Frutti"(Youtube)を陽気に歌いながら、飢えた少女のために自ら焼き鳥になる雄鶏の「おまえ」。
 <浄土前夜>パートは、リーインカーネーションで動物に生まれ変わり、自分が何者か気づかない状態から、自分が動物であると気づく様を、二人称で描く興味深い描写。
 私小説がその名付けの通り、近代の「意識」を描写していたのに対して、二人称で意識のないはずの動物の意識らしきものを描く試み。
 古川の小説は、動物を描いたものが多くあるが、この意識外の存在を描く試みは、ここでも近代の小説を超えていく迫力を獲得していると思うが、どうだろうか。

 続く<二十世紀>パートは、南極大陸。
 シカゴのロックンロールスタジオに生まれた「小さな太陽」による、南極基地の虐殺と聴力の喪失。描かれた青年のやり場のない怒りが鮮烈。

●第二の書
 折れた東京タワーと鬼を狩る虎とヘリの戦闘部隊(P123)。
 流れるのは、チャック・ベリー「ジョニー・B・グッド」"JOHNNY B GOODE"(Youtube)。
 いきなりのSF展開に実は頭が/体がついていかない。
 この展開の違和感が第七の書へと…。

 <二十世紀>パートは、ユーラシア大陸。大蒜料理にまつわる食べる秘史列車"ロシア号"の様々な時代の、人々の連環。禁止されていたソ連で、レコードの材料がなく、レントゲン写真に刻まれたロックンロール (P128)をBGMに大陸縦断鉄道は走る。

●第三の書
 "穢土"と呼び変えられる"江戸"。
 <浄土前夜>は狐。KFCとカーネルより背の低い人形。鶏となって焼かれる夢。
 老人である塾長との出会い。謎のブックマンの登場。ヘリによる狐の襲撃(P194)。BGMはエルビス・プレスリー「監獄ロック」"Jailhouse Rock"

 そして南米大陸。"武闘派の皇子"は、父の遺言で遺産獲得の為に決闘の勝利を強いられた男。ブラジルでのカポエィラの修業と勝利(?)。
 BGMはチャック・ベリー「ロール・オーバー・ベートーヴェン」"Roll Over Beethoven"

●第四の書
 馬頭人身の二人称。しゃべれるが鏡には馬が写る。そして転生し再び出会う少女。BGMはエルビス・プレスリー「ハウンドドッグ」"Hound Dog"

 そしてオーストラリア大陸。"ディンゴ"は、実の母から疎まれ、義父のトラックが第二の子宮。怠惰な実母と義父の不仲により現実逃避としてプログラミングにのめり込む。
 義父の死。レム睡眠がなくなり現れる幻視。蛸の腕とカンガルーの尻尾。
 発明された脳波によりチューニングするラジオ受信機を動物に取り付ける。
 アカカンガルー、エミュー、群れる野犬ディンゴ。
 『ロックンロール七部作』でも最も印象的だったオーストラリアの彷徨は今回も僕の好みでしたw。

●第五の書
 10歳に満たない少女の地獄日記と山羊。紙を食む。
 山羊のヘッドフォーンで聴くチャック・ベリー「ロール・オーバー・ベートーヴェン」"Roll Over Beethoven"。描かれる新型爆弾の爆発と少女の被曝。

 北米大陸。祖父が倒した巨大鰐の腹の中から出たスティールを弦に手づくりしたギターを持つ1セント。ファンに殺されギターは次の若者2セントに…。そしていつか1ドル1セントへと。ヴードゥーのマジックリアリズム世界が蒸し暑い。

●第六の書
 被曝した東京。塾長。地下鉄のひすい。770匹の鬼の包囲とブックマン。

 アフリカ大陸。ニジェール川のフィールドワークをする文化人類学者"牛の女"。
 アフリカに落ちた飛行機からのロックンロールと民族音楽の融合(ここは『ロックンロール七部作』の「あなたの心臓、むしゃむしゃむしゃ」を持ってアフリカ大陸へ不時着したボーカル「曇天」の物語の次の話)。
 生まれ変わり、河川の「砂のロックンロール」。
 禁忌に触れ惨殺された女がニジェール川を流されカセットテープを空腹ヤシに拾われ、それが歌い継がれていく。この歌が実際に聴いてみたくて堪らない。映画化の際は是非実現をw。

