■『村上春樹全作品 1990~2000 第1巻 短篇集I』
村上春樹全作品 1990~2000 第1巻 短篇集I (Amazon)
今年のはじめに『ダンス・ダンス・ダンス』を読んで、今頃なぜか村上春樹にハマルという体たらく(^^;)。今までも適当には読んでいたのだけれど、何故か今年は相性がよく既に10冊目。生っぽいけれども硬質でふわふわしたあの文体がたまらない感じ。今年『風の歌を聴け』から初期長編も全部読み直したけど、以前違和感のあったこんな生活あるかぃ!という感じが今回嘘のように感じられず、小説読むことの不思議をなにやら感じている次第。
で、この短編集について。のちに『ねじまき鳥クロニクル』に登場する加納クレタが登場する「加納クレタ」。この短編も不思議な雰囲気で好きだけど、「我らの時代のフォークロア――高度資本主義前史」のせつない感じとか、「ゾンビ」の薄気味悪さが良いです。
あと超短編集『夜のくもざる』もこの巻に収録されている。「動物園」「天井裏」といったあたりが好き。こんななんでもないけれど、なにやらイメージを喚起する作品群はたいへんに気持ちよく読める。このような超短編をもっともっと書いてもらいたいものです。
・『ダンス・ダンス・ダンス』講談社文庫(Amazon) は、村上の最高傑作と思う。
・『夜のくもざる―村上朝日堂超短編小説』 新潮文庫(Amazon) やはりこの作品は安西水丸の絵とともに読みましょう。
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