文化・芸術

2017.04.24

■情報 造形作家「植田明志」作品集制作プロジェクト クラウドファウンディング


植田明志 x SipkaART 作品集刊行プロジェクト - YouTube.

" "SipkaART"は名古屋大須にあるセレクトショップ"Sipka"が母体となっているギャラリーです。これまでとは違うアート活動をする為、設立いたしました。 今後は、店内での展示以外に、アートフェアへの出展や、作家の作品集や絵本などの出版も手掛けていく予定です。
 植田明志は現在まででSipkaで3度の個展を行いお客さまからの支持も厚く、急成長をしている作家です。手がける作品にはそれぞれ物語があり、見るものを魅了し、惹きつける不思議な力があります。 今回は、クラウドファンディングでその集大成となる作品集を制作したいと考えています。 作品集の制作は、多くの方からご希望も頂き、それならば、campfire(キャンプファイヤー)通じて、皆さまと作り上げられればと思いました。 このプロジェクトに参加して頂ける皆さまのためにこの場限りの様々なリターンを用意しました。 作品集制作の実現へ向け、皆さまのご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。"

造形作家「植田明志」作品集制作プロジェクト - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

" 今回は、造形作家「植田明志」の作品集制作というプロジェクトとしてキャンプファイヤーに投稿します。

 植田明志は現在までで、Sipkaで3度の個展を行ない、お客さまからの支持も強く、急成長をしている作家です。
 手がける作品には一つ一つ物語があり、見るものを魅了する不思議な力があります。
 その集大成となる作品集を制作したいと考えています。

■作家からのコメント

子供のころの、らくがき帳は、さながら作品集の様。
空想の生物を描いた下には、名前やその大きさ。

ずっと作品集を作れたらいいなぁ。と思っていました。

子供のころ、夢中でめくった作品集や、画集は、夢や感動、ワクワクを与えてくれていました。
それは魔法が綴ってある秘密の本のように、僕を静かに奮い立たせました。

この世界には、こんなものを作っている人がいるんだ。
どうやって作ってるんだろう?

僕にもできるのだろうか?
そういう想いが、僕をこの世界に導いてくれたひとつであることは、間違いありません。"

 造形作家 植田明志さんの作品集刊行プロジェクトのご紹介です。
 4/19から始まったクラウドファンディングは、締切日まで残すところ57日の4/23現在、すでに目標額100万円に対して166.4万円となっていて目標達成。

 僕はSipkaさんのネットでの紹介以外、実はまだ作品を直接拝見したことがないのですが、冒頭に引用した公式動画で見られるようにその作品はとても幻想的な造形です。不思議なその魅力にいつも心惹かれているのですが、残念ながら資金的に作品を購入することはなかなか出来ないので、まずは作品集を是非入手したいと思っています。

 何度かSipkaさんで開催されている作品展に行く機会を作れずにいるのですが、いつか3Dハンディカムを持参して、伺いたいものです。

◆関連リンク
植田明志 - Google 画像検索
植田明志 | アクセサリー・セレクトショップ・Sipka-シプカ- オンラインショップ
 こちらのページで作品を購入できます。

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2017.03.20

■動画 ダリとディズニー 共同制作短編映画「ディスティーノ」 Walt Disney's and Salvador Dali’s short film “Destino”

Walt Disney s   Salvador Dali - Destino 2003 (HD 1080p) from Manhattan Projects on Vimeo

 1945年に企画がスタート、その後中断し1999年にウォルト・ディズニー・カンパニーによって制作再開されて、企画から58年後の2003年に制作再開2003年に完成した6分間の動画。

 ダリのミューズであるガラを主人公にしたシュルレアリスティックアニメーション。ダリの絵画のモチーフが随所に現れ、悪夢的なヴィジョンの映像になっている。

 3D CGも使われているため、元データは3D版があるかと思う。
 この無限世界を立体映像でも体験させていただきたいものです。 

Walt Disney’s and Salvador Dali’s short film “Destino” plus pictures and art – Mind Space Apocalypse
 こちらにダリがディズニーのイメージを描いた絵画が掲載されています。

Of Course Salvador Dalí And Walt Disney Had A Beautiful Friendship | The Huffington Post
 ディズニーとダリの2ショット。ふたりがどんな会話を繰り広げていたか、是非聞き耳を立ててみたいものです。

ダリ×ディズニーの共同制作!?ダリ展で話題の幻の映画「ディスティーノ」がすごい! - NAVER まとめ
 あれ、東京で開催されているダリ展でもこの映像紹介されていたとのこと。気づいていなかったw。
 制作の顛末等、リンク先にかなり詳細が記されていますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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2017.03.08