●第七の書
 昏睡するW。実行犯。当局に見張られている。身体を六大陸に見たてている。

 ここは<浄土前夜>パートでインド亜大陸が描かれる。
 770匹の鬼に包囲されたブックマンの輪廻転生(ロックンロール)の物語。
 エルビス・プレスリーのジャンプスーツを着たインド映画のヒーロー23人。ザ・プロデューサーとザ・ディレクターとザ・ライターによる七本の映画から再編集された構成される反政府映画『インドびより』とその裏面『ダンスびより』。
 奥地に立てられた5mのエルビスの神像と白いジャンプスーツ。
 映像的にもっとも鮮烈なイメージを持った一篇。

 昇る太陽であり"日出男"であることが明かされたブックマン。
 彼が読むのはエイモス・チュツオーラのマジックリアリズム文学。
 初めて書いた短篇「機械の夢」(P530)はSFそのもの。
 そして…物語の大団円は、<浄土前夜>につながる1998年か1999年のもうひとつの東京。これは我々20世紀の日本人が一度は体験したデザスターである。
 今、我々はその後の21世紀を生きる。

 古川が21世紀ロックンロールを語ることはあるのだろうか。

◆関連リンク
古川日出男『ロックンロール七部作』
図書館で本を借りよう!~小説・物語~「ロックンロール七部作」古川日出男
 前作の粗筋が詳細にまとめられています。
Kawade Web Magazine|古川日出男 | ロックンロール二十一部作 浄土前夜
 ベースとなったと思われる雑誌「文藝」連載の『ロックンロール二十一部作』の一部がここで読めます。
「サマーライト 」ANIMA with 益子樹(ROVO)+古川日出男@SHIBUYA O-nest 2012/10/13 - YouTube
 古川日出男、朗読以上。ついに歌っていますw。シャウト!
古川日出男、大長編『南無ロックンロール二十一部経』を語る (1/2) - ITmedia eBook USER

"今“ロック”っていうと一つの音楽ジャンルになってしまったけど、本来“ロックンロール”は世間が認める音楽に対してアンチを唱えるもの、強い力にあらがうものであって、単なるジャンルではなかった。
 自分の小説にしても権威的なことをやろうとしているわけじゃなくて、読んだ人が自分の感覚をバージョンアップして、目の前の日常に向き合えればいいと思っている。そういうところでロックンロールは自分の根源にある表現力に近いものだと思う"

古川日出男、大長編『南無ロックンロール二十一部経』を語る (2/2) - ITmedia eBook USER

"「過去は変えられないとか、歴史は学校で習った通りだとみんな思っているけど、過去だってエディットし直せば、隠ぺいされていた歴史やなかったことにされている過去が見えてくる。この作品の中の3つの物語の1つに『20世紀』というパートがあって、ほとんど史実であるにもかかわらずフィクションのようなお話になった。このように過去や歴史が改編可能なんだから、未来は無限に選択可能なんだということを伝えたかった」

「小説に対して、作家は神 様だと多くの人は思っている。でも、おそらくそれは間違いで、僕を通して作品が生まれるけど、すべてを自分がコントロールしているわけではないし、自分がこれまでに聴いた音楽や読んだ本や、見た映像が自分を通過ごして出てきただけ。自分が小説を作ったわけじゃなくて、小説が自分を通過ごして出てきた、自分が小説に利用されているという感覚がある。それを見せるためには作家自身が作品に巻き込まれ、蹂躙されてみることが必要だと思った」"

エイモス・チュツオーラ - Wikipedia

"ナイジェリアの小説家。『やし酒飲み』などヨルバ人の伝承に基づいた、アフリカ的マジックリアリズムと言われる著作で知られる。"

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2013.06.07

■情報 筒井康隆『聖痕』

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筒井 康隆『聖痕』

" あまりの美貌故に性器を切り取られた少年は、みなの煩悩の救い主となるのか?
 一九七三年、五歳の葉月貴夫は性器を切り取られた。しかし尚も美しく健やかに成長した彼は、周囲の人びとのさまざまな欲望を惹き起こしていく――。
 古今の日本語の贅を縦横に駆使し、小説言語の枠を大幅に広げながら、文学史上最も美しい主人公の数奇な人生を追う。朝日新聞連載中から騒然たる話題を振りまいた問題作刊行。"

『聖痕』出版記念講演会|朝日カルチャーセンター中之島教室|講座詳細

"美貌ゆえに性器を切り取られた少年の人生を綴る、奇想天外な物語は、「色色(いろいろ)しい」(=女性に惹(ひ)かれやすい)、「含(ほお)まれどなよび か」(=蕾(つぼみ)のままだがもの柔らかで優しい)といった古語や「ありきぬの(宝)」などの枕詞で彩られています。「使われなくなった古い言葉に触発 された」と語る筒井さん…"

笑犬楼大通り

"偽文士日碌にて 「聖痕」及び「枕詞逆引き辞典」に関する話題が 登場した回の一覧を作成してみました。 来たる 6/15 の朝日カルチャーセンター「『聖痕』出版記念講演会」に参加される方も、 予習に(?)どうぞ!"

