■黒沢清監督『ドッペルゲンガー』(2003)
ドッペルゲンガー公式ページ http://www.doppel.jp/(「doppel.jp」というのも凄い)
役所広司主演の、、、、ホラー?ブラックコメディ?ロードムービー?サイコムービー?。 と紹介に困るようなジャンル不問の映画になっている。
前半はシリアスなホラーのタッチで、『CURE』から黒沢清にはまった僕は傑作の予感を持ったのだけれど、、、。後半の黒沢の暴走についていけなかったというのが正直な感想。『ニンゲン合格』『カリスマ』といった不条理全開映画もあの独特の雰囲気で好きなのだけれど、これはそうした映画ともちょっと違う。エッセンスはあるのだけれど、、、。ユースケサンタマリアの中味のない無軌道な不気味さに象徴されるように、いままでの自作のどれにも似ていない映画を黒沢監督は目指してのかもしれないが、今回は新境地と誉められる清新さは感じられなかった。
★★以下ネタバレ★★
前半、ドッペルゲンガーの描き方は面白かった。『回路』や『CURE』みたいに、境界線上に現れるモノではなく、堂々と存在し、しかも当人の死後もいついてしまうずうずうしいドッペルゲンガー。本人死後にも存在してしまうというのは新機軸。びっくりしたし先の展開が期待された、、、、。
あとこの映画、「人工人体」というウェアラブルマシン開発のエンジニアが主人公で、SF的タッチもあるので、おっ、黒沢のロボットSFと期待したのだけど、そこはサラリーマンエンジニアの苦悩とかへ収斂していって盛り上がりに欠けた。ウェアラブルマシンもちゃっちいし、、、、残念無念。
・ドッペルゲンガーDVD(Amazon)
・究極映像研記事 『アカルイミライ』
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