■動画 プロジェクションマッピング 料理ショー「Le Petit Chef : 小さなシェフ」


Le Petit Chef - YouTube
Yahoo!映像トピックス - テーブルの上の小さなシェフが繰り広げる料理ショー。こんなプロジェクションマッピングもある
 2015年の動画ですが、これは知らなかった。素晴らしいプロジェクションマッピングの使い方ですね。
 ワクワクするディナー。こんな席で一度で良いから食事してみたいものです。

www.skullmapping.com
 このプロジェクションマッピングの制作会社の公式HP。
 ギャラリーの展示作品の上に、小人が出てくる作品とか、なかなか興味深い。

 この延長線上に、部屋のインテリアとしてのプロジェクションマッピング(以下、PMと略す)とか、可能性がどんどん広がりそう。たとえばハウジング会社が配信して、いつでも好きなインテリアPM映像で、インテリアイメージを変えられるとか。音楽配信の会社が曲のイメージに合うPM映像を曲と一緒に売るとか。

 個人宅よりまずはレストランとかバーとか、そういったところでPMは花開いていくのかもしれないですね。町の看板屋さんとかが、PM映像を持ってまわって部屋ごとの適合をするとか。
 プロジェクターの光量も上がっているので、薄暗くしなくてもどんどんPMは町に登場するのかもしれません。

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2017.02.27

■パノラマレポート 長良川うかいミュージアム-岐阜市長良川鵜飼伝承館-

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長良川うかいミュージアム-岐阜市長良川鵜飼伝承館-

 岐阜のうかいミュージアム、行ってきました。
 でかい鵜の立像に笑いw、鵜飼い舟を挟んで直角に置かれたスクリーンのデモンストレーションに、少しだけ究極映像を感じ、金華山の薄い雪化粧に感嘆して帰ってきました。
 上記写真の下側が鵜飼船のディスプレイ展示と映像を組み合わせたデモンストレーション。直角に置かれた二つのスクリーンに鵜飼の様子が、実写とCGで映し出され、立体的な表現をしている。まだプロジェクションマッピングが登場する前に作られた、その前哨的な展示形態としてみることができる。

 この日はすでに終わっていたが、土日は雨翔による鵜飼の生の実演もあるようなので、上記HPで実施有無と時間を確認し、次は観てみたいものです。

 ENTAPANO で撮ったVRパノラマ写真は以下に掲載。スマホでグリグリしてみてください(^^)。

Entapano VR (究極映像研)

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2016.11.09

■情報 "DAVID LYNCH meets HOSOO"展 デイヴィッド・リンチと西陣織のコラボ展

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DAVID LYNCH meets HOSOO | GYRE OMOTESANDO

"The Multistory World 多層的世界 meets The Multilayered World 重層的世界

「螺旋状の夢_ 夢見るように目覚める」

鬼才映画監督デヴィッド・リンチの描写する多層的世界_The Multistory World が、西陣織十二代目の細尾真孝の9,000本の糸によって紡ぎ出す重層的世界_The Multilayered Worldと出会って構成される本展。

デヴィッド・リンチの絵画作品「SPIRAL」のイメージと世界観を、
細尾真孝がハイパーテクノロジー化した西陣織の技術を駆使して解析するなど、実験的最先端のクリエイティビティとデジタル技術によって再生、および日本の伝統が融合した、未だかつて見たこともなかった体験をぜひGYREで。

デヴィッド・リンチからEYE OF GYREへのメッセージ                 
「螺旋は上昇・下降を繰り返す円環である。
この螺旋は、私にとって進化を表象する円環なのである」 

会期 : 2016年10月7日(金) – 11月13日(日)
会場 : EYE OF GYRE / GYRE 3F
時間 : 11:00〜20:00
キュレーション:ART DYNAMICS  
会場デザイン :武松幸治+EPA
監修: 飯田高誉 ・ 生駒芳子"

 気づくのが遅れて、既に会期は〜11/13までの残すところ一週間あまりですが、東京でデイヴィッド・リンチと西陣織のコラボ展示が開催されています。
 冒頭の絵画がリンチによるもので、それにインスパイアされた西陣織の細尾真孝氏による作品が合せて展示されているようです。