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 朝日新聞連載の筒井の最新作が出版された。
 話題になっているのは知っていたが、このような苛烈な(?)内容の小説だったとは知りませんでした。

 右は中日新聞に掲載された新聞広告ですが、この紹介文ならば、広告の写真は、文豪5歳当時の"美貌"の少年の写真を使うべきだったのでは? (^^;)。
 少なくてもインパクト大と思うのだけれど、、、。

朝日新聞デジタル:文体の実験、伴走に感謝 筒井康隆さん「聖痕」を終えて - カルチャー

"去勢された人間としての中国の宦官(かんがん)に見られた権力欲、即(すなわ)ちアドラーの謂(い)う「権力への意志」などは現代にそぐわないから、ある種の反社会性を持たせたままでひたすら美味を志向させたのである。"

"「毎朝読んでいる」と言ってくれた大江健三郎川上弘美ほか何人かの作家の方がたに感謝したい。この人たちのことばがどれほど力強い励みになったことか計り知れないものがある。また、毎回の作品内容に相応しい絵を制作してくれた息子・筒井伸輔にもその労を犒(ねぎら)いたい。"

 連載時は、何と御子息の画家である伸輔氏が挿絵を担当されてたのですね。
 検索すると、ミヅマアートギャラリーのHPに作品が紹介されています。

MIZUMA ART GALLERY : 筒井伸輔 / TSUTSUI Shinsuke

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 作品はこの引用画像のように幻想的な絵を抽象的手法で描かれたもので、実物を観てみたくなる繊細で素晴らしい雰囲気。
 下記から検索して拝見できる『聖痕』新聞連載時の挿絵も同じ作風がにじみ出てきています。

筒井伸輔 聖痕 - Google 画像検索

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2013.05.31

■感想 マンタム『鳥の王 ー Král o ptácích』& ■情報 「錬金術的世界の為のマテリアル」@三省堂書店神保町本店

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マンタム『鳥の王』(Amazon)

"☆マンタム氏本人が1点1点加工した銅プレート付き表紙
☆ヤン・シュヴァンクマイエル監督から贈られたメッセージ&鳥の王をプリントしたカード同梱
☆ブックデザインはミルキィ・イソベさん!
自作オブジェとそれに付けられたストーリーを題材にした初の作品本。

著者について
大阪出身。1975年に初の映像作品を制作。以降、劇団結成や映画の制作と上映演劇活動等を続けるが、あらゆる活動を一旦終了させ、84年頃より古道具屋修行に入る。古道具屋を営む一方、2010年秋、初の個展「錬金術師の憂鬱」を開催。芸術作家としての活動以外にも個展、企画展等の美術や空間構成等も手がける"

 通販で注文しておいたマンタム『鳥の王 - Král o ptácích』パラボリカ・ビス特別版が届いた。
 表紙に貼られたマンタムさんによる一点一点手作りの銅板の造形と、ミルキィ・イソベ氏の装丁がまず素晴らしい。

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 独特の装丁についてまず説明しよう。
 冒頭の写真にある様に本書は函入りで、本を取り出して頁を上下に開くと、片側がマンタム氏のオブジェの写真。そしてもう一方の頁が短篇「鳥の王」の小説になっており、全体80頁でひとつの物語が構成されている。
 この構成が独特の読書空間を形作っていて、あまり他では味わったことのない、芳醇な読書体験がもたらされている。

 鳥が飛べなくなった空と落ちた鳥達の死骸、僅かに残された同胞を未来に残すため生み出された鳥の王、そして声のない少年が奏でる鳥の声のする楽器…。(この楽器が冒頭の写真の右側に写っているギターオブジェ「鳥の王」である。その冥界から響く音を一度でいいので聴いてみたいものである)

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 一遍の詩のように紡ぎだされた文字が造形作品の写真と相まって、幻想的な空間を作る。未来の世界をうたった様にみえて、現在の日本に照射される要素も多分に含まれている。

