文化・芸術

2019.04.22

■感想 「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」@ミホ・ミュージアム 滋賀県信楽

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「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」

"会期 2019年3月21日(木) - 5月19日(日)
開館時間 午前10時~午後5時 (入館は午後4時まで)
休館日 月曜日 ※4月29日(月)、5月6日(月)は開館 4月30日(火)、5月7日(火)は休館"

 「大徳寺龍光院 国宝曜変天目と破草鞋(はそうあい)」展@MIHO MUSEUM、観てきました。
 ゴールデンウィークで混む前にと思い、4/20土曜の15時くらいに行って約45分待ち。美術館に入場して、曜変天目の展示会場前で30分、会場に入ってそこから奥に置かれた曜変天目のところまでの行列で15分待ち。

 世界に3つしか存在しないという曜変天目の宇宙を拝んできました。

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 ちょうど美術館構内のしだれ桜も満開で桃源郷にブラックホールを観る想い(^^)。美術館手前のしだれ桜は、美術館専用の歩道のトンネルの中から観た光景がまた素晴らしいものでした。半円形の望遠鏡から覗く景色。

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 展示タイトルの「曜変天目と破草鞋」は、会場前にあった説明書き(上写真)によると、貴重すぎて値の付けようのない「曜変天目」は「破草鞋」 (やぶれたぞうり)と同じであるという禅的解釈から来ているとのこと。
 「破草鞋」も展示されていると期待したのだけれど、美術館の方に尋ねると、それは雰囲気を味わってほしい、ということで実物の展示はされていないとのこと。残念!! w

◆関連リンク
【音声配信】「その輝きは、まるで宇宙!?世界に3つしか現存しない国宝『曜変天目』
 その秘密と魅力に迫る!」荻上チキ×橋本麻里×長谷川祥子▼2019年4月12日(金)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」平日22時~)

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2019.03.20

■情報 「デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国」展 @ GYRE GALLERY

"デヴィッド・リンチ 精神的辺境の帝国
会期:2019年4月19日〜6月23日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE3階
開館時間:11:00〜20:00
休館日:無休"

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〈GYRE GALLERY〉第1弾はデヴィッド・リンチにフォーカス。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS.

"映画監督、脚本家、プロデューサー、ミュージシャン、アーティスト、俳優としても活躍するデヴィッド・リンチは、シュルレアリスティックな作風と個性的な映画スタイルを確立した、“カルトの帝王” とも呼ばれている。この本展はタイトルにもなっている「精神的辺境の帝国」というコンセプトに合わせ、デヴィッド・リンチ本人とキュレーターを務める飯田高誉により選びぬかれたペインティング7点、ドローイング3点、工業地帯の写真22点、水彩画12点(予定)が展示される。これらは、リンチ初期の代表作『イレーザーヘッド』と、その映画ロケを行った制作現場のフィラデルフィア工業地帯へのインスピレーションに捧げたものとなっており、リンチの創作の原点を見据えた展覧会構成と言える。

「ペインティングと映画には、従うべきルールがある。このルールは、とても親密なもので抽象的なものである。なおかつ、無限の可能性を秘めている。ときにこれらのルールは存在しないとさえも思わせるほどだ。しかし、確かに、ルールは存在する。それらのルールは本には書かれていないが、我々の精神と心の中に内在する。行動と決断の直前、あるいは直後に、それらは直感を通してその存在を現す。これらのルールは、すべての表現媒体に適応する。それらに従えば、幸福がもたらされる」とコメントを寄せている。"

 デイヴィッド・リンチの日本での7年ぶりの美術展(前回は、2012年11-12月のデイヴィッド・リンチ展 〜暴力と静寂に棲むカオス@ラフォーレミュージアム原宿)。

 規模から言うと前回のラフォーレの展示に比べると随分こじんまりとしたものになる様だけれど、現在のリンチの日本での知名度(映画は『インランド・エンパイア』以降作られておらず、傑作『ツイン・ピークス シーズン3』はWOWOWのみの公開)からは、開催されることだけでもファンは喜ばないといけないだろう。