Background of DAVID LYNCH meets HOSOO - YouTube

 こちらも関係動画ですが、どういう位置づけか、よくはわかりません(^^;)。

◆関連リンク
株式会社 細尾

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2016.11.07

■感想 六本木アートナイト2016 名和晃平作品 & ダリ展 @ 国立新美術館

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THEME | 六本木アートナイト2016
 ダリ展の前に、六本木ヒルズと国立新美術館に展示されている「六本木アートナイト2016」の名和晃平作品を観てきた。
 作品は名和の作品としては、球面を活かした樹脂成形の作品。
 まず上のヒルズB2階に展示された大鹿を象った造形「White Deer」と球体の塔「Ether」。
 昼間の光のもとの写真と夜間のライトアップ。
 それぞれの佇まいが都市の中に自然が混入し、素晴らしい情景を作っている。

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 そして次に国立新美術館前に作られた、これも球面で構成された名和作品。
 人と奇妙な台車をイメージしたような作品。
 国立新美術館に展示されたダリ作品と呼応するように、その球面による軟体な作品がゴツゴツした岩の中で異彩を放っている。

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 こちらも昼の情景とライトアップ。
 ライトアップは写真にあるように下から暖色系のライトで照らされ、夜空の寒色とで作品を重層的に魅せている。
 これらは3Dハンディカムで立体映像として撮ってきたので、いつかどこかで紹介したいと思う。いつも書いているが、これらの立体造形作品は、3Dによる立体映像こそが(実物作品を除けば)記録媒体での作品表現に適している。艶かしい作品の立体の魅力をいつか3Dブルーレイで、究極映像研映像記録として配布したいものです。

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◆ダリ展 | 国立新美術館

 ガラスの球面に覆われた斬新な建築の国立新美術館に展示されたダリ作品、高校の時に図書館でシュルレアリスム好きの友人から見せてもらったダリの図録で触れて以来、ずっと観たかったサルバドール・ダリの作品を初めて生で観ることができた。
 以下、印象的な作品について、簡単なコメントです。リンクをクリックするとネット上にある作品写真を見ることができます。

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「巻髪の少女」
 展示はダリの少年時代からスタート、そしてこの作品は22歳の時の作品。
 まず冒頭で印象的だった作品。後ろ姿の少女の巻髪と、肉感的な尻と足の絵画。デフォルメされた人間の筋肉を思わせる足と体の形状が力強く描かれている。展示された作品ではここから鮮やかな色が使われていて、ダリらしさを印象付けた。
「姿の見えない眠る人、馬、獅子」
 獅子と人の融合。シュールレアリズムのダリへの注入。
「皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン」
 これはタイトルによるイメージ喚起が強烈で、それと実際の絵とのギャップに絵の前で考え込んだ一枚。目玉焼きを背にしたフランスパンの前で10分(^^;)。
「エミリオ・テリーの肖像」
 岡本太郎のような男の前の、不思議な黒いオブジェの乗る机。男の視線と机の上の奇妙な立体造形がまるで観客に彫像作品を擬似的に見せているように印象的。
「謎めいた要素のある風景」
 謎めいた要素のある風景。黒い溶けた巨人と白い球体。そして手前にヨハネス・フェルメール「絵画芸術」のような絵を描く画家の後ろ姿。黒い溶けた巨人のような形態は、まさに怪獣映画にも導入可能w。こうしたシュルレアリスムの映像作品への転用は今はそれほど多くないが、映像としての可能性の戦端を開くにはもっと造形として援用されてもいいのではないか、とか思いながら見ていた。
「アンダルシアの犬」(映像作品)
 そのシュルレアリスムの映像への援用の代表作。ピアノの上に牛の死骸二体。3人の男を引きずる欲望の男と蟻。このイメージは映画に素晴らしい奥行きを与えていると思う。現在のリアリズムに寄った幻想映画はもっと想像力の羽をこうしたイマジネーションの世界に飛ばしてもいいのではないだろうか。
「ガラの晩餐」
 これは書籍として刊行されたもの。数々のサイケデリックな料理を中心とした絵が素晴らしい。まさにヤン・シュヴァンクマイエルを直撃しただろうFoodたち。
「ドンキホーテ」挿絵
 とてもダイナミックなイラスト群。特にXの文字を大きく描いたドンキホーテと雲のような巨人の絵(リンク先参照)。なんと荒々しいパワーに満ちた作品。簡単しかありません。
「ポルト・リガトの聖母」
 福岡美術館所蔵の巨大な絵画。特に中心付近の高精彩が凄い。フォトリアルなダリのシュルレアリスムの真骨頂。圧倒的な迫力にしばし脚が動きませんでした。
「ニューヨーク万国博覧会のためのパヴィリオン」制作中のダリの工房写真
 ヴィーナスの夢のオブジェ制作現場。人魚やマネキンが妖しく佇む空間。こんなアーティストが想像力を羽ばたかせた万博展示が観たくてたまらなくなった。


New York World's Fair 1939 part 1 - YouTube
 ニューヨーク万博展示。その一部映像がありました。1'00"あたり。このパビリオンは行ってみたかった!! 

