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2004年11月

2004.11.30

■Dancing Citroen Transformer
  &PureeSoiree • Nike Crab

 kettleさんiron-kettle.comで知りました。カナダのThe Embassy Visual Effects Inc.製(ディレクターNeill Blomkamp)のCG2本。とにかくクール!!

citroen_c3.jpg
Dancing Citroen Transformer(ムービー)

nike_crab.jpg
PureeSoiree • Nike Crab(ムービー)

◆関連リンク
・以前、nikeのトランスフォーマー(オーラバトラー風)をうちでも紹介したことがありました。

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2004.11.28

■未来の車 GM Firebird Ⅲ

past_futurama.jpg     gm_firebird_3__03.jpg
 『スカイキャプテンと明日の世界』の記事で触れて、久しぶりに思い出した長澤均『パスト・フューチュラマ』(フィルムアート社刊)
 この本の表紙の未来カーがとってもかっこいい。ウェブで写真を探したら、いろいろありました。ファイヤーバードⅢのミニ写真展です。
gm_firebird_13.jpg gm_firebird_3__01.jpg 
 それにしてもため息が出るくらい未来的。
 子供の頃の刷り込みのせいなのかもしれないけれど、こうした形状は僕らの世代には未来そのものに思えてくる。現代の最先端の自動車デザインは、こうした流線型やテールフィンみたいなものは否定してしまっているようにしか見えないけれど、再度復活してもいいのではないかな。現代によみがえるレトロフューチャーカー。

gm_firebird_3__02.jpg  gm_firebird_3__04.jpg
 近未来の車のデザインでは『攻殻機動隊SAC』のいろんな車両が結構現実的に見えていいなと思っていたけれども、やはりかっこいいのは流線型。
 こんな車であふれる未来世界をどっかで映像化してくれるといいのだけれど、、、。
 『ガタカ』はいい映画だったけれど、未来カーは音だけモータ音に差し替えたお手軽電気自動車だった。『マイノリティリポート』のはブレードランナーのスピナー風レクサスだったし、、、、。だれか長澤均氏の未来ガジェットデザインで映画かアニメを撮ってほしいものです。

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■ケリー・コンラン監督 『スカイキャプテンと明日の世界』
  SKY CAPTAIN & the World of TOMORROW

skycaptain_top.jpg

 自宅のガレージに置かれた1台のコンピュータを駆使しながら、ケリー・コンランは小さい頃から憧れてきたサイエンスフィクション、ファンタジー、歴史、運命などに含まれる“もし~だったら……?”という空想的要素にさらにひねりを加えていき、何と4年という長い年月を費やし6分間の映像作品を完成させた。この「The World of Tomorrow」と題された、たった6分間の短編作品が、コンラン自身の「明日の世界」を大きく切り開いていくことになる。(公式HPより)

総論
 上の画像に書かれたケリー・コンラン監督の言葉が、この作品について本当に的確な紹介になっている。僕らの失われたかつての未来世界がここにある、って感じ。町に突然現れる巨大なロボットや、摩天楼に係留される豪華飛行船、空飛ぶ空母、銀色の流線型のロケット、こういったものを空想して子供の頃きっと未来はこうなるだろうと、ワクワクした人にはこの映画は素晴らしい贈り物になるだろう。
skycaptain_title.jpg  
 なので、この映画は『スカイキャプテンと明日の世界』というタイトルが本来マッチする。ロゴも現在のものより当初使われていたこっちの方が断然イメージぴったり。
 元々"The WORLD of TOMORROW"というタイトルだったのが、『ザ・デイ・アフター・トゥモロー』と紛らわしてということで、"SKY CAPTAIN"を付け足したらしい。まさにワクワクするパストフューチャー "The WORLD of TOMORROW"の映画であるのだから、邦題も『スカイキャプテンと明日の世界』が良かったのに。
 岡田斗司夫に、二十世紀の最後の夜にとか、失われた未来(Amazon)といった著作があるけれど、あの本の好きな人には絶対お薦め。今のところ、ネットには岡田斗司夫の『スカイキャプテン』評はないけれど、きっと涙なしには観えないでしょう。って。

冒頭
skycaptain_dogfight.jpg 1939年ニューヨークのスカイクレーパーに係留されたヒンデンブルグ3。ここで事件が動き始める。
 セピア色でソフトフォーカスの画面が続くので少し気にはなるけれど、ここからロボットとの戦闘シーンまでがまず秀逸。とくにこの飛行船の映像が良い。摩天楼にぴったり。
 ゆったりとした時間が最も贅沢な今、なんで飛行船は復活しないのだろう。ちょっとデザインは合わないけれど、東京都庁や名古屋駅のツインタワーに係留される飛行船の光景を観たくてたまらない。
 ロボットが発電機を発掘して、運び去る展開もワクワク。奪われるニューヨークの街のエネルギー源、飛行ロボットと戦闘機のドッグファイト。そしてそれを取材する美人新聞記者に迫る危機。この道具立てを聞いて、ワクワクしない人はこの映画に向かないので観ないでください(^ ^;)。
 あと特筆すべきは「見える電波」。昔の映画であったようにこの世界ではスカイキャプテンを呼ぶ無線の電波が見えるのである。これのかもし出す雰囲気が良い。

俳優のリアリティ
 「美人新聞記者」役のグウィネス・パルトロウって、あれでアカデミー女優なんだビックリ。好みが合わなかったからかもしれないけれどタコ演技に観えて仕方なかった。
skycaptain_franky.jpg 俳優たちはブルーバックの前で23日しか演技してないらしいけれど、ジュード・ロウも精彩ないしCG合成映画って俳優たちの現場での雰囲気を作るための道具立てをこれからは考慮していかないと、このように薄っぺらな芝居になる危険があるんだろうね。安く凄い場面が撮れるのは良いけれど、俳優のリアリティの構築は課題でしょう。
 僕は、このタコ演技でもこの映画大好き。というくらい画面が好きだったのでいいけれど。
 アンジェリーナ・ジョリーの演じた英国空母艦長のフランキーは別格。かっこいい。あのコスチュームと眼帯で、演技するための雰囲気を的確に掴んだのかもね。

