■堤幸彦監督『恋愛寫眞 Collage of our Life』(2003)
公式サイト。
原将人『20世紀ノスタルジア』は自主映画にまつわる物語だったけれど、こちらは写真をめぐる恋愛物語になっている。なかなかの佳作と思う。前半の東京と後半の911後のニューヨーク、どちらも写真での街の切り取り方がなかなか良い。そして語られる物語の切なさもいいです。(ニューヨークロケという共通点だけだけど、十数年前のTVドラマ『バナナチップスラブ』(高城剛監督)を懐かしく思い出したのである。)
タイトルだけど、いまどき『恋愛寫眞』はないでしょ。英語タイトルの『Collage of our Life』かキーワードの「Wonder」を使った方が良かったのにと思う。「恋愛寫眞」という言葉でイメージするものとこの映画の印象は随分違う。現代的な切り口が面白い映画なので、、、、、。
堤監督の映画は、『トリック-劇場版-』、『Jam Films』(『HIJIKI』)しか観ていないが、『トリック-劇場版-』とはタッチが全然違う。まあオチャラケミステリーとラブストーリーでは異なるのは当たり前なんだけど。
ニューヨークでのクライマックス、行方不明の主人公静流(しずる)の行動が、残された写真からわかるくだりのカットバックの映像はなかなかいいな、と思った。とその後のアクションシーンの光の処理。なかなか迫力。このCGも原田大三郎なのだろうか。(堤幸彦って、今、TVで『せかちゅう』やってますね。第一話は可もなく不可もなくな感じ。どうもあの主役二人が馴染めません。この『恋愛寫眞』みたいに乾いた感じはしなかったかな、と。)
ラストは、山下達郎の「2000トンの雨」( まだメジャーになる前の曲らしい)がタイトルバックに流れるが、はっきり言って全く合っていない。もっと現代的な音楽だけでしめてほしかった。
蛇足だけど、この歌で歌われるタワーと2000トンって、てっきり911のツインタワーと瓦礫をうたったこの映画のための曲なんだと思ったのだけれど、EDITOR'S SIDEさんの「恋愛寫眞と2000トンの雨 (主に後者) (2003.06.10)」によると、サンシャイン60の歌らしい。でも歌詞が911のツインタワーと瓦礫をイメージできることから、この曲を選んだんじゃないかと思った。
もひとつ蛇足。謎の食べもの マヨヌードル というのが下記のようなシーンで使われ、結構いいシーンになってますが、これの公式ページがありました。マヨヌードル.JP。今日はチャレンジできなかったけれど、今度作って食ってみる予定。感想は後日。ん、じゃ。
静流「料理。……さて、クイズです。マヨヌードルはおいしいでしょうか?」
誠人「……まずい」
静流「正解は……」
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コメント
>>ロケ地以外にもNYスタッフが一緒です。
情報、ありがとうございます!
それで映像の雰囲気が似てたのですね。
これは嬉しい情報です。
投稿: BP( さんへ) | 2011.02.05 09:17
ロケ地以外にもNYスタッフが一緒です。
投稿: | 2011.01.30 05:18