◆関連リンク
SANDWICH(名和晃平公式)

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2016.10.31

■レポート 「大都市に迫る 空想脅威展」

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大都市に迫る 空想脅威展

"2016年9月24日(土)〜2016年11月13日(日)
東京シティビューラウンジ@六本木ヒルズ
戦後、日本独自の文化として盛り上がってきた特撮作品。作品内では、空想上の怪獣や怪人たちが幾度となく都市を襲ってきました。映画やドラマで人々の平和を脅かした空想上の怪獣や怪人たち(=空想脅威)と都市との関係を、撮影で使用されたセットや模型とともに振り返ります。通常一般非公開の森ビル株式会社の縮尺1/1000の都市模型が登場し、怪獣が壊してきた首都・東京のスポットを模型とともにご覧いただくことが出来ます。"

 東京へダリ展と合せて、「大都市に迫る 空想脅威展」を観てきました。写真を中心にレポートします。

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 ヒルズ前、パリ出身のアメリカの彫刻家ルイーズ・ブルジョアによる彫刻「ママン」が「空想脅威展」にぴったりで雰囲気を高める。

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 初めて登ったヒルズ52階シティビューラウンジから見下ろした光景と展示のファーストパネル。この東京全体を見下ろせる場所で観る東京が空想上で進撃された脅威の記録。なかなか素晴らしい立地である。

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 まず入り口で迎えてくれるのは、『ガメラ 大怪獣空中決戦』の東京タワー上のギャオス。高さ2mほどの精巧なタワーの模型とギャオスの鉄骨で作られた巣がリアル。

Img_5651side 森ビルの都市模型。
 『巨神兵東京に現わる』にも登場した精巧な都市模型の実物を観られて、なかなかの感動。

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 東京が襲われた歴史を紹介するパネルと都市のミニチュア。
 この都市部分は、3Dハンディカムで撮影し、ミニチュアの立体造形を家に持ち帰りました(^^;)。

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 そして登場するガメラの彫像。
 ゴジラというよりは、昭和ガメラで育った僕には、左の素朴なガメラも素晴らしく特撮のクオリァを想起されます。リアルな平成ガメラは細部まで気迫がこもり迫真の迫力でした。

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 展示されていた樋口真嗣特技監督の平成ガメラ内部図解スケッチが興味深い。

" 「アトランティス人の作った生体融合炉」「炉心容器として甲羅を持った巨大爬虫類の化石を使ったらしいぞ」「全身を循環する冷却液は"緑色の液体"だ‼︎」「制御棒(石板)」「プラズマチェンバー エネルギーを圧縮する」。"

 まるでシン・ゴジラの兄弟だ!(^^)

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 次のコーナーは、永井豪『デビルマン』。
 ここは漫画映像と都市の競演。できればデーモン一族を造形で見せて欲しかったと言ったら、欲張りすぎだろうか。

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 こちらも圧巻の森ビル都市模型。ミニチュア東京を襲うガメラも豊洲市場はお気に召さない様子。

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 そして最終展示コーナーはこちらのレギオンとイリス。実際に撮影に使われた着ぐるみらしい。記憶していたより鋭角的なデザインだったんですね。イリスは電飾もあり、生物というよりメカ的なイメージが強い感じ。

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 展示会場から外へ出たところで、特撮図書ライブラリーと軽食コーナー。

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 図書とフィギュアがなかなか充実していて、こちらも楽しめます。
 そして昼ごはん食べてなかったので、お約束のガメラバーガー、何故かチキンのバーガーでした。亀の味はチキン?(^^)

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 そしてこの軽食コーナーから観た国立新美術館の端正な景勝。
 次はここで開催されているダリ展へ向かいます(来週の更新になりそうです)。

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2016.10.17

■感想 『この世界に生きている – 加藤泉 × 陳飛 : LIVING IN FIGURES IZUMI KATO × CHEN FEI』展

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この世界に生きている – 加藤泉 × 陳飛

"2016.9/18-12/18 @富山県入善町 発電所美術館

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加藤泉は、独自のプリミティブな形象をもつ「人」をモチーフに、油彩画と、木やソフトビニールを素材とした彫刻を制作しています。加藤の手から生み出される、胎児や民俗彫刻を思わせる「人」は、時に植物や地と交わり、根源的な生命感を放ちます。平面と立体を行き来する中で表現が磨かれ、迫力やユーモア、愛らしさなどさまざまな表情を見せる存在となっています。