CGによるパストフューチャー
skycaptain_misile2.jpg ガジェットやら画面レイアウトやら、痺れまくりのパストフューチャーだったけれど、当然このCGが気に入らない、という意見も多いのだろうと思う。どっかのゲームのオープニングCGみたいな画質の気がしないでもない。だけれども勝利は監督のセンスでしょう。それを統一しているのが、この記事トップにある監督の言葉。これだけワクワクする画面を次から次へ提示してくれたので、このCGダサいというある意味客観的な現代の自分でなく、万博や50,60年代SF映画が好きだった過去の自分が体の奥の方から、ザワザワと喜ぶのだった。
 次から次への脅威の映像ということで書くと、ヒロインのカメラの役割がなかなか良い。あと残り二枚となったフィルムをまだこれから凄いものが撮れるかもしれない、と残しておく感覚。これが観客の期待感とリンクしていて楽しかった。

地球最後の日テーマのSFとして
 この映画のパンフレットに本作に影響を与えた作品の数々が挙げられているけれど、僕もSFから一作。
 先日読んだアルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』の中に、地球最後の日テーマの2作があるけれども、そのうちの1作と本作のネタが少しだけかぶっている。コンラン監督がSFファンでベスターを読んでいるかどうか、全く不明だけれど、"Adam and No Eve"が元ネタになってたら楽しいな、とそんなことを思った。 ★次のリンク先 ネタばれ注意★(観てない人はクリックしないで下さい) このシーンのこのアイテムが、、、、。

興行成績
eiga.comによると、9/21週に全米公開でトップ、その後、10/19週に10位で興収は$3600万。制作費が$4000万とのことなのでトントン。まあ、DVDとかでもっと儲かるわけですが、、、。ケリー・コンランの次作はバロウズの『火星のプリンセス』らしいけれど、僕は<火星シリーズ>に思い入れがないので、『スカイキャプテン』の続編が観たい。

◆関連リンク
『スカイキャプテン』公式HP (日本) (米)
ノベライズ『スカイキャプテン―ワールド・オブ・トゥモロー』 K.J.アンダーソン,石田亨訳(Amazon)
DVD『スカイキャプテン』(発売日 未定)(Amazon)
サントラCD 『スカイキャプテン』(発売日 未定)(Amazon)
 曲目リスト
  1.The World Of Tomorrow   2.The Zeppelin Arrives
  3.The Robot Army   4.Calling Sky Captain
  5.Back At The Base   6.The Flying Wings Attack
  7.The Aquatic Escape   8.Flight To Nepal
  9.Treacherous Journey   10.Dynamite
  11.Three In A Bed   12.Finding Frankie
  13.Manta Squadron   14.h-770-d
  15.Flying Lizard   16.Totenkopf’s Ark
  17.Back To Earth   18.Over The Rainbow-Jane Monheit

◆岡田斗司夫の著作より(センチすぎる文体ですが、、、。)
otaking_20seiki_saigonoyoruni.jpg otaking_ushinawareta_mirai.jpg
『二十世紀の最後の夜に』

どうしてだろう。
待ちに待った未来が、こんなに涙でにじむなんて
いつも友だちと語り合ってた。
あと3秒で訪れる未来について。
ポケットに入れて歩いた金属の部品について。
夢の数だけちがう自分がいたあの頃。
まばゆい光、銀色の天幕。
なつかしいのに、新しい、自伝的極彩色物語。
「世界最後の日」。僕はこの言葉に、どんなにあこがれただろう。
大洪水だろうか?水爆戦争だろうか?
強くてかっこいい大怪獣が、僕の住んでいる街を破壊してくれないだろうか。

『失われた未来』毎日新聞連載分がここで読めます。
 科学と民主主義による輝かしい未来はどこへ行ったのか?おもちゃ、メカ、マンガ…1950~70年代に巷にあふれたモノたちは、銀色に輝く未来の理想郷を夢見ていた。科学万能主義の衰退とともに消え去ったその幻影を「失われた未来」をキーワードに追体験し、あり得た未来と現実のギャップを語る

◆パストフューチャーに関して
past_futurama.jpg・グラフィックデザイナー長澤均の『パスト・フューチュラマ』(フィルムアート社)もいいです。ここに紹介があります。『スカイキャプテン』のセピア色に対して、この表紙の流線型の車(GM FirebirdⅢ)のイメージで統一されたパストフューチャー映画も有だと思う。誰か作ってくれないかな。

・『パスト・フューチュラマ』について、うたかたの日々さんの記事
・長澤均の編集する20年間でたった3回しか発行されていない雑誌「パピエ・コレ」。ここでも『パスト・フューチュラマ』の紹介

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2004.11.27

■新刊メモ 『バベルの犬』 『映画の魔』

the_dog_of_babel.jpg eiga_no_ma.jpg
『バベルの犬』キャロリン パークハースト/小川 高義訳
web KADOKAWA バベルの犬

 突然、妻レクシーを亡くしたポール。警察は木から落下した事故死と断定したが、ポールは納得できない。なぜ妻は木に登ったりしたのだろうか……。唯一の目撃者は愛犬のローレライ。言語学者であるポールは、犬に言葉をしゃべらせることができれば、愛する妻の死の真相が分かるのではと考える。ローレライへの言語レッスンが始まった。

 最近、犬を飼いはじめて、犬ものに弱くなってます。言語レッスンによる犬ミステリー?? なんか読みたくなります。

『映画の魔』 高橋洋
青土社 新刊案内 (ちょっと前の本ですが、、、。)

映画は、それを作ろうとする人間の意図をことごとくくつがえす裏切りの場においてしか自らを開示しない、トコトン非常識な逆説の連続なのである。
〈魔〉はそこに介在する。
『リング』で日本中を、そしてハリウッドをも恐怖のどん底にたたきこんだ脚本家が、長篇初監督作品『ソドムの市』をひっさげ、魔界の扉をおしひらく。

 シナリオライター高橋洋というと『女優霊』と『蛇の道』が良かった。あと『ユリイカ』での映画評論も。
 今度の初監督作品『ソドムの市』は、かなり妖しい感じ。『リング2』とか好き勝手に書くと、わけわからん作風になってたので、今回も心配だったりして、、、。

