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2004.05.16

■NHKスペシャル 疾走!ロボットカー

 疾走 ロボットカー
 米国国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)が主催した完全に人工知能だけで運転させるロボットカーレースの特番が放映された。

 このレースの参加者は、人工知能が状況を判断して運転する「ロボット自動車」。ロボットが、ロスアンゼルス郊外を出発点に、ラスベカス近くのゴールを目指して突っ走る、史上初のロボット自動車レースであった。

 主にセンサの紹介が中心で、認識の方法とか、自動操縦のメカ・制御については触れていなかった。まわりの認識のためのセンサより、本当はどう道路状況を認知し、走行の制御をやっているのかが技術的には重要かと。アクセルとブレーキを踏んで、ハンドル切るだけ、と言っても、人間はその時に周りの状況を見て判断するだけでなく、ハンドルからの反力や車両にかかる各方向のGとモーメント等を感じて、複雑な処理をやっているわけだから。(実際に番組ではトップを走っていた車がまわりの山道の認識は出来ていたが、ハンドルを切り損ねてリタイアしていた。)
 あと番組では無人の戦争行為が不気味であるというトーンで紹介されていたが、本当に怖いのは自動で走っていく車ではない。戦場の輸送で車を走らせる時に当然必要なのは周りの敵との戦闘である。無人走行車は必然的に無人で人を攻撃しなくてはいけないはず。このための認知/戦闘行動の人工知能開発も平行して軍で行われているはずで、本当に怖いのはこの部分であると思う。敵と味方の識別、軍属と民間人の識別、、、ここらを精度よくできる技術はまだまだ至難の業のはず。オモチャのような自動走行技術より、本当に怖いのは人を殺す人工知能の開発である。不気味だなー。で、たぶんその一番重要な部分は軍の研究所で研究されているのだろう、敵を認知し殺傷するロボット技術は。、、、なので車の自動走行部分は民間にこんなレースをさせてお遊びのように開発しているのだと思う。学生とかがロボコンの乗りでトライしているけれど、軍事目的の開発に嬉々とできるセンスを疑います。やめれ!と言いたい。しかし、アメリカは戦場に本気で投入するのだろうな。2015年に1/3の軍用車を自動化すると言っているそうな。あーあ、ばっかじゃないの。
◆関連リンク
・DARPAのGrand Challenge HPVTRアーカイブ写真
・WIRED NEWS 5/17 DARPAの新たな目標は「学習する自律走行車」

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コメント

 春山古路さん、はじめまして。
 ロボットカーを走らせるアルゴリズムって、自動車メーカの自動走行の研究が一番進んでいるのでしょうね。先日、機会があってクラウンマジェスタのレーダークルーズコントロールを試乗したのですが、もはや基本技術はアクセルとブレーキワークは完成してますね。あとは安全性から全面的に任せるようになってないだけって感じで感心しました。
 僕が乗ったのにはレーンキーピングアシスト機能はなかったのですが、このオプション機能があれば、きっと高速道は目をつぶって走れますね<<おぃおぃ。

投稿: BP | 2005.01.23 15:47

制御方法のアルゴリズムには興味ありますが,基幹部分だけに公表しにくいんでしょうね.やってることがわかればプログラムはなんとかかけるし.
その点ハードウェアは真似しにくいので放送しやすかったんじゃないかと.
おっとw 最後になりましたが,はじめまして.

投稿: 春山古路 | 2005.01.21 18:33

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Freezing Pointの上山さん経由で内容を知った(該当エントリ)。遅ればせながら感想。かなり専門違いですので、その辺はご容赦を。これは前臨床試験ってことでいいのかな。感染症が気になるのだが。今後臨床試験に入...... [続きを読む]

受信: 2005.11.12 11:13

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