日本で初の発表となる陳飛は、大学で映画を学んだ経験をもとに、物語的な情景や意味ありげなシーンなどを絵画で活写。人間の業を見つめ、時にユーモアも交えて表現しています。それはあたかも一人で創作できる映画のよう。一人っ子政策後に生まれ、欧米や日本の資本主義社会や文化の影響を受け、自国との間で問題意識を抱えながら新しい表現を模索する「ポスト1980年代」の作家です。改革開放後の急激な近代化の中で生まれ育ってきた世代の葛藤を、重層的に描写しています。

本展で、加藤は新作の絵画と3メートルを超える大型彫刻などおおよそ12点、陳飛は大作の新作絵画と彫刻1点を含む約12点の作品を展示します。"

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 カナザワ映画祭の前に、お隣の富山県に立ち寄り、これも念願だった富山の発電所美術館に行きました。

 もちろん御目当ては、加藤泉さんの木造彫刻と絵画。あの土俗的な雰囲気に痺れているBPですので、カナザワ映画祭の時期に、ちょうどこの展覧会開催を見つけた時は、とても嬉しかったので勇んで行きました。

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 発電所の遺跡に佇む加藤泉さんの彫刻、まさに異世界がそこに現れた様な空間が素晴らしい。上の写真は、まさに発電所の発電機と操作パネルの前に展示された木製の彫像とソフトビニール製フィギュア。
 操作パネルのアナログなメカ感とプリミティブな造形の奇妙なコラボレーション。

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 日本の特撮は、その生まれに数々の美術家が参加され、キュヴィズムやシュルレアリスムとの親和性が高いのだけれど、それを刷り込まれている我々世代には、このアートと発電所のメカ感の融合は素晴らしく興奮させるヴィジュアルになっています。

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 富山の融雪の水を讃える山々から流れ着いた水流による発電。その跡地が広い空間の展示スペースになっているこの独特の美術館空間で観る加藤泉作品の魅力は格別です。上の写真の穴は上流から水を通していた穴を効果的に使った展示ビュー。穴の中へ入って眺めた情景も素晴らしいものがあります。

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 そしてコラボ展となっている中国人アーティスト 陳飛の作品。これも発電所の水流のパイプの中を使った展示で右の女性フィギュアを置くなど、空間を利用した展示も魅力的です。

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 陳飛さんは大学で映画を学んでいたとのことで、絵画作品には各種の映画を思わせるビジュアルに親近感を持ちます。
 右の女性の腕には、「FIRE WALK WITH ME」とリンチファン、ツイン・ピークスファンを喜ばせる刺青が。

 富山県入善町の発電所美術館、他に類を見ない独特の展示空間で美術館好きとしてはその展示室だけでなく、建築を見るのも楽しく見所の多い施設です。

 ひとつ残念なことに駅から遠く、バス等の公共交通機関がなく徒歩(1時間以上かかりそう)か、タクシー(15分くらい)で行くしかないため、注意が必要です。自家用車もしくはレンタカー,レンタサイクルをオススメします。

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2016.09.12

◼︎感想 ヤノベケンジ個展 「CINEMATIZE シネマタイズ」図録DVD @高松市美術館

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 先週観てきた「ヤノベケンジ シネマタイズ展」の図録について、紹介する。上の写真がそのパッケージ。この中に4枚のDVDと10ページのリーフレットが付いている。

 今回の図録のメインはDVDディスク4枚。企画展のコンセプトである作品の映画的な物語性、というところに合うような、動画化されたヤノベ作品の記録である。まさに図録自体が、「シネマタイズ」されたものとなっている。
 各4枚のディスクについて、以下、簡単な紹介と感想です。まず全体のコンテンツは以下の画像を参照。

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 ディスクには、「CINEMATIZE」の文字とチェルノブイリへ入ったアトムスーツの画像。各ディスクの内容は、以下ディスクごとに、そのメニュー画面でコンテンツを紹介する。

◆Disc.1

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 これが今回の展示を紹介するメインディスク。会場でも流されていた「映画 "BOLT" 予告映像」「"CINEMATIZE" 予告映像」、そして「CINEMATIZE メイキング映像」のロング版。合わせてそのメイキング映像にも含まれている「林海象インタビュー」と「永瀬正敏インタビュー」。そして最後に福島ビエンナーレについて「渡邊晃一インタビュー」。