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 この左の写真は、『ツイン・ピークス season3』の造形物を想起させずにはおかない。今回、22点の写真作品が公開されるとのことだけれど、こうしたリンチ独特のデッドテックな工場地帯の写真、生で見るのは初めてなので、大変楽しみ。

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 そして絵画作品は、ペインティング7点、ドローイング3点、水彩画12点の合計22点を計画しているという。ラフォーレミュージアム原宿での展示の際、大判のペインティングが素晴らしい迫力だったのだけれど、今回、どの程度の大きさの絵画作品が並ぶのか、楽しみに4月を待ちたいと思う。

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2019.03.18

■動画 ヴィアレッジョ2019年のカーニバル 満潮 "Carnevale di Viareggio 2019 - Alta marea"


Carnevale di Viareggio 2019 - Alta marea - YouTube

 イタリアのカーニバル Carnevale di Viareggio のパレード。巨鯨のアート作品。
 鯨の口に入っているのは、海に投棄されたプラスチックとのこと。環境問題を提起したアート作品になっている。そうした問題意識よりもインパクトのある、この巨鯨の造形が素晴らしい。

 鯨表面の猥雑なテクスチャアとか、鯨の体の動きとか。なかなかの完成度で、近くで是非観てみたいものです。


Goldrake Generation... anche dall'alto! - Carnevale di Follonica 2019 - YouTube

 こちらは同じカーニバルの全高約15mのグレンダイザー!
 ビルや人々のコスチュームも含めて、欧州のグレンダイザー人気は根深く定着している様です。

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2019.03.11

■情報 デイヴィッド・リンチ イギリス初のアート展 "David Lynch: My Head is Disconnected"

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David Lynch: My Head is Disconnected - HOME

Google翻訳引用
“David Lynch:私の頭はディスコネクトされた

2019年7月6日 - 2019年9月29日
 1960年代後半から60以上の奇妙で素晴らしい作品をフィーチャーして、我々が先駆的な映画監督と芸術家デビッドリンチによる作品の最初の英国の主要な展覧会を主催するように現代。

 Elephant Man、Blue Velvet 、TV番組Twin Peaksなどの映画で最もよく知られていますが、私たちの多くはすでにリンチのオンスクリーンビジョンに精通していますが、ペンシルベニア美術アカデミーを卒業して以来、彼は絵画、彫刻、写真、そして絵を描くことで、日常生活の内的な働きをまとめます。 彼の作品では、平凡なことは暗くて風変わりな内部探査の機会を提供しています。 傷のある、焦げた、そして立体的な形をしたリンチの表面は、魂への窓のようなものです。

 私の頭は切り離されています
 彼の壁ベースの彫刻作品の主要な展覧会です。4つのテーマは40年以上にわたって発展してきた芸術的経歴を結びつけます。
 展覧会の最初の章では、 City on Fireという題名で、極端なディストピアンの風景と、それが住む人々に与える影響について探ります。 何もないここでは、一連の幅広いキャラクターを通して人間の精神と心の脆弱性を見ています。
 インダストリアルエンパイアは、労働、産業、そして環境のテーマに関する絵を描いています。
 展覧会の最後の章、 Bedtime Storiesは 、彼の暗い物語とキャラクターを彼ら自身の宇宙で一緒に折り畳むリンチによる新しい作品を特徴とします。 私の頭が切断されているのと同時に、HOMEのDavid Lynchも特別にキュレーションされた音楽イベントと映画の回顧展を特集します。“

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 デイヴィッド・リンチのイギリス初 マンチェスターでの展覧会の公式HPの記事。

 まだ少し先の7月からということだけれど、展覧スペースは4つに分けられて、映画とアートと音楽イベントが開催されるということで、かなり大規模な展覧会になっているようです。
 夏休みにイギリス旅行を企画されている方にはお薦めです。

