■チェコプラハ① ヤン・シュヴァンクマイエル他監督
『Kouzelny Cirkus (Wonderful Circus)』
at ラテルナマギカ
まずご紹介するは、僕のプラハ探索での期待の観劇 !
ゆらゆら大陸のununさんが紹介してくれた映像とパントマイムを組み合わせた演劇を観た。プラハの劇場 ラテルナマギカ Laterna magika の Kouzelny Cirkus (Wonderful Circus)である。(写真はラテルナマギカの夜景。右のプラスティックな感じの建物。)
劇場に飾ってあったスチルによると1975年が初演。かなり何度も演じられているようだ(HPには1977年からプラハだけでなく世界で5400回以上公演!?とある。1975,77年というのはシュヴァンクマイエルが当局の弾圧から映画を製作できなかった73-79年の間である。ということは後で述べるこの芝居の中の映像は、映画が撮れなかった時代に芝居用として作られたものということになる)。最近のスケジュールを見てもかなりの頻度でやられているので、プラハへ行く時は、観劇をお勧め。
冒頭はブラックライトシアターという趣き。バラが舞台の空間に浮遊するイメージで、なかなか鮮烈。期待できるスタートと思ったのだけれど、その後、展開されたのがかなり臭さめのパントマイム。映像との組合せで人物が舞台うしろの3面スクリーンと舞台を行ったりきたりして、面白いのは面白いのだけど、芝居があまりに素朴(特にサーカス団長の下手さ!)。そして休憩。
この後の15分、これが白眉!! あきらかにシュヴァンクマイエルの映像。そしてたぶん舞台の芝居の演出も彼。
まず映像でサーカスの女の顔をズバズバズバと仮面が下から顔にかぶさっていく。仮面はヤンの粗いタッチで木を削ったあの人形の顔。そして、いままで素朴な演技をしていた俳優たちの動きが止まる。今までの説明的な芝居が、抽象的レベルへ。(団長はシュヴァンクマイエル演出部分では登場しない)
バックの3面スクリーンにヤンらしい顔のアップを捉えた映像。舞台のスローなパントマイムとあわさってなかなかシュールリアリスティックな雰囲気が劇場に広がる。
そして団長が登場して舞台はいっきにまた前の状態に戻る。残念、もっとあの雰囲気に浸りたかったのに。
舞台はその後サーカス団の火事等で大団円。全体としてはそれほどの幻想味があるものではなかったが、あの15分だけで、この芝居は輝いていた。
( 監督 Evald Schorm, Jiri Srnec, Jan Svankmajer )
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コメント
ununさん、ただいまです。
現在、日本は深夜2時ですが、プラハ時間で夕方6時。時差ボケのおかげ(?)で、まだまだ大丈夫です<<おぃおぃ、明日も仕事だ!
そうなのです、団長がいない15分、ラテルナマギカは、シュヴァンクマイエルが支配するシュールリアリスティックな空間です。芝居全体100分があの雰囲気に包まれていたら、きっと今も僕はプラハに居座っていたでしょう<<おぃおぃ。
投稿: BP | 2004.12.17 01:54
お帰りなさいませー。
クリスマスツリー、綺麗ですね。
自分が行った時は、飾り付けが始った頃だったので、画像からクリスマスの雰囲気が味わえて嬉しいです。
あと、ラテルナマギカの感想、ドキドキしながら読ませて頂きました!
シュヴァンクマイエルの色がどのように演劇に反映されているのか気になっていたのですが、
団長が居ない15分の間、あの空間がシュヴァンクマイエルの演出によって包まれるのですね。
なんとも意味深ですね。(深読みしすぎかな??)
投稿: unun | 2004.12.17 01:26