 「CINEMATIZE」に込められたもの、「BOLT」でのヤノベと林海象のコラボレーションの詳細がとても興味深くドキュメントとして述べられている。
 ヤノベファン、林海象ファンはもちろん、アートと映画のコラボレーションについて興味のある向きには必見。

◆Disc.2

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 こちらの冒頭は、まず「シネマタイズ」についてのヤノベ氏の説明。ここではヤノベが「大阪万博会場の未来の廃墟」で受けた子供時代の影響から、初期の作品、そしてサヴァイバル、リヴァイバル、トらやん、そして311後の作品へと繋がっていく。
 そして「"シネマタイズ"ガイドツアー」ヤノベ氏本人による会場各作品の詳細解説。これは高知が遠く来訪できなかったファンには、展示会の全貌がわかる擬似ツアーとなっていて、たいへん貴重。のちに詳細を述べるように本DVD図録は、高知市美術館のショップ通販でも購入できるとのことなので、ファンは是非お申し込みを。

 僕が興味深かったのは、Disc.1,2で述べられているヤノベケンジの福島でのプロジェクトについて。よく知らなかったのだけれど、福島の地元企業(酒造)と太陽電池ファーム(会津電力と飯館電力)にオブジェクトを制作する企画とのこと。
 「シネマタイズ展」でも展示されていた「風神の塔 : IITATE Monster Tower」は、飯館電力に建てる予定のモニュメントとして企画されたものの、1/2像とのこと。"IITATE"と銘打たれていた理由がここでわかった。

 このプロジェクトが実現したら、僕も福島現地へ是非行ってみたいものだ。

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 Disk.2の後半は、過去作の動画。ここはデビュー作「タンキングマシン」にはじまる最初期作品の展示紹介動画。初期作は、現在、ヤノベケンジ作品の動画を撮影編集されている青木兼治氏と別の、石橋義正氏による映像(「TANKING MACHINE」「妄想砦のヤノベケンジ」)。
 現在の落ち着いた雰囲気とは別の血気盛んな若々しい(かなりやんちゃな)ヤノベ氏作品の雰囲気が興味深い。

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◆Disc.3

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  「アトムスーツ」プロジェクトから、「ウルトラ - 黒い太陽 -」、「ザ・スターアンガー」、そして あいちトリエンナーレ「太陽の結婚式」「パンテオン - 神々の饗宴 - 」まで。近作の記録映像である。
 僕は2004年からこの究極映像研でこのあたりの作品について、追いかけているので、それぞれにとても懐かしい想いも湧き、当時のことを思い出しつつ拝見した。

◆Disc.4

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 こちらは過去作から近作まで幅広い時代作品をまとめて観られる、ある程度長めの動画。ヤノベケンジ作品の全体像をつかむには、優れた映像記録になっている。
 特にやはりメイキング映像がとても興味深い。ここらあたり、特に京都造形芸術大ウルトラ・ファクトリーの学生さんたちの活躍が見られて、近作がウルトラ・ファクトリーなしには成立しない関係性が制作プロセスを見ることでとてもよく理解できる。

図録の通信販売 | ショップ | 高松市美術館公式サイト

"高松市美術館では、開催された展覧会図録及び収蔵品図録のうち、在庫があるものについて通信販売を行っております。

「ヤノベケンジ シネマタイズ」   

発行年:2016年7月
重量:206g 価格:1,980円 送料:¥215"

 こちらのサイトで、通信販売が開始されています。
 興味を持たれた方は、詳しくはリンク先のショップページをご覧になって、ご購入を検討ください。値段も手頃で、とても充実した映像記録なので、お薦めです。

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2016.09.05

■感想 ヤノベケンジ個展「CINEMATIZE シネマタイズ」 @高松市美術館


BOLT Teaser - YouTube

ヤノベケンジ個展「CINEMATIZE シネマタイズ」 高松市美術館 | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY

"ヤノベケンジ展 「CINEMATIZEシネマタイズ」
2016 年7 月16 日(土) ~ 9 月4 日(日) [会期中無休]
高松市美術館公式サイト
「シネマタイズ」とは、ヤノベがストーリー性とキャラクター性のある虚構的作品を様々な場所に設置するととで、空間や現実自体が映画のように変容する効果を意味しています。 初期から最新プロジェクトまでの実作の展示 に加え、資料展示やドキュメンタリー映像の上映を通して、ヤノベ作品によって「シネマタイズ」された様々な空間や現実の歴史を追います。さらに、展示室全体を映画セットにするインスタレーションが行われ、実際の公開映画のための撮影も予定されて います。まさに、美術館自体が「シネマタイズ」される画期的展覧会です。"

映画『BOLT』公開撮影を行います!