 日本でもすでに何年も開催されていないため、デイヴィッド・リンチのアート展、どこかで開いて頂きたいものです。

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2019.03.06

■感想 特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」@名古屋市博物館


特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」スペシャル映像 - YouTube

特別展 挑む 浮世絵 国芳から芳年へ:中日新聞(CHUNICHI Web) 名古屋市博物館

"怪奇、快感。  旺盛な好奇心と柔軟な発想、豊かな表現力を武器として浮世絵のさらなる活性化につなげた歌川国芳 (1797年から1861年)。本展では国芳の武者絵を中心としながら、月岡芳年(1839年から92年)ら弟子たちの作品にもスポットを当てます。"

 『国芳から芳年へ』@名古屋市博物館 観てきた。浮世絵鑑賞初体験。怪異画、妖怪画、奇想画、残酷画のオンパレードで正に眼の保養となったw。

 やはり国芳の過剰なイマジネーションが突出してる。この奇想を描かずにおれない、内部的な衝動、素晴らしい。江戸末期のワイドスクリーン映像、国芳にも影響したという講談の語りとともに観ると、江戸の人々は脳内で素晴らしいスペクタクル映像を体験していたことが伺えて楽しい(^^)。

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 この展覧会、写真撮り放題ということで、沢山iPhoneに奇想を積み込んで家路に着いたのですw。

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2019.02.04

■感想 ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』"DON’T SLEEP, THERE ARE SNAKES Life and Language in the Amazonian Jungle"

" 著者のピダハン研究を、認知科学者S・ピンカーは「パーティーに投げ込まれた爆弾」と評した。ピダハンはアマゾンの奥地に暮らす少数民族。400人を割るという彼らの文化が、チョムスキー以来の言語学のパラダイムである「言語本能」論を揺るがす論争を巻き起こしたという。(略)
 ピダハンの文化には「右と左」や、数の概念、色の名前さえも存在しない。神も、創世神話もない。この文化が何百年にもわたって文明の影響に抵抗できた理由、そしてピダハンの生活と言語の特徴すべての源でもある、彼らの堅固な哲学とは……?
 著者はもともと福音派の献身的な伝道師としてピダハンの村に赴いた。それがピダハンの世界観に衝撃を受け、逆に無神論へと導かれてしまう。ピダハンを知ってから言語学者としても主流のアプローチとは袂を分かち、本書でも普遍文法への批判を正面から展開している。"

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 僕たちSFファンにとっては言語と人類というと、かならず思い出すのが山田正紀『神狩り』。そこには関係代名詞が13重以上の言語が登場し神の言語を幻視させる。
 
 ここに出てくる現在は400人くらいしか残っていないピタハンの言語は、入れ子構造を取ることがない。
 関係代名詞ということではなく、リカージョン:再帰(入れ子構造)の語法自体がないということなのだけれど、思わずSFファンなら『神狩り』を思い出すだろう。
 しかしこの本では、キリスト教の伝道師としてアマゾンへ入った著者がそのピダハンの生活にふれるうちに、創世記、神といった概念も存在しないピダハンの平安な暮らしにふれるうち、神を信じられなくなり、家族をなくすことになっても、「脱信仰」宣言をすることになる。

 『神狩り』が関係代名詞の数で神の存在を描き出したのに対して、そうした再帰的な言語構造のないことから、神の不在を徹底して体感してしまう著者。神を殺すのに関係代名詞/再帰がないことが一つの証明になる、というところがなかなか興味深い。

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 山田正紀の「神」が何だったかは本篇と第二部でも直接は語られていない。しかし物語から浮かび上がってくるのは、神が(言語によって)人の産み出した概念的な存在である、ということである。そんな理解をしつつ『神狩り』を読んでいた僕には、このピダハンが概念というものを持たない存在である、というところがダニエル・L・エヴェレットから「神を狩ってしまう」ことがとても印象深かった。