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■世界最大、25億画素のデジタル写真

 Wired News - 世界最大、25億画素のデジタル写真 - : Hotwired

 オランダ応用科学研究機構(TNO)は16日、世界最大のデジタル写真が完成したとして、ウェブサイトに掲載した。(中略)画素数は24億8722万画素(7万8797×3万1565ピクセル)で、データのサイズは7.5GBに達した。

 人間の目には約600万個の視覚細胞があるそうだけど、このディジタル写真は414倍。ミニ神の目か。
 とにかくこの写真で遊んでみてください。どこまでも拡大できるこの深み。

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■ビジュアルウェア社 Video Eyewear, 3DEK

EyeWare.jpg 今日は珍しく立体映像ネタが2本。
 ビジュアルウェア、VGA解像度で7万円のメガネ型ディスプレイ(AV Watch)。
 VGAくらいの解像度では今更驚けませんが(ハイビジョンでやらんかぃ!!)、この記事の中にビデオカメラに装着して立体映像を撮れるキットの紹介がある。市販のDVカメラなどに取り付けるだけで、3D表示用の映像が撮影できる「3DEK」というキット。このキットで作成した映像をVideo Eyewearで表示させると、手軽に3D映像が楽しめるらしい。
 こういうの弱いのである、自分で立体映画が撮れるのがほしい。しかし「3DEK」なるキット、ビジュアルウェア社のHPにも製造元の米Icuiti社のHPにも記載がなく、詳細がわかりません。せっかく記事が出たのに、商売っ気のない会社です。
 にしてもこのメガネ型ウェアラブルディスプレイ、細長い四角なので、まるで人相を隠すためのクロヌリみたいで、あまりルックスがよろしくないっすね。

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■立体Expo 立体映像産業展2004

3d_expo_2004.jpg

 立体映像産業推進協議会、略して立体協主催の立体Expoが、12/1-3パシフィコ横浜で開催されるらしい。立体映像産業推進協議会とは、究極映像研究所と同じくなかなか怪しげなネーミングである。うえの告知写真も怪しさ全開だ。
  3Dシアターと題した映像展はこんなコンテンツ。ちょっと観たい。

4次元デジタル宇宙シアター 自然科学研究機構 国立天文台
しんかい6500 独立行政法人海洋研究開発機構
 (QuickTimeVRで船内をグリグリできます)
・宍道湖増水による洪水被害疑似体験 協力:国土交通省、(株)建設技術研究所
・幻の時 (株)パディコーポレーション PADI Corp.
ボブスレーシミュレータ 中京大学/(株)キャドセンター
CyberDome システム紹介 松下電工(株)
・惑星ジェットコースター (株)ソリッドレイ研究所
・2D-3D変換デモ   (株)マーキュリーサンデー
・ハイビジョン3Dデモ映像集~東北夏祭り2004ほか~
   (株)ビジュアルコミュニケーションズ


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2004.11.25

■『三丁目の夕日』実写映画化
   『ALWAYS 三丁目の夕日』 山崎貴監督

甦る昭和33年「三丁目の夕日」実写映画化 (日刊スポーツ) - goo ニュースより

 総発行部数1400万部の人気コミック「三丁目の夕日」が実写映画化されることが21日、分かった。高度経済成長期の昭和33年の東京を舞台に、一番元気だったころの日本と夢に向かって生きる個性豊かな人々の姿を描く。撮影では、最新のVEX(視覚効果)技術と巨大セットで昭和の街並みを再現する。出演は吉岡秀隆(34)堤真一(40)小雪(27)ら。山崎貴監督(40)。来年11月公開予定。

 なかなか日本映画にしてはがんばっていた(失礼)SF映画『シュブナイル』と『リターナー』の監督が西岸良平をどう料理するか、楽しみ。SFと西岸良平って実は親和性があって、『ヒッパルコスの海』とか『魔術師』といった西岸短編作品のエッセンスも流し込んでくれたら嬉しい。(この2冊、Amazonでは在庫切れ)
 TVでこのニュースを見てたら、建築中の東京タワーのCGが映されていました。ウェブには残念ながらまだ映像がないみたい。

西岸良平の作品(Amazon)
ZAKZAK 4億円をかけて再現する昭和33年の町並みの巨大セット。「古き良き日本」を再現する映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(山崎貴監督)


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■実写映画 『鉄人28号』 公式サイト

 鉄人28号 公式サイトで、予告編が観えます。操縦機のデザインはまったく変わってますが、鉄人のシルエットは白黒アニメ版と同じで、昭和30年代世代を喜ばせてくれます。アトムより断然、鉄人派だった僕は、少し期待。ブラックオックスも好きだし、、、。2005年春公開予定。
 東京ファンタでの上映の感想がなかなか見つからないのですが、下記が詳しいです。
・カーペンターの映画評で有名な鷲巣義明氏のG.O.M. MAGAZINE(リンク先の中段) ★☆とのこと。
・GOGO SmartPhoneBLOGさんの 鉄人28号 インターナショナル・ヴァージョン / TETSUJIN 28' ,  破綻なくまとまり、CGの出来も違和感ない、ということのようです。

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2004.11.23

■新刊メモ スタージョン『時間のかかる彫刻』
  「e とらんす」ソラリス刊行記念トークショー

◆スタージョン『時間のかかる彫刻』 東京創元社|近刊案内

大村美根子 訳 【創元SF文庫】

 著者お気に入りの中編「ここに、そしてイーゼルに」を劈頭に、ネビュラ賞・ヒューゴー賞受賞作「時間のかかる彫刻」や、地球を追われた少年少女の成長譚「箱」など全12編を収める作品集。(サンリオSF文庫版『スタージョンは健在なり』を改題のうえ再刊)

 『スタージョンは健在なり』を持っていないので、楽しみな復刊です。今年、スタージョン4冊目! (『夢見る宝石』『海を失った男』『不思議のひと触れ』も今年読んだので、、、。)

雑誌「e とらんす」☆e-translationにイベントレポート 沼野充義・巽孝之トークショー(10/13)

  現代文学の巨人スタニスワフ・レム
  『ソラリス』新訳の圧倒的な「他者性」

・内容は、『ソラリス』トークショー大盛況!(国書刊行会NEWSより)
 レムおよびSFとの出会い、懐かしい「世界SF全集」の話を皮切りに、今回の新訳版とハヤカワ文庫版の重要な違いや、ソラリスの海、ソラリス学をめぐる描写の濃密さについて、さらにはアメリカSF作家協会がレムに名誉会員資格を授与し、その2年後に「追放」したいわゆるレム事件の顛末など、興味深い話が続出。最後は沼野氏がクラクフの自宅でレムをインタビューした際のビデオを上映しました。

 動くレム!! しゃべるレム!! 見たかった!