"高松市美術館特別展「ヤノベケンジ シネマタイズ」(9月4日まで)において、映画『BOLT』の公開撮影を以下の通り実施します。

2016年8月29日(月)~9月4日(日)9:30~19:00(日曜~17:00)※入室は閉館30分前まで

【 撮影の観覧方法 】
・企画展示室(2つ目の展示室)にお進みいただき、観覧スペースから撮影風景をご覧いただきます。"

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 会期最後の週末9/3(土)に、高松市美術館のヤノベケンジ『シネマタイズ』展を、観て来た。ヤノベ作品の歴代広範囲の展示と、世界初と言われる美術館での展示作品をセットとして利用した映画撮影とその撮影風景そのものを展示物としてしまうというインスタレーション。

 今回の展示作品は、今までのヤノベ個展等でほぼ全て観ていたので、僕の関心は作品が作る今回の美術館の空間と、映画撮影である。まず展示レイアウトは以下の通り(拡大して配置図と作品リストを御覧下さい)。
(★今回の中心テーマは「映画撮影」ですが、それについては後半で述べます。)

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◆歴代作品の展示 と 未来
 まず展示空間としては、美術館の広いエントランスホールを入ると、フローラとサン・チャイルドNo.2の巨大な姿。ホテルのような開放的なホールの近代的な建築とマッチして、華やかな未来的な空間を作っている。

 そして2Fへ上がって、時代ごとテーマごとにヤノベ作品の時代ごとの全貌を紹介している。時期ごとに初期から以下の順に展示されている。各時期の代表作が展示されていて、ヤノベ作品がどう推移しているのか、コンパクトに全貌が分かる。

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「1.誕生 Rebirth」
「2.サヴァイヴァル Survival」
「3.アトム・スーツ Atom Suits」
「4."未来の廃墟"への時間旅行 Time Travel to "The Ruins of the Future」
「5.未来の太陽 The Future Sun」
「6.リヴァイヴァル もう一つの太陽 Revival : The Another Sun」
「7.トらやんの大冒険 ヤノベケンジの代弁者 The Great Adventure of Trayan : The Agent of Kenji Yanobe」
「8.シネマタイズ CINEMATIZE」
「9.風神の塔 IITATE Monster Tower」。


 僕が今回の展示で、初めて観た作品は
「5.未来の太陽 The Future Sun」のコーナーにあった「太陽の島」(模型と構想図 右写真)。
 以前あいちトリエンナーレで「太陽の神殿 サン・チャイルド島」という神殿を模したアート展示場兼結婚式場というプロジェクトは、その模型と合わせて壮大な企画を見たことがあったけれど、今回はそれを超える壮大なもの。

 島全体がリゾートで、巨大なアリーナと宿泊施設、そしてアートギャラリーが一体となり、亀の島を形成している。

 ヤノベケンジによるプロジェクトは、どんどんと妄想を増し、ついに会場に浮遊する島。「太陽の神殿」という建築を超え、巨大な都市の創造へと向かっているようだ。
 次は宇宙を飛ぶ人工宇宙都市へと妄想の力を広げていくのかもしれない。(という僕の妄想(^^;))


◆インスタレーション 映画撮影

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 特に林海象監督による映画撮影は、アトムスーツが福島原発事故の現場へ投入された虚構を、美術展の中で観客にも疑似体験させるという画期的な試みだったかと思う。


 実は最初、会場で撮影の準備を見ながら、撮影の待ち時間にいろいろと考えていたのは、以下のようなことであった。

 美の展示場に、映画の現場というバックヤードが現れて、会場を土方な現場に変貌させてしまう違和感がまずあった。
 
ハンドジャッキやディレクターズチェアやトンカチや電源コードやガムテープが存在する雑然とした美術展空間にまず違和感を持つ。

 違和感を異化作用として、作品のように変貌させる手がないかどうか。美術展での映画撮影という前代未聞のイベントはそうした課題を残したのかもしれない、なーんてことを思っていた。

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 しかし、撮影が始まり展示場の照明が消され、映画の照明が原発の高濃度放射能汚染水のタンクに模した「黒い太陽」と永瀬正敏の黄色いアトムスーツ姿に照射された時、会場は一瞬にして虚構の原発事故現場に変貌したような(錯覚かもしれないが)感想を持った。

 監督が観客に説明されたのは、このシーンは、映画「BOLT」のクライマックスで永瀬正敏と金山一彦が、原発事故(展示されていた企画書には2011.3/11と明確に書いてあったが説明ではある原発と言われていた)で臨界を超えて
紫のチェレンコフ光を放つ空間に、アトムスーツで決死の作業に向かうシーンだという。

