■アーサー・C・クラーク『宇宙島へ行く少年:Islands in the Sky』
アーサー・C. クラーク, 山高 昭訳『宇宙島へ行く少年』(amazon)
司会のエルマー・シュミッツが、スポットライトをあびながら叫んだ。「それでは、優勝者をご紹介しましょう。ロイ・マルカムです!」興奮で体がしびれた。え、なぜかって?ぼくの名前だったからさ!それに、このワールド航空主催の航空クイズ番組に優勝したものは、世界中のどこへでも、ただで旅行させてもらえることになっていたからだ。もちろん、はじめから行き先は決めてあった。ぼくの行きたいところはただひとつ―地上500マイルに浮かぶ島、宇宙ステーションだった!大宇宙にあこがれる少年の夢と冒険を、巨匠クラークが生き生きと描きだした傑作宇宙SF!
クラークが亡くなって何か未読の作品を読もうと思っていた。
主要作品はだいたい読んでいたので、積読になっていた1952年のジュヴナイル作品である本作を読んだ。
上の紹介文でわかると思うけれど、ストーリーはまさに少年の初めての宇宙体験を描いたジュヴナイル。
ストーリーははっきり言うと、いまでは見慣れてしまった風景で面白みはない。
しかしディテイルの書き込み、宇宙旅行を臨場感を持って描く手腕がとにかく素晴らしい。まだ人間が誰も宇宙へ出ていなかった時代に、クラークは脳内で確実に宇宙を体験していた、と思える描写。無重量と真空の描写が克明。
さて最後に表紙について。どれも少年なのかよくわからないイラスト。
特に右上の2枚目は凄い(^^;)。それにしても流線形の宇宙船と球形の宇宙島がノスタルジーを誘います。リアルにこんなデザインの宇宙船で映画化してほしかったりします。(『宇宙のランデブー』の映画化はどうなっているんでしょうか。)
◆関連リンク
・スペースコロニー - Wikipedia
・Island in the Sky (1953) これはジョン・ウェイン主演の飛行機の映画。同名。
・Atomic Rocket: Space Suits.
'50,60年代の宇宙服のイラストを集めたページ。なかなかいいですよ。
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