■『ラストシーン』中田秀夫監督(2002)
映画『ラストシーン』をBSハイビジョンで観たので、簡単な感想です。
中田秀夫といえばなにげなくレンタルビデオで観た『女優霊』のショックが今だ忘れられないのだけれど、これは『女優霊』と同じく映画撮影所を舞台に人の想いを綴った映画。ホラーではないけれど、人の想念が描かれると言う意味では、どことなく似たムードが画面に漂っている。
映画は、人の想いをフィルムに定着させる。その現場としての撮影所というのは、人の想念が漂う場所としては、似合っているのかもしれない。落ち着いたトーンで1965年と2000年の撮影所を描くこの映画の画面には、ある映画俳優の妻との想いと、映画の現場スタッフの映画への想いがいい感じで漂っている。
一番印象的なシーンは、35年ぶりに撮影所に戻った俳優三原(ジョニー吉長)と小道具係ミオ(麻生久美子)の公園のシーン。俳優の子役としての偶然のスタートの話と、使い捨てカメラによる映画用の遺影の撮影が、寂寥感をさそう。
中田監督がハリウッドで撮る『リング2』、貞子が出ないとのニュースもありますが、期待してます。
◆関連リンク。
・いいレビュウを読みましたので、リンクっと。
ラディカルな視線による愛の獲得
――中田秀夫『ラストシーン』(2002年、100分) 大沢浄さん
・DVDは→『ラストシーン』
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