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■どこでもASIMO と 新刊『ロボットオペレーション』

以前レポートしたホンダのイベント「どこでもASIMO」が再び開催。今回も先着百名で参加できます。
 参加希望者はホンダのページへ急げ!! → どこでもASIMO。今回はアシモの目でホンダのコンセプトカーが見えるようです。

 現在ツインリンクもてぎ内Honda Collection Hallで開催中の企画展「Honda グローバルデザイン」の展示モデルを11月22日から24日までの3日間「どこでもASIMO」システムを使って配信します。
 Hondaはモビリティカンパニーとして、2輪、4輪、汎用製品を通して世界中の人々に喜びを提供しています。その原点であるコンセプトモデルの一部が皆様のパソコンからご覧いただけます。
 どんなマシンが見られるのか?乞うご期待!

◆ 『ロボットオペレーション』 日経キャラクターズ!編
A4変型判 書籍48ページ(オールカラー)+DVD1枚(約120分収録)
【定価】3,480円(本体3,314円+税)【発行】2004年11月15日

・どこにもない最新ロボット映像のDVD付。
・アニメの世界が現実に! ロボットストーリー
 すべてのロボットの実写と関係者インタビューをまとめて編集してあります。全体の流れを把握するためにご覧ください。ナレーターは、ガンダムで有名な永井一郎さんです。
・アニメ・クリエーター インタビュー
 ロボットに造詣の深い著名クリエーターに、今回取材したロボットを見てもらいながらインタビューした映像です。アニメファンならずとも、興味深いコメントがいっぱいです。
 押井守氏 (イノセンス、機動警察パトレイバー the Movie)
 「アニメ用にデザインするなら、ボール型の方がいいんじゃないかな」(海底探査ロボ「潜太くん」を見て)
 大河原邦男氏 (「機動戦士ガンダム」メカデザイナー)
 「私もアニメの企画用に、補助外骨格スーツという設定で模型を作ったことがあります」(ロボットスーツ「HAL」を見て)
 高橋良輔氏 (「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」監督)
 「実際にロボットが活躍する時代が目前なのかと思うと、うれしいですね」

 ナレーター永井一郎による現実のロボット紹介は、ぜひ見てみたい感じ。
 紹介されるロボットは「援竜」「WL-16R」「T63アルテミス」「無線操縦パワーショベル」「HOSPI」「レインボーファイブ」「潜太くん」「ロボキュー」「ロボットスーツHAL」といったところのようです。

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2004.11.21

■『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』
  ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉久志訳

QuintanaRoe.jpg quintana_roo.jpg

 ひさしぶりのティプトリーの新刊邦訳。
 1986年の作で、世界幻想文学大賞受賞。ユカタン半島のキンタナ・ローを舞台にした「美しくも儚い三つの物語」。
 全体としては、ティプトリー作品としては、凄みのあるSF短編群とは少々趣を異にし、淡いファンタジー的な小編といった感じ。であるが冒頭のノートにもあるように、背景にはマヤ族のメキシコからの独立運動とそれにむけた米軍の派兵といった影が横たわっており、どこか底流に重いトーンが漂う。
 3篇「リリオスの浜に流れついたもの」「水上スキーで永遠をめざした若者」「デッド・リーフの彼方」のうちでは、最後の一篇が一番好み。海と人間の関係、そしてそこにある異世界。廃棄物で構成された"異生物"の存在感がよかった。
◆関連リンク
すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』〈ハヤカワFTプラチナ・ファンタジイ〉(Amazon) "Tales of the Quintana Roo"
A Bibliography of James Tiptree, Jr.  a.k.a. Alice Sheldon
・www.tiptree.orgのThe James Tiptree, Jr. Award
・ティプトリー
james_tiptree_jr.jpg

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■SFアートの展覧会
  『想像から現実へ――サイエンス・フィクションの芸術』

NY_SF_ART_gallary.jpg

 Wired News - SFアートの展覧会、20年ぶりにニューヨークで開催 - Hotwiredより

 ニューヨーク科学アカデミーの『芸術科学ギャラリー』では、入場無料の展覧会『想像から現実へ――サイエンス・フィクションの芸術』が開催中

 ニューヨークの展覧会なので、下記サイトで楽しんでください。でも実物も見たいね。
・会場の写真 Wired News
・『芸術科学ギャラリー』 公式ページ

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■NASA - Hypersonic X-43A Takes Flight
 超音速飛行機、マッハ9.6を達成

X-34.jpg
 ※しかしこの写真、大気中での映像とは言え、煙の感じがまるで東宝特撮のロケットの噴煙のようで、なんかしょぼい。
 Wired Newsより

 米航空宇宙局(NASA)の無人超音速飛行機『X-43A』が16日(米国時間)、カリフォルニア州の沿岸海上で時速約1万キロメートルという航空機の速度記録を打ち立てた。
 この歴史的なスピードは、午後2時36分からわずか10秒間維持された。その後管制管はX-43Aの実験的なスクラムジェット・エンジンを切り、滑空させて、計画通り太平洋に落下させた。暫定的に得られたデータから、最高速度はマッハ9.6(音速の9.6倍)に達していたと判明。