 暗くなって雑多な準備品が見えなくなり、まるで映画フィルムが現場のカメラのカットでのみ切り取る映画空間に近いものが照明の効果によって展示会場に現れたのかもしれない。


 そしてその時に僕が思ったのは、以下のような感想である。
 チェルノブイリにアトムスーツで潜入し、事故を作品として芸術に取り込むことに、
そこに住む住人と会ったことで罪悪感を感じたヤノベが、今回、初めて展示の形として、アトムスーツを福島原発事故の現場に投入したのはとても画期的ではないか、ということ。

 福島でもいろいろな活動をするヤノベケンジであるが、チェルノブイリの時のように、安易にアトムスーツで原発事故現場周辺に行くようなことはしていない。それはそこに住む/住んでいた住人の人々の感情を慮ってのことではないだろうか。

 それが今回、アトムスーツがチェルノブイリに続いて、原発事故の現場に立つ。
 虚構の映画空間を利用することで、ひとつ芸術としての昇華を達成し、禁断としていた原発事故に直接切り込むような表現が可能となったのではないだろうか。

 そこらあたりの作家の感情的な変化については、どこかで是非伺ってみたいものである。ただ、映画という虚構とヤノベの「妄想」の掛け算ではじめて実現した画期的な出来事であるように、その映画撮影風景を観たときに僕には思えた。

 そして撮影現場では、その「黒い太陽」に対峙するように、観客側には「風神の塔:IITATE MONSTER TOWER」がその巨大な姿を現している。
 福島に伝わる伝承(
オンボノヤス,大多鬼丸)に見立てた「風神の塔:IITATE MONSTER TOWER」は、風を「黒い太陽」に送り、150人程の観客を放射能から守る形になっていたのではないか。

 原発事故で戦うアトムスーツ姿の男たちの虚構のシーンを、見守る観客を守る風神の名は、飯館村から取られた「イイダテ・モンスター・タワー」。ヤノベが原発事故によって感じてきたいろいろな事象がこの展覧会会場に込められていたのではないかと思う。



 今回の展示と撮影は、京都造形芸術大と東北芸術工科大の大学生がボランティアスタッフで大いに活躍されたとか。彼らは近所の神社に合宿して撮影に参加したとのこと。暑い夏に本当にご苦労様でした。末筆ではありますが、素晴らしい作品をありがとうございます。

 予定されている2017年の映画公開、楽しみにしています。またその映画と美術作品とを展示した新たなる「シネマタイズ」展も期待しています。


◆その他 メモランダム

・SF番組からスタートしたヤノベのものづくり(仮面ライダーのコスチュームとかガメラを学生時代に作っていたとか)が、ここで映画と融合する必然w。
 
・美術館の天井に合わせて無理矢理円錐部を切り取られた黒い太陽が痛ましい。もう少しあの会場の天井が高かったら、もっとあの空間の異質さは増していたのではないかと残念。

実は出演者としてクレジットされていた、(林監督作品「濱マイクシリーズ」の脚本を担当した)天願大介の作品に最近良く出ている月船さららを会場で観ることを楽しみにしていたのだけれど、残念ながら既に撮影シーンは終了していた様で、姿はもう会場で上映されていた8/29,30の撮影風景のビデオのみ。

 それはタンキングマシーンに洋服で入るシーンで、物語の中で、どういう位置付けのシーンになるか、想像力を刺激する。

・林海象監督はデレクターズチェアに座り、スタッフが準備する間、じっと何かを考えていた。あの探検隊の帽子はトレードマークなのかな。短パンと白いハイリックスに帽子が妙にマッチしている。
・撮影会場は永瀬正敏と金山一彦といった俳優ファンの女性たちが多数いらっしゃったようです。僕のようなおじさんは少なく少し浮いた感を持ったのだけれど、会場で少しだけ山形浩生氏に似た方を見かけたのは気のせいか。たぶん違うだろうけれど、以前からヤノベ作品を評価している山形氏がもしあの撮影インスタレーションを見られていたらぜひ感想を聞いてみたいものです。

・金山氏のあいさつが面白かった。会場の
3歳児とやりとりしながら「今からピカチュウみたいな服を着て現れるよ」。アトムスーツは確かに黄色くて似ている(^^)。
禍々しい黒い太陽が安全をアピールすべき原発で、冷却水タンクの意匠として採用されることはありえないだろう。但し、原発の禍々しさを心象風景として表現する抽象かの結果としてはありえたかもしれない。

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