 ピダハンの言語には、右と左、数、色、過去/未来といった概念的なものがない。彼らが重んじるのは、言語で語られる事柄が、語る相手の経験したことか、直接経験した者から直接聞いたものかどうか。夢や精霊といったものも含み、現実に即した物事のみが語られる。

 この等距離で物事を語ることから、彼らは「心配」という概念も持たず、物事が複雑化したり、誤解が拡大したりといった事象から無縁。これにより筆者が書くようにこの世の中で最も幸福な民族として存在しているという。
 他の民族が西欧的な文明化をするか、現在の文明を維持するかで悩んでいるのに対して、ピダハンはそのような悩みも持たない。

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 僕はチョムスキーの普遍文法というのはあまり興味がなく、また著者が執拗にチョムスキーの対語として書いている文化が言語に影響されている、という考え方もあまりに当たり前すぎて、なぜあえてそんなところに議論の命題をおくのかな、と思ってしまうので、そこんところをあれこれ批評しようとは思わない。

 言語/意識が幻想を作り出す一つの装置であると思うので、ピダハンが直接体験することのみを言葉で語ることにしているところが、そうした人の持つ概念や幻想を生じさせることなく、人と人の軋轢や争いを生み出していないところが最も興味深いところだった。
 直接本書には書かれていないが、この体験したことのみを語るということと、リカージョン:再帰がないということは、おそらく密接に関係しているだろう。
 つまり再帰して入れ子構造になる程、事柄の関節性が高くなっていく。それがピダハンが直接体験したこと以外の概念的なこと、関節的なことを語らないのは、まさに文化が言語と密接に結びついていることの証左ではないだろうか。
◆関連リンク


Spoken Pirahã with subtitles - YouTube
 こちらにピダハンの言葉を捉えた動画があります。


The Amazon Code - 動画 Dailymotion

Eテレ「地球ドラマチック選 『ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民』」への反応 - Togetter

Eテレ「地球ドラマチック選 『ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民』」への反応 (3ページ目) - Togetter.

"ピダハンがチョムスキーの「普遍文法=再帰」の反証になるとすれば、それは「ピダハンのこどもは再帰を含む文法構造を持つ言語を獲得できない」ということが示された時です。そして現在ピダハンのこどもがポルトガル語を学んでいるという情報から考えて、そういうことが起こる可能性はとても低いです。"

 僕は上述したように特に強い興味はありませんが、エヴェレットのチョムスキー批判について冷静な分析を、アニ@gorotakuさんという方が、うまく纏められています。参考に。

ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民|地球ドラマチック – テレビのまとめ.

ノーム・チョムスキーは「リカージョンはあらゆる言語に存在する」としています。これはチョムスキーが唱え言語学界の定説となっている理論「普遍文法」の最も重要なルールなのです。
チョムスキーが唱える普遍文法とは、文法は生まれつき人間の遺伝子の中にそなわっているとする理論です。この理論によると人間の言語は表面的な違いに関わらず、全て同じ構造を持っていると言います。
 本書のポイントを簡潔にまとめられている。

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2019.01.16

■写真レポート ルーブル彫刻美術館 : Louvre Sculpture Museum

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ルーブル彫刻美術館 - Wikipedia

" ルーブル美術館の世界唯一の姉妹館である。「姉妹館」であって「分館」ではないため、ルーブル美術館の公式サイトには掲載されていない。
 建物は黒川紀章が設計したもので、1987年(昭和62年)に開館した。開館時にはルーブル美術館館長が訪れ、年間10万人の来館者があった。

 館内の作品はルーブル美術館にある、彫刻作品約1300点を本物から直接型をとり作成したレプリカを展示している。サモトラケのニケやミロのヴィーナスはじめとして、日本に居ながらにして彫刻作品を楽しむことができる。
 常設展示作品はルーブル美術館のほか大英博物館やメトロポリタン美術館など欧米の有名美術館のものもある。"