 表紙の銅板の数字は、世界に残された鳥の数である「8643」。
 そして僕はその34番である。

 本書に付属するカードに、マンタム氏のファンでもある、チェコのシュルレアリスト ヤン・シュヴァンクマイエルの言葉が記載されている。

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"マンタム氏のオブジェを見ていると、「ミシンとコウモリ傘との、解剖台の上での邂逅のように美しい!」という、ロートレアモン伯爵が遺した名句から飛び出したような気がしてならない。
3013.3/20"

 名古屋のSipkaの個展の際に、マンタム氏と一度だけ話をさせて頂いたことがある。
 その際に印象的だったのは、シュヴァンクマイエルの作品について、マンタムさんの作品とは異なり物語は付随していないですね、と尋ねた僕に対して、シュルレアリスムと物語は相容れないものだ、という言葉。まさにシュルレアリスムの根幹に関わる言葉で僕の質問が全くの愚問だった訳ですが、、、。(その時の記事へのリンク)

 そのマンタム氏の作品に対して、ロートレアモン伯爵を引いてくる辺り、チェコのシュルレアリストの深い考察がある様に感じるのは僕だけだろうか。
 『鳥の王』の最終完成形をシュヴァンクマイエルが見られたかどうかは不明だけれど、一度、この物語も含めて、感想を訊いてみたいものだ。

◆鳥の王発売記念フェア「錬金術的世界の為のマテリアル」


Twitter / shobunsha(晶文社さん)

"【フェア情報】三省堂書店神保町本店で『鳥の王』刊行記念フェア始まりました!著者マンタムさんの作品や古道具などの取り扱いもあります。Y"

Twitter / mantamuさん

"とうとう始まってしまった三省堂書店神保町本店4階芸術コーナーエスカレーター前のマンタムブックフェア。本当にごめんなさいと言いたくなる怪しさなのですが既にお客様が食いついてました。今回の為に特別に製作した鳥の王… "

鳥の王が出版されます。|マンタムさんのブログ

"東京三省堂神保町本店では5月20日より4階芸術コーナーエスカレーター降り口横で 鳥の王発売記念フェアが開催されていて鳥の王本体が置いてあってそれ以 外にも作品が何点か置いてありブックフェアの為に作製した錬金術師の為の装飾品の新作や鳥の王発売記念プレート等が一緒に販売されています。 こんな三省堂今迄に見た事が無いと評判になりつつ在るので是非足を運んでみて下さい! 6月20日頃迄続けてもらえるとのことでした。"

 「錬金術的世界の為のマテリアル」、楽器「鳥の王」観に行きたいです(^^)!
 写真は晶文社さんのツィートから引用させていただきましたが(勝手にすみませんorz)、楽器オブジェ「鳥の王」をはじめ、独特のマンタム幻想空間が神保町に出現している訳で、激しく行ってみたいものです(^^)!!

◆関連リンク
ロートレアモン伯爵 - Wikipedia

"20世紀に入ってからは作品が書かれた言語圏であるところのフランスでも再評価が起こり、アンドレ・ブルトンやフィリップ・スーポーによって「マルドロールの歌」「ポエジー」が再発表され、特にシュルレアリスム文学に大きな影響を与えている"

・当Blog記事
 ■情報 マンタムさん 個展「 残骸に在るべき怪物 」@パラボリカ・ビス と 初作品集『鳥の王 - Král o ptácích』

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2013.05.27

■感想 久保田弘実 作・構成、北村月香 絵『回転うさぎと電気ネズミ:Roll Rabbit and Electric Rat』&■情報 北村月香イラスト原画展

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『回転うさぎと電気ネズミ』(Amazon) 公式HP

"作・構成 久保田弘実、絵 北村月香、英訳 久保田奈津子
Picture book  Roll Rabbit and Electric Rat
writer Hiromi Kubota, illustrator Tukika Kitamura
Web,全国各書店にて初版販売開始!!
First edition started selling!

カーニバルがやってくる。小さな島の小さな子供たちはとても楽しみにしている。 回転ブランコに観覧車、屋台店、そして飛べない飛びウサギのメリーゴーランド・・・。
A carnival was about to arrive here. All children in the small island were looking forward to it. A rotary swing and ferries wheel, food stalls, a carousel of a Flying Rabbit that cannot fly.