 マッハ9.6を越える瞬間とか機上からの究極映像をぜひ見てみたいのですが、公式ページに残念ながら見当たりません。このプロジェクトは予算問題から休止のようです。予算がなくって、写真、映像関係も充実していないのかなー。残念。
・公式ページ NASA - Hypersonic X-43A Takes Flight
・ムービーへのリンク
View QuickTime Movies:
X-43A/Pegasus Launch: 2.6 Mb | 5 Mb | 7.3 Mb | 12 Mb
B-52B Takeoff: 1.6 Mb | 3.1 Mb | 4.6 Mb | 7.5 Mb
Getting Ready for Mach 10: 3.2 Mb | 6 Mb | 8.9 Mb | 14.5 Mb

□機影
X-34_overview.jpg
□この先端についている黒いものがX-43A
X-34_jet.jpg

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2004.11.20

■押井守の体感型映像空間 愛・地球博 『めざめの方舟』
      ニュースクリップ 2

愛・地球博特集(中日新聞) 11/17の記事 「精霊像現る。押井監督が最終チェック
hakobune_pan.jpg

 「夢みる山」の“主役”となる高さ6メートルの精霊像「汎(ぱん)」がほぼ完成し、総合演出するアニメ界の巨匠押井守監督が16日、制作を依頼した東京都内の工芸会社で仕上がりを最終チェックした
 「今月末にはショーのテスト上映も行われる」


愛・地球博特集の10/29の記事 「床面から迫力映像
hakobune_yukamenn.jpg

 世界最大級の床面映像を映すプラズマディスプレーパネル(PDP)の設置作業が始まった





愛・地球博特集の9/29の記事 「押井監督「理想に近づく」 体感型映像チェック
hakobune_eizoucheck.jpg

 立体スクリーンとして立たせる人獣像(身長2メートル余)の試作品などが、本番さながらにセットされた。空撮した雲海や、CGの「地球の歯車」などが流れると、スタッフから「幻想的」「めまいを起こしそう」との声が上がった。

 『イノセンス』のあの映像が、体感型で全周から迫ってくるのを想像すると、、、、早く観たいものです。

◆関連リンク
・当Blog記事 「押井守の体感型映像空間 愛・地球博 『めざめの方舟』」

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■『願い星、叶い星』アルフレッド・ベスター/中村 融訳

negaiboshi_kanaiboshi.jpg bester_etc.jpg
  (写真右はベスターの諸作の表紙から気に入ったものを選択)

 奇想コレクションの5冊目。アルフレッド・ベスターの邦訳オリジナル短編集。
 僕の気に入った順に寸評です。あー、でもまた『虎よ、虎よ!』が読みたくなってきた。

・「ごきげん目盛り」Fondy Fahrenheit
 狂った会話と文体、アンドロイドと男の宇宙放浪記。この狂った前衛な感じが他の本書作品には少なくって、これの点数が高い。
・「昔を今になすよしもがな」They Don't Make Life Like They Used to
 この<地球最期の人間>ものって、60-70年代の核危機の時代の空気から生まれているのでしょうが、なんか馴染みます。個人的SF体験の原点に近いかもしれない。「イヴのいないアダム」のシンプルさより、本編の女と男のずれた会話とか、まるで9.11の映像をベスターが幻視したようなニューヨークの摩天楼が崩れる描写とかにグッときました。
・「願い星、叶い星」Star Light, Star Bright
 ミュータントもの。これも60年代的だけれど、切り口がいいです。ラストの一行が好き。
・「地獄は永遠に」Hell Is Forever
 ある会合に出た人たちの各々の幻惑な現実を描いた中篇。死ねない男のエピソードが鮮烈。筒井康隆を思い出した。
・「イヴのいないアダム」Adam and No Eve
 鉄原子を分解してエネルギを取り出す触媒技術をキイとした地球最期の人間の話。同じ人類破滅ものでは、「昔を今になすよしもがなく」に軍配。でもこういう滅亡も好きです。
・「選り好みなし」Hobson's Choice
 タイムトラベルもので、時代とそこに人が馴染むという側面から切りとっているのが面白い。「広島」のキーワードき泣かせます。
・「ジェットコースター」The Roller Coaster
 こういう切り口でタイムトラベルが行われるというのも、案外現実に近いかも。作中にも記述のあるニューヨーク近郊のコニーアイランドの遊園地の狂騒に触発されて描かれたのではないかと思った。レム・コールハース『錯乱のニューヨーク』を読んだ後なので。
・「時と三番街と」Of Time and Third Avenue
 これもタイムトラベル物。ワンアイディアストーリーかな。

◆奇想コレクションの刊行案内が巻末にありました。スタージョン、デイヴィッドスン、イーガンがまずは楽しみ。各訳者の皆さん、翻訳、頑張ってください。早く読みたい!

「輝く断片」シオドア・スタージョン
「どんがらがん」アブラム・デイヴィッドスン
「ごっつい野郎のごっつい玩具」ウィル・セルフ
「ページをめくると」ゼナ・ヘンダースン
「TAP」グレッグ・イーガン
「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング
「最後のウィネベーゴ」コニー・ウィリス

◆関連リンク
アルフレッド・ベスター/中村 融訳 奇想コレクション『願い星、叶い星』 河出書房新社(Amazon)
みけねこ日記さんの各篇レビュウ。
・WEB本の雑誌「寺岡 理帆の<<書評>>」 評価はA。
・アルフレッド・ベスターの写真。こう並べてしまうとなんだか残酷。若い頃の写真はキューブリックに似ている。
bester.jpg

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2004.11.19

■『攻殻機動隊/S.A.C. 2nd GIG』 第11話-第14話

 公式ページ 第11-14話 ストーリー紹介

 スカイパーフェクTV!では既に22話が放送中で大詰めらしいが、未加入なのでDVDで中盤の11-14話を観た。
 今回の4本は、「個別の11人」事件としては九州タワー屋上のシーン(12-13話)と日米安保の説明部分(13話)が描かれているが、メインエピソードは9課の3人の個人的な話を3本分で丁寧に描き出している部分。

