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2004.11.14

■飯田譲治監督 『ドラゴンヘッド』

原作 望月峯太郎、制作プロダクション ツインズジャパン
製作プロデューサー 平野隆、撮影 林淳一郎
VFXプロデューサー 浅野秀二、VFXディレクター 立石勝
視覚効果デザイン 樋口真嗣

 原作も読んでないし、映画もDVDで今頃観た。実はパニック映画で日本製ということで、ほとんど期待なしに観たのだけど、映像とストーリーがきっちりまとまってなかかな佳作。
 映画と原作を比較した映画評を読むと、原作ファンは随分物足りない(MOO-T_blog:さん)らしいのだけれど、原作を知らない僕はそれなりに満足。原作が長いことくらいは知っているのでストーリーがダイジェストなのは感じつつも、映画としてのまとまった結構となっていたと思う。

 ウズベキスタンで撮られたらしいけれど、崩壊後の世界がなかなかの迫真度を持って迫ってくる。樋口真嗣がストーリーボードを描いているらしいが、二度目の渋谷壊滅シーン(一度目は言わずと知れた傑作特撮『ガメラ3』)とか、渋谷駅地下の崩落シーンに見事に活躍している(きっとこれらが樋口真嗣の貢献だと思う)。
DragonH_SHIBUYA.jpg こういうシーンに痺れるわけです。今回、DVDでコマ送りしてみて、火山岩(?)が落ちてくるところで、街の映像をカメラをぶらせているのが良く分かった。ピントの合っていた画が1コマ分映像がずれて映っている。(以前からのテクニックかもしれないけれど、『スターウォーズepisode2』の戦闘シーンでCG画面にかなりこれを上手く導入して臨場感を出していたのが印象的。)

DragonH_SHIBUYA_man02.jpg

 渋谷駅地下の崩落シーン。
 男の上に瓦礫が落ちるシーンで、一瞬男に影がかぶってすぐ次のコマでは男の姿が消える。何シーンか同様の処理となっていたが、これはアニメから応用されたコマ運び。岩が当たる直接の画がなくても、映像で観るとなかなかドキッとさせられる。描かないことでコマとコマの間に想像の映像を生み出しているのだと思う。

DragonH_tokyo.jpg 崩壊した街。
 『日本沈没』の地震後のシーンを久しぶりに思い出した。しかし明らかにミニチュアとわかった東宝特撮に比べ、これの映像は迫真(このシーンって、もしかしてウズベキスタンの実景??CGだよね?)。
◆関連リンク
映画『ドラゴンヘッド』公式ページ プロダクションノートもなかなか充実。
Motion Picture World - ドラゴンヘッドVFXリポート

 ワークフローのほとんどがIMAGICAグループで行われたところが大きな特徴の1つ。VFX作業はリンクス・デジワークスが担当し、IMAGICAが撮影から合成、編集、HDレーザーキネコまでを全面的に技術サポートした。HD撮影では、パナビジョン・デジタル・イメージング・ジャパンのHDカメラシステムと、IMAGICA撮影グループが保有するHDW‐F900を併用したほか、合成素材とハイスピード撮影の一部には35ミリフィルムを用いた。

『ドラゴンヘッド』 映画DVD コミック(Amazon)

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