かつて大空を舞い繁栄をしていた飛びうさぎの子孫・飛べない飛びうさぎのラパは、カエル団長率いる移動遊園地“ラナ・ワンダーランド”で働いていた。ある日のこと、ラパは毎日繰り返される回転木馬の木馬役という仕事に嫌気がさし、ラナ・ワンダーランドをとびだしていった。黄昏が惑う坂道をあてどもなく彷徨うラパ。その行く先には、バチバチと大きな音をたて稲光りする巨大な建造物がそびえ立っていた・・・。"

 飛べない「飛びうさぎ」を主人公にした不思議な世界の物語が開幕した。
 この物語は、このリンク先に書かれているように、うさぎが空を飛んでいた楽園の様な惑星を舞台にした一連の物語のうちの短篇のひとつということである。
 いまだ全貌はこの現世(^^)に現れてはいないが、うさぎの飛ぶ星というイメージ喚起力にとんだ設定に、いろんな幻想的なシーンが思い浮かんでくる。
 
 兎というのは、この世界では地上にへばり着き飛び跳ねるだけで、勿論、空は飛べない。しかしどこか異世界に空を飛ぶうさぎ達がいるとすると、この地球で跳ねる兎は、異世界のうさぎ達の解放的な気持ちに呼応して、空を飛びたいと願いながら跳ねているのかもしれない。
 そして兎達のそんな儚い願いの堆積が衛星の月に模様としていつか浮かび上がってきたのかも…w。
 
 そんな空想をしながら空気の澄んだ五月の夜空を眺めると、久保田弘実さんと北村月香さんの幻想世界が地球に滲み出して来るように、月明かりの世界がこの絵本の様に、白くてブラウンな淡い色合いに見えてくるから不思議だ。

 五月の月明かりにとても呼応する、淡いどこか儚げな夢の様な幻想世界が心地いい一冊である。

 シリーズとして予定されているという、本篇である長篇作『月の風船とシャボン玉の星々』でどんな物語が広がっていくか、とても楽しみ。うちの家人たちもリビングに置いてあった本書を読み、とても可愛いと喜んでいる。
 
 今回自費出版とのことであるが、子供達にも広く読まれる本だと思う。どこかの出版社で刊行され、学校を初めとする、多くの図書館に置かれるといいなぁと思います。

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「回転うさぎと電気ネズミ」出版記念/北村月香イラスト原画展

"2013/05/17~07/16
「回転うさぎと電気ネズミ」出版記念として北村月香イラスト原画展を開催しています。 2013年1月・市川駅南口図書館・えきなんギャラリー展示の為に書き下ろされたイラスト原画作品「Precious Memories」を展示しています。
場所 : 長野県飯田市知久町2-1 メトロギャラリー"

 メトロギャラリー飯田ブログ : 北村月香イラスト原画展 「Precious Memories」
 本書にちなんだ個展が開催されている様です。
 絵本のイメージからさらに広がった、右の様なイメージの絵も展示されているとのことで、本書でファンになった方には、朗報です。

◆関連リンク
北村月香作品展
 こちらは2010年にメトロギャラリーで開催された個展「新鳥獣戯画幻想譚」。いくつかこちらで北村月香さんの作品が拝見できます。

"『彼女の絵画はとても可愛らしい・・・しかし可愛らしい反面、なぜか寂しげに、何処か遠く(太陽と月の光が同時に霞んでゆくような白い世界)を見つめています。  それは彼女自身の「私は1人でも生きていけるのよ!」とでも言いたげな、心の信念(Faith)ではないかと想像する。それこそ彼女の画が、ただの可愛さだけには留まらない本質であり、素晴らしさであると私は思う。 metro"

メトロギャラリー飯田・Metro Gallery: 飛騨絵本美術館にて絵本原画特別企画展・開催!「回転うさぎと電気ネズミ-Roll Rabbit and Electric Rat-」

"今回の展示「回転うさぎと電気ネズミ」は、大空を舞っていた飛びうさぎの子孫、飛べない飛びうさぎビビと迷いの影に片目を奪われた一本眼のマイマイ・メメをメインとした 長編「月の風船とシャボン玉の星々」を制作していたところ、飛騨絵本美術館さんから展示依頼のお話しがあり、長編と同じく飛べない飛びうさぎを主人公に急遽、制作した短編です。 飛びうさぎが空中を舞い平和に暮らしていた楽園が、星の静止によって滅ぶ第一次世代。 再び星が回転を始め、滅んだ種の魂の実体“迷いの影”が跋扈する超大陸を舞台にした本編「月の風船とシャボン玉の星々」は第二次世代。 今回展示の「回転うさぎと電気ネズミ」は“迷いの影”の実体が長い年月を得て浄化され、静止によって分離した人間世界と少しずつリンクを始める第三次世代にあたります。"