 「個別の11人」はゴーダとの関係がかなり濃厚に描き出されている。DVD6巻の神山監督インタビューを見ると、しっかり物語が説明されている。それにしても12話のテロリスト達の会話で述べられる彼らのテロの目的がわかりにくい。わかりにくくて僕は神山インタビューを見るまで、個別の11人の目的(招慰難民の「解放」)は明確にわかりませんでした。
 そしてショッキングな12話ラスト。これって、地上波で放送できるのだろうか、、、、???僕は自分の子供には見せたくないですね。にしても、ストーリー展開のスリリングさ(各地の映像データ検索による索敵/個別の11人の描写)と唐突にTV局のヘリ映像で描かれるシーンが凄い。報道を利用したリアリズムの獲得という意味では、『パトレイバー2』の戦闘機襲撃事件のニュース映像に匹敵する。

 3人のエピソード 草薙とバズ、斉藤の過去/現在を描き出した3本のなかでは、11話がいい。義体の来歴は涙なしには観えません。バズ篇は「俺は同じ女とは2度寝ない」というセリフがあまりにスノッブ。それ比べて斉藤篇のストイックさは良いです。

◆関連リンク
・野良犬の塒さんに、NEWS!! 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXのさらに続編が?
第9回アニメーション神戸 の個人賞に神山監督が選ばれています。受賞とトークショーのムービーはここ
・Production I.G  S.A.C. 2nd GIG公式ページ
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 01 DVD(Amazon)
攻殻機動隊PKI - B-Wiki - S.A.C. 2nd GIG 各話のセリフを書き起こしてあるページ。
・gotanda6さんの犬にかぶらせろ!の記事 [攻殻][昭和史]阿部和重と攻殻SACを比較してみる 大変興味深いです。阿部和重、読んでみよっかな。
・カオスモーズ(Chaosmose)さんに「個別の十一人」と5.15事件についての記事
・当BlogのSAC記事
 ■『攻殻機動隊/S.A.C. 2nd GIG』 第1話-第10話
 ■STAND ALONE COMPLEX 1-26
 ■J・D・サリンジャー「笑い男」と神山健治『攻殻機動隊 S.A.C.』
・テロ関連で、笠井潔『テロルの現象学』ちくま学芸文庫(Amazon)

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2004.11.14

■飯田譲治監督 『ドラゴンヘッド』

原作 望月峯太郎、制作プロダクション ツインズジャパン
製作プロデューサー 平野隆、撮影 林淳一郎
VFXプロデューサー 浅野秀二、VFXディレクター 立石勝
視覚効果デザイン 樋口真嗣

 原作も読んでないし、映画もDVDで今頃観た。実はパニック映画で日本製ということで、ほとんど期待なしに観たのだけど、映像とストーリーがきっちりまとまってなかかな佳作。
 映画と原作を比較した映画評を読むと、原作ファンは随分物足りない(MOO-T_blog:さん)らしいのだけれど、原作を知らない僕はそれなりに満足。原作が長いことくらいは知っているのでストーリーがダイジェストなのは感じつつも、映画としてのまとまった結構となっていたと思う。

 ウズベキスタンで撮られたらしいけれど、崩壊後の世界がなかなかの迫真度を持って迫ってくる。樋口真嗣がストーリーボードを描いているらしいが、二度目の渋谷壊滅シーン(一度目は言わずと知れた傑作特撮『ガメラ3』)とか、渋谷駅地下の崩落シーンに見事に活躍している(きっとこれらが樋口真嗣の貢献だと思う)。
DragonH_SHIBUYA.jpg こういうシーンに痺れるわけです。今回、DVDでコマ送りしてみて、火山岩(?)が落ちてくるところで、街の映像をカメラをぶらせているのが良く分かった。ピントの合っていた画が1コマ分映像がずれて映っている。(以前からのテクニックかもしれないけれど、『スターウォーズepisode2』の戦闘シーンでCG画面にかなりこれを上手く導入して臨場感を出していたのが印象的。)

DragonH_SHIBUYA_man02.jpg

 渋谷駅地下の崩落シーン。
 男の上に瓦礫が落ちるシーンで、一瞬男に影がかぶってすぐ次のコマでは男の姿が消える。何シーンか同様の処理となっていたが、これはアニメから応用されたコマ運び。岩が当たる直接の画がなくても、映像で観るとなかなかドキッとさせられる。描かないことでコマとコマの間に想像の映像を生み出しているのだと思う。

DragonH_tokyo.jpg 崩壊した街。
 『日本沈没』の地震後のシーンを久しぶりに思い出した。しかし明らかにミニチュアとわかった東宝特撮に比べ、これの映像は迫真(このシーンって、もしかしてウズベキスタンの実景??CGだよね?)。
◆関連リンク
映画『ドラゴンヘッド』公式ページ プロダクションノートもなかなか充実。
Motion Picture World - ドラゴンヘッドVFXリポート

 ワークフローのほとんどがIMAGICAグループで行われたところが大きな特徴の1つ。VFX作業はリンクス・デジワークスが担当し、IMAGICAが撮影から合成、編集、HDレーザーキネコまでを全面的に技術サポートした。HD撮影では、パナビジョン・デジタル・イメージング・ジャパンのHDカメラシステムと、IMAGICA撮影グループが保有するHDW‐F900を併用したほか、合成素材とハイスピード撮影の一部には35ミリフィルムを用いた。

『ドラゴンヘッド』 映画DVD コミック(Amazon)

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■映画メモ ティム・バートン『チョコレート工場の秘密』
    ガース・ジェニングス『銀河ヒッチハイクガイド』

 NSSさんより。

◆ティム・バートン『チョコレート工場の秘密』の秘密のポスターが公開

◆ダグラス・アダムスの『The Hitchhiker's Guide to the Galaxy』の映画情報が、Yahoo Moviesで紹介されている。プロダクションデザインと予告編が見える。ルイ・アームストロングの『What a Wonderful World』をバックにした予告編がいいです。2006.5/5公開。
 オフィシャルサイトはここ