 三重県津市 ルーブル彫刻美術館へ行ってきた。
 本家の正式姉妹館とのことで、彫像はいずれも本物から型を取ったレプリカ。ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ、自由の女神と千手観音、阿修羅像が同時に並ぶ異界。B級感覚に痺れます(^^)。

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 ローマの彫像の後ろに千手観音の背面。そのさらに奥(美術館入り口)にはツタンカーメンの像、天使たちとサモトラケのニケが、本家ルーブルと同じガラスのピラミッドの空間に展示されている。

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 これらの像を一度に全て見られるのは、なかなか貴重です。
 写真も自由ということでたくさん撮ってきましたが、彫刻作品は以前からここに書いているように3D写真、3D動画で記録するのが最適なので、3Dハンディカムでしっかり撮ってきました。

3D Photo Fun
 3D動画はなかなかネットでの公開は難しいので(Youtubeでやればすぐか、、、w)、Facebookの新機能の疑似3Dフォトとして、リンク先に掲載してみました。ご確認いただければ幸いです。

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 外壁にはナポレオン像とモナリザ。美術館前には全高7-8mのミロのヴィーナス、サモトラケのニケ、そして何故か自由の女神が建てられています。

 すぐとなり、同じ宗教法人の施設として大観音寺という寺社(?)があり、そこには高さ33mの大観音像、七福神等々が置かれている。西欧の至宝から仏教芸術まで、巨大な彫像含め堪能できるB級空間です(^^)。

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2018.08.15

■感想 ベリンダ・サリン監督『DARK STAR/H・R・ギーガーの世界』


『DARK STAR/H・R・ギーガーの世界』予告編 - YouTube

映画『H・R・ギーガーの世界』オフィシャルサイト

"H・R・ギーガーは、チューリヒの中心部で、自給自足同然のパラレルワールドに住んでいた。それは「ダーク・スター」であるH・R・ギーガーを中心に据えた、別の宇宙であり、他のすべてのものは彼の周りを回っていた。時間からもぎとられ、閉ざされたシャッターの向こう側にあるこの宇宙では、昼と夜が溶け合っている。彼の王国について知る者は家族と親しい友人たち、数名のアシスタントのみである。彼はその世界を、愛するゆえに創ったのではない。人懐っこく控えめでユーモラスな男が恐怖心をコントロールするためにはそうするしかなかったのだ。だから彼は我々の悪夢を図面化し、我々の潜在意識の地図を描き、我々の初源的恐怖の鋳型を作った。"

 ベリンダ・サリン監督『ダークスター H・R・ギーガーの世界』WOWOW録画 初見。スイスのギーガーの自宅を主要撮影場所にして、晩年のギーガーの創作風景と私生活を描いたドキュメンタリー。

 特にギーガーの自宅の庭と室内、そこに置かれた作品群によって独特の「美的感覚」にあふれた情景が素晴らしい。これはギーガーのある意味、脳内世界の顕現だろう。

 特に子供の頃に衝撃を受けたという「幽霊列車」を、胎内道を見立てて描き出したオブジェ群。走る列車に嬉々として子供のような表情で乗っているギーガー。
 創作風景としても鉛筆でのスケッチ、エアブラシで実際のギーガーの手元からあの絵画が生み出される瞬間が記録されている。

 幼少期の姉とミイラを見に行った時の衝撃的な体験、3人のパートナー、特に自殺してしまった初めての妻リーとのエピソード、『エイリアン』撮影時ギーガー自身が自らの手でセットを作っているメイキング映像、晩年に自費を投入して作ったギーガーズバーとギーガー美術館の計画風景等々が生々しくギーガーの人とその脳内風景を描き出している貴重なドキュメンタリー。ファン必見です。

 映画の中で、「自分の中にある不安を絵や造形として表現することで、ギーガーは安心感を得ていたのではないか」というコメントがある。この言葉はすんなりと自分の中に入ってくることはなかった。このあたりのギーガー本人の言葉を映画の中で聴いてみたかったと思う。"Dark Star"ギーガーの闇の光のコアは、たぶん彼の死と共にこの世界から失われたのだと思う。