中日新聞:元飯田東中の同級生2人、絵本を共同制作:長野(CHUNICHI Web)
 中日新聞でも取り上げられたとのことです。

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2013.04.23

■新刊情報 『復活するは我にあり』『寺田克也ココ10年 KATSUYA TERADA 10 TEN - 10 Years Retrospective -』『怪奇三昧 英国恐怖小説の世界』

山田 正紀『復活するはわれにあり』

"余命を宣告された、車椅子のワンマン経営者・権藤。 ジエイゾと名乗る者に拉致され、男が所有する大型船「南シナ海号」に乗船することになった。 船はハイジャックされ、権藤は人質となってしまう。 犯人の背後に蠢く得体の知れない陰謀を感じつつ、超ハイテク車椅子(サイボイド)と共に果敢に立ち向かう。 海上を舞台とした、著者久々の冒険小説!"

「復活するは我にあり」イラスト
 (小説推理 (第1回~第6回)連載時の山下セイジ/山下成司の挿絵)
 連載中の山下セイジ氏のイラストが御本人のHPに掲載されている。重厚な黒いイラストwがとても良い!
 でもまさか「復活」にはこんな意味があるとは(^^;)!(閲覧注意)。

Twitter / anaryusisu

"新刊が出ます。「復活するは我にあり」です。何と20数年ぶりの冒険小説です。復活するのは主人公であると同時に、私自身が冒険小説に復活するという意味も込めたつもりです。面白くしたい一念でがんばりました"

"『アグニを盗め』から始まった超冒険小説の復活でしょうか!"(BP)

"じつは超冒険小説というのは当時の編集さんが考えたネーミングで私は関与していないのです。素敵なネーミングではあるんですが。"

 山田正紀さんのつぶやきにリプライしたら、「超冒険小説」についてコメントいただけました(^^;)。
 従来のヒーロー像からかけ離れた主人公たちが知恵で状況を突破する「超冒険小説」のシリーズが大好きだったので、この名前は今回も使って欲しかった気がします。GWの読書はラファティ『第四の館』と「超冒険小説」の新作!

『寺田克也ココ10年 KATSUYA TERADA 10 TEN - 10 Years Retrospective -』

" テラカツ10年分の仕事を総覧できる豪華図録! 世界的人気を博すイラストレーター・寺田克也。 カラーイラスト・設定画など約300点を展示する「寺田克也ココ10年展」が京都マンガミュージアムにて3/16~6/30まで開催されます。 展示全作品に併せて展示公開されないお宝作品も収録。 収録作品のすべてに寺田本人のコメントが付きます!
内容
 猿、ドラゴン、ロボット、妖怪、自動車、女の子、吸血鬼、大人っぽいおもちゃ、親父さん、美少年、ヒーローその他あらゆるものを描いてきた寺田克也のココ 10年分1000点を超える作品を収録。マンガ、イラスト、キャラクターデザインほか、寺田克也の仕事を総覧できる貴重な図録。"

 寺田克也 ココ10年展 | 京都国際マンガミュージアム - えむえむも観に行きたいものです。
 開催は2013年 3月16日(土)~6月30日(日)。

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南條 竹則『怪奇三昧 英国恐怖小説の世界』

" 読書のなかでも、「恐怖と戦慄」を味わう愉しさはまた格別である。怪談、怖い話を愛する著者が、20世紀初頭、英国怪奇小説の黄金時代を築いたアーサー・マッケン、アルジャノン・ブラックウッド、ダンセイニ卿、M・R・ジェイムズら巨匠たちの数奇な人生と、「恐怖」の真髄を語り尽くす。
 名著『恐怖の黄金時代』に新たに書き下ろし、翻訳を大幅に加えた増補改訂完全版。英国怪奇小説を終生愛してやまなかった伝説の幻想作家H・P・ラヴクラフトの名篇「名状しがたきもの」「夢魔十夜」「忘却の国から」等の新たな翻訳も収録。怪奇小説好きはもちろん、ホラー映画&漫画ファンも必読のブックガイドである。カバーイラストは、荒木飛呂彦氏描き下ろし!"

 恐怖小説はどうしてこんなに女王陛下の国に合うのでしょう(^^;)。

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