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2004.11.13

■東京国際映画祭2004 東京アニメ映画祭
  押井守トークショー

 野良犬の塒さんにレポートがあります。トピックを以下抜粋させていただきます。詳細は野良犬の塒へ。

(質疑応答)押井監督の新作は何になるのでしょうか?
・現在は愛知万博の仕事をしていますね。多分(2005年)1月一杯まで。
・来年は短編みたいなのを幾つかやります。ビデオシリーズとか、映画もあるにはあるんですけど。どういう事かというとすごく安いやつ、それをやります。ビデオが6本で、それを編集して映画を作るという、一番お得な方法論で。(略)中身はですね、蕎麦関係ですね(笑)。そっちの方面の映画です
・藤原カムイという漫画家と組んで連載を始める予定です。それはもしうまくいけば3年後くらいにそれを原作にしたアニメを作りたいと思ってます。

最後に、仕事とは関係なく、好きな作品を作れるとしたらどのようなものを作りたいですか?
・(略)敢えて言うなら6年ぐらいまえに轟沈しちゃった企画があるんですけど、『ガルム』っていう。それを多分やるでしょう。あらゆるものを無視してやっていいというのであれば(笑)。40億とかそれくらいあればできる。

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■ソニー業務用HDV機器
   ビクター HDDビデオカメラ「GZ-MC200」

 ハイビジョンとMpeg2画質の映像機器情報です。

ソニー、HDV/DVCAM/DVの3方式対応の業務用カムコーダ「HVR-Z1J」と、HDVレコーダ「HVR-M10J」(AV Watch)
  発売日と価格は、HVR-Z1Jが2005年1月21日で63万円
  HVR-M10Jが2005年2月4日で42万円。

小寺信良の週刊「Electric Zooma!」
 ムービーカメラの新時代を拓く? ビクター「Everio」
  ~ HDDに録画するビデオカメラ「GZ-MC200」 ~

「Everio」GZ-MC200(Amazonでカメラ本体が買えます)

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2004.11.11

■『万物理論』 グレッグ・イーガン/山岸真訳

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 グレッグ・イーガンの待望の長編!! イーガン史上最長の邦訳長編を満足して読み終えた。

怒涛のワイドスクリーンバロックだったなら、、、、
 まずは総論。今回も壮大な骨格の物語と主にバイオテクノロジーを中核にした未来世界のガジェット群が存分に堪能できる。しかし中盤はちょっと中だるみ。もう少しつまんでスピーディにした方が傑作になったように思う。特に後半の大ネタは、もっと一気にクライマックスへ疾走してほしかった。アイデンティティの問題とか主人公のジェンダー観とか読ませたいのはわかるけど、この素晴らしいアクロバットなコアアイディアはトンデモが入っているだけに、真面目なストーリーより、ベイリーばりのワイドスクリーンバロックにしてしまった方が傑作になってたんじゃないかと思う。
 あと邦訳タイトルの『万物理論』は、原題の"DISTRESS"の方が良かったんじゃないでしょか。ハードSF的なイメージよりなーんかこっちの方が好きです、僕は。

アイディアの奔流の第一章
 特に第一章の未来描写に痺れた。死後復活とか、他の塩基でDNAを置き換える富豪とか、ジャーナリストである主人公アンドルーのドキュメンタリー番組を通して語られる驚異の生命倫理グチャグチャな未来。
 21世紀はやっぱDNAいじりが技術屋のオモチャになる時代なのか。物語の舞台になるステートレスの設定も最高。企業のバイオ特許と無政府主義を組合せて現出する未来の島のスリリングさも特筆。おしげもないアイディアの奔流に身を任せていると、しだいに単語を書くだけでネタばれなコアネタが登場する。

目撃者という究極映像
 究極映像研的には、主人公アンドルーの商売道具である「目撃者」に注目。視界そのものを記録する究極のノンリニア映像編集とAIを用いた画像改変技術の驚異。ジャーナリストの皆さんは、よだれが出るほどこのテクノロジーが羨ましいのではないか。別にジャーナリストでない僕だって、ほしくって堪らない。臍からメモリを入れるのは御免こうむりたいけど、、、、。
 こんな時代の映画だけでも、僕は観てみたい。くそう!2055年まで生きて、究極映像研でレポートしてやるぜ!! 2055年まで待てない貴方は、是非この本を読みましょう。

グレッグ・イーガン/山岸真訳 『万物理論』 創元SF文庫
・原文の冒頭がここで読めます。The Fantastic Worlds of Science Fiction Distress


★★★ 以下、ネタばれ ★★★








 メインネタの「人間宇宙論」って、「人間原理」って言われている奴と同じだよね。なんで呼び方が違うのか不明。宇宙論マニアの人、誰かこの二つの使い分けを説明してください。
 で、このネタ、いつかSFに出てくると思ってました。しかしトンデモすれすれというか、ほとんどトンデモなネタだよね、これって。そこに説得力を出そうとして「万物理論」を学会という舞台まで用意して描いているわけだけれども、真面目に書きすぎててSF的には飛躍とか勢いがそがれている感じ。「ディストレス」との連係現象が面白かったので、このネタの組合せで一気にラストへ疾走してほしかった、というわけです。

 「人間宇宙論」とカルトのくだりは、はっきり言って洒落にならない。本当にこういったカルトが出てきても不思議はないような気がするので。いや、すでにきっと広い世の中には、既に存在するんじゃなかろうか。
 どっかの宗教みたいに、ハルマゲドンが○○年にくる、と言ってしょっちゅう外すより、「人間宇宙論」によって宇宙が存在していると言っといた方が、馬脚を現すことのない現実逃避物語を提供できて、カルト的にはベターなんじゃないのかな。この本読んで、日本でへんなカルトが発生しなきゃいいけどね。

 「人間宇宙論」と映画『マトリックス』、鈴木光司の『ループ』 とか、この手のは、みんな同根の幻想から出てくるものに思えてしょうがない。
 結局、人間の現実認識が脳内の現象でしかないので、外界と内界を裏返すとこれらの幻想がすぐ登場するんじゃないの。脳内にデータとして存在するだけの人間の現実を外の世界へ投影すると、まんま「人間宇宙論」とか、『マトリックス』的な世界はシミュレートされたものって感覚が生まれる。本末転倒はなはだしいのが、このカルトネタと思うのだけれど違うのかなーー? 「人間宇宙論」を誤解してたら、すんません。

