■ヴェルナー・ヘルツォーク監督
『白いダイヤモンド ~南米ガイアナ・ジャングル飛行船の旅~』
Cinema.nl: Herzog in de ban van de jungle [recensie] The White Diamond van Werner Herzog(ドイツのサイト)
05.1/24 NHK BShi ハイビジョン特集・国際共同制作 ヴェルナー・ヘルツォーク監督『白いダイヤモンド ~南米ガイアナ・ジャングル飛行船の旅~』(5・1サラウンド放送)
RecPOT M(HVR-HD250M)のおかげでハイビジョンをちゃんと録画できる環境になった。んで、月曜日のゴールデンタイムのこんな番組もちゃんと観える様になったのはいいが、有限なハードディスクの容量から土日に消化する宿題を背負ってしまった。DVDですら観る時間なかったのに(^^;)。(仕事さえなきゃ、20:00-からの番組くらい本来は生で観えるはずなのにネ、、、)
ま、愚痴は置いといて、これからちょくちょく週末はハイビジョンによるBP世界紀行の旅を紹介するので、お付き合い(斜め読み)ください。世界紀行と名づけるのは、ハイビジョン+DLPプロジェクタ120inchでの臨場感は相当のものでミニミニではありますが、旅行体験に近いものがあるため。(余談ですが、東大舘暲教授のアール・キューブ構想のためのツールは日々進化して家庭へ潜入しているわけです(ひとつ前の記事を参照)。
(前置きが長くなったが)ヘルツォーク監督の『白いダイヤモンド』は、飛行船で空から南米を研究しようという研究者Graham Dorrington氏の活動のドキュメンタリーである。
内容はヘルツォーク自身のナレーションで進められ、ガイアナでの新しい飛行船の初飛行をとらえたもの。圧倒的な迫力の滝(というか瀑布)のシーンと緑の深いジャングルに浮かぶ白い飛行船のショットがとにかく美しい。しかしヘルツォークの関心はそれら風景よりも人間にあったようで、Dorringtonの過去の痛ましい体験のインタビューが中心になっている。以前の同じ飛行船での探索で同僚が目の前で落下して亡くなった体験が生々しく語られている。
映像的には前述の飛行船と滝に尽きる。もっといっぱいそれらの映像を見ていたい、という感じ。なかでも印象的だったのは現地の人の言葉。滝の裏側は誰も覗いて見たことがない。村では巨大な蛇が住んでいるとも伝えられている。それをカメラの映像がとらえたとしても、他の人に見せないでほしい。それが村の文化の中心を破壊することになるからと語る。
そしてヘルツォークは、滝の裏をとらえた映像があるはずなのに一切使用していない。これは映像とその認識によって世界が変容していくことへの配慮と、もうひとつは文化・民族的な背景から人に見える本当の滝の裏側の究極映像を、ヘルツォークとハイビジョンでもとらえられない、ということの敗北宣言なのかもしれない。
◆関連リンク
このドキュメンタリー、日本のサイトではほとんど情報が見当たりません。NHKの扱いも全然ヘルツォーク作品としてアピールしてるように見えません。で、情報はドイツのサイトがメインです。(いいのかNHK!!)
・The White Diamond | Filmstarts.de
・ヘルツォーク.com(ここは英語)
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