■クリストファー・プリースト『奇術師』
THE PRESTIGE 古沢嘉通訳 ハヤカワ文庫FT
『逆転世界』『ドリームマシン』「限りなき夏」「青ざめた逍遥」等から20年ぶりに(ごめんなさい『魔法』、まだ読んでません)プリーストの『奇術師』を読んだ。プリーストというと自分たちでやったファンジンの『逆転世界』の特集や、購入した「SFの本 4号」摩訶不思議的イギリスSF特集(1983/11/20)とか、20年前のイギリスSFブーム(超マイナー)を思い出して懐かしい。もう20年かーーー(しばし感慨)。
以前の奇想SFのイメージからすると、『奇術師』はしっとりと落ち着いたイギリス近代の少し幻想的な小説である。SFの小道具は一部チラッと出てくるけれど、話は現実に地に足の付いた奇術師2人の物語となっている。
奇術の舞台裏の描写がじっくり丁寧に語られていて、この方面の話の好きな人には堪らないだろう。僕は特に奇術に興味があるわけではないけれど、当時のイギリスの興行の世界の雰囲気とか、2人のトリックへのアプローチとか非常に楽しんで読めた。またトリッキーなミステリ好きにも好まれる趣向の話である。(このミスベストに入りそうな予感)
SFとしても、イギリスの貴族の館に立ち現れるイメージはなかなか秀逸。
舞台はこーんな感じかな??(イギリス出張で車窓から撮った写真。だいぶ違うか、、、)。
◆関連リンク
・CHRISTOPHER PRIESTのHP
・クリストファー・プリーストの作品データ
・〈プラチナファンタジイ〉『奇術師』ハヤカワ文庫 FT(Amazon)
(とーとつですが、『ハウルの動く城』の宮崎駿の絵をみて、『逆転世界』を思い出したのは僕だけでしょうか)
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