◆関連リンク
・人間原理宇宙論については、『人間原理の宇宙論―人間は宇宙の中心か 科学精神の冒険』 松田 卓也 著
『科学にわからないことがある理由―不可能の起源』ジョン・D・ バロウ著

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2004.11.05

■新刊メモ 『ミステリーズ!vol.07』 『仏鬼』
     『みんな元気。』 『東京窓景』

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minnagenki.jpg tokyomadokei.jpg

雑誌『ミステリーズ!vol.07』
 諸星大二郎の<モロホシ版グリム童話、第六回>「ラプンツェル」を立ち読み。
 塔の中の少女 ラプンツェル(グリム童話の髪長姫のこと)を描いた短編マンガ。少し書くとネタばれになるけれど、おそらくアールキューブの世界を書いた初のマンガ作品では??ひさびさに読んだ諸星は、前より線が細くなったような気がします。なかなかSFしてます。

『仏鬼』野火 迅
 この作家知りませんでした。たまたま表紙に惹かれて手にとりました。面白そう、、、今度、図書館でリクエストしよっと。
 web KADOKAWA 仏鬼

 千億の命の軽さと、一個の命の重さーー果たしてどちらが生命の理なのか?
戦乱の室町末期。他人はもとより自らの命すら塵のように捨てる異形の邪教集団。民衆を取り込み拡大の一途をたどるこの宗派の前に、釈迦をこよなく慕う明恵上人が完全と立ち向かう。いまだかつてない仏教小説の誕生!

『みんな元気。』舞城王太郎の短編集。
 冒頭部分がここで読めます。

人生を生きるということは、透明魔人をたくさん生み出しながら、気付かずに、それと対決してゆくことなのだ。空から落下しながら、少女は気づいた――。
21世紀型作家による、五つの世界創造!!

『東京窓景』中野正貴著。
 この写真家の写真集では、『TOKYO NOBODY』とか『SHADOWS』とかを書店で手にとったことがある人は多いのでは。今回のは東京のちょっと不思議な風景をいろんな窓の中から撮ったもの。なかなか凄いイメージの写真があります。

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2004.11.03

■AV Watch「週刊Electric Zooma! ソニー HDR-FX1」

 小寺信良の週刊「Electric Zooma!」で、ソニーのハイビジョンハンディカム HDR-FX1の詳細がレポートされています。
 操作性から画質、動画のサンプルまで、突っ込んだ報告です。今後、心配されるフォーマットの互換性については、こんな記述。
 

 少なくともHDVという規格の可能性は、今回のFX1の発売を以てあるレベルの成果が出たということになる。編集ソリューションなどに課題は残るが、既に規格協賛メーカーは32社に登る。今後ハイエンドコンシューマのビデオカメラ周りは、HDVを中心に回っていくことになるだろう。

 なんにしても、もっと小型化されたら買うんだけれどなーー。

◆関連リンク
・当Blog関連記事 ソニー ハイビジョン・ハンディカム HDR-FX1登場
HDR-FX1(Amazonでカメラ本体が買えます)
ソニーHDR-FX1完全ガイドBOOK 玄光社Mook(Amazon)
世界初1081i 対応 SONY HDR-FX1 SYSTEM5 レビュー ショップのレポートですが、開発者のインタビューもあります。

・ビクターのハードディスクムービー“Everio(エブリオ)”「GZ-MC100/MC200」 プレスリリース ちょっと古い情報ですが、このmpeg2ハードディスクビデオカメラもなかなか良さそう。世界最小のハイビジョンビデオカメラ(プレスリリースに記述)でしょう。公式ページはここ

 DVDやテレビ放送と同じ秒間60枚、走査線数525本(インターレース方式)の滑らかな映像を、転送レート約9MbpsというDVD画質レベルでハードディスクに記録します。

・AV Watch記事 ビクター、1インチHDD/SDカード記録のMPEG-2カメラ
価格.comのGZ-MC200掲示板には、10万円切ったというコメントも。

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2004.11.02

■古川日出男 『gift』 (集英社刊)

 今年2冊めの古川本で嬉しい。150ページ、ほぼ新書版サイズの本に19編の掌編が収められている。作者初の短編集である。
 一編一編は約10ページ前後。ショートショートということではなく、各作品が幻想的だったりリアルだったり夢想だったりという幅のある「小説」そのもの、と言っていい言葉によって紡がれたひとつの世界になっている。
 僕が好きだったのは、学校の屋上のアクアリウムを舞台にした恋愛小説「夏が、空に、泳いで」とか、アビシニアンも登場する猫の物語「光の速度で祈っている」とか、バカバカしい楽屋落ち「アルパカ計画」(本当の物語はどうなったんだよ!)とか。
 先にも書いたように、とても幅のある傾向の作品だけれど、これは長編でも一編ごとに文体が変わる古川の多様さの証明とともに、小説の可能性への旺盛な開拓者精神の現れであるのだと思う。

 そして特筆したいのが、各作品の読後の透明感/疾走感。もう一度見直すと、最終の一行で飛翔していたり、愛がいきなり誕生したり、希望の言語が現出したりして、一種、勢いを持った終わり方をしている。ここに生み出された独特のエピソードと文体とともに、古川の小説の持つ魅力が結実している。

◆関連リンク
小説すばる 今月のお薦め本 by 豊崎由実
「ページをめくる指が止められなくなる、贅沢な掌篇小説集。」「小説が言葉で成り立っていること、文章の連なりが小説であること、その単純な事実の意味と重さをしっかり心に留めている真正作家の、これは、小説を愛するわたしたちへの贈り物なのである。」
gift(Amazon)

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2004.11.01

■映画「ハサミ男」:勝手に広報部

 作者の殊能将之氏による 映画「ハサミ男」:勝手に広報部 が開設されていました。

 東京国際映画祭2004・Kodakスペシャル「日本映画・ある視点」部門にて10/24(日)、10/29(金)に上映されたようです。知らんかった(どうせ行けないけど)。切符は5分で完売とか。

・ググって、感想を探しました。 31人32脚さんの感想とか。
妄想手帖さんに各種リンク

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