◆関連リンク
『DARK STAR H・R・ギーガーの世界』(ブルーレイ)
McFarlane Toys『H.R. Giger: LI II Limited Edition Sculpture』
 初めての妻リーをモデルにした絵「LI II」のフィギャア。これ、ほしいですね。
『マケット エイリアン スペースジョッキー』
 映画には、このスペースジョッキーを制作するギーガーの姿も動画で収められています。

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2018.07.30

■動画 マキシム・ゼストコフ 「ボリュームス」: Maxim Zhestkov "Volumes"

Volumes - Art film by Maxim Zhestkov from Zhestkov on Vimeo

" "Volumes" はMaxim Zhestkovの4K Full CGアートフィルムで、自然の法則との感情の並置を模索しています。 何十億もの色とりどりの粒子が、目に見えない運命の風に支配された永遠の催眠バレエでお互いに踊り、遊んでコミュニケーションをとります。" (Google翻訳)

 マキシム・ゼストコフ(ジストコフ?)というCGアーティストの素晴らしい作品をご紹介。球体の蠢きが見事としか言いようがない。
 先週紹介した名和晃平氏の"フォーム"とも通ずる泡泡でワサワサ感じる作品です。

 3Dで観てみたいものです。

Maxim Zhestkov / Art & Animation(公式HP)
Maxim Zhestkov マキシム・ゼストコフ / Art & Animation.

 メディアアーティストで、Adobe、Google、Microsoft、Samsung、PlayStation、Nikeなどの世界中のクライアントの仕事を請け負っている、ということです。

◆関連リンク
VimeoZhestkov Vimeoに22本の作品が掲載されています。

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2018.07.23

■動画 名和晃平「玉座」"Throne" : Kohei Nawa


"Throne" de Kohei Nawa sous la pyramide du Louvre - YouTube
名和晃平がルーヴル美術館ピラミッドに巨大彫刻展示 CINRA.NET

" 名和晃平がフランス・パリのルーヴル美術館ピラミッド内およびロスチャイルド館で作品展示を行なうことがわかった。 日仏友好160年を記念した企画『ジャポニスム 2018:響きあう魂』の一環で行なわれる同展示。ルーヴル美術館ピラミッド内では「権力」や「権威」をテーマにした巨大彫刻作品『Throne』を発表する。

 7月13日から約6か月の展示期間中、ピラミッドの中央に浮遊する『Throne』は、「加速度的に進化を遂げるコンピュータや人工知能などが、やがて政治や経済に影響を与える絶大な力に置き換わるのではないか」という予感を「浮遊する空位の玉座」として表現した作品。

 ロスチャイルド館では(略)、泡と光のインスタレーション作品『Foam』をヨーロッパで初公開。"

 名和晃平の高さ10.4mの巨大彫刻作品がルーブルで公開された。
 リンク先の動画を観て頂きたいが、球体と立体を複合した素晴らしい造形である。
 どちらかというと今まで球体もしくは曲面形状の造形物が多かった名和作品に、直線がダイナミックに切り込んできたようなイメージ。
 これは是非立体物として、肉眼で観てみたいものである。


Japan House apresenta instalação mutante de Kohei Nawa - YouTube

こちらはスペインでの展示。「ESPUMA」はスペイン語の「FORM」、泡。

 2013年のあいちトリエンナーレで展示された作品
 小ホールくらいの広い空間に泡の山が築かれ、その間を彷徨うあの感覚は素晴らしい。あの時、3Dハンディカムを持って行ったが、何故か撮影時に2D設定になっていたため、あの空間を立体映像で持って帰れなかったのは、いまだ痛恨なのである。

 また、日本で凱旋公開してほしいものです。

◆関連リンク
名和晃平 当ブログ関連記事 Google 検索
感想 名和晃平&ULTRA SANDWICH PROJECT「フォーム」"Foam" @あいちトリエンナーレ